【デレマス×ガンブレ】シンデレラとガンプラのロンド 作:擬態人形P
『両方とも空戦用のガンプラだ。折角だからステージは地上にしよう。荒野をセットするぞ。』
池袋晶葉の言葉に綾瀬穂乃香は椅子に座り、操縦桿を握りながらペダルに足を掛ける。
周りの景色が電子的なカタパルトに変わり、綾瀬穂乃香のガンプラ………ジェットストライカーを装備したウィンダムが立つ。
『穂乃香………本気でその機体でやるのね?』
「はい。宜しくお願いします。」
インプルース・コルニグスを扱う羽田リサの通信に応える穂乃香。彼女達はしばし沈黙すると、ガンダム出撃時のお決まりの言葉を叫ぶ。
「綾瀬穂乃香、ウィンダム!発進お願いします!」
『羽田リサ!インプルース・コルニグスが行くわよ!』
そして発進する穂乃香は橙色の大地が映る荒野へと飛び立つ。元々お互いに空戦用の機体というだけあって、すぐに互いのレーダーに入った。
『さっそくだけれど、これで終わりにしてあげるわ。行きなさい、ファンネル!』
「フェザーファンネル………!」
インプルース・コルニグスは大気圏用の強化パーツ「インプルース」を装備しており、誘導兵器である「フェザーファンネル」を何と28基備えていた。これで敵を斬り裂き圧倒的な実力を示すのがこの機体の特性だ。
『ファンネル系は扱いが難しいけれど、これに関してはずっと練習してきたのよ!外してくれると思ったら大間違いなんだから!』
「!?」
そのリサの言葉通り、大量のファンネルがウィンダムを襲う。穂乃香は頭部と胸部の「トーデスシュレッケン」………いわゆるバルカンで撃ち落とそうとするが、その隙間を縫ってファンネル達が殺到する。その刃はウィンダムを捉え………。
バキンッ!
『え?』
リサはきょとんとした。フェザーファンネルが装甲に当たった途端、斬り裂く所か逆に折れたのだ。それも1基だけでない。次々と折れて落下していく。
『どうなってるの!?』
「ウィンダムには「ヴァリアブルフェイズシフト装甲」があります。物理的な攻撃をしばらくは防げます。」
『アニメではそんな描写無いわよ!?』
「そうなんですよね、何故か………。」
演出の犠牲になった結果なのか、残念ながらそんな描写はアニメには無い。だが、「設定」にはあるのだ。ガンプラのシミュレーターはそこをしっかり再現してくれていた。
『クッ………フェザーファンネルの弾数じゃフェイズシフトダウンは狙えない………。だったら!』
リサはインプルース・コルニグスの頭部から「頭部メガ粒子砲」を撃つ。強力なビーム砲。直撃すればウィンダム程度は落とせる。しかし………。
「防御します!」
『ええッ!?』
ウィンダムはシールド………「攻盾タイプE」でそのビームを弾く。普通ならば盾ごと貫通できるはずのビームを………だ。
「アニメでは表現されてませんでしたが、このシールド、「耐ビームコーティング処理」が施されてるんです。」
『聞いて無いわよ!ウィンダムにそんな設定あるなんて!』
またもやアニメの演出の都合に防がれたリサは地団駄を踏みたい想いだ。
普通に楽勝かと思われた量産機との戦いに対し、思わぬ苦戦を強いられてしまっていた。
「反撃します!」
それに対し、穂乃香が今度は「ビームライフル」を撃つ。
だが、その攻撃に対し、インプルース・コルニグスは両脚を屈曲させ鳥形へと変形し、楽々と躱す。そのまま高速でウィンダムの上を取ると再度変形し、ビームクローを叩きこむ。
「速い………!?」
『こちらの設定の解析不足があったけれど、基礎能力はコルニグスの方が高いわ!何てったって全身がスラスターだもの!』
辛うじてそのクローを躱したウィンダムであったが、インプルース・コルニグスは舞うように連続で両腕のビームクローを振ってくる。
美しく鳥のように舞う敵機に対し、穂乃香は防戦一方であった。
『さあ、どうするのかしら、穂乃香!?今度こそ私が貴女より上である事を証明してみせるわ!』
「凄まじい機動性………!これがリサちゃんのガンプラ………!」
『貴女のガンプラではここまで舞えないでしょう!?』
「確かに………でも、今までアイドルとして培った経験は、私に柔軟性という力をくれます!」
後ろに飛んだ穂乃香のウィンダムはインプルース・コルニグスを正面に据える。一瞬だが、そこで動きが止まった。
『チャンス!』
リサはここぞとばかりに携帯武器のビームアックスを取り出しウィンダムを狙う。
だが、インプルース・コルニグスの突進に合わせ、ウィンダムは………何と背後のジェットストライカーをパージして移出した。
『しまッ!?』
リサはそのままジェットストライカーを至近距離でビームアックスを使って斬り裂いてしまう。
ジェットストライカーにはまだ推進剤と「3連装ヴュルガー空対空ミサイル」が備えられていた。
派手な爆発が巻き起こり、視界が完全にふさがれる。
『ふ、ファンネ………!』
「遅いです!」
飛行ユニットをパージしたウィンダムはバーニアを最大まで吹かし、インプルース・コルニグスに対し、敢えて武器を取り出さず、高速の回し蹴りを喰らわす。
リサのインプルース・コルニグスは機動性に長けている分、装甲面に不安があった。蹴りをもろに受けた機体はバランスを崩し吹き飛ぶ。
『ま、まずい………!?』
「セイッ!!」
そして、無理な回し蹴りの衝撃で逆さまになりながらもウィンダムはアーマーからクナイのような「スティレット」を取り出し投げつける。これは、OVAでフリーダムガンダムのシールドを一撃で破壊するだけの威力があるだけの物。一直線にコックピットを捉えたそれは起爆し、インプルース・コルニグスを爆発に巻き込んだ。
『ま、また負けた………。』
「ごめんなさい、リサちゃん………。」
機体を制御し足から着地して華麗な舞を見せたウィンダムは、降り注ぐ敵機の破片を見上げていた。