生徒会長・雪ノ下雪乃 奉仕部部長代理・比企谷八幡 作:おたふみ
途中、本牧君に会ったので、生徒会は中止にしたい旨を伝えた。
屋上の入り口に着くと、もう話は始まっていた。
携帯の録音モードをONにする。
「頼む、比企谷」
「断る」
「そんなこと、言わないで頼む」
「嫌だね。俺には関係ないだろ」
「グループが無くなって、結衣が悲しんでもいいのか」
「くっ!…戸部に頼まれたのか?それとも海老名さんか?それとも、今回も二人からか?」
「いや、俺の独断だ」
「それで?また告白を阻止しろっていうのか?」
「…ああ」
「…ダメだ、やっぱり断る」
「何故だ!」
「俺は文化祭の相模の時や、修学旅行みたいなやり方しか思い浮かばない。そんなやり方で俺が傷つく姿を見て傷つく人がいる。それに、そんなやり方じゃアイツの隣には立てない」
「君にしか頼めなんだ!戸部の告白を止めてくれ」
もう我慢出来ないわ。
「随分と都合のいい依頼をするのね、葉山君」
「雪の…下さん」
「雪ノ下…」
「修学旅行の前は戸部君の告白を成功させてほしい。今度は告白の阻止?どういう心変わりかしら。説明してもらえる?」
「そ、それは…」
「それは?」
「…」
「黙りなのね。海老名さんから告白の阻止を頼まれて、戸部君からも告白が成功するように頼まれて、何も出来なくて奉仕部に丸投げした。違うかしら?」
「…」
葉山君は俯き、比企谷君は真剣な表情でこちらを見ていてる。
「沈黙は肯定よ。まあいいわ。そして、貴方は今のグループの維持を依頼した」
「…」
「まだ何も言わないのね。貴方は比企谷君の自身を省みない優しさにつけこんで、実現不可能な依頼をした。そして、奉仕部と生徒会に別れてからは、私にすり寄ってきた」
「違う!」
「何も違わないわ!意識的にしろ無意識にしろ、貴方は彼を貶めるようなことをしてるのよ!一度ならず二度までも!離れたところを見計らって私に近づくなんて、どういうつもりよ!」
「それは…」
「これ以上、私の大切な人を傷つけないで!!」
「う、うぅ…、俺は、俺は…」
「隼人…」
「隼人君」
「ゆきのん…。隼人君は…」
気がついたら、由比ヶ浜さん達が来ていた。
「隼人君、もう終わりにしよう」
「姫菜…」
「じゃあね」
海老名さんは、そう告げると校舎の中へ行った。
「ゆきのん。私…」
「えぇ、海老名さんについていてあげて」
由比ヶ浜さんも校舎へ駆けて行った。
「後半、俺は空気じゃねぇかよ」
「あら?居たの、比企谷君」
「あぁ、どっちかといえば、俺がメインのはずなんだかな。俺のステルスも大したもんだ。まあいい、俺も行くわ」
比企谷君の耳が赤い…。どうしたのかしら?
「葉山君、今の音声は録音してあるわ。姉さんに聞いてもらうから、後で呼び出しがあると思うわ」
「くそっ!…俺はどうすれば…」
その場に葉山君を残して去ろうとしたが、あと一人残っていた。
「三浦さん?」
「あーしは…」
何かを決意したような顔をした三浦さん。
「雪ノ下さん、行って。あーしは隼人と居る」
「三浦さん…」
「惚れた弱味っていうのかな。あーしも隼人に頼り過ぎてたと思う。もちろん、みんなも。だから隼人だけは責めれない。あーしは隼人と一緒に責めを受けるよ」
「そう…。じゃあ、頑張ってね三浦さん」
「うん、あんがと」
扉から校舎に入ろうとしたら…。
「雪ノ下さん、さっき格好良かったよ」
「ありがとう」
「雪ノ下さんも頑張ってね」
そう言ってウインクをした三浦さん。
今の貴方、最高に可愛いわよ。
姉さんに音声データを送って、お説教してもらわないとね。