生徒会長・雪ノ下雪乃 奉仕部部長代理・比企谷八幡   作:おたふみ

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3話

「やあ雪乃ちゃん、生徒会は…」

 

「名前で呼ばないでくれるかしら。何度言ったらわかるの」

 

「ご、ごめん…。何か手伝えることがあったら、言ってくれ」

 

「貴方に手伝ってもらうことはないわ」

 

まったく、なんなのかしら。修学旅行が終わってから、やたらと話しかけてくるのだけど…。こんなところを比企谷君見られたら…。

 

「葉山には、相変わらずの塩対応だな」

 

「ひゃっ!きゅ、急に話しかけないでくれるかしら。…、あら?ゾンビって日本語が喋れるのね」

 

「ゾンビじゃねぇよ。目は腐ってるがな」

 

そんなことないわ。最近の貴方は目が腐ってなくて…、その…か、か…格好…いい…。

 

「順調なのか?」

 

「え?」

 

「生徒会」

 

「えぇ、順調よ」

 

「そうか。じゃあな」

 

「比企谷君!」

 

「ん?」

 

「あの…。なんでもないわ。部活、頑張ってね」

 

「お、おう。雪ノ下も…。いや、ちゃんと周りを頼れよ」

 

「それは貴方もでしょ?」

 

「善処するよ」

 

クラスも違うし、生徒会と奉仕部と別れてしまったから、会えないかと思ってたら…。

 

ん?F組から部室に行くのに、どうしてここを通ったのかしら…。ま、まさか、私に会いに!そんな訳ないわよね、ただの偶然。

 

…でも、もしそうだったら、嬉しい。

 

 

生徒会室に着き、作業を始める。まだ大した作業はないのだが。

 

「ねえねえ、ゆきのん。ヒッキー、一人で大丈夫かな?」

 

「彼なら大丈夫よ、きっと。ボッチを謳歌してるまであるわ」

 

「ゆきのん、言い方がヒッキーっぽい…」

 

はっ!しまった!さっき彼に会ったからかしら。由比ヶ浜さんの視線が痛い。何故か一色さんにまで睨まれてる。

 

夕方、その日の作業を終わらせた。由比ヶ浜さんに疑いの目で見られてはいたけれど…。

 

「少し早いけど、初日だからこれくらいにしましょうか」

 

「うぅ、予算資料って難しいよぉ」

 

「私も疲れましたぁ。結衣先輩、甘いもの食べに行きませんか?」

 

「いいね!いろはちゃん!ゆきのんも行こう!」

 

「そうね…」

 

甘いもの…。あっ!ティーセット!

 

「ごめんなさい、今日は用事があるから」

 

「そっかぁ、じゃあ仕方ないね。いろはちゃん、二人で行く?」

 

「はい♪」

 

「では、私は鍵を返してくるわ」

 

「また明日ね」

 

「また明日」

 

彼女達を見送り、私は奉仕部へ向かう。

 

部室の扉の前に立ちノックをする。気だるそうな返事が聞こえたので、扉を開けて入室した。

 

「こんにちは」

 

「さっきも会っただろうが。もう寂しくなったのか?」

 

「あら?貴方はまともに挨拶も出来ないのかしら?」

 

「こ、コンニチハ」

 

「よろしい」

 

「で、どうしたんだ?依頼か?」

 

依頼?そうだわ。

 

「まぁ、依頼と言えば依頼ね」

 

「なんだそりゃ」

 

「ティーセットを置きっぱなしにしていたから、生徒会室に運ぶのを手伝ってもらえるかしら」

 

「気にはなっていたんだよな。それくらいならいいさ。どうせ依頼もないだろうしな」

 

依頼なんてしなくても、一人で運べる。でも『心の思うまま』に…。

 

彼と一緒に生徒会室へ。

 

「よし。これでいいか?」

 

「ええ」

 

もう一度、『心の思うままに』…。

 

「比企谷君、お礼に紅茶を淹れるわ」

 

「時間遅いけどいいのか?」

 

「それくらいなら、大丈夫よ」

 

場所は変わったけど、いつものように紅茶を淹れる。

 

「どうぞ」

 

「さんきゅ」

 

紙コップをふーふーしなかがら飲む仕草が可愛く見えてしまう。

 

「そ、そんなに見られると飲みにくいんだが…」

 

「ご、こめんなさい」

 

いけない、凝視してしまったわ。

 

「やっぱり雪ノ下が淹れる紅茶は旨いな。これが飲めなくなるのは残念だな」

 

心の思うままに…、心の思うままに。

 

「ひ、比企谷君さえ良ければ、時々来てもいいのよ」

 

「そ、そうか。それなら時々お邪魔させてもらうよ」

 

紅茶を飲み終えて、帰宅しようとする。

 

「では、比企谷君…」

 

「ゆ、雪ノ下…」

 

「なにかしら?」

 

「く、暗くなるのが早くなってきたから、その…、途中まで送るぞ」

 

「え?」

 

比企谷君が!比企谷君が!送ってくれるって!

 

「嫌なら、忘れてくれ。じゃあ、帰…」

 

「待ちなさい!こんな可愛い女の子が一人で歩いていたら、危ないわ。だから、…送りなさい」

 

「なんだそりゃ。まあいい。俺から言ったことだしな」

 

姉さんの言った通りね。ありがとう、姉さん。

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