【デレマス×ガンブレ】シンデレラとガンプラのロンド   作:擬態人形P

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第30話 アグレッシブな2人

「やるね!智香さん!流石、346のチアリーダー!」

「翔太君もナイスバク転!でも、こっちはまだまだ体力あるよー!」

 

工藤忍と依田芳乃が見つめる先でバク転合戦を繰り広げているのは、男のほうが薄緑の髪を持つ、若干小柄な人物。女のほうがオレンジの髪を腰まで下げた人物であった。

この内、忍達は女のほうをよく知っている。彼女は346プロでチアリーダーをやっている応援がモットーのアイドルである若林智香だ。今でこそシャツに長ズボンというラフな格好をしているが、場合によってはチアリーダーの恰好でスポーツの応援に行くほどのガチな応援好きである。

 

「智香さーん!何やってるんですかー!?」

「あ、ヤッホー!忍ちゃん、芳乃ちゃん!こんにちは!偶然、「Jupiter」の翔太君に会っちゃって。どっちがよりバク転できるか競争してたんだ!」

「ジュピターの翔太………御手洗翔太?」

「こんにちは、工藤忍さん、依田芳乃さん。いやー、つい盛り上がっちゃったよ。」

 

バク転合戦を終えた若林智香と御手洗翔太は忍達の所にやってくる。

「Jupiter(ジュピター)」というのは、元々961プロに所属していた3人ユニットだ。翔太はその中で14歳の国民的弟アイドルとして売り出されていた。しかし、765プロとアイドルとして戦った結果、黒井社長の工作や方針に嫌気がさし出奔。その後紆余屈折あって315プロで再デビューしたという経緯がある。

翔太自身の性格は賢く計算高く自信家というのが346プロで伝わっている情報である。立ち回りが上手く、自分の武器をしっかり理解しているのが特徴だった。

 

「苦労してるんだなぁ………。」

「忍さん?アイドル活動に同情は禁物だよ?」

「あ、ゴメン………。」

 

思わず出た独り言に対する翔太の反応に謝る忍。しかし、そこでふと疑問が生じたので聞いてみる。

 

「翔太君達は、ガンプラチーム作ってるの?」

「僕らはまだかなぁ。315プロもユニットの枠組みに拘らないでチームを組んでいいって言われたから3人自由に動いてるけれど、そう簡単には集まらなくて。でも、まだまだ時間はあるし、気軽にやってくつもり。」

「あ、じゃあ翔太君。アタシと試しにタッグ組んでみる?」

「智香さんと?………確かに機体同士の相性は良さそうだけれど。」

「相性?」

 

智香と翔太の言葉に考え込む忍。確かに機体同士の相性というのは時に相乗効果をもたらす。チームを組む前に北条加蓮のガンダムデルタカイと栗原ネネのセカンドVとバトルをした時は、攻守のチームプレイに苦戦した経験がある。そういう時の突破口として忍は妖刀システムに頼る傾向があったが………。

 

(妖刀システムばかりに頼らない戦い方も身に付けないといけないよね。)

 

朝の講習で聞いた専務の言葉を思い出しながら、忍はさっきから一歩引いた所で会話を眺めていた芳乃を見る。彼女は以前、ウイルスの影響もあったが、フェネクスとの相性が良すぎた為に暴走させてしまい、今は別の機体でガンプラの修練を積んでいる所だ。

 

「芳乃ちゃん、「あの機体」、今は持っている?」

「はいー。………もしや忍さんはがんぷらばとるを望んでいるのでー?」

「うん。アタシも「試してみたい機体」があるし、智香さんと翔太君が良ければ、即席タッグ同士でバトルしてみたいんだけれど………。」

「バトル?………そうだね、それも面白いかも!」

「僕も賛成!じゃあ、早速やろう!」

 

バトルに使用するお互いのガンプラを見せあいながら、4人はゲームセンターに入って行った。

 

 

――――――――――

 

 

「それじゃあ、早速始めよっか。ステージは「廃棄されたコロニー」で。」

『わたくしは準備できましたー。このがんぷらにも愛着が湧いてきたのでー。』

『応援が専門のアタシだけれど、今回は負けないよー!』

『それじゃあ、僕も宜しくね!楽しいバトルにしようよ!』

 

ゲームセンター内のシミュレーターに入ると、4人はガンプラバトルの準備をする。忍は今回、フルアーマー・ストライカー・カスタムを使わなかった。時間のある時にチームの4人で組み上げたガンプラを使う事にしたのだ。

今の所、「シンデレラとガンプラのロンド」では、サブ用のガンプラを使う事は禁止されていない。何故なら、ステージによっては動きが限定されるガンプラもある為だ。例を挙げれば、宇宙専用機は水中戦で使えないという感じである。

 

「さて、相手はどう来るかな………。」

 

そう考えながら忍は、赤いリンゴのような球体の、小柄なガンプラをセットする。ペダルを踏み操縦桿を握ると電子的なカタパルトへと周りの背景が変わった。

 

「工藤忍、りんごろう………じゃなくて!コレンカプル!行っきまーす!!」

『わたくし、依田芳乃がー、ふるあーまーがんだむ7号機で行きましてー。』

『若林智香!ライトニングストライクガンダムでレッツファイト!』

『御手洗翔太のガンダムフェニーチェリナーシタで、魅力を発揮するよ!』

 

各アイドル達が口上と共に機体を発進させていった。

 

 

――――――――――

 

 

廃棄コロニーは所々穴が開いている為か、比較的重力が軽く機動力をいつも以上に発揮できる場所だ。遮蔽物となるビル群がまばらにある他、所々窪地も存在しており、身を隠しながら戦うのにも向いていた。忍達は、その遮蔽物の1つに身を隠す。

 

「さて、芳乃ちゃん。改めて機体情報を整理しようか。」

 

忍が思わず「りんごろう」………と間違えそうになった赤い球体のモビルスーツは「∀ガンダム」に登場する「コレンカプル」だ。「コレン・ナンダー」の専用機であり、通常の「カプル」とは異なる武装を備えていた。特に右腕にはめた「ウォドム」と呼ばれるモビルアーマーの腕は「ロケットパンチ」として機能する切り札だ。

一方、芳乃の搭乗する「フルアーマーガンダム7号機」はゲーム作品「機動戦士ガンダム戦記」で登場するモビルスーツ。白・青・赤のトリコロールカラーは「ガンダム」らしさを見せているが、増加パーツにより砲撃能力が強化されていた。フルアーマー系としては背部に大型の「テールスタビライザー」を装備しており、加速力が改善されている。

 

「それで、智香さんの「ライトニングストライクガンダム」と翔太君の「ガンダムフェニーチェリナーシタ」は………。」

 

忍の記憶にある情報だと、ライトニングストライクガンダムは「機動戦士ガンダムSEED MSV」の機体。「ストライクガンダム」に「ライトニングストライカーパック」を装着した機体であったはずだ。

 

「智香さん、換装の1つに「エール」ストライカーがあるからこれを選んだって言ってたっけ………。でも、わざわざライトニングストライカーにしたのは………?」

 

一方で翔太の「ガンダムフェニーチェリナーシタ」はアニメ「ガンダムビルドファイターズ」で登場した「ガンダムフェニーチェ」の改修機。「リナーシタライフル」とも呼ばれる「バスターライフルカスタム」が特徴だったはずである。

 

「うーん………こういう時、知識量が少ないと状況把握がしにくいよね。」

『忍さんー、前に出ますかー?』

「下手に出るとフェニーチェのリナーシタライフルを受けるから相手が来るのを待ったほうがいい………。」

 

ピピピピピッ!

 

そこで、忍は狙撃が来るのを感じたので慌てて身を転がす。すると、今いた場所に、高速の実弾が飛来し、遮蔽物のビルを砕く。

 

「実弾!?………っていうか、何処から!?」

『忍さんー。窪地にー。』

 

更にアラートが鳴るのを見た忍は芳乃の案内を受け、溝のような窪地に機体を滑らせる。そこの縁に実弾が弾けるが、窪地は頑丈なのか、ビルのようには崩れなかった。

 

「実弾………って事はこの攻撃はフェニーチェじゃない?ライトニングストライクの攻撃?」

『れーだーで見当たりませぬよー。かなり遠くから一方的に「狙撃」してますねー。』

「つまり、ライトニングストライクは優れた実弾による超遠距離射撃とそれを可能にするセンサーがあるって事か。………アレ?って事は。」

 

もしもそのライトニングストライクの超遠距離用センサーによる補助を、フェニーチェが受けられたとしたら?

忍達が悪寒を感じるのとアラートが鳴るのは同時だった。

 

バシュゥウウウウウウン!!

 

「走って!」

 

超遠距離から今度は最大出力のリナーシタライフルのビームが飛来し、忍機と芳乃機がいた窪地を削っていく。見えない敵からの強力な射撃に忍達は恐怖した。

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