【デレマス×ガンブレ】シンデレラとガンプラのロンド   作:擬態人形P

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第20話 呉服店の娘達

「それは………酷すぎる話です!」

「ですよね!幾ら雑誌の取材だからって、好きなキャラ強制する権利は無いです!」

「どのキャラを好きになるのも………自由ですから。」

 

桃井あずきは、シミュレーターで出会った同じ呉服店の少女である白石紬、社野凛世と今朝の取材の問題に付いて、ゲームセンター内のベンチに座って分かち合っていた。

ちなみに北条加蓮は今、そのシミュレーターでガンプラバトルの練習中をしており、折角出会った3人の邪魔をしないように配慮してくれている。

 

「紬さんと凛世さんと出会えて良かった!呉服の話題も分かち合えるし、好きなガンダムキャラについても分かち合えるし、もう最高です!」

「そ、そう言って貰えると私も嬉しいです。………正直、346プロのアイドルの事はまだよく分からなかったので、桃井さんのように優しい人がいるって分かっただけでも良かったですし。」

「あー、個性の塊ですからね。あずきも紬さんの所属する765プロは、今まで雲の上の存在だと思ってましたよ。」

 

白石紬の所属する765プロは、高木順二朗社長が統括する中堅プロダクションだ。

中堅なのにあずきが「雲の上」と評するのは現状52人ものアイドルを少数精鋭のスタッフで管理している事と、その基盤を作り上げた13人のアイドル達のレベルの高さに起因する。

765に所属している金沢出身の紬は流石に彼女達を雲の上とは思ってはいないが、尊敬する先輩だと感じているのは事実であった。

 

「社野さんの所属する283プロは、比較的新鋭のプロダクションでしたね。」

「「放課後クライマックスガールズ」ってユニット知ってますよ!歌も聞きました!」

「ありがとうございます。凛世は………事務所の仲間達と楽しく過ごしています。」

 

社野凛世の所属する283プロは、天井努が立ち上げた比較的新しいプロダクション。建物の規模は小さいが、将来性が期待できるアイドル達が現在進行形で所属していっている。

所属したアイドル達は同期とユニットを組む事になるのが大きな特徴で、鳥取出身の凛世は「放課後クライマックスガールズ」という5人ユニットに入っている。比較的年齢差が激しく個性もバラバラだが、不思議と仲は良好であった。

 

「先程も述べましたが………、このトールギスFは、放課後クライマックスガールズの5人で作り上げた物なのです。だから、凛世にとっては宝ですね。」

「私のギリ専用ビギナ・ギナIIも、765プロの先輩や同期の方々に制作を協力して貰いました。だから、大切にしています。」

「ユニットですか………。あずきもフリルドスクエアで活動してるから気持ちは分かります。でも、今回の「シンデレラとガンプラのロンド」では、既存のユニットはダメって346プロで言われているので、新しいメンバーを探してるんですよ。」

「では………組んでみます?」

「え?」

 

いきなり組んでみようかと言った紬に対し、あずきは思わずビックリした顔を向ける。それを見て、紬は思わず動揺してしまう。

 

「あ、いや、ウチ!呉服店仲間も面白いって………。」

「凛世は宜しいですよ?実は283プロもこの機会にユニット以外のメンバーで組んでみると良いというお達しが社長からありましたので………。」

「本当ですか?………ええっと、それなら桃井さん次第になりますが。」

「……………。」

 

その言葉にあずきは俯き拳を膝に置いて震わせる。マズい事を言ったかと紬は思わず身を引きそうになるが………。

 

「それ!ナイスアイディアですよ!紬さん!凛世さん!!」

 

あずきはいきなり立ち上がり腕を上げてガッツポーズ。店内をうろついていた客は何事かと思い驚いた目で見るが、それに構わずあずきは何度も拳を上げる。

 

「呉服店出身のアイドルによる事務所別チームが旋風を起こす!チーム名は「和装の美少女」ってのはどうかな!早速、各プロダクションの社長達に打診して………!」

「あずきー。喜んでる所に水差して悪いけれど、チームは4人じゃないとダメだよ?」

「ふぇッ?」

 

立ち上がっていたあずきが別の声に振り向いてみれば、シミュレーターを終えていた加蓮の姿が。丁度話が纏まったかなと思ったタイミングでやってきたのだ。

 

「そっか………後1人誰か集めてこないといけないんだ。どうしよう………。」

「こればかりは、私は助言できないね。3人で協力して決めないと。」

「確かに北条さんの言う通りですね。………あ、「薄荷 -ハッカ-」聞きました。素晴らしかったです。」

「チームメンバー集めどうしましょうか………。私も聞きました、「蛍火」もいいですよね。」

「ありがと♪まあ、気軽に頑張ってよ。大会はまだ企画段階で開催日も来まって無いんだしゆっくりと………。」

「いえ!善は急げとも言います!和装が似合いそうな子を探してきましょう!」

 

あずきはそう言うと紬と凛世と頷き合い、3人はゲームセンターを出て行った。

その様子に加蓮は少し呆然としながらも………最終的にはクスリと笑みを浮かべた。

 

 

――――――――――

 

 

「中々見つからないですね~………あずき達に協力してくれる女の子。」

「事務所が違うと私達自体が中々集まりにくいですし………。」

「あずきさん達はともかく、凛世は………若干勧誘が苦手なのも影響していますね。」

 

それから数日後、あずき達は同じ場所………346プロ近くのゲームセンターに集まって溜息を付いていた。

あずきと紬は同じ事務所のアイドル達との予定が合わずに機会に恵まれず、凛世は一歩引いて人と接する所がある為、勧誘行動が思ったより上手くいって無かった。

 

「………シミュレーターで練習しましょうか。腕を磨いてれば出会いがあるって穂乃香ちゃんから聞いたし。」

「そうですね。………あ、でも今対人戦が行われているみたいですよ?」

 

紬の言葉にあずき達はモニターに注目する。

そこには宇宙空間で戦う2つのモビルスーツの姿があった。1対1のバトルを行っているらしい。

片方は背中からオレンジの粒子を放つ灰色の機体で、背中に背負っている大きな槍が特徴的だった。

そして、もう片方は赤い三日月型のバックパックのような物を背負ったガンダム型のモビルスーツ。

 

「灰色の方は「擬似太陽炉」を背負ってる………。「機動戦士ガンダム00V」とかで登場した「アドヴァンスドジンクス」だ………。」

「ガンダムの方は「サイコプレート」を背負った「ムーンガンダム」ですね。「機動戦士ムーンガンダム」の主役機です。」

 

お互いの機体が遠距離武装をほとんど使いきったのか、持っていた射撃武器を捨てる。

先に動いたのはアドヴァンスドジンクス。接近戦の主兵装である「プロトGNランス」を持ち、先端部の「粒子ビーム砲」を放ちながら一気に突進していく。

それに対し、ムーンガンダムは背中を見せ、三日月型のサイコプレートでビームを防御。そのままバックパックに装備されている「ビーム・トマホーク」を取り出すと対艦用の「ビーム・ソード・トマホーク」にモードを切り替え、何と振り向きざまにそれをプロトGNランスに向けて投げつけ破壊する。

それでも鋭利なマニュピレーターである「GNクロー」でインファイトを諦めないアドヴァンスドジンクスであったが、ムーンガンダムのサイコプレートが動くと、巨大な実体剣に変わる。

アドヴァンスドジンクスは慌てて下がろうとしたが、ムーンガンダムはその隙を逃さず、リーチの長さから実体剣を擬似太陽炉に突き立て、派手に敵機を爆発させた。

 

「中々興味深いガンプラバトルでしたね………。」

「そうですね………。あずきもドキドキしました。」

 

「あー、やられちゃったよ!もうちょっとだったのになー!」

「ん?」

 

見知った声にあずきは開いたシミュレーターを見る。

そこには見知った顔………同じフリルドスクエア仲間の喜多見柚がいた。

 

「柚ちゃん!?アドヴァンスドジンクス使ってたの、柚ちゃんだったの!?」

「あ、あずきチャンこんにちは!どう、柚のジンクス!グサーッ!ってできそうでしょ!?」

「た、確かにプロトGNランスはグサーッ!ってできそうだけれど………。じゃあ、もう片方は………。」

「あ………あずきちゃん、こんにちは。もしかして、試合見てた?」

 

反対側のシミュレーターから出てきた人物はおでこを出した栗色のウェーブがかったセミロングくらいの髪の女の子だった。彼女は、あずきの後ろにいる紬や凛世に気付くと恥ずかしそうに挨拶をする。

 

「えっと………346プロ所属の関裕美です。宜しくお願いします。」

 

そう言うと少女………関裕美はぺこりと頭を下げた。

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