生徒会長・雪ノ下雪乃 奉仕部部長代理・比企谷八幡 作:おたふみ
昼休み。
由比ヶ浜さんと生徒会室でお弁当を食べている。
お弁当を食べ終わり、俯いていた由比ヶ浜さんがぽつりと言葉を発した。
「ゆきのんは、姫菜こと知ってたの?」
やはり、昨日はその話だったのね。
「この前、初めて聞いたわ。貴方達を見ていて、違和感があったから海老名さんに聞いてみたのよ」
「そうなんだね。私、ヒッキーにヒドイこと言っちゃった。姫菜の気持ちを考えてなかったし…。人の気持ちを考えなきゃいけないのは、私だった…」
由比ヶ浜さんは今にも泣き出しそうだった。
「姫菜に『もう少し現状維持がいい』って言われて表面上は大丈夫なフリをしてるけど、次に何かあったら…」
たぶん、葉山君が告白の阻止を比企谷君に依頼するはず。それが露見すれば、あのグループは終わる。
「大丈夫よ、由比ヶ浜さん。グループが壊れても、三浦さんや海老名さんは友達なのでしょ?」
「うん。それにゆきのんも居るから」
「そうね」
由比ヶ浜さんに笑顔が少し戻ったわね。
「ねぇ、ゆきのん。ヒッキーは謝ったら許してくれるかな?」
「大丈夫よ、きっと。私も一緒に謝るわ」
そう言って、由比ヶ浜さんを抱きしめた。
「ゆきのん…」
「何かしら?」
「生徒会役員選挙の前にさ、ヒッキーと見つめあってたよね?」
え?
「もしかして、ヒッキーとゆきのんは…」
「ち、違うのよ、由比ヶ浜さん。あれは比企谷君が挑発めいた発言をしたから、睨んでいたのであって決して目と目で会話をしていたとか、そういう類いではないの」
そうよ、まだ比企谷君が私のことを好きと決まった訳ではないし…。
「ふ~ん。なんか、いい雰囲気だったよね」
そんなジト目で見ないで!
由比ヶ浜さんの追求を逃れ、放課後に奉仕部へ行くこととなった。
放課後、生徒会室で待ち合わせをしていたのだが…。
「由比ヶ浜さん、どうかしたの?」
「あのね、ヒッキーは隼人君とどっか行っちゃったんだ」
あの男はやっぱり…。
「由比ヶ浜さん、どこへ向かったかわかるかしら?」
「え?えっと、たぶん屋上かな?」
人気のない屋上となると、ますます怪しいわね。
「由比ヶ浜さん、三浦さんと海老名さんと一緒に屋上に来て!私は先に行ってるわ」
「え?ちょっと、ゆきのん!」
「それと、ごめんなさい。貴方達のグループ、たぶん壊れてしまうわ」
「え?」
「修学旅行の一件、葉山君が関わっているはずだから」
「えっ!」
「百聞は一見に如かずよ!」
由比ヶ浜さんを残し、屋上へ向かった。
由比ヶ浜さん、百聞は一見に如かずって、わかるかしら。