【デレマス×ガンブレ】シンデレラとガンプラのロンド 作:擬態人形P
「まさか、こういう形で講習を受けるとは………。」
『………というか、専務がここまで私達の弱点を把握してる事に驚きんご。』
『真っ先に志願したのは私だけれど………やりにくい。』
『気を付けないとあっという間にゲームオーバーですね………。』
765プロの秋月律子達がチームを結成してから数日後、美城専務の計画していたガンプラバトルの講習が始まる事になった。
その内容は至って簡単。シミュレーションに登録されている指定された機体に搭乗し、対CPU戦を繰り広げる事だ。
そして今、一番目に予約をした、工藤忍・辻野あかり・北条加蓮・栗原ネネのチーム「フォーティチュード・アップル」の4人が宇宙の月面基地のステージでその講習を受けている。
やはり皆興味があるらしく、他のチームで予定の空いている者も、モニターで覗く事を許可して貰っていた。
「専務………。何でアタシは「ジム・キャノン」なんですか?せめて、武装が充実した「ホワイト・ディンゴ所属機」にして下さいよ………。」
『今までのデータを振り返ってみたが、工藤忍………君はフルアーマー・ストライカー・カスタムの遠距離武装をあまり活かせていない。すぐ妖刀システムと増加装甲のパージで接近戦にゴリ押しする傾向が見られる。たまには遠距離攻撃のみで戦ってみせろ。』
「そう来るか………。」
地球連邦軍の量産機「ジム」の右肩にロケット砲を乗せたジム・キャノンを操りながら忍は嘆息する。専務がこうして通信でアドバイスをくれるが、その言葉は厳しい物だ。レッスンだと考えれば、それも納得できるが、最初の内は操縦の違和感が大きすぎた。
『専務質問です!私が「ジム・ストライカー」なのは!?』
『辻野あかりは、クロスボーン・ガンダムX1フルクロスの武装を活かしきれていない。ジム・ストライカーは主に4つの武装を備えているから、それを状況に応じて使いこなしてみせろ。』
『んごごごごご………。』
ジム・ストライカーは緑色のウェラブル・アーマーを付けたジムで、ストライカー・カスタムの原型機である。接近戦に強い装備をしているが、複数の武装を備えていた。
『私はそりゃ、プロト・フィン・ファンネルを使うデルタカイが愛機だけれどさ………まさか、「ブラウ・ブロ」でぷかぷか浮かびながら戦うとは思わなかったよ。』
『ぷかぷか言っている場合ではないぞ、北条加蓮。機体の制御をしながらサイコミュ兵器を扱えなければ隙ができるだけだ。それはデルタカイでも活かされる。』
『まあ、妥当ですよねぇ。』
ブラウ・ブロはUFOのように浮かんでいる白い小型戦艦のようなモビルアーマーだ。機体の上下左右に有線でビーム砲が繋がっており、それが武装となっていた。
『あの………私が「ヅダ」なのは………。』
「セカンドVを最大出力で動かして空中分解を起こす事があるからな、栗原ネネは。その機体でどの程度まで機体限界を引き出せばいいか慣れて貰う。」
『ですよね………。』
ヅダはジオンの高機動型モビルスーツ。土星エンジンによる加速力が魅力だが、限界まで加速させると、機体がバラバラになってしまう危険性を持っていた。
4人はそれぞれ自分の課題克服の為にモビルスーツを駆っている。
「とにかくこれで………ボス戦までは行ったかな!」
既に何発か外している「肩部240mmロケット砲」を何とか当てながら忍は最後のモビルスーツを片付ける。これで、円形の基地エリアへと導かれる事になった。
『何が出るかな~?………って。』
加蓮が少し驚く中でCPU操作の巨大モビルアーマーが出てくる。
上部はゴーグルアイの灰色のモビルスーツだが、足が6本ある半人半虫の機体が出てきた。
『んごごッ!?「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」のゲルズゲーです!』
『気を付けて下さい、「陽電子リフレクタービームシールド」でビームに対するバリアを張ってきます。』
『どーする、「リーダー」?』
リーダーと言われ、少しだけ忍は戸惑う。
本当はチームを結成した加蓮がリーダーをやるのがいいのでないかという意見を忍は出したが、加蓮は少し色々と思い返した後、忍を支える立場をやりたいと進言したのだ。それで、今は忍がリーダーという事でまとめ役をやっている。
「数の利はこちらにあるから、敢えて「陽電子リフレクタービームシールド」を使わせて側面と背面に隙を作ろう!アタシが正面から「ビーム・スプレーガン」を叩きこむよ!」
忍はそう言うと、ジムの小型のビーム兵器を連射する。思惑通り、ゲルズゲーはバリアを張り、隙ができる。
「後ろからやっちゃって、ネネちゃん!」
『分かりました!………って、ああ!?』
だが、ここで背面に回り込もうとしたネネのヅダが火を噴き爆発。ゲルズゲーの周りを旋回しようとした所で土星エンジンが壊れてしまったのだ。
『タイミング悪ッ!?………って、うわッ!?』
続いて、モビルアーマーの操縦に慣れていなかったからか、加蓮のブラウ・ブロに前足2本の「ビーム砲」が飛来してきて、直撃してしまう。
『ゴメン………もっとデルタカイでモビルアーマー形態の動き、練習しておくべきだった。』
あっという間に2体を減らされた事であかりのジム・ストライカーが少々戸惑う。
『えっと、バリアがあるから「ツイン・ビーム・スピア」を「ロッドモード」にして………。』
「あかりちゃん、足止めないで!」
『んごッ!?』
3体目。両腕部の「ビームライフル」で狙われたあかり機も直撃を受けて爆発してしまう。残った忍機は、ビーム・スプレーガンを撃ち続けながら、肩部240mmロケット砲を撃つ。
「当たれぇぇぇ!!」
しかし、ビーム・スプレーガンを撃ちながらだったとはいえ、巨大モビルアーマー相手に、明後日の方向に飛んでいったそれを見て呆然。
ゲルズゲーは前足の「クロー」を振り上げながら忍機に迫った。
――――――――――
「うわ~~~ッ!もう一度、もう一度やりたい!!」
「ダメだ。今日の講習はここまでだ。………各自、課題は分かっただろう。それを練習すればガンプラバトルも自ずと上達する。」
ゲルズゲーに全滅させられ、悔しがる忍達に対し、専務は冷静に言葉を発する。
確かに有意義な講習ではあったが、ここまで見事にやられっぱなしだともう一度やりたくなる忍達の気持ちも分からないでは無い。
「………とまあ、こんな感じで各自の講習を行っていく予定だ。参考にはなったか?」
『はい。』
その場に集まっていた各チームのオフの人達が感心しながら答える。
自分達が望んだ結果とはいえ、何か見せ物になった気がして、忍達は落ち込んでいた。
「練習で大切なのは、如何に自分のガンプラに経験を還元させるかだ。あまり落ち込むな。」
「そうですね………絶対もっとうまくなってみせます!」
専務なりの優しさを受け、忍達4人は頷き合った。
――――――――――
このままではいけない。専務の言う通り、もっと経験を積まなければならない。
そう感じた忍は帰りにゲームセンターに寄ろうと考えていた。
しかし、その店の入り口の前では、人だかりができていた。
(何だろう………?)
そう思って人ごみをかき分けた忍は、何かを見つめる依田芳乃の姿を発見する。
「芳乃ちゃん?」
「忍さんー。愉快な催しが行われているのでー。」
「愉快な?」
芳乃の視線の先を忍は見てみる。そこには、2人の男女が何故かバク転をしながらストリートを行き来していた。