【デレマス×ガンブレ】シンデレラとガンプラのロンド 作:擬態人形P
「もー、ビックリしたよ。そりゃ、あかりちゃんに面白い事があったら教えてくれとは言ったけれど、まさか肇ちゃんが凄いチーム作るなんて思わないじゃん?」
「そうですね………でも、「豊穣の色」。楽しそうなチームです。」
346プロ近くのカラオケ店で、工藤忍は綾瀬穂乃香と語り合っていた。
彼女達だけじゃない。その場には栗色の前髪ぱっつんのボブの少女である喜多見柚と、黒いお団子ヘアの背の低い少女である桃井あずきもいる。
彼女達4人は「フリルドスクエア」というユニットを結成しており、今回は最近の活動内容の報告を兼ねたカラオケ大会を開催していた。
「柚ちゃんは何か面白い話ある?」
「そうだねぇ………。柚はまだティンと来たガンプラできたばかりだからこれからかなー。でも、早く忍チャンや穂乃香チャンのように楽しそうなチーム組みたいとは思ってるよ。あずきチャンは?」
「え?あずき?」
丁度、曲を歌い終わったあずきは話題を振られて考え込む。いつも「○○大作戦」という言葉を考えて使うのが特徴的な彼女であるので、何か悩んでいるのかもしれない。しかし、出てきた言葉は意外な物だった。
「あずきもガンプラは作ったけれど………中々受け入れて貰えなくて………。」
「ええッ!?それヒドくない!?ガンプラは自由なのに!」
「あずきちゃん、その話の詳細を教えて下さい。私達で分かち合いましょう!」
「そうそう、フリルドスクエアの絆を見せる時!」
「本当!じゃあ、「みんなで分かち合おう大作戦」発動!」
そう笑顔であずきは言うと、ポケットからお手製のガンプラを取り出す。
それは黒いモノアイのアンテナ付きのザクだった。だが、ザクの特徴であるスパイク付きのシールドは両肩にあり、背中に巨大な砲身らしき物が付いたバックパックを装備していた。
「………「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」の「ザクファントム」?」
「この装備は………「ガナーザクファントム」ですね。」
「でも、黒いって事は………「ディアッカ専用機」?」
「そう!!」
柚の言葉のディアッカって所であずきが思わず力拳を握る。
「あの「ディアッカ・エルスマン」が乗ってたとされる、「ディアッカ専用ガナーザクファントム」!漫画やゲームにしか登場していない幻の機体だよ!」
「ねえ………あずきちゃん、もしかしてディアッカ好きなの?」
「え?忍ちゃんまで否定するの!?日本舞踊が好きなんだよ!カッコいいじゃん!」
「た、確かにディアッカが好きという方は多いですが………。」
「好戦的だし、一言多いし、フラれマンだし、どこか抜けてるし………。」
「ガーーーーーン!!」
柚のディアッカ・エルスマンという人物の問題点を的確についた言葉にあずきが頭を抱えてうずくまる。どうやらあずきが分かち合おうと言いたかったのは、そのディアッカへの愛らしい。その事に気付いた穂乃香が慌ててフォローを入れる。
「で、でも仲間想いですし、ムードメーカーですし、いい所は沢山ありますよね!」
「穂乃香ちゃん優しい!ありがとう!」
コロコロと表情を変えるあずきに忍は苦笑い。
ディアッカの趣味の日本舞踏好きという設定は実はあまり表現される機会が無い。一部のゲームとかで明らかにされるくらいじゃないかと忍は認識している。とはいえ、それは言わないのが優しさだろう。
「とりあえず歌おっか。折角だし、ガンダムの歌でも。」
『さんせーい!』
こうしてフリルドスクエアの愉快なカラオケ大会は続いた。
――――――――――
「えー………ディアッカ・エルスマン?そこはキラ・ヤマトでお願いしますよー。」
「なんでッ!?どうして好きなガンダムキャラ言うのに制限掛かるの!?」
しかし、翌日あずきは、大規模なガンプラブームを兼ねた取材の仕事を受けた際に、好きなキャラを主人公の1人であるキラ・ヤマトに変更してくれと記者に言われてしまい、ご立腹する事になる。
(好きなキャラは好きなキャラでいいじゃん!)
結局その場は偶然通りかかった美城専務の助言でどうにかなったが、納得できない怒りを覚えたあずきは仕事帰りにうさ晴らしとして近くのゲームセンターに行く。
そこは、藤原肇達がチームを結成した所だった。
あずきは足早にシミュレーターに行き、ディアッカ専用ガナーザクファントムをセットすると対CPU戦のシミュレーションを始める。
舞台は海上都市にセットされ、海の向こうから沢山の各世界線の飛行モビルスーツが飛来して来た。
(これ、オーブ防衛戦が元だよね。)
ステージの特徴から自分のガンプラの世界線の戦いを参考にしているのだと感じたあずきは味方CPUと協力しながら迎撃していく。
ガナーザクファントムの最大の武器は背中に背負った「ガナーウィザード」に付属している「オルトロス高エネルギー長射程ビーム砲」だ。その強力なビームは敵を纏めて撃ち落としてくれる。
実際今回も、ジェットストライカーを装備したウィンダムや黄色の円盤のような形状の「アッシマー」といったモビルスーツを薙ぎ払っていった。
しかしそこに………。
『あの………私も参加して宜しいでしょうか?』
「あ、途中参加者?いいですよ。」
隣のシミュレーターを起動させたのか、少女の声が聞こえてきた。
対CPU戦は味方陣営に入る事に限り、割り込み参加ができるようになっている。今回、そのガンプラバトルに参加したい人が出てきたのだ。
あずきが了承し、コンソールを弄ると隣に別の機体がホログラムと共に出現する。
それは、赤い小柄なガンダムに似た機体であった。槍を装備した騎士のような風貌であるが左腕が異質な物になっている。鞭のような紐の先に丸いギザギザのような円盤が付いているのだ。あずきはそれが「スネークハンド」と呼ばれる武装だという事を理解した。
「「機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人」に出てくる「ギリ専用ビギナ・ギナII」!?………使ってる人初めて見ました!」
『な、何か、皆さんが私に似合いそうって勧めてくるので………練習するのに苦労しました。あ、あの敵達を撃ち落とせばいいのですね。』
「うん、そうですよ………って、待ってそれって!?」
ギリ専用ビギナ・ギナⅡの遠距離装備を思い出したあずきは思わず慌てる。少女は槍………「ショットランサー」の下部から5連装の「核弾頭ミサイル」をぶっ放す。それは空中で派手な爆発をもたらす。
「……………。」
『す、すみません………ウチ、空気読めなくて………。』
「い、いや、ガンプラバトルだから大丈夫ですけれど………。」
何か動揺しているのか素の口調が出ている少女を慌てて慰めるあずき。そこに………。
『何やら楽しそうですね………。参加しても宜しいでしょうか………?』
「あ、はいはい、どうぞ!」
今日は途中参加者が多いなと思いながら、あずきはコンソールで承認する。
すると、今度は空中に白い美しい翼をはやしたこれまた騎士のような機体が出てくる。
「「新機動戦記ガンダムW Endless Waltz 敗者たちの栄光」の「トールギスF(フリューゲル)」!?これも初めて見ました!?」
『皆様が選んで下さったのです………。行きますね………。』
若干抑揚のない声を響かせながら別の少女はトールギス特有の加速を見せ、空へと羽ばたく。
空では水色の足を降りたたんだ機体である「バリエント」が牽制の「ミサイル」を撃つが、トールギスFは華麗に回避し、「ビームサーベル」で斬り捨てる。
「カッコいい………あ、援護しないと!」
『は、はい………!近づく敵は任せて下さい!』
3人の少女達はその後も順調にガンプラバトルを楽しんだ。
――――――――――
「ふー、すっきりしたー!………ってアレ?」
あずきは見る。シミュレーターの前で北条加蓮が苦笑いを浮かべながら待機しているのを。手に愛機のガンダムデルタカイがある所を見ると、シミュレーターが終わるのを待っていたのだろう。
「加蓮さん、途中参加しても良かったのに………。」
「この3人が揃ってたから控えたほうがいいかなって思って。何てったって、みんな「呉服店繋がり」だもん………。」
「え?」
加蓮の言葉にあずきはシミュレーターから出てきた人物達を見る。
1人は薄い青い長髪が綺麗な少女。もう1人は青髪のボブのお人形のような少女。
あずきは彼女達を知っていた。
加蓮の言う通り、呉服店繋がりである765プロの白石紬と283プロの社野凛世。
ここに、3人の呉服店アイドルが集っていた。