【デレマス×ガンブレ】シンデレラとガンプラのロンド   作:擬態人形P

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第16話 各事務所のアイドル達

「「シンデレラとガンプラのロンド」!夢みたいな企画ですよね♪美城専務から私の所属する961プロにも参加してみないかという依頼が来たので、私がパ………社長に無理やりお願いしたんです!」

「そうなのですか………。」

 

ゲームセンターの隅に置いてあるベンチの1つに座りながら藤原肇は詩花の話を聞いていた。

961プロというのは黒井崇男社長が統括する大手プロダクションだ。

彼はスカウトの才能はあるのだが、過去の経緯からなのか、765プロの高木順二朗社長に憎悪に近い感情を抱いており、固執しすぎているのが難点であると聞いた事がある。

それ故に765プロへの妨害工作に出やすく、それを嫌悪した所属アイドルに離反をされた事があるという話も肇は知っていた。

 

「今の961プロは所属アイドルが少ないと言われていますけれど、チームメンバーは集められているのですか?」

「そこなんです………。本当は765プロのアイドルの方と組みたいのですが、社長がそれを許してくれなくて………。それで、お姉さま………玲音さんと共に、別の事務所でそれぞれチームを組んでくれそうな人達を探してるんです。」

「大変ですね………。」

 

落ち込む詩花の姿に肇も考え込む。

専務はそうした961プロのアイドル達にもロンドを楽しんでもらえるように変則チームをアリにしているのだろう。とはいえ、社長の選り好みで制限が掛かってしまうのは問題ではあった。

 

「肇さんはもうチームを組んでいるんですか?」

「まだですよ。でも、私の機体はヅダFなので中々誘いにくくて………。」

「ヅダF!?カッコいいじゃないですか!そんなモビルスーツを操れるなんて………!凄いです!」

「そ、そう言われると………。」

 

手放しに誉める詩花の言葉に思わず肇は赤面する。確かに気に入ってはいるが、ここまで褒められたのは初めてかもしれない。

 

「いいなぁ………。私のガンプラと勝負してみたいなぁ………。」

「あ、じゃあ戦ってみます?私、ちょっと仕事でここのシミュレーターの調子を確かめに来ているので。」

「本当ですか!やります、やります!」

 

手を合わせて喜ぶ詩花は早速、肇をシミュレーターへと誘った。

そして、ゲームセンター内を歩いていくと、2対2で戦えるそれがあった。

このシミュレーターは4人でCPU戦を楽しむ事もできるように出来ており、近日池袋晶葉達によって量産されたシミュレーターが運び込まれ、4対4のバトルも楽しめるようになるらしい。

 

「こういう所は346プロの技術力の高さに感謝ですよね♪」

「私は機械に弱いので、専門外ですが………あら?」

 

肇達は気づく。先客がシミュレーターを起動しており、丁度終えていたのを。

中から地団駄を踏んだ茶髪の長い髪の少女が出てきて、反対側から出てきた苦笑いを浮かべる栗色の髪の少年に突っかかっている。

 

「あんな戦法アリ!?どう見たって反則でしょ、涼!」

「夢子ちゃんだけには言われたくないなぁ………。あ、ホラ、次のお客さんだよ。代わらないと。」

 

その姿を見て、詩花は思わず声を上げる。

 

「もしかして、876プロの桜井夢子さんと315プロの秋月涼さんですか!?」

「あら?貴女達は961プロと346プロの………。」

「こんにちは。2人共ガンプラバトルをしに来たんですか?」

「あ、はい。点検も兼ねて………。驚きましたね、別々のプロダクションのアイドルがこうして揃うなんて………。」

 

876プロは石川実社長が経営する比較的小さめなプロダクションだ。

しかし、所属アイドルは個性的で可能性に満ちており、美城専務や各事務所の社長を始めとした人々からはチェックされている。

桜井夢子は、元々は別のプロダクション所属であったが、過去に起こした妨害工作等の不祥事によって876プロに受け入れて貰った経緯がある。勿論、今はそういった工作は控えてはいるが、勝気な性格は続いていた。

一方、315プロは齋藤孝司社長が経営する男性アイドルが中心のプロダクション。

本人はパッションな人材を求めているらしく、過去に理由があってアイドルになった人物達が揃っている。

秋月涼は、876プロとの兼任をしている珍しいタイプの人材で、何と元々は女装アイドルとしてデビューしていた。それが色々あって男性アイドルとしてもデビューする事になり、315プロに所属している。

 

「それで、夢子さんと涼君はここでガンプラバトルをしていたんですね。」

「そうです!でも、涼ったらズルい手段ばかり使うんだから!」

「だから夢子ちゃんだけには言われたくないなぁ………。」

「まあ、2人は仲が良いのですね!」

 

詩花の言葉に一瞬だけ夢子が赤面したのを肇は見逃さなかった。どうやらこの2人の間には一方通行の甘酸っぱい感情があるらしい。

 

(涼君は朴念仁なのかもしれませんね………。)

 

少し心の中で嘆息した肇は何かを閃き3人に提案する。

 

「そうです!折角だから4人でガンプラバトルしてみませんか?」

『4人で?』

 

肇の言葉に対し、3人は同時に首を傾げた。

 

 

――――――――――

 

 

「こ、これは一体どういう事!?」

 

ゲームセンターのシミュレーターへと来た辻野あかりは、人が集まっているのを見る。

このシミュレーターはアイドルが使用している事もあって、たまにファンが集まる事もあるが、今日はいつもとは比較にならない位の膨大な人数が集っていた。

 

「あ!あかりちゃん。丁度良かったです!私達のバトルの実況をして貰えませんか!?」

「肇さん!?………って、ええッ!?」

 

シミュレーターの前で手を振る肇の傍に詩花・夢子・涼の姿を見たあかりはひっくり返りそうになる。

各事務所の知る人ぞ知るアイドル達が集っていたからだ。

 

「なして!?346と961と876と315の異種ガンプラバトルが!?」

 

正にファンはこの珍しい光景を見に来たのだった。

店側もこれは売上を伸ばすチャンスと言わんばかりに大型モニターに映像を映し出している。あかりが見てみると、今回はステージとして、宇宙の暗礁宙域が選ばれていた。

 

「肇さん、これ、やり過ぎですよ………。」

「すみません、稼働状況を確かめようとしたらこうなっちゃって………。」

 

サインを求める人達に応えつつ、何とかシミュレーターまで辿り着いたあかりは肇に言う。

肇はぺろっと舌を出して謝るとシミュレーター内へと入っていく。

 

「えっと、それでは始めますんで皆様、整列を願います。後、山形リンゴを宜しくお願いします。」

 

しょうがないと思ったあかりは、しっかりと地元アピールをしつつ実況を始める。

ファンからは大きな歓声が上がった。

 

 

――――――――――

 

 

「では、私と詩花さん。夢子さんと涼君のチーム対抗というわけで。」

『こちらは準備できました、肇さん♪』

『やるからには全力で勝ってみせるわ!』

『楽しむ事、忘れないでね、夢子ちゃん。』

 

肇はヅダFをセットしてイスに座り操縦桿を握り、ペダルを踏む。電子的なカタパルトが出てきて発進準備が整った。

今回は互いのガンプラを事前に公開したので、ある程度の戦法は予測できる中での戦いだ。頼りになるのは腕と機転になった。

 

「では………藤原肇、ヅダF!参ります!」

『詩花がνガンダム ダブル・フィン・ファンネル装備型で出ます!』

『桜井夢子!ザンスパインで勝ちに行くわよ!』

『秋月涼、ザクII改で男らしく行くよ!』

 

4人のそれぞれのガンプラがカタパルトから宇宙に飛び出した。

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