生徒会長・雪ノ下雪乃 奉仕部部長代理・比企谷八幡 作:おたふみ
舞浜駅に着き比企谷君を探す。壁に寄り掛かる彼を見つけて駆け寄る。
「ごめんなさい、待たせてしまって」
「いや、俺も来たばっかりだ」
「じゃあ、行きましょうか」
「あの、雪ノ下…」
「何かしら?」
「その、なんだ、その服似合ってるな。すげぇ可愛いぞ」
「くすっ。小町さんに言えって言われたのかしら?」
「確かに言われたけど、本心でそう思う」
「そう、ありがとう」
やった。比企谷君が誉めてくれた。
「何をガッツポーズしてるんだ?」
やってしまったわ。
「コホン。さぁ、改めて行くわよ」
「…方向が逆だ」
ゲートを入ると園内は新年を迎える装飾になっている。
…!!比企谷君が手を握ってきた!!
「…はぐれたら困るだろ。それに、きょ、今日はデートだし…な」
一生懸命に言葉を出してくれてるのがわかる。
「一番は、そのだな、俺が雪ノ下と…、手を繋いでいたいんだ…」
恥ずかしそうにソッポを向いてしまった。
「嫌だったら、離してくれ」
彼のその言葉を聞いて、私は少しだけ強く握りかえした。彼は驚いたような顔をしている。きっと彼は心が思うままに言ってくれた。私も心が思うままに返そう。
「私も比企谷君と手を繋いでいたいから」
「そうか」
短く返事をする彼は恥ずかしそうだけど、とても嬉しそう。
「どっから行く?」
「パンさんのバンブーファイトね。最低3回は乗るわよ」
「マジかよ」
ディステニーランドは元々好きだった。何回も来ている。だけど、今日が一番楽しいかもしれない。好きな人と一緒に居るって、こんなにいいものなのね。
楽しい時間は、あっという間に過ぎ、パレードの時間になった。近くで見てもいいのだが、ベンチに座り遠くで光が流れて行くのを見ている。座っていても繋がれている手…。
彼が前を見ながら話しかけてきた。
「なぁ、雪ノ下」
「何かしら」
「捻れたのも面倒なのも変化球もなしだ」
こちらを向いた彼と目が合う。
「雪ノ下、好きだ」
「えっと…あの…」
シドロモドロになっていると、彼が私を抱きしめてきた。
「俺と…付き合ってくれ」
「比企谷君…」
「NOなら突き飛ばしてくれ、YESなら…、抱きしめてくれないか…」
そ、そんなの、決まってるじゃない。
「比企谷君…」
「…おう」
「私は、それに対しての答えはYESしか持ち合わせていないわ」
彼の背中に手をまわす。
「私を比企谷君の彼女にしてください」
「ありがとう、雪ノ下。大好きだ」
「私も大好きよ、比企谷君」
………拍手が聞こえる。
『おめでとう』とか『お幸せに』とか言われてる。周りを見ると、大勢の人がこちらを見ている。は、恥ずかしい!!
「雪ノ下」
「え?」
「逃げるぞ」
「ええ」
比企谷君に手を握られてゲートに向かう。
「比企谷君」
「なんだ?」
「手…、離さないでね」
「当たり前だ。絶対に離さないからな」