生徒会長・雪ノ下雪乃 奉仕部部長代理・比企谷八幡   作:おたふみ

11 / 41
11話

途中、本牧君に会ったので、生徒会は中止にしたい旨を伝えた。

屋上の入り口に着くと、もう話は始まっていた。

携帯の録音モードをONにする。

 

 

「頼む、比企谷」

 

「断る」

 

「そんなこと、言わないで頼む」

 

「嫌だね。俺には関係ないだろ」

 

「グループが無くなって、結衣が悲しんでもいいのか」

 

「くっ!…戸部に頼まれたのか?それとも海老名さんか?それとも、今回も二人からか?」

 

「いや、俺の独断だ」

 

「それで?また告白を阻止しろっていうのか?」

 

「…ああ」

 

「…ダメだ、やっぱり断る」

 

「何故だ!」

 

「俺は文化祭の相模の時や、修学旅行みたいなやり方しか思い浮かばない。そんなやり方で俺が傷つく姿を見て傷つく人がいる。それに、そんなやり方じゃアイツの隣には立てない」

 

「君にしか頼めなんだ!戸部の告白を止めてくれ」

 

もう我慢出来ないわ。

 

「随分と都合のいい依頼をするのね、葉山君」

 

「雪の…下さん」

 

「雪ノ下…」

 

「修学旅行の前は戸部君の告白を成功させてほしい。今度は告白の阻止?どういう心変わりかしら。説明してもらえる?」

 

「そ、それは…」

 

「それは?」

 

「…」

 

「黙りなのね。海老名さんから告白の阻止を頼まれて、戸部君からも告白が成功するように頼まれて、何も出来なくて奉仕部に丸投げした。違うかしら?」

 

「…」

 

葉山君は俯き、比企谷君は真剣な表情でこちらを見ていてる。

 

「沈黙は肯定よ。まあいいわ。そして、貴方は今のグループの維持を依頼した」

 

「…」

 

「まだ何も言わないのね。貴方は比企谷君の自身を省みない優しさにつけこんで、実現不可能な依頼をした。そして、奉仕部と生徒会に別れてからは、私にすり寄ってきた」

 

「違う!」

 

「何も違わないわ!意識的にしろ無意識にしろ、貴方は彼を貶めるようなことをしてるのよ!一度ならず二度までも!離れたところを見計らって私に近づくなんて、どういうつもりよ!」

 

「それは…」

 

「これ以上、私の大切な人を傷つけないで!!」

 

「う、うぅ…、俺は、俺は…」

 

「隼人…」

 

「隼人君」

 

「ゆきのん…。隼人君は…」

 

気がついたら、由比ヶ浜さん達が来ていた。

 

「隼人君、もう終わりにしよう」

 

「姫菜…」

 

「じゃあね」

 

海老名さんは、そう告げると校舎の中へ行った。

 

「ゆきのん。私…」

 

「えぇ、海老名さんについていてあげて」

 

由比ヶ浜さんも校舎へ駆けて行った。

 

「後半、俺は空気じゃねぇかよ」

 

「あら?居たの、比企谷君」

 

「あぁ、どっちかといえば、俺がメインのはずなんだかな。俺のステルスも大したもんだ。まあいい、俺も行くわ」

 

比企谷君の耳が赤い…。どうしたのかしら?

 

「葉山君、今の音声は録音してあるわ。姉さんに聞いてもらうから、後で呼び出しがあると思うわ」

 

「くそっ!…俺はどうすれば…」

 

その場に葉山君を残して去ろうとしたが、あと一人残っていた。

 

「三浦さん?」

 

「あーしは…」

 

何かを決意したような顔をした三浦さん。

 

「雪ノ下さん、行って。あーしは隼人と居る」

 

「三浦さん…」

 

「惚れた弱味っていうのかな。あーしも隼人に頼り過ぎてたと思う。もちろん、みんなも。だから隼人だけは責めれない。あーしは隼人と一緒に責めを受けるよ」

 

「そう…。じゃあ、頑張ってね三浦さん」

 

「うん、あんがと」

 

扉から校舎に入ろうとしたら…。

 

「雪ノ下さん、さっき格好良かったよ」

 

「ありがとう」

 

「雪ノ下さんも頑張ってね」

 

そう言ってウインクをした三浦さん。

今の貴方、最高に可愛いわよ。

 

姉さんに音声データを送って、お説教してもらわないとね。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。