生徒会長・雪ノ下雪乃 奉仕部部長代理・比企谷八幡 作:おたふみ
コミュニティセンターに向かう前、比企谷君がみんなを呼び止めた。
「昨日は、新参の俺が偉そうなことを言って、すまなかった」
深々と頭を下げた。頭を下げたまま続ける。
「ああ言ったが、海浜が本当にダメな奴らだったら仕方ないが、協力して出来ればそれにこしたことはない。俺に…、いや、俺を参加させてくれた雪ノ下に、力を貸してくれないか」
比企谷君…。
「何言ってるの、ヒッキー」
「そうですよ、先輩」
「由比ヶ浜…。一色…。」
「そうだぞ、比企谷。俺は比企谷のやり方を聞いてスカッとしたぞ」
「私もです、比企谷先輩」
「本牧…。藤沢…」
「そういうことよ、比企谷君」
「雪ノ下…」
「貴方も生徒会の一員なのよ。遠慮はいらないわ」
顔を上げた比企谷君はとても嬉しそうな顔をしていた。
「ゆきのん、顔が緩んでるよ…」
えっ?
「最近、雪ノ下先輩緩んだ顔しますよね」
えっ?
「会長、時々ありますよ」
えっ?
「雪ノ下会長も相貌を崩すことがあるんですね」
えっ?
「何やってんだよ、雪ノ下」
誰のせいよ!
みんなにいじられながらコミュニティセンターに到着した。
「じゃあ、手筈通り頼む」
「ええ」
「ヒッキー、任せて」
会議室にはすでに海浜の生徒会が来ていた。
「こんにちは、玉縄会長」
「やあ、雪ノ下会長。そちらのフレッシュな顔は、ルーキーかい?」
「うぐっ。今日から参加させてくれたさせてもらう比企谷だ、よろしく頼む」
比企谷君も早速ジャブをもらったわね。
「議事録と後学の為にビデオで撮ってもいいか?」
「オフコース!もちろんいいさ」
「藤沢、カメラを準備してくれ」
前半は様子見…。比企谷君、玉縄節に圧されてるみたいだけど、本番はこれからよ。
会議が始まり、比企谷君の顔が青くなってくのがわかった。
前半が終わり、何も決まらないまま休憩の時間になった。
「雪ノ下、自販機でマッカン飲んでくるわ…」
「大丈夫?」
「あれはヒドイわ。糖分補給が必要だ」
比企谷君が会議室を出た後、『それある~』『うけるwww』を連呼していた海浜の女子が一人出ていった。
まさか同じ中学だった人って、あの女子なのかしら…。
気になる、気になるわ。
邪魔になったいけないし…。でも、比企谷君のトラウマの原因なら手を貸してあげたいし…。
「副会長、私もお茶を飲んでくるので、少し外すわね」
本牧君に一言伝えて席を離れた。
自販機の前で比企谷君と例の女子が話をしている。…肩をバンバン叩かれてるわね…。
「比企谷君…」
「雪ノ下…。ちょうど良かったよ。紹介する、同じ中学だった…」
「元カノです」
なんですって!
「違ぇだろ!」
「冗談です。比企谷と同じ中学だった折本かおりです」
「まぁ、後で話すが中学の時に色々あってな…。でも、それも解消した」
「あはは…」
折本さんが乾いた笑い方をする。
「おい、雪ノ下。折本を睨むなよ」
い、いけないわ。
「に、睨んでないわよ」
「それでだ。折本も玉縄たちには辟易してるらしい」
「…協力してくれるということでいいかしら?」
「あ、うん、玉縄君も悪い人じゃないんだけどね…。あれじゃあ」
「だとさ。だから、後半の攻めに折本のことも一言添えるが大丈夫か?」
「ええ、大丈夫よ。それから、折本さん」
「何かな?」
「今回のイベント、当てにさせてもらってもいいかしら?」
「もちろん、大丈夫だよ」
「では、よろしくお願いするわね」
「こちらこそ」
「じゃあ、戻りますかね」
会議室に戻る途中、後ろで比企谷君と折本さんが内緒話をしているのが聞こえた。
「ねぇ、比企谷の好きな人って…」
「バッカ、言うな。聞こえるだろうが」
わ、私のことよね?