【デレマス×ガンブレ】シンデレラとガンプラのロンド   作:擬態人形P

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第34話 283プロへの訪問

「ごめんなさい、今西部長………。こんな事を頼む事になりまして………。」

「いや、構わないよ。むしろ自分の足でチームメンバーを集めに行くのは良い事だ。」

 

会社用のワンボックスカーの中で、助手席に座る西川保奈美は、車を運転する今西部長と呼ばれた初老の小柄な男性に頭を下げる。

結局、あの後、アポ無しで訪問していくのは346プロの立場的にマズいと辻野あかりが説得する形になり、事務員である千川ちひろに懇願して美城専務に許可を貰う形になった。

但し、何の事情も無しに訪問………というわけにもいかない為、こうして今西部長に付き添って見学に行くという名目になったのだ。………まあ、専務の事だから、堀裕子の性格上、先方に失礼があったらいけないと思っているのだろうが。

 

「あの~、私って、そんな信頼されてません?」

「アポ無し道場破り考えてる時点で察しなさい………。」

「えっと、そこまではいいのですが………。」

「オフだったとはいえ、何でアタシ達まで行く事になってるんですか!?」

 

そう言うのは説得者であるあかりと、チーム「クロックワークメモリー」の一員である神谷奈緒である。

 

「専務曰く、君達のチームは346プロ内部のメンバーで構成されているから、この機会に外の見学もしてみると良いと思ったそうだ。………興味は持たないかね?外のプロダクションの姿に。」

「そ、そう言われると………確かに泰葉達に土産話は必要だよな、あかり。」

「は、はい………。でも、正直ちょっと緊張します。」

「ハハハ、もっと肩の力を抜くといい。………何事も自然体が一番だ。」

 

こうして今西部長の元、4人のアイドル達はまず283プロへと向かう事になる。そこでの出会いを楽しみにしながら………。

 

 

――――――――――

 

 

「ここが………?」

「283プロ………。」

 

283プロの前に着いた4人のアイドル達は、唖然とした。

新鋭のアイドル達を次々と生みだしている事務所だと聞いていたが、実際にその建物は………失礼ながらハッキリ言うと、想像よりも遥かに小さい物だった。

3階立てのビルのような建物で、1階部分はペットショップ・クリーニング店・靴屋・書店が並んでいる。

 

「こらこら。外見で判断しちゃいかんよ?あの765プロも昔はもっと小さかったと聞くのだから。」

「そ、そうなんですか?それを大きくしたという765PRO ALLSTARSの13人の方々って一体………。」

「というか、そう考えると346プロが特別という事ですか………。」

 

あくまで表情を崩さない今西部長に連れられてアイドル達は2階の事務所入り口へと登って行く。

部長がノックをして開くと、若干緑がかった髪の事務員の方が案内で出てきた。

 

「お久しぶりです、今西部長。そして、初めまして、346プロのアイドルの皆さん。事務員のアルバイトをしている七草はづきです。宜しくお願いしますね。」

『よ、宜しくお願いします!』

 

はづきに連れられて事務所の中を見て回る一同。何でも彼女は非常にマルチな才能を持っており、283プロのボイストレーニングやダンスレッスン、果てはメイクやラジオ放送まで様々な役職を兼任しているらしい。

 

「はづきさん、社長の天井努殿は元気にしておられますかね?プロデューサー殿も。」

「はい。今は仕事で2人もアイドル達も大半が外に出ていますが、中にいる子達もいますよ?」

「あ、あの………その子達はガンプラバトルはやっているでしょうか?」

「あら?………ふふっ、やっぱりチームのスカウトに来たのですね。」

 

裕子の質問に笑顔で答えるはづき。恐らく放課後クライマックスガールズの1人である社野凛世が事務所を超えたチームを組んでいる事は283プロ内で知れ渡っているのだろう。

 

「その日以来、ガンプラを作ってみたいと言うアイドル達も出てきました。オフや休憩時間にシミュレーターを起動する子達もいます。」

「あの………少し失礼な質問になって申し訳ないのですが、シミュレーター室は何処に置いたのでしょうか?」

「倉庫で使っていた部屋があったのでそこに。………只、皆さんが考えている通り、この会社の規模だと2台置くのが限度で………1対1のバトルしか楽しめないのが難点ですね。」

 

保奈美の申し訳なさそうな問いにも笑顔で回答するはづきだったが、やはり4対4の本格的なバトルを体験させたいという想いはあるらしく、少し残念そうな顔も見せる。

そもそも池袋晶葉や八神マキノ、大石泉と言った機械やプログラムに強いアイドルがいる346プロが異常なのだ。

 

「すまないね………。この近くのゲームセンターに増設するという案もあったが、管理の問題とかがあるからね。」

「部長が謝る事ではありませんよ。2台しかなくてもアイドル達の息抜きになりますもの。只………やっぱり「シンデレラとガンプラのロンド」に興味を示している子達の事を考えると、何かこちらでも気軽に後押ししてあげたい所です。」

『……………。』

 

はづきは思わず沈黙してしまった一同をそれぞれ見る。

 

「裕子ちゃんに保奈美ちゃん、それに、奈緒ちゃんにあかりちゃんですね。………チームを集めているのなら、ちょっと協力して欲しい事があるんです。」

「協力………ですか?」

「はい。………ガンプラの扱いに悩んでいる子を………助けてほしいんです。」

 

はづきの真剣な言葉に、裕子達は思わず息を飲んだ。

 

 

――――――――――

 

 

283プロの元倉庫で2台のシミュレーターが起動していた。

ステージは宇宙が選ばれており、2機のモビルスーツが相対している。

1機はジム・キャノンであり、右肩の肩部240mmロケット砲を相手に向けていた。

そして、そのもう1機は白い大きなモノアイのモビルスーツ。何処となく、「機動戦士Ζガンダム」に出てくる「ジ・O」に似ていた。

 

『………ロックオンしたよ、小糸。やってみて。』

「うん、分かった、円香ちゃん。………いくよ、「オーヴェロン」………装甲パージ!」

 

コンソールを操作し、機体の「増加装甲」を外そうとするモビルスーツ。だが………。

 

ピーッ!ピーッ!ピーッ!!

 

「ッ!?」

 

異常音と共にエラーという文字がコンソールに浮かび、装甲がパージされない。

小糸と呼ばれた少女はもう1度同じ操作を行うが、エラーの表示ばかりが出て上手くいかない。

 

『………一度終了しよう。そろそろレッスン再開の時間だし。』

「うん………ごめんね、円香ちゃん。」

 

 

――――――――――

 

 

シミュレーターから若干赤みがかったボブの髪の少女が出てくる。

更に、反対側から黒髪のツインテールの小柄な少女が組み立てたガンプラを持って出てきた。

 

「………どうする?浅倉や雛菜の言うように使うガンプラを変えるのも手だけれど。」

「うん、それが一番なんだと思う………でも、わたしはわたしの力でこのガンプラの「殻」を破ってみたいんだ。」

「小糸………。」

「ありがとう、円香ちゃん。わたし、もうちょっとがんばって………ぴゃっ!?」

 

そこで小糸と呼ばれた少女の驚きを見て、円香と呼ばれた少女が警戒する。そこにははづきに連れられてきた堀裕子、西川保奈美、神谷奈緒………そして、辻野あかりの姿があった。

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