【デレマス×ガンブレ】シンデレラとガンプラのロンド   作:擬態人形P

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第28話 超えるべき壁

上条春菜のジムIIIビームマスターの放つフュージョンビームと秋月律子のヴェルデバスターの放つビームキャノンが戦場を飛び交う。

両機ともセンサーが強化されている為、岩に隠れたくらいでは意味をなさなかった。完全な遠距離砲撃の撃ちあい。それが続く。

 

『春菜さん。酷い人ですね。私、嫌いになりますよ?』

「嫌いになって貰っても結構です!これ以上の無様な真似は、私の為に全力で戦ってくれてるつかさちゃん、応じてくれている朋さん、何より貴女に失礼ですから!」

『………いい声してるわね、「春菜」。私、貴女を誤解してた。謝るわ。』

 

ここで初めて律子がため口と呼び捨てになったが、春菜はそれに疑問を抱いている余裕は無かった。砲撃を躱しながら如何に自分の砲撃を当てに行くか、それを模索する。何よりも………。

 

「今更こんな事言うのはおこがましいけれど、つかささん。何か援護する方法があれば………。」

『気にするなって。………Dガンダムはまだここに立ってるんだからよ。』

「………分かりました。」

 

つかさの言わんとする事を悟った春菜は覚悟を決めた。

 

 

――――――――――

 

 

「さて、いい所見せないとな!」

『その状態でやる気を見せるつかさちゃんの自信はどこにあるの?』

「ん~?朋のマヌケさ?」

『言ったな~~~!』

 

ほぼ武装を失ったDガンダムを操る桐生つかさの挑発に、ならば敢えて応えてやろうと藤居朋のゴールドスモーは右腕の「Iフィールド・ジェネレーター」の出力を最大まで上げ、槍状にして突撃する「IFバンカー」を放ってくる。

DガンダムはもうGブラストナックルしか使えない。IFバンカーには効果が無いだろう。それでも………。

 

「やってみなければ分からないだろ!」

『後悔しても知らないよ!どすこーーーいッ!!』

 

ぶつかり合う拳と槍。GブラストナックルはIFバンカーの前に粉々に砕け、コックピットを貫かれる。

 

『うし!勝ったのは………!』

「引き分けだな。」

 

しかし、次の瞬間、大型ミサイルが飛来し、Dガンダムごと、ゴールドスモーを呑み込む。何とジムIIIビームマスターが砲戦を繰り広げつつ、脚部側面の「大型ミサイルランチャー」を撃ってきたのだ。しかも、IFR効果 (Iフィールドリストリクション)でホーミングはできないので、誘導無しで直撃させてきた事になる。

 

『そんなのあり~!?律子も撃ち落としてよ!』

『無茶言わないで!春菜の射撃、想像以上に正確なのよ!』

『本当、ごめんなさい!つかささん!』

「だから気にするなって。………気にするなら勝ってくるのがエチケットだろ?」

『………はい!』

 

通信が飛び交う中、春菜と律子の戦いがより激化する事になった。

 

 

――――――――――

 

 

いつまでも遠距離戦をしていては埒があかないと思った春菜は、ジムIIIビームマスターのチェンジリングライフルとバスターバインダーを分離。近距離対応のパルスビームを放つ「ビームバルカン」と低威力ながら拡散ビームを放つ「フラッシュビーム」でヴェルデバスターに迫る。それに対しヴェルデバスターは岩を影にして動きながら、両手で複合バヨネット装備型ビームライフルを撃ち、右肩の「350mmガンランチャー」で広範囲攻撃を仕掛ける。

互いに距離が迫る分、被弾率は上がって行き、両機のダメージは上がって行く。それでも怯まずに武器を撃ちまくり、装甲がボロボロになる程の戦いを繰り広げた。

 

『遠慮が無くなってきたわね………!それが貴女の本性?』

「ガンプラバトルは全力で楽しむ………みんなが改めて教えてくれたことです!」

『それは同感ね!だからこそ………!』

「ッ!?」

 

近くの岩に94mm高エネルギービーム砲が炸裂し、飛び散った破片が春菜機のチェンジリングライフルとバスターバインダーを破壊する。

 

『私は!』

 

律子機の複合バヨネット装備型ビームライフルのバヨネット………銃剣部分でのX字に斬りつける攻撃を、素早く春菜機は「ビームサーベル」を2本抜いて斬り払う。

 

『貴女と!』

 

律子機は下がると共に350mmガンランチャーを地面に炸裂させ即席の煙幕を作り出す。一瞬だが、見失う春菜。

 

『組みたいのよ!!』

 

直感で春菜はビームサーベルを投げた。

前でも無い。横でも無い。「上」に向かって。

………それは、飛び上がった律子のヴェルデバスターのコックピットを貫いていた。

 

『………どうして分かったの?』

「アークエンジェルとミネルバの最終決戦を思い出しました………。弾幕からのバレルロールによる奇襲攻撃を。」

『迂闊だったわね………おめでとう、春菜。貴女の勝ちよ。』

 

律子のヴェルデバスターが爆発する。

春菜のジムIIIビームマスターは只、呆然と立っていた。

 

 

――――――――――

 

 

「ええッ!?律子さん、346プロの見学が目的だったんじゃなくて、私とガンプラバトルのチームを組みに来たんですか!?」

 

バトルを終えた後で、春菜は律子から今回の訪問の目的を聞かされ、驚く。

彼女の前では、律子と案内役を務めていた栗原ネネが頭を下げていた。

 

「最初は私と同じ眼鏡アイドルがいるって事で興味を持ったのよ。それで美城専務にお願いしたんだけれど、反対されちゃって………。何でも春菜にとって私は憧れだから、チームを組んでも腰巾着になるのが目に見えていると思ったんだって。」

「専務曰く、ガンプラバトルでも律子さん相手では全力を出せない。ガンプラバトルは仲間と「対等」で無ければ楽しむ事はできない………って話でしたから。………黙ってて、本当にごめんなさい!」

「いや、謝らなくても大丈夫ですし、専務の言う通りだと思いますけれど………確かに律子さんと出会った時は、私、完全に「憧れ」としか見てなかったですよね。」

 

律子やネネの謝罪を聞きながら春菜は納得する。

4人でチームを組む際は、リーダーが必要になる。だが、そのリーダーを盲目的に信奉しているようではチーム全体のガンプラバトルの上達には繋がらないだろう。

だから、専務は春菜と律子のタッグに反対していた。だが、実際に春菜が律子に対して「対等」に意見を言えるような立場になれるならばその限りでは無い。

その答えを確かめるために、今回こっそりネネに見極め役をお願いしていたのだ。

 

「そ、それでネネちゃん………私、律子さんと組むのは………。」

「実際にガンプラバトルで律子さんを倒しているから専務も納得しますよ。………それに、もう4人チームができているみたいですし。」

「ん?何!?」

 

その嬉しそうなネネの言葉に反応したのは、朋と共に状況を見守っていたつかさ。

いつの間にか自分達もチームを組まされる事になっている事に驚きの声を上げる。

 

「待て!アタシ達はまだ………。」

「つかさちゃんにとっても律子さんは憧れですよね?意見も真正面から言えますし、問題ないのでは?」

「待て待て待て!おい、朋、お前は………!?」

「あたし、律子とはもう呼び捨てで呼び合う関係になってるしねー。今更かも。」

「……………。」

 

どうやら納得していないのはつかさだけであるらしい。

彼女は参ったように頭をかくと律子を見て言う。

 

「えっと………やるからには追い抜く為に、色々と勉強させて貰う。それでもいいか、律子さん。」

「構わないわよ、「つかさ」。私も勉強するわ。」

「じゃあ、決まりだ!やるからにはこの4人でてっぺん目指す!それでいいな!」

『勿論!』

 

つかさの言葉に律子・春菜・朋の3人は笑う。

こうして後日、「765PRO ALLSTARS」のメンバーが入った最初のチームができる事になる。

秋月律子が「対等」な仲間と考えて付けて考えたチーム名は………「憧れと好敵手」。

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