【デレマス×ガンブレ】シンデレラとガンプラのロンド   作:擬態人形P

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第33話 清掃屋

『答えろ!トビア・アロナクス!この戦いに………貴様等7人にどんな大義があった!!』

 

『……………。』

 

とある日の昼下がり、工藤忍のアパートの自室にて、辻野あかり・北条加蓮・栗原ネネのチーム「フォーティチュード・アップル」の4人はアニメ鑑賞会を行っていた。

最近アニメ化したばかりの「機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人」に登場するX1フルクロスの戦闘シーンをもっと研究したいと、そのガンプラを所持するあかりが言った為だ。

やがて、彼女達が何度も見返している通り、物語は激しい戦闘シーンからエンディングへと繋がって終わりを迎える。

 

「どうだった、あかりちゃん。改めて自分の機体のオリジナルのパイロットの動きを見て。」

「……………正直、挙動が滅茶苦茶過ぎて参考になりません。」

 

忍が皮をむいた山形リンゴを、のんびりと頬張りながら訪ねてくる加蓮に対し、あかりは渋い顔。

それもそのはず、正規パイロットである「トビア・アロナクス」の戦法はトリッキーというか普通に真似するのが困難な動きだったからだ。

 

「相手を引き寄せる「シザー・アンカー」を使って千切れた左腕ごと自機のムラマサ・ブラスターを振り回していますよね………。」

「あの反射神経はニュータイプとかいう以前の問題です………。」

「よく話題になる最後のラスボスとの攻防も、考えられてるよね………。」

「何かバトルの参考になるかと思って改めて見てみたけれどこれじゃあ………。」

 

あかりは肩を落としながら、自家製リンゴを口にする。

美城専務が前に講習で言った通り、自分はX1フルクロスの武器を活かしきれていない。というか、よくよく考えればピーコックスマッシャーとムラマサブラスターの2つにばかり頼っている気がする。

フルクロスはその2つが失われても十分他のモビルスーツ並に戦える武装が備えられているのだ。だが、多すぎて即座に選択できないのが今のあかりの弱点であった。

 

「どーするー?りんごろう………コレンカプル、しばらくあかりが使う?」

「地上戦とかだと忍さんのフルアーマー・ストライカー・カスタムのほうが、挙動が悪くなる時があるからそちらに任せるんご。」

「アタシは最悪フルアーマー外して「100mmマシンガン」持って出撃するという手段はあるよ?」

「でも私、X1フルクロスには何だかんだで愛着湧いてるし………。」

「………とりあえず、リンゴ食べちゃいませんか?」

「そうします………。」

 

ネネの言葉に悩んでいたあかりは故郷の味を食べる事にする。そこで忍のアパートのインターホンが鳴る。

 

「誰だろう?」

「気を付けてね。変な勧誘とか受けちゃダメだよー。ヤバいと思ったら「東京でも通用するし」パンチね。」

「アタシを何だと思ってるの!もう!」

 

加蓮の冗談交じりの言葉を受けながら忍が玄関へと向かうと………。

 

「うわわわわわわわ!?」

「ッ!?忍!?」

 

尻もちをついて下がってきた忍の姿を見て思わず身構える加蓮達。しかし、そこに出てきたのは、清掃用具を持ったサイドテールの少女。

 

「………って、響子じゃん。どうしたの?」

「皆さん、こんにちは!今日は忍さんの部屋をお掃除しに来ました!」

 

そう言って、ほうき等を構えるのは五十嵐響子。346プロのアイドルで、掃除を始め、料理や洗濯など家事が大得意な15歳である。こう見えて4人の弟と妹のお姉ちゃんであり、肝っ玉でもあった。その為か、遊園地の絶叫マシンですら楽しめるという特技を持っている。

とまあ、そう言った特徴があるわけで………。

 

「さあ、徹底的に掃除しますよ!」

「きょ、響子ちゃん!アタシは部屋をちゃんと掃除してるってば!」

「でも見えない所に塵は積もる物です!大丈夫、お代は取りませんから!」

「ちょ、ちょっと………みんな、助けてええええええええ!!」

 

こうなった響子を止めるのは不可能に近い。

そう思った忍以外の3人は苦笑しながら素直に手伝いを始めた。

 

 

――――――――――

 

 

「き、綺麗になってる………部屋が輝いている………凄い………!」

「これが掃除の力です!ニュータイプだって真似できません!」

 

1時間後、響子の非常に効率の良い清掃作業によって忍の部屋はピカピカになった。

まさか、ここまで綺麗になるとは思ってなかったらしく、忍自身は驚くばかりである。

 

「ありがとう、響子ちゃん!何か色々生まれ変わった気がする!」

「良かったです!………ところで質問なんですが、皆さんガンダムを見てたんですか?」

「あ、うん。あかりちゃんが自分のガンプラの研究をしたいって言ってたから………。」

「響子ちゃんは家族とアニメを見る事はあるんですか?」

「はい。………と言っても、あんまり怖いアニメは見せられませんけれどね。」

 

ネネの質問に色々と考える響子。これは年下の兄弟姉妹がいるからこその悩みと言えるだろう。例えば「Vガンダム」を一緒に見ようとすると大抵、途中で幼子が泣き出してしまうのは目に見えていた。

 

「そう言えば、響子も最近は沙紀の所によく行ってるって聞くけれど、ガンプラの塗装とかして貰ってるの?」

「そうですよ。それまではシミュレーターは登録されている機体で練習してたんですけれど、私もガンプラを持ってみたいって思ったんです。」

「見てもいい?」

「どうぞ!」

 

響子は加蓮達に自分のガンプラを見せる。

それは赤いモノアイの機体だ。どこかシャープな姿と同じくシャープでありながら若干大型である盾が特徴的に思えた。

 

「「リバウ」じゃん!「機動戦士ガンダム U.C.0094 アクロス・ザ・スカイ」とかで登場する!?」

「加蓮さん、知ってるんご?」

「「バウ」の改良機で、私のデルタカイのライバル機みたいな物!カッコいいの作ったね。」

「ありがとうございます!そう言って貰えると、「ピンクチェックスクール」のみんなに自慢できます!」

 

素直に喜ぶ響子の姿を見て同じ作品のモビルスーツを駆る加蓮はうんうんと納得する。

これで響子もまた自分のチームを作成しようと動き出すのだろう。どんなチームができるか、今から楽しみであった。

 

「じゃあ、失礼しますね!この後も予定ありますから!」

「程々にねー。」

 

あかりの実家の山形リンゴを分ける事も考えたが、荷物が重くなりそうだったので止めておく。響子は上機嫌のまま、また次の家へと向かって行った。

 

「まだまだ面白い機体はいっぱいあるんだなぁ………。」

「対戦が楽しみんご。」

 

忍やあかりはそんな事をのんびりと考えていた。

 

 

――――――――――

 

 

翌日、あかりは346プロでレッスンを終えるとシミュレーター室へと向かっていた。

前に美城専務に適材適所で武装をもっと扱えるようにならないといけないと言われ、その時からジム・ストライカー等の登録されている機体でのバトルも行っている。

今日もそう言った多様な武装の機体を扱い、X1フルクロスを活かすための糧にしようと考えていた。

 

(みんなの足は引っ張りたくないし………。)

 

しかし、シミュレーター室の前であかりは2人のアイドル達の顔を見る事になる。

1人は栗色の髪を後ろで束ねたスプーンを持った少女。もう1人は長い黒髪の大人っぽい姿の少女。

 

「………ですから保奈美ちゃん、手っ取り早くチームを集めるにはこの方法ですよ!」

「裕子ちゃん………貴女の方法は色々とマズい気がするんだけれど………。」

「裕子さんと保奈美さんじゃないですか。どうしたんですか?こんな所で。」

 

あかりの問いかけに2人が反応する。

堀裕子はサイキック………超能力が自慢のアイドルだ。実際にその力を持っているかは疑わしかったが、彼女の前向きな性格も有り、ファンやアイドルの仲間達からは好評である。

西川保奈美はオペラ鑑賞が好きなアイドル。大人っぽく見られがちだが内面は列記とした16歳であり、裕子と同年齢である。喜びで感情が高まると歌ってしまう所が可愛らしかった。

勿論、あかりにしてみれば、どちらも346プロの尊敬するべき先輩である。そんな2人がやろうとしていた事は………。

 

「あかりちゃんじゃないですか!あかりちゃんも協力してくれませんか!?」

「んご?………協力?何をやるんですか?」

「裕子ちゃん………ガンプラバトルのチームを集める為に、強硬手段に出る気なのよ。」

「強硬手段とは………。」

 

首を傾げるあかりに保奈美は冷静に告げた。

 

「「道場破り」。………アポ無しで他の事務所にガンプラバトルを申し込みに行くんですって。」

「だって、「サイキック番長」のお芝居で学びましたもん!バトルをする事でダチが増えるって!」

 

裕子の考えに、あかりは開いた口が塞がらなかった。

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