【デレマス×ガンブレ】シンデレラとガンプラのロンド 作:擬態人形P
「また負けた………。どうして穂乃香には勝てないの………。あれじゃあ、ネオ機のウィンダムよりも強いじゃない………。」
シミュレーションを終えた羽田リサは、肩を落として出てくる。綾瀬穂乃香に勝つために戦いを挑んで来ただけに、そのショックは大きいようだ。そこに、美城専務が話しかける。
「試合中、綾瀬穂乃香が言っていたが、柔軟性が勝負を分けたな。とはいえ、インプルース・コルニグスの性能を最大限まで引き出そうと努力してきたその姿は褒め称えられる物だ。」
「でも、私は穂乃香にまた負けました………。勝ちたかったのに………。」
「ふむ、勝負を分けたのはその必要以上の勝ち負けへの意識かもな。」
「え?」
専務は不可解な顔をするリサと、遅れて出てきた穂乃香を見比べる。
「勝負である以上、勝ちたいと思う事が悪い事だとは思わない。だが、ガンプラバトルを「楽しむ」という姿勢を君はこの戦いで持っていたか?」
「それは………でも、私はずっと負け続けてたから………。」
「リサちゃん。私がバレエに限界を感じてアイドルになったのはそれが原因なんです。」
「穂乃香?」
専務の言わんとした事を理解した穂乃香は、リサの目を見据えて言う。
昔の穂乃果は確かにバレエで幾つもの賞を取って来た。だが、いつしか「楽しむ」事を忘れてしまい、表現力に限界を覚えてしまったのだ。
「私のプロデューサーや忍ちゃん達を始めとしたこの346プロの仲間のみんなと出会って学びました。何事も「楽しむ」事が大事なんだって。みんなと出会って私は表現する事の楽しさを思い出せたんです。だから、私はアイドルとして色んな事に挑戦したいと感じています。」
「穂乃香………。」
「ガンプラバトルもその一環。だから、全力で楽しむんです!」
「……………。」
リサは穂乃香の嬉しそうな笑顔を見て眩しさすら感じた。
思えばバレエで競っている時代の穂乃香にこんな表情は見られなかった。アイドルとしての経験が穂乃香を変えた。いや、「綾瀬穂乃香」という人間性を引き出したのだ。
「私は、根本から負けていたのね。素直にガンプラバトルを楽しんでいた貴女に挑んだところで勝てるわけ無いもの………。」
「リサちゃん………。」
「いきなり押しかけてごめんなさい。私、もっと自分を鍛え直してくるわ。」
「では、綾瀬穂乃香と組んでみたらどうだ?羽田リサ。」
「………え?」
突如投げかけられた専務の言葉にリサは思わず彼女に振り向く。他の346のアイドル達も見る中で、専務は淡々と告げる。
「君達のバトルと今の言葉を受けてティンと来た。羽田リサ、君は綾瀬穂乃香とタッグを組んで「シンデレラとガンプラのロンド」に向けたチーム作りを行うべきだ。」
「いや、待って下さい!美城専務!私、346プロのアイドルじゃないんですよ!?」
「素敵な考えです、専務!丁度パートナーを探してましたし、リサちゃんと組めると私も嬉しいです!」
「貴女も喜んでる場合じゃないでしょ、穂乃香!私にもプロデューサーはいるし、何よりも会社の社長が………!」
「イヤですか?」
「い、イヤじゃないけれど、事務所対抗になる以上………。」
思わず赤面するリサは困った顔になる。確かにリサは346プロのアイドルでない。事務所対抗のガンプラバトル大会にこんなチームを作っていいのだろうかと思うのは当然だった。それに対し、専務が答えを示す。
「君にその意志があるならば、君のプロデューサーと社長にそれを伝えればいいだけだ。勿論、私も口添えしよう。………実は、私としては事務所混合チームというのもアリだと思っているのだ。」
「そうお考えになる理由は………?」
「今の所、事務所によっては所属アイドルが少なくてチームが自由に組みにくく、このプロジェクトに参加できないという声を聞いている。だから、気軽にチームを組めるような采配を行い、出来る限り多くの事務所とアイドルを集いたかったのだ。」
専務の説明によれば、馬が合って上との了承を得られるのならば、男性アイドルを引き入れてもいいという考えすら持っているという。シンデレラだけでなく、白馬の王子様もロンドに参加していいという事だ。
「765プロ、961プロ、876プロ、315プロ、283プロ………ざっと数えられるだけでも346プロ以外にこれだけの事務所に有望なアイドル達がいる。どうせロンドを踊るならば、豪勢な物にしたいだろう?」
『……………。』
専務の描くスケールの大きさにリサだけでなく、穂乃香や忍達も言葉を失う。
一体、どれだけのアイドルが参加する事になるのか。想像すらつかなかった。
「その為の一歩として綾瀬穂乃香、羽田リサ。君達のタッグ結成を行いたい。………受け入れて貰えるか?」
「はい!………リサちゃんは?」
「え、えっと………お願いします!」
リサは専務に向かって頭を下げる。
後日、リサのプロデューサーや社長に承諾を頂き、正式に2人はタッグを結成する事になった。