生徒会長・雪ノ下雪乃 奉仕部部長代理・比企谷八幡   作:おたふみ

26 / 41
26話

はぁ~、赤だった…。クリスマスだからって、何となく赤にしただけだったのに…。比企谷君は、派手な下着を着けるふしだらな女だと思わないかしら…。

 

お手洗いからリビングに戻りソファーに座る。

 

「そろそろ、飯にするか?」

 

「そうね」

 

立ち上がろうとすると…。

 

「ゆ、雪ノ下は座っていてくれ」

 

「手伝うわよ」

 

「い、いいから」

 

比企谷君の顔が赤い。

 

「どうしたの?」

 

「いや、あの…だな…あまり動かれると…その…」

 

歯切れが悪い。

 

「ハッキリ言いなさい」

 

「その…スカートが短くて、目のやり場に困る…」

 

スカートを確認すると、かなり上がっている。

 

「ご、ごめんなさい」

 

「い、いや、むしろご馳走さま…って、何言ってんだ俺!すまん!み、見てないから」

 

それはそれで、悲しいわね。

 

「み、見てないの?」

 

「み、見てないでふ」

 

「み、見たい?」

 

「見たいとか見たくないとかじゃなくて、脚キレイだなぁとか…じゃなくてだな。何言ってんだ!ちくしょう!」

 

「比企谷君…」

 

「はひっ!」

 

「わ、私の脚ってキレイなの?」

 

「…はい」

 

「…そう」

 

比企谷君に惚れられるのって、こんなに嬉しいのね。

 

「あ、脚が見えてしまうのは仕方ないわ。一緒にご飯の支度をしましょう」

 

「お、おう…。そんなに手間はかからないんだがな」

 

買ってあったチキンやピザを温めてテーブルへ。些細な共同作業だが楽しく感じる。

 

「悪いな、チープ感じで」

 

「そんなことないわ。こういう日は『何を食べるか』ではなく『誰と食べるか』が重要なのだから」

 

「そ、そうか…」

 

自分で言っておきながら、凄いことを言ってしまった。

 

「い、いただきましょう」

 

「そうだな」

 

パーティーっぽい料理を食べ終わると、カマクラさんがやってきた。

カマクラさんを抱えながらソファーに座っていると、比企谷君が紅茶を淹れてくれた。

 

「ケーキは入るか?」

 

「ちょっと無理ね」

 

「そうか。DVD観るつもりだったんだが、観るか?」

 

「ええ」

 

「ダ○ハードどホームア○ーンどっちがいい?」

 

「ホー○アローンで」

 

「はいよ」

 

クリスマス定番のコメディ映画を二人て並んで観ている。何気ないことだけど、とても幸せに感じる。

 

エンドロールが流れる頃に比企谷君が席を立ち、すぐに戻ってきた。

 

「風呂準備出来てるけど…、替えの下着とか無いのか…」

 

「そうね…。どうしようかしら」

 

そんな話をしていると、携帯がメールを受信した。

 

『ひゃっはろ~!クリスマス楽しんでるかな?替えの下着は玄関に置いてあるからね。服は明日の朝持っていくからね。雪乃ちゃん、頑張ってね(^^)v』

 

顔文字がムカつくわね。

 

「比企谷君、玄関の扉の前に荷物があるから取ってもらえないかしら。この格好では…」

 

「はいよ」

 

玄関から紙袋を持って比企谷君が戻ってきたのだが…。

 

「この中身って…」

 

「開けちゃダメ!!」

 

「あっ…」

 

…遅かった。

 

「…スケベ」

 

「すいませんでした」

 

しかも黒…。

 

「ひ、比企谷君!」

 

「ひゃい!」

 

「わ、私に似合うかしら…」

 

な、何を聞いているのよ!

 

「いや、あの、その…、素敵だと思いましゅ」

 

「そう」

 

気まずい沈黙が流れる…。

 

「ふ、風呂入っていいぞ」

 

「いえ、私は…」

 

「雪ノ下はお客さんだ。先に入ってくれ」

 

「わかったわ」

 

先にお風呂をいただいた。

 

「ありがとう。いいお湯だったわ」

 

「んじゃ、俺も」

 

「飲んではダメよ」

 

「飲まねぇよ」

 

比企谷君が出てくるまで、カマクラさんをモフる。

 

あぁ、素敵よカマクラさん。モフモフモフ…。

 

………。

……。

…。

 

「おい、雪ノ下」

 

「ひゃあ!」

 

「おう、悪い」

 

「急に声をかけないでくれるかしら。妊娠してしまうわ」

 

「しねぇよ。今夜は俺の部屋で寝てくれ」

 

それってもしかして、一緒に…。

 

「俺はリビングで寝るから」

 

違うのね…。

 

「なんだよ、その顔は。ちゃんと布団にファブ○ーズしたから、臭いとかは大丈夫だ」

 

比企谷君の臭いもないのね…。それなら、私がリビングで。

 

「間違っても、リビングで寝るとか言うなよ。そんなことしたら、小町に何を言われるかわからん」

 

先に言われてしまったわ。

 

「では、比企谷君の部屋を借りるわ」

 

「んじゃ、案内する」

 

比企谷君の部屋はキレイに整頓されていた。

 

「あんまりジロジロ見るなよ」

 

「いかがわしい本がないか確認よ」

 

「さいですか」

 

ん?机の上にラッピングされた箱が…。

 

「比企谷君、これは…」

 

「あっ!しまった!違うんだ!」

 

「何が違うのかしら?」

 

由比ヶ浜さんか一色さんへのプレゼントなのかしら…。

 

「あのだな…。買い物してる時にだな…、雪ノ下に似合いそうだなぁと思って買ったんだけど、ネックレスとか重いだろ?それに、俺からのプレゼントなんて…。だから、返品しよかと…」

 

私に…。プレゼント…。比企谷君が選んでくれた…。

 

「嬉しい…」

 

「え?お、おい」

 

気がついたら、比企谷君に抱きついていた。

 

「比企谷君が私に似合うと思って選んでくれたんでしょ?」

 

「あ、ああ。貰ってくれるのか?」

 

「はい」

 

それは、雪の結晶の形をしたネックレスだった。

 

「比企谷君、着けてもらってもいいかしら」

 

「あ、おう、わかった」

 

髪を上げると、比企谷君が着けてくれた。

 

「綺麗…。似合う…かしら」

 

「すげぇ、似合ってる」

 

「ありがとう。でも、何も返すモノを今は持っていないわ」

 

「俺は…、雪ノ下が居てくれるだけで充分だ」

 

「…ばか」

 

私だって、比企谷君が居てくれるだけで、充分なのに。

 

「もう、寝ろよ」

 

恥ずかしくなったのか、比企谷君は寝させようとする。

 

「比企谷君、やっぱり一緒に…」

 

「いや、ダメだろ」

 

「どうしてかしら?」

 

「何か間違いがあったら、困るだろ」

 

「…別にいいのに」

 

「何か言ったか?」

 

もう!難聴系主人公!

 

「ほら、電気消すぞ」

 

「おやすみなさい。は、八幡…」

 

「うぐっ!…おやすみ、雪…乃…」

 

逃げるように比企谷君はリビングへ行ってしまった。

 

「八幡…ふふふっ」

 

今夜は良い夢が見れそうね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。