【デレマス×ガンブレ】シンデレラとガンプラのロンド 作:擬態人形P
『うわぁ………。』
戦場に飛び出した8人のパイロット達は目の前の光景に思わず驚く。
ステージ背景には落下ポイントまで向かおうとするコロニーがあり、至る所で戦闘が繰り広げられている。
「ジム改」が「ドラッツェ」を「ハイパー・バズーカ」で射抜けば、「リック・ドムII」が「ゲルググM」を「ヒート・サーベル」で両断する。
「サラミス級」と「ムサイ級」が砲撃戦を繰り広げており、果てにはデンドロビウムとノイエ・ジールが熱い戦いを繰り広げていた。
正に彼女達の目の前で、機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORYの最終決戦………「星の屑作戦」が成就されようとしていた。
「グレードアップとは聞いたけれど、こんな事もできるんだね………。ビックリしちゃうよ。………みんなは大丈夫?」
『霧子です、大丈夫ですよ。でも、晶葉ちゃんの言っていた通り、モビルスーツや戦艦の流れ弾には気を付けましょうね………。ところで、バトル前に確認しましたけれど、穂乃香ちゃんが宇宙のステージであるからか、ウィンダムから「ル・シーニュ」って機体に変えてますね。』
『愛です!………確か、「機動戦士ガンダム エコール・デュ・シエル」って漫画の主人公機でしたね。大きな盾と持ったシャープな青と白の機体でした!』
『百合子です。換装能力を持っているらしくて、このバトルの前では大きなカッコいいビーム砲みたいな装備を右肩に付けてました。音葉さんのゲルググキャノンと合わせて遠距離狙撃に注意ですね。』
チーム「カラフル・フラワーズ」は、全員平常心である事を、リーダーである(という事に今はしている)フォーンファルシアを駆る相葉夕美が確認する。
機動力の関係か、幽谷霧子のブレイヴ、日高愛のゲルググ、七尾百合子のトールギスIIIが夕美機を囲うように前に出る形になる。夕美は5基備えられている「フォーンファルシアビット」を展開した。
「関係ない機体も多いからレーダーに惑わせられないでね。一応、自機は緑、味方は青、敵は赤、その他は黄色で表示されてるみたいだけれど………。」
『インプルース・コルニグスがフェザーファンネルを展開したらワケが分からないですからね………。』
相手の羽田リサのインプルース・コルニグスはフェザーファンネルを28基備えている。一度に何個まで展開できるか分からないが、まずはこれに対処しないといけないだろう。
そう言っている内に相手の姿が見えてきた。先頭に涼宮星花のアーマディロ装備のサンドロック、その後ろにインプルース・コルニグスだ。リサはまずはフェザーファンネルを6基飛ばしてきた。
「サンドロックのシールドフラッシュに気を付けて!フォーメーション行くよ!」
『了解です!援護お願いしまーす!日高愛!突撃ーーーッ!!』
大声と共に「ビーム・ナギナタ」をS字に展開し、回転させながらサンドロックに突っ込んでいく。その愛機に夕美はフォーンファルシアビットを追従させる。
『リサちゃん!ゲルググにフェザー………いえ、ブレイヴに!』
サンドロックを駆る涼宮星花が対象を変えるように指示したのは、愛機の横を「クルーズポジション」に変形した霧子のブレイヴが通過して行ったから。
ブレイヴはモビルスーツ形態の「スタンドポジション」とモビルアーマー形態のクルーズポジションを使い分ける事ができるので、抜群の機動力を発揮するのだ。
リサは一度ゲルググに狙いを定めたフェザーファンネルを後ろから追うようにブレイヴに追従させる。しかし、CPUのモビルスーツの群れや戦艦の合間を縫うように移動していくので、フェザーファンネルがコントロールしきれず後方迎撃用の「GNビームマシンガン」で撃ち落とされる。
『ゴメンなさい!星花さん!ブレイヴ追いかけます!』
『お願いします!』
腕と足を入れ替える独特な変形でスラスターの塊とかしたインプルース・コルニグスがブレイヴを追いかけていく。
星花のサンドロックはフォーンファルシアビットから放たれるビームを耐ビームコーティングマントで防ぎながら、後方に下がって愛機のビーム・ナギナタを回避していく。
『私を忘れないで下さいよ!』
そこに横合いから今度は百合子のトールギスIIIが右腕に備え付けられた「メガキャノン」を展開する。最大出力なら、「ツインバスターライフル」にも匹敵する強力兵器。
『撃ちます!』
『シールドフラッシュ!』
咄嗟にサンドロックはシールドから閃光を辺りに放つが、予め愛と百合子は片目を閉じていた。これにより光が放たれても、もう片方の目で目標をロックオンできる。
『風の戦士がまずは1体仕留めて………!』
だが、ここで思わぬ事態が発生する。
目を閉じたほう………死角からCPUのジム改が激突して来たのだ。これにより、メガキャノンの砲身がずれてしまう。
『しまッ!?』
「えぇッ!?」
不運にも向いた先はフォーンファルシア。巨大なビームが発射されてしまい、夕美機を呑み込む。
「た、耐えて………!」
「ドッズライフル」さえ無効化する「電磁装甲」と咄嗟に取り出した「フォーンファルシアバトン」から発生させたリボン状のビームによる「ビームバリア」でビームを凌ぐ夕美機。
幸いにも、撃墜は免れるが、大半の武装が使用できなくなり、ビットのコントロールも失ってしまう。
「あ、愛ちゃん、後退………!」
『この状態じゃ、できません!それにあのジム、「誰かが投げつけてきてます」!』
一瞬の隙を突かれ、ビーム・ナギナタの柄部分をクロスクラッシャーで破壊された愛のゲルググは「ロケット・バズーカ」をサンドロックに撃ちながら、サラミス級の上に隠れた敵機をサーチする。見れば、それは梅木音葉のゲルググキャノン。
彼女は近間のCPU機を「ビーム・ナギナタ」でコックピットだけを破壊して隠れ蓑にしていたのだ。
「偶然じゃなかったんだ!?百合子ちゃん、見失わない内に追いかけて!」
『すみません!分かりました!』
トールギスIIIが追いかけて行くのを見た夕美機は、動く部位を確認する。どうやら左右の掌の「ビーム・バルカン」と「ビーム・サーベル」しか機能しないらしい。それでも………。
「盾くらいには………ならないと!」
ロケット・バズーカを撃ちこみ続ける愛のゲルググの所へフォーンファルシアを前進させた。
――――――――――
『どうですか、音葉さん?』
「自滅してくれたのは運が良かったです。でも、トールギスIIIは私にとっては相手が悪いですね………。」
穂乃香と通信をしながら状況を確認する音葉。今はリック・ドムIIを盾にしているが、メガキャノンを撃ちこまれたら意味が無いだろう。だからこそ………。
「使える物は何でも使います。………ガンプラバトルですから。」
音葉はリック・ドムII を百合子に投げつける。百合子のトールギスIIIは「シールド」から「ビームサーベル」を取り出して斬り払い、隙だらけのゲルググキャノンに狙いを付ける。そこに………。
『狙い撃ちます!』
『ッ!?』
丁度、音葉のゲルググキャノンが乗っていたサラミスを反対側から貫く形で「メガ・ビーム・ランチャー」の閃光が………綾瀬穂乃香のル・シーニュの砲撃が百合子のトールギスIIIを呑み込み爆散させた。
――――――――――
「メガ・ビーム・ランチャー!?穂乃香さんの装備はそんな強力な物だったの!?」
『ごめんなさい、皆さん………風の戦士が真っ先に風になりました………。』
「お、落ち着いて百合子ちゃん!初陣はこんな物だよ!」
星花のサンドロックに対してビームサーベルを振るう夕美のフォーンファルシアは、愛のゲルググのロケット・ランチャーによる援護もあり、サンドロックの対ビームコーティングマントやシールドを何とか破壊していた。
ゲルググキャノンとル・シーニュが来る前に決着を付けないといけない。ビーム兵器の有利さを使い、ヒートショーテルまで破壊していく夕美機だったが、ここで何とサンドロックが組みついた。
『夕美さん!?』
「しまった!?愛ちゃん、離れて!」
『只では終わりませんわ!役割は果たします!』
星花のサンドロックが最後に使ったのは「自爆」。これで、フォーンファルシアを道連れに爆散する。
驚く手段を取った相手に一時呆然としたが、愛は首を振って気を入れ直す。ル・シーニュがこちらに向かってきてたのだ。
『霧子さん!そちらの状況は!?』
『フェザーファンネルは全部使わせたけれど決定打が………。』
『ゲルググキャノンも行きましたので気を付けて下さい!』
そう言うと、愛のゲルググは穂乃香のル・シーニュと対峙した。