生徒会長・雪ノ下雪乃 奉仕部部長代理・比企谷八幡   作:おたふみ

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2話

生徒会長に就任した。明日から引き継ぎなどで忙しくなる。今日は早めに自宅に帰って休んでいる。

 

枕の横にあるパンさんのヌイグルミを手に取る。そう、あの時のパンさん。プライズだからかもしれないが目の造形が甘い。でも、それが彼の目に似ているのだ。最近、密かに『ハチマン』と呼んでいる。

 

「ねぇ『ハチマン』。比企谷君は何を考えているのかしらね」

 

何も答えてはくれない。当たり前だ。

 

「彼の考えがわからないわ」

 

思わず『ハチマン』を強く抱きしめてしまう。

 

「比企谷君…」

 

あの時の優しい目はなんだったのかしら…。

 

「八…幡…君…」

 

「雪乃ちゃん?」

 

「ひゃぁ!」

 

突然、声をかけられて変な声を出してしまった。

 

「ね、姉さん…。いつからそこに?」

 

「『ねぇハチマン』あたりから」

 

最初から居たのね…。

 

「もう雪乃ちゃんたら」

 

姉さんがニヤニヤしている。

 

「そ、それで何か用?」

 

「あ、なかったことにしてる。まあいいけど」

 

なかったことにしたいわよ、恥ずかしい。

 

「今日から新生徒会発足でしょ?愛しの比企谷君はどうしてるのかなって」

 

「彼は奉仕部部長代理になったわ。それと『愛しの』っていうのはどういう意味かしら?」

 

「だって『八幡君』なんて。雪乃ちゃんが男の子を名前で呼ぶなんて」

 

「き、気のせいよ!」

 

「それで?雪乃ちゃんはそれでいいのかな?比企谷君と離れ離れになっちゃって」

 

「私は私のやるべきことをやるわ」

 

きっと彼もそれを望んでいるはず…。彼が私を信じて送り出してくれたと思うと、心が温かくなる。

 

「あっ。比企谷君のこと考えてたでしょ?」

 

「え?」

 

「すごい可愛い顔してたよ」

 

「なっ!」

 

顔に出てたなんて…。

 

「まったく、二人とも面倒くさい性格してるよね」

 

「彼と一緒にしないでくれるかしら」

 

ん?二人…とも?

 

「姉さん、何か知ってるの?」

 

「おっと、危ない危ない。これ以上は言えないかな」

 

「知ってるのね?」

 

「お姉ちゃんからのアドバイスです!心の思うままに行動すればいいのよ」

 

「心の…思うままに…」

 

「そう!簡単でしょ?」

 

そこがどうしたらいいのかわからないから悩んでいるのに。

 

「雪乃ちゃんは、誰と一緒にいたいの?」

 

そ、それは…、比企谷君よ。

 

「雪乃ちゃんが一緒に居たい人と離れてしまっているなら、近づけばいいのよ。そうすれば、その相手の考えや思っていることが見えてくるはずだよ」

 

そうはいっても、あの捻れボッチの考えなんて…。比企谷君の考え方…。きっと斜め下なんでしょうね。

 

「あ、また比企谷君のこと考えてた」

 

「なっ!ね、姉さん!」

 

「怒られる前に退散しよう。じゃあね♪」

 

「ちょっと…」

 

まったく、何をしに来たのかしら…。

 

でも、ヒントにはなったわ。ありがとう、姉さん。

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