生徒会長・雪ノ下雪乃 奉仕部部長代理・比企谷八幡 作:おたふみ
はぁ~、赤だった…。クリスマスだからって、何となく赤にしただけだったのに…。比企谷君は、派手な下着を着けるふしだらな女だと思わないかしら…。
お手洗いからリビングに戻りソファーに座る。
「そろそろ、飯にするか?」
「そうね」
立ち上がろうとすると…。
「ゆ、雪ノ下は座っていてくれ」
「手伝うわよ」
「い、いいから」
比企谷君の顔が赤い。
「どうしたの?」
「いや、あの…だな…あまり動かれると…その…」
歯切れが悪い。
「ハッキリ言いなさい」
「その…スカートが短くて、目のやり場に困る…」
スカートを確認すると、かなり上がっている。
「ご、ごめんなさい」
「い、いや、むしろご馳走さま…って、何言ってんだ俺!すまん!み、見てないから」
それはそれで、悲しいわね。
「み、見てないの?」
「み、見てないでふ」
「み、見たい?」
「見たいとか見たくないとかじゃなくて、脚キレイだなぁとか…じゃなくてだな。何言ってんだ!ちくしょう!」
「比企谷君…」
「はひっ!」
「わ、私の脚ってキレイなの?」
「…はい」
「…そう」
比企谷君に惚れられるのって、こんなに嬉しいのね。
「あ、脚が見えてしまうのは仕方ないわ。一緒にご飯の支度をしましょう」
「お、おう…。そんなに手間はかからないんだがな」
買ってあったチキンやピザを温めてテーブルへ。些細な共同作業だが楽しく感じる。
「悪いな、チープ感じで」
「そんなことないわ。こういう日は『何を食べるか』ではなく『誰と食べるか』が重要なのだから」
「そ、そうか…」
自分で言っておきながら、凄いことを言ってしまった。
「い、いただきましょう」
「そうだな」
パーティーっぽい料理を食べ終わると、カマクラさんがやってきた。
カマクラさんを抱えながらソファーに座っていると、比企谷君が紅茶を淹れてくれた。
「ケーキは入るか?」
「ちょっと無理ね」
「そうか。DVD観るつもりだったんだが、観るか?」
「ええ」
「ダ○ハードどホームア○ーンどっちがいい?」
「ホー○アローンで」
「はいよ」
クリスマス定番のコメディ映画を二人て並んで観ている。何気ないことだけど、とても幸せに感じる。
エンドロールが流れる頃に比企谷君が席を立ち、すぐに戻ってきた。
「風呂準備出来てるけど…、替えの下着とか無いのか…」
「そうね…。どうしようかしら」
そんな話をしていると、携帯がメールを受信した。
『ひゃっはろ~!クリスマス楽しんでるかな?替えの下着は玄関に置いてあるからね。服は明日の朝持っていくからね。雪乃ちゃん、頑張ってね(^^)v』
顔文字がムカつくわね。
「比企谷君、玄関の扉の前に荷物があるから取ってもらえないかしら。この格好では…」
「はいよ」
玄関から紙袋を持って比企谷君が戻ってきたのだが…。
「この中身って…」
「開けちゃダメ!!」
「あっ…」
…遅かった。
「…スケベ」
「すいませんでした」
しかも黒…。
「ひ、比企谷君!」
「ひゃい!」
「わ、私に似合うかしら…」
な、何を聞いているのよ!
「いや、あの、その…、素敵だと思いましゅ」
「そう」
気まずい沈黙が流れる…。
「ふ、風呂入っていいぞ」
「いえ、私は…」
「雪ノ下はお客さんだ。先に入ってくれ」
「わかったわ」
先にお風呂をいただいた。
「ありがとう。いいお湯だったわ」
「んじゃ、俺も」
「飲んではダメよ」
「飲まねぇよ」
比企谷君が出てくるまで、カマクラさんをモフる。
あぁ、素敵よカマクラさん。モフモフモフ…。
………。
……。
…。
「おい、雪ノ下」
「ひゃあ!」
「おう、悪い」
「急に声をかけないでくれるかしら。妊娠してしまうわ」
「しねぇよ。今夜は俺の部屋で寝てくれ」
それってもしかして、一緒に…。
「俺はリビングで寝るから」
違うのね…。
「なんだよ、その顔は。ちゃんと布団にファブ○ーズしたから、臭いとかは大丈夫だ」
比企谷君の臭いもないのね…。それなら、私がリビングで。
「間違っても、リビングで寝るとか言うなよ。そんなことしたら、小町に何を言われるかわからん」
先に言われてしまったわ。
「では、比企谷君の部屋を借りるわ」
「んじゃ、案内する」
比企谷君の部屋はキレイに整頓されていた。
「あんまりジロジロ見るなよ」
「いかがわしい本がないか確認よ」
「さいですか」
ん?机の上にラッピングされた箱が…。
「比企谷君、これは…」
「あっ!しまった!違うんだ!」
「何が違うのかしら?」
由比ヶ浜さんか一色さんへのプレゼントなのかしら…。
「あのだな…。買い物してる時にだな…、雪ノ下に似合いそうだなぁと思って買ったんだけど、ネックレスとか重いだろ?それに、俺からのプレゼントなんて…。だから、返品しよかと…」
私に…。プレゼント…。比企谷君が選んでくれた…。
「嬉しい…」
「え?お、おい」
気がついたら、比企谷君に抱きついていた。
「比企谷君が私に似合うと思って選んでくれたんでしょ?」
「あ、ああ。貰ってくれるのか?」
「はい」
それは、雪の結晶の形をしたネックレスだった。
「比企谷君、着けてもらってもいいかしら」
「あ、おう、わかった」
髪を上げると、比企谷君が着けてくれた。
「綺麗…。似合う…かしら」
「すげぇ、似合ってる」
「ありがとう。でも、何も返すモノを今は持っていないわ」
「俺は…、雪ノ下が居てくれるだけで充分だ」
「…ばか」
私だって、比企谷君が居てくれるだけで、充分なのに。
「もう、寝ろよ」
恥ずかしくなったのか、比企谷君は寝させようとする。
「比企谷君、やっぱり一緒に…」
「いや、ダメだろ」
「どうしてかしら?」
「何か間違いがあったら、困るだろ」
「…別にいいのに」
「何か言ったか?」
もう!難聴系主人公!
「ほら、電気消すぞ」
「おやすみなさい。は、八幡…」
「うぐっ!…おやすみ、雪…乃…」
逃げるように比企谷君はリビングへ行ってしまった。
「八幡…ふふふっ」
今夜は良い夢が見れそうね。