【デレマス×ガンブレ】シンデレラとガンプラのロンド   作:擬態人形P

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第27話 それぞれの秘めた想い

桐生つかさのDガンダムの主な遠距離武装は「バズーカ」だ。ビーム兵器も持ってはいるが、Iフィールドビームドライブを持っている藤居朋のゴールドスモーには意味が無かった。だから、効果のある武装で牽制してタイミングを計るしかない。しかし………。

 

「ッ!?おい、春菜!?」

 

ここで厄介な事が起きた。後方で援護射撃を行う上条春菜のジムIIIビームマスターが秋月律子のヴェルデバスターではなくゴールドスモーを狙いだしたのだ。その狙いは正確だが、そもそも通用しなければ牽制にはならない。むしろヴェルデバスターを自由にしてしまうので、前線を張るDガンダムの負担が増える。

 

(そう簡単にいけば苦労しないよな………!)

 

コンソールで律子のヴェルデバスターを狙うように指示を出しながら、つかさのDガンダムは朋のゴールドスモーに狙いを付ける。だが、上手く岩に隠れながらハンドビームガンを連射してくる朋機にはなかなかバズーカは当たってくれなかった。

 

(ならば、多少強引にでも………!)

 

右手で「ビームサーベル」を取り出すが、そこに何と、ビームが飛来し、サーベルが吹き飛ばされる。律子機が左肩の「94mm高エネルギービーム砲」を撃って来たのだ。

 

「狙撃もできるのか!?あの人は………ッ!?」

 

更に足元に複合バヨネット装備型ビームライフルが飛んできてバランスが崩れる。春菜機は依然、朋機を必死に狙っていたが効果が無いビームでは意味が無い。そのままゴールドスモーは「ヒートファン」を展開し、回転するようにDガンダムに炸裂させてくる。

 

「ヤバッ!?」

 

咄嗟に左腕のシールドで防御するが、搭載武器である「シールドライフル」ごと破壊されてしまう。

 

「一度引くぞ!とにかく地面や岩に向かって撃ちまくれ!」

 

バズーカの弾を全弾撃ち尽くし、目くらましの粉塵を巻き上がらせながら、つかさはDガンダムを後退させていった。

ゴールドスモー達は、深追いはしなかった。

 

 

――――――――――

 

 

「………美城専務の言っていた通り、やっぱりダメなのかな。」

『やっぱり悩んでいたんですね、律子さん。』

「あ、朋さん………。」

 

ヴェルデバスターに乗っていた律子はゴールドスモーの朋からの通信を聞いて、暗い顔をする。

 

『ネネちゃんから聞きました。専務から「試してほしい」って言われたんですよね?』

「そう………ですね。自分が「憧れ」になるって事は、そんなに経験無かったから、事態の深刻さを理解してなかったんです………。」

『あたしは何となく分かります。自分の天啓を与えたような人が目の前に現れれば、そりゃ狙いにくくもなりますよ。』

 

今回346プロを訪れた律子の目的は、実は別の所にあった。だが、今のままではそれは達成できそうに無い。どうすればいいのか、どうしたらいいのか。

 

「私、春菜さんに悪影響しか与えないのかも………。」

『その答えはこれから分かると思いますよ?』

「ものすごく軽く言いますね、朋さん………。」

『「仲間」ですから。信じてるのは同じでしょう、律子さん。』

「朋さん………。」

 

通信画面の向こうで笑顔を見せた朋の顔を見て律子は何とも言えない顔になる。そう楽観的になれるのは、このアイドルの長所だと思った。

 

『ごめんなさいね………気を使わせて。』

「じゃあ、1つだけお願いしてもいいですか?」

『え?』

「これでも同い年だから、ため口と呼び捨てでお願い、「律子」!」

『……………。』

 

ちゃっかり舌を出した朋を見てコラッ!と言うと律子は「いつものように」リラックスした顔を見せる。

 

「お客様に対して失礼よ、「朋」!このバトル終わったら説教だからね!」

『それは勘弁………。』

 

2人は少し笑い合っていた。

 

 

――――――――――

 

 

ステージの反対側の岩の影では、春菜のジムIIIビームマスターがしゃがみこんでいた。その傍の岩の影では、つかさのDガンダムが、状態を確認していた。

 

『……………。』

「ビームサーベル消失。バズーカ消失。シールド消失。」

『……………。』

「残るはこの右手………Gブラストナックルだけか。」

『……………。』

 

つかさは春菜に何も言わない。責める事も慰める事も。分かり切った事を言っても意味が無いからだ。その沈黙があったからか、春菜が口を開く。

 

『………分かっているんです。自分で自分が愚かだって事が。』

「……………。」

『でも、律子さんは私にとってレジェンドとかそういう以前の問題で、憧れで………あの人がいたから私のアイドル人生があるんです。』

「……………。」

『努力して努力して、ソロ曲である「春恋フレーム」を歌う事ができるようになったのも、あの人のお陰なんです。』

「……………。」

『だから、憧れのあの人の前ではしっかりしないといけないのに………、無様な姿しか見せられなくて………。』

「……………。」

『狙えないんですよ!憧れの人を撃つなんてできない!本当は一緒に戦いたかった!一緒に笑い合いたかったのに………!』

 

いっそ今の姿を笑って欲しいと言わんばかりに落ち込む春菜の姿を見て、つかさは息を吸い、落ち着かせるように少しだけ小さな声で語り始める。

 

「春菜………。正直に言うと、アタシも律子さんと組んでみたかったんだ。」

『え?』

「アタシが社長なの、知ってるだろ?そんなアタシにとって、アイドルとしてもプロデューサーとしても才覚があるあの人は憧れなんだよ。」

 

そう言うと、少しだけ照れ臭そうにつかさは笑う。

モビルスーツで頭をかこうとも思ったけれど、隙ができるので、それは止めておく。

 

『じゃあ、何で律子さんと………。』

「なあ、春菜。お前にとって「秋月律子」は「憧れ」で終わっていい存在か?」

『憧れ………。』

「アタシはな、そういう凄い人だからこそ、「超えてみたいんだ」。勝ってみたいんだよ、秋月律子に。」

『律子さんに………勝つ………?』

「笑っていいんだぜ?でも、もがかなければ始まらないだろ?」

『……………。』

「最後にもう1回言う。「負ける為のバトルは楽しくない」。だから、アタシは勝ちに行く!」

 

そう言うと、つかさのDガンダムは支援を頼むと告げながら飛び出す。

すぐさま律子のヴェルデバスターの砲撃が飛んでくるが、バーニアを最大まで吹かし一気に加速して右腕を引きGブラストナックルの構えを見せる。但し、狙いは敵機では無い。自機の前の地面を叩き、派手に岩石を前に………朋のゴールドスモーの方向に飛ばす。

 

(この隙に!)

 

すぐさま方向転換すると、律子のヴェルデバスターにもう一度Gブラストナックルを当てに行く。律子は両手の複合バヨネット装備型ビームライフルを撃ってくるが、左腕を前に出し、受け止める。腕は吹き飛んだが距離は詰められる。

 

「喰らえッ!!」

 

炸裂するナックルガード。だが………相手を砕くはずの一撃に、ヴェルデバスターはびくともしない。

 

「何………で?」

 

一瞬呆然としたつかさはすぐに自分の甘さに気付く。ヴェルデバスターは質量攻撃に強い「ヴァリアブルフェイズシフト装甲」を持っている。今のDガンダムの攻撃は最初から通用しなかったのだ。

 

(功を焦った………!)

 

すぐに距離を取ろうと後ろに飛ぶが、ヴェルデバスターの「220mm多目的ミサイル6連装ポッド」から放たれたミサイルがDガンダムを襲う。万事休すだった。が………。

 

『ッ!?』

 

そこに別方向からミサイルが飛来し、ぶつかり合う。更に、大型のビームがヴェルデバスターに飛来し、Dガンダムの後退の隙を作りだした。

 

「………春菜?」

『ごめんなさい、つかさちゃん。律子さん。朋さん。』

 

「ミサイルポッド」を放ち、「チェンジリングライフル」を構えたジムIIIビームマスターを操る春菜の通信が聞こえてくる。

 

『私、わざと負けようとしてました。そんなのみんなに対して失礼でしかないのに………負ける為に楽しんでるわけ無いのに。』

 

手持ちのチェンジリングライフルをサイドアーマーの「バスターバインダー」に連結させながら春菜は告げた。

 

『だから律子さん………貴女を倒して、貴女を超えます!!』

 

反撃の狼煙と言わんばかりに最大威力の「フュージョンビーム」を律子のヴェルデバスターへと放った。

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