生徒会長・雪ノ下雪乃 奉仕部部長代理・比企谷八幡 作:おたふみ
「藤沢さん、もういいわ。止めてちょうだい…」
海浜総合に行った時の内容確認の為に録音したボイスレコーダーを再生してもらったのだが…。
ヒドイ…。難しそうなビジネス用語を連呼しているが、中身がまるで無い。
「会長、とりあえず明日コミュニティセンターで顔合わせと簡単なミーティングがしたいそうです」
「はぁ、わかったわ…」
「ねぇねぇ、いろはちゃん。この人、何が言いたかったのかな?」
「結衣先輩、私に聞かないでください」
一色さんが辟易とした顔をしている。本牧君も藤沢さんもだ。
「明日のミーティングでも同じなら、対策を考えましょう。とりあえず、通常業務をしましょう」
私の号令で各々が作業に取りかかる。
「ねぇねぇゆきのん」
「どうしたの?由比ヶ浜さん」
「会計資料見て思ったんだけど、奉仕部って、部費は学校から出てないんだね」
「そうね。別段、お金を使う事柄や設備は必要ないから」
「それに、最低部員数に足りてないのに、よく廃部にならなかったね」
「それは、平塚先生の尽力のお陰よ」
「そうなんだ」
納得して由比ヶ浜さんは席に戻ったが、確かによく存続してたわね…。
部屋に帰ると、また姉さんが来た。
「ひゃっはろ~」
「いらっしゃい姉さん。お帰りは、あちらのドアよ」
「雪乃ちゃんが冷たい!ヒドイわ、雪乃ちゃん!ヨヨヨ」
「今はそれどころじゃないのよ。クリスマスのことで頭がいっぱいなの」
「どうやって、比企谷君と過ごすか?」
比企谷君とクリスマス…。一緒にディステニーランドへ行って、パレードを見て、その後はクリスマスディナー…。そして、そして…。
「雪乃ちゃん!」
「はっ!何かしら姉さん。とってもいいところだったのだけど」
「妄想してるところ悪いんだけど、比企谷君を誘うところからだよ」
「そ、そうよね。それよりも…」
「それよりも?どうかしたの?」
海浜総合との合同クリスマスイベントと海浜総合へ副会長達が行った時のボイスレコーダーの話をした。
「あはははっ!それは大変だ」
「姉さん、笑い方が下品よ」
「こんな時こそ、比企谷君を頼りなよ」
「で、でも、彼は生徒会ではないし、面倒事に彼を巻き込みたくないわ」
「でも、比企谷君はどう思ってるかなぁ。もしかしたら、雪乃ちゃんの力になりたいと思ってるかもよ」
「そ、そうかしら…」
「それに、一緒にイベントの準備してたら、クリスマスデートに誘うチャンスも増えるよ」
比企谷君とクリスマスデート…。比企谷君とクリスマスデート…。
「姉さん、比企谷君は何色の下着が好みだと思う?」
「ゆ、雪乃ちゃん、ぶっ飛び過ぎ!」
「ご、ごめんない。はしたないことを言ったわ。まずキスからよね」
「ゆ、雪乃ちゃん、まずは恋人同士になってからだよ」
「そ、そうよね…。何を言ってるのかしら…」
寝る前に『ハチマン』を抱きしめながら妄想していたから、変なことを言ってしまったわ。
「雪乃ちゃん、比企谷君のことを好き過ぎだよ」
「ううう…」
「雪乃ちゃんの想いは伝わるはずだから、雪乃ちゃんは心の思うままにね」
「そ、そうね」
それで、何回か上手くいってるもの。
「とりあえず、比企谷君を生徒会に引き込む算段をするわ」
「雪乃ちゃん、いい顔だよ」
比企谷君、覚悟しなさい。