生徒会長・雪ノ下雪乃 奉仕部部長代理・比企谷八幡 作:おたふみ
比企谷君をクリスマスデートに誘うのは、イベントの目処がたってからね。
生徒会のメンバーでコミュニティセンターに向かう。
「校門で待っていて。生徒会室の鍵を返してくるわ」
「ゆきのん、待ってるね」
鍵を職員室に返し下駄箱に来ると比企谷君が居た。
「あら?今日の部活はサボりなのかしら?」
「おう、雪ノ下か。小町に買い物頼まれてな」
「そう」
「雪ノ下はどこか行くのか?生徒会の連中がぞろぞろ出てったけど」
「海浜総合と合同クリスマスイベントの打ち合わせよ」
「ほ~ん、大変だな」
相変わらず、興味が無さそうな返事。
「じゃあ、俺は…」
「待って!」
思わず呼び止めてしまった。
「ん?どうした?」
たぶん、私の思う通りには行かないと思う。恐らく、難航すると思う…。不安だ。
「ひ、比企谷君、手をだしてもらえるかしら?」
「手?ああ」
差し出された手を握る。
「お、おい、雪ノ下…」
握った手から、比企谷君の暖かさを感じる。
よしっ!
「じゃあ、行ってくるわ」
手を離し外を向く。
「雪ノ下」
「何かしら?」
「その、なんだ…。キツかったら、頼れよ」
『誰』とは言わなかったけど、そういうことよね…。
「えぇ、そうするわ」
校門で生徒会のメンバーと合流し、コミュニティセンターへ向かう。比企谷君に力をもらったから、やれるはず!
「ゆきのん、どうしたの?急にガッツポーズして」
「え?」
や、やってしまったわ…。
「な、なんでもないわ。ちょっと気合いをいれたのよ」
「じゃあ、私もがんばらないと」
由比ヶ浜さんも力を込めるポーズをした。
…、何かが盛大に揺れた気がするけど、気のせいよ。
「初めまして、海浜総合の生徒会長の玉縄です」
「初めまして、総武高の生徒会長、雪ノ下です」
「お互いにフレッシュな生徒会だから、コミュニケーションを取ってリスペクトしあえる関係を作っていこうか」
「は、はぁ」
先制パンチをくらってしまったわ。
会議は始まったのだが、ヒドイの一言に尽きる。覚えたてのビジネス用語を羅列するだけで、議論が前進する気配がない。こちらが少し意見すると、すぐに『ブレインストーミング』と言い出す。
合いの手のようにね『それある~』とか言ってる女子が居るのだが、何故か見ていてイライラするわね。
こんなのは会議じゃない。…もう我慢の限界。
言葉を発しようとした時、由比ヶ浜さんが手を握ってきた。
「ゆきのん、ダメだよ。我慢して」
私を諭すような声色…。
「ありがとう、由比ヶ浜さん」
静かに挙手をし発言する。
「玉縄会長。今日はここまでにして、次の会議までに各校で案を考えましょう」
なんとか、会議モドキを打ち切り、解散となる。
解散後、サイゼリアで休んでいくことになったのだが、みんなグッタリしている。
「わからない言葉だらけだったよぅ」
「結衣先輩、私もです」
「藤沢、大丈夫か?」
「大丈夫です、副会長」
なんとか、打開策を考えないといけないわね。
…比企谷君なら、どうするのかしら?
「…ヒッキーなら、どうするかな?」
「先輩なら、とんでもない方法を持ち出しそうですね」
比企谷君…。今回だけ手伝ってもらっても、イベントが終わったら離れ離れ…。
「ヒッキー、今からでも生徒会に入ってくれないかなぁ」
「私の仕事を押し…手伝ってもらわないと」
一色さん、本音が駄々漏れよ。でも、生徒会に入ってくれたら…。
「私も会計資料大変だよ」
会計資料…、奉仕部…。
「そうだわ」
「ゆきのん、どうかしたの?」
「いえ、なんでもないわ」
「雪ノ下先輩が悪い笑い方してる」
「なんか、ヒッキーっぽい…」