【デレマス×ガンブレ】シンデレラとガンプラのロンド   作:擬態人形P

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第21話 クロックワークメモリー

「裕美ちゃんがムーンガンダムを愛機に選ぶなんて驚いたよ………。」

「そ、そうかな………。「GIRLS BE NEXT STEP」のユニットのみんなで考えたんだ。私には「月」が似合うって。」

 

シミュレーターを終えてベンチの傍に集まった桃井あずき達5人は談笑をしていた。その中で話題に上がるのはやはり関裕美がムーンガンダムを操っていた事だった。

実はムーンガンダムは、背中のサイコプレートがビットのように機能するので、扱いが難しいとされているモビルスーツの1つである。それを操っているという事は、裕美はガンプラバトルをそれなりに練習しているという証明になった。

 

「柚も頑張ったんだけれどなぁ………。裕美チャンの方がまだまだ上手だね。」

「そんなことないよ、柚ちゃんも作ったガンプラ活かしていたし。」

 

アドヴァンスドジンクスで挑み敗北した喜多見柚がいつものようにテヘペロと舌を出す。

裕美と柚はとあるプロジェクトで一緒に曲を歌った事がある。それ以外にも、互いのユニットについて意見交換を行った事もあり、かなり仲が良かった。

 

「んで、あずきチャンと紬サンと凛世サンはチームメンバーを探してるんだよね?」

「はい。できれば着物等の和装の経験がある方を集っているのですが………。」

「中々集まらない物ですね。」

「じゃあ、裕美チャン勧誘しちゃったら?お祭りで着物着てるよ?」

『え?』

 

その言葉にあずき、白石紬、社野凛世の3人が裕美を見る。

思わず裕美は柚の頭を叩くと、3人を向いて慌てて手を振って弁明する。

 

「そ、そんな!私なんか実力も大して無いし、それに「美少女」じゃないし!?」

「えー、美少女じゃん。柚を負かしてるし、肇サンと櫂サンと一緒に着物のユニットもあるよねー。」

「もう!柚ちゃんは黙ってて!」

 

思わず柚を睨み付けてしまった裕美は、あずき達3人の真剣な視線を受けて考え込んでしまう。

どうやら「和装の美少女」というチーム名が恥ずかしいだけで、組むのがイヤというわけでは無いらしい。

 

「あの、関さん………私達としては入って貰えると非常に助かります。」

「で、でも………本当に美少女じゃないし………。」

「柚さんも言っていましたが、裕美さんは可愛らしいと思いますよ?」

「そりゃ、可愛く振る舞えるようには努力しているから………。」

「裕美ちゃんって手先も器用だよね。ガンプラバトルも得意そうだし、裕美ちゃんさえ良ければあずき達のチームに入って欲しい!」

「う、うーん………。」

 

ここまで真剣に懇願されてしまっては裕美としても新しくワンステップを踏み出すしかない。そう覚悟を決めた彼女は思い切って顔を上げて言う。

 

「分かった!ここで一歩踏み出せないと「ワンステップス」仲間のほたるちゃんや乃々ちゃんに失礼だもんね!入るよ、チーム「和装の美少女」に!」

『やった!』

 

決断を下した裕美の言葉にあずき達は喜ぶ。

そして、チームを組んだからには早速やってみたい事があった。

 

「………バトルしてみたくなりますよね、4対4の。」

「大会では、1人は控えに回って3対3で戦うのでは?」

「それは………あくまで構想段階の話ですから、ルールが変わる可能性もありますよ。」

「じゃあ、あずき達も4人同士の対戦に慣れておきたいですよね!」

 

4人対4人。しかし、やるならば相手チームがいないと盛り上がらない。誰か気軽にやってくれる人達はいないものか?

 

「穂乃香チャンや忍チャンのチームに頼んだら?」

「4人もいると揃う機会が限られるらしくて………あずき達も今日たまたま全員オフだから集まれてるんだよ?」

「じゃあ、今4人チームで行動している人達じゃないとダメだね。」

 

柚は軽く言うが、そんな都合よく集まっているメンバーはいるのだろうか?

しかし、そこで何かを思い出したように裕美が呟く。

 

「そう言えば今、346プロで泰葉ちゃんが………。」

『ん?』

 

あずき達4人の視線が一斉に集まるのを受けて、また裕美は慌てる事になった。

 

 

――――――――――

 

 

346プロの一室では写真撮影が行われていた。そこに集っているのは4人のアイドル達。彼女達はそれぞれ歯車を模したような衣装を着ており、スチームパンクをイメージしている事が分かった。

1人は青髪のボブで前髪がぱっつんの少女………岡崎泰葉。

1人は栗色のボブでアホ毛が印象的な女性………斉藤洋子。

1人は茶髪のロングで癖の強い髪の少女………神谷奈緒。

1人は黒髪のロングでツインテールの少女………中野有香。

4人はある公演でメインを張っており、その作品が爆発的な人気を出した事で有名だった。

 

「へー、4人はガンプラチームも組んでいるのですか。」

「はい、色々な方々がチームを作る中で、私達も負けていられないと思いまして。」

「いやー、楽しみですね。あの「蒸機公演」のメインメンバーがガンプラバトルをするのですから。頑張って下さいね。」

「ありがとうございます。」

 

代表して記者の質問に答えるのは一番前に立っていた主役である泰葉。終始にこやかに撮影が行われる中、カメラなどの設備が置いてある空間で美城専務と何故かガンプラを組み立てていた北条加蓮がいた。

 

「………北条加蓮、何で君がここにいる?」

「オフだからいいじゃないですか。それに、たまには敵情視察もアリでしょう?」

「それはそうだが、この場でガンプラの加工を行うのは止めたまえ。」

「みんなで買った新しいガンプラで、それぞれオフの時間に交代で組み立てているんですよ。時間は大切にしないと。ところで………。」

 

専務の忠告を流して加蓮は泰葉達を小指で指す。

 

「ユニットでのチーム作成はダメって専務自身が言ってませんでした?」

「正確には彼女達はユニットではなく公演の演者だ。………それに、私生活での彼女達での仲の良さを聞いていると例外も作ってみたくなった。」

「ふーん、昔に比べて丸くなりましたね、専務も。」

「………後は、彼女達が演じた「蒸機公演クロックワークメモリー」の人気からだ。色々考える事があるのだよ、上の立場というのは。」

「成程ねぇ………。」

 

専務や加蓮達が見守る中で、蒸機公演組の写真撮影が終わった。

 

 

――――――――――

 

 

『ありがとうございました!』

 

写真撮影が終わった後、346プロの一室で泰葉達は専務に礼をしていた。

そんな彼女達に専務………と何故かまだ一緒にいた加蓮は拍手を送りながら、4人を褒め称える。

 

「君達こそ御苦労だった。かなり順調に進んだから時間が少し余ったな。今日は早く休んでもいいぞ。」

「あ、専務。質問ですが、ガンプラバトルはできませんか?4対4の。」

「アタシも興味あります!………今日ずーっと加蓮のヤツが見ていたし。」

 

トライアドプリムス仲間の奈緒の何処か恨めしそうな言葉に、加蓮はにこにこと手を振りながら携帯端末を取り出して何かを入力する。

 

「私のチームはダメだよ。今日は3人が仕事やレッスンをしてるから。」

「じゃあ、ダメか。なら、みんなで美容の為にスパにでも………。」

「あ、でも洋子さん、戦える相手はいます。」

「本当ですか、加蓮ちゃん!?あ、もしかして、専務の傍にずっといたのって………。」

 

何かを察した有香の言葉に加蓮は携帯端末をしまいながら4人………チーム名「クロックワークメモリー」のメンバーに告げる。

 

「実は丁度チームを結成したあずきちゃん達から泰葉ちゃん達を捕まえておいてくれって頼まれてたんだよね♪みんな346のシミュレーター室で待ってるってさ!」

「ほう………。」

 

笑顔を崩さない加蓮の言葉に、横に立っていた専務が興味深そうに腕を組んでいた。

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