生徒会長・雪ノ下雪乃 奉仕部部長代理・比企谷八幡 作:おたふみ
会議は順調な滑り出しだ。本牧君はしっかりと場を仕切り、一色さんが補足をしていた。藤沢さんが嫉妬の目で見ているが…。大丈夫よ、藤沢さん。本牧君は貴方一筋だから。
海浜側もカタカナ英語は鳴りを潜め、しっかりとした案を出してきた。これなら本当に見ているだけで大丈夫そうね。
小休止の時、比企谷君の様子を見に伺う。鶴見さんの隣に座り一緒に折り紙を切っていた。比企谷君がこちらに気がついて、歩いてきた。
「そっちはどうだ?」
いつものように、ぶっきらぼうに聞いてきた。
「順調よ。何故かしら?そういえば、ひとり居ない気がするから、そのお陰かしら」
「おい」
「冗談よ。そちらはどう?」
「ん?まぁ、ルミルミも話が出来るヤツは出来たみたいだな。友達かどうかは不明だそうだ」
「そう」
『ルミルミ』という呼び方は気になったけど、まぁいいわ。鶴見さんがこちらを見ていたので会釈をすると、向こうも会釈を返してくれた。何故こちらを睨んでいるのかしら…。
会議室に戻ると、由比ヶ浜さん、一色さん、折本さんが楽しそうに話をしている。
「あ、ゆきのんおかえり」
「『ゆきのん』なの!ウケるwww」
「ですよね~」
「えぇ!可愛いじゃん。ね、ゆきのん」
「な、なんなの…」
「かおりんにヒッキーの中学の頃の話を聞いてたんだ」
中学の時の話…。
折本さんが耳打ちをしてきた。
「大丈夫。あの話はしてない」
「そう」
「ヒッキーって、中学の時もボッチで捻れた性格してたみたい」
「さすが先輩。ブレてないですね、悪い意味で」
「今もそうなの?ウケるwww」
「さ、さあ、会議に戻るわよ」
会議後半も順調そのもの。後半の進行は玉縄会長だ。やれば出来るじゃない。
小学生が帰る時間になったので、許可をもらい挨拶の為に離席する。
小学生達の所へ行くと驚くべき光景が…。
比企谷君が鶴見さんや他の女の子達に囲まれていた。『頭撫でて』とか『握手して』とか…。何をしたの、比企谷君。
「あら、シスコンからロリコンにジョブチェンジかしら?」
「シスコンは仕事じゃねぇよ。雪ノ下、助けてくれ」
「助ける?随分と楽しそうだから助かる必要はないと思うのだけど」
「楽しんでないからね」
「はぁ、これはどういう状況なのかしら?」
「いや、留美の頭撫でてやったら、『鶴見さんだけズルイ』とか『私も』とかになってだな…」
比企谷君は女児にもフラグを立てるのね。
「今日はみなさん、ありがとうございました。また後日よろしくお願いします」
私が挨拶すると、小学生達は名残惜しそうに帰って行った。女子は比企谷君に手を振り、男子は睨んでいた。
比企谷君が女性の引率の先生から話掛けられている。何か渡された?
困り顔の比企谷君が戻ってきた。
「どうしたのかしら?」
「いや、さっき先生と話してたただろ?」
「ええ」
「LINEのID渡された」
なんですって!!
「俺、LINEやってないんだけどな」
比企谷君、なんでこんなにモテるのよ。確かに目の濁りが薄くなって、い、…イケメンになってきたけど…。