【デレマス×ガンブレ】シンデレラとガンプラのロンド   作:擬態人形P

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第46話 豆タンクとはくちょう座

日高愛のゲルググは、綾瀬穂乃香のル・シーニュ相手に、作戦も無しに突撃するような真似はしなかった。

敵はメガ・ビーム・ランチャーを備えている上に、愛のゲルググに負けないくらいに高機動型の機体だ。「シールド」も備えてある以上、闇雲に戦っても無理だという事は分かった。

 

(だったら………。)

 

こういう時に大事な事は周りを見渡すという意識。

ステージの時間が経過している為か、辺りにはモビルスーツや戦艦の残骸が増えて来ていた。偶然にも自機の近くに壊れたジム改の「ビーム・サーベル」を発見した愛は、それを掴み、接近戦用の装備とする。

 

(ゲルググにビーム・サーベルは似合わないけれど………。)

 

右手にはビーム・サーベル。左手には「耐ビームコーティング」付きの「シールド」。これだけあれば、まだまだ戦う事ができる。

穂乃香のル・シーニュは「ビーム・サーベル」を「ツイン・ビーム・トラインデント」として迫ってきた。

 

「勝ちますよ!穂乃香さん!!」

『勝負です、愛ちゃん!』

 

乱戦が進む戦場で、2つのビーム刃がぶつかり合った。

 

 

――――――――――

 

 

(みんなが脱落していっている………。早く愛ちゃんの援護に向かわないと………。)

 

背後から追いかけてくる、羽田リサの操るインプルース・コルニグスの頭部メガ粒子砲を回避しながら、ブレイヴを駆る幽谷霧子は策を考える。

相手と機動力が同じ位なので下手にクルーズポジションを解除するのは得策では無かった。だが、フェザーファンネルはともかく、インプルース・コルニグスが何かに引っかかってくれるほどリサの操縦技術は甘く無かった。

 

(何か使えそうな物………あ。)

 

霧子は急旋回する。

同じようにリサ機が追いかけてくるのを確認した霧子はムサイ級を下から「GNビームライフル「ドレイクハウリング」」と2門の「GNキャノン」の混合兵器である「トライパニッシャー」で破壊し、煙の中から飛び出す。そこには………。

 

『なッ!?』

 

思わずリサから驚愕の通信が伝わってきた。正面にノイエ・ジールを追いかけるデンドロビウムの姿が迫っていたのだ。更に、霧子達の方向に「マイクロミサイルコンテナ」を射出してきた。それは108発もの小型ミサイルを周囲にばらまき、敵モビルスーツ集団を蹴散らすという、とんでもない武装であった。

 

『ま、待って!?それは流石に!?』

「「トランザム(TRANS-AM)」………。」

 

霧子はすかさずブレイヴの切り札のトランザムを使う。

一時的に3倍以上の性能に引き上げるその効果のお陰で、マイクロミサイルが撒き散らされる前にその包囲から逃げ出す事に成功する。

 

『そんなの………アリーーーッ!?』

 

リサの悲鳴と共に爆発の嵐に呑まれるインプルース・コルニグス。

これで愛の援護に迎えると思った霧子であったが、問題が発生する。

 

(は、速い………?)

 

トランザムを使ったはいいが、あまりの速さに機体をコントロールしきれずに、咄嗟にスタンドモードに切り替え、トランザムを途中解除する。

 

(た、助かっ………。)

 

だが、そこにビームが飛来し、霧子のブレイヴが爆発。

どうやら運悪く音葉のゲルググキャノンのビーム・キャノンの効果範囲に入ってしまったらしい。

 

「ごめんね、愛ちゃん………。わたし、ブレイヴさんをまだまだ使いこなせてないみたい。」

 

戦闘不能になった霧子は少し溜息を付いた。

 

 

――――――――――

 

 

『愛ちゃん、後は貴女1人です!』

「この機体は真紅の稲妻ですが、格言は赤い彗星!………まだです!まだ終わりませんよ!」

 

1人になった愛は高機動型であるゲルググの機動力を活かし、ツイン・ビーム・トラインデントの刃を屈むように避けると、ラグビーボール型のシールドを穂乃香のル・シーニュの顎の下からたたき上げて隙を作る。そして、ビーム・サーベルを薙ぎ払った。

 

『危ないッ!?』

 

ル・シーニュは咄嗟にシールドを犠牲にして爆発した煙の中からメガ・ビーム・ランチャーを撃つ………と見せかけ、ツイン・ビーム・トライデントを投げつける。

 

「わわッ!?」

 

それはゲルググのメインカメラを貫く事になり、愛にサブカメラに切り替える手間を増やしてしまう。

 

『トドメです!』

「ええい!」

『!?』

 

離れるのではなく、敢えて一直線に突撃する事でル・シーニュの「ビーム・ライフル」を回避する愛。サブカメラを起動させた彼女は何とかビーム・サーベルでル・シーニュのメガ・ビーム・ランチャーを破壊し、右腕を誘爆させる。

 

『やりますね!』

 

咄嗟にビーム・ライフルを左手に持ち変えたル・シーニュは下がりながら撃ち、愛のゲルググのシールドを弾き飛ばす。

しかし、突撃豆タンクの異名は伊達では無かった。愛はビーム・サーベルを腰に真っ直ぐに構えて一直線に突撃し、ル・シーニュのコックピットを一気に貫く。

同時に、背後から丁度、援護に駆け付けた音葉のゲルググキャノンのビーム・キャノンが愛機を撃ち抜いた。

 

「勝負に勝って試合に負けた………って言ったらカッコ悪いでしょうか?」

『この場合はカッコいいと思いますよ。見事でした。また勝負しましょう。』

 

ル・シーニュとゲルググは共に爆発した。

 

 

――――――――――

 

 

チーム「ガンプラバレエ組曲」が勝利を収めた事で、勝負は決した。

それを観戦していた北条加蓮を始めとした人物達からは拍手が起こった。

 

「お互いのチームの作戦も面白かったけれどさ、ステージ設定1つでここまでバトルに影響を及ぼすんだなって思わせられたね。」

「こういうタイプのステージにはまだギミックがあるのだが………まあ、またいずれ見る機会はあるかもしれないな。」

 

池袋晶葉が色々と考えていた所で、8基のシミュレーターが開き、それぞれのアイドルが出てくる。

やはり、乱戦は疲労感が溜まるのか、それぞれのアイドル達は汗を拭っていた。そんなアイドル達1人1人にタオルを渡しながら八神マキノは言う。

 

「今回のバトルのデータはまた参考にさせてもらうわ。………それにしても、一番驚かされたのは音葉さんね。上達が早くて驚いたわ。」

「そうでしょうか………?そう言って貰えると嬉しいですね。」

「え!?音葉さんって少し前まで初心者だったんですか!?」

 

驚かされたのは音葉の戦術にまんまとやられた百合子。

彼女が言うには、最初の頃の自分はその下手さ故にバトルを楽しむ事すら知らず拒絶していたとの事。

 

「でも、ネネさんや星花さん達のお陰で楽しむ喜びを知る事ができました。後は、私の楽しさに応じて身体が音楽のようについてきてくれたみたいなんです。」

「そうなんですか………。すごいなぁ………私も頑張ろう!」

 

拳を握る百合子を見て笑みを浮かべた加蓮は、携帯端末を弄り………えっ!?と叫ぶ。

 

「ど、どうしたの!?随分ビックリしてるみたいだけれど………。」

「今、ネネと連絡を取って、琴葉さん達が結成したチームの様子を確認して貰ったんだけれど………。」

 

ビックリしたような顔で夕美達に加蓮は言う。

 

「346プロのシミュレーターで次々と先に結成したチームを打ち破ってるんだって………。」

 

その言葉に一同は驚愕した。

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