生徒会長・雪ノ下雪乃 奉仕部部長代理・比企谷八幡   作:おたふみ

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32話

「ご馳走さま。すげぇ旨かった」

 

「お粗末様でした」

 

比企谷君に私の手料理を振る舞う。朝もだったけど、この部屋で食べてもらえたのが嬉しい。

 

「さすが雪ノ下だな。いいお嫁さんになる」

 

お、おおおおおおおお嫁さん!!

 

「ひ、比企谷君…」

 

「いや、違う。そうなれるってことで、俺と結婚とじゃ…でも、雪ノ下と結婚とか…」

 

「わ、私は比企谷君のお嫁さんになりたいわ」

 

「え?お、そ、そうか…」

 

な、何を言ってるのよ、私!!

 

「お、俺だって、ここまで好きになった雪ノ下が嫁さんになってくれたらと…思う」

 

「こ、紅茶、淹れるわね」

 

比企谷君が私を…。嬉しい。

 

まずは、比企谷君の話を聞かなくては。由比ヶ浜さんや一色さん、それに数学の話も…。

 

「どうぞ」

 

「さんきゅ」

 

「あ、あの、雪ノ下」

 

「何かしら?」

 

「ち、近いんですけど…」

 

彼の隣に座り、肩に頭を置いている。

 

「ダメ?」

 

「うぐっ!ダメじゃないです」

 

「そう」

 

「ちょっと真面目な話をするから、少しだけ離れてくれるとありがたいです」

 

「仕方ないわね」

 

肩から頭を離し、比企谷君の方を向く。

 

「えっと、だな…」

 

比企谷君の話を聞こう。ここに至った経緯を…。

 

「雪ノ下のことは、たぶん前々から好きだったと思う。いつからかって聞かれるとわからないが…。出会った時には、心惹かれてたのかもな」

 

「そうね、私もそうかもしれないわ」

 

「確信したのは修学旅行だ。皮肉なもんだよな」

 

そう…。彼は好きでもない人に告白をしてフラれた。何も知らなかった私と由比ヶ浜さんの為に。

 

「文化祭の後に平塚先生に言われたんだ『君が傷つくのを見て、痛ましく思う人間もいる事にそろそろ気付くべき』ってな。俺は知らず知らずのうちに雪ノ下や由比ヶ浜を傷つけていた」

 

平塚先生、そんなことを言っていたのね。

 

「海老名さんに告白した時に、雪ノ下の顔が浮かんだんだ。その時確信したよ、俺は雪ノ下が好きなんだと。そして、好きな人の前で何てことをしてしまったんだと」

 

「私もそうよ。なんで比企谷君の前に居るのは、私じゃないのって。比企谷君に告白されてるのは、どうして私じゃないのって」

 

「すまん…」

 

「ごめんなさい、そういうつもりで言ったのではないの。私もあの時に比企谷君が好きって確信に変わったのよ」

 

「…そうか。それで、あんな言葉を…」

 

そう、比企谷君のやり方を否定してしまった…。

 

「でもな、雪ノ下は俺のやり方を否定してくれたんだ」

 

え?

 

「俺自身を俺を否定しているんじゃないって思ったんだ。都合のいい解釈かもしれないがな」

 

「確かに、あのやり方は嫌いだったわ。あの時はあれしかなかったかもしれないけど…」

 

「だったら、雪ノ下が認めてくれる男になりたいと思ったんだ」

 

「…そうなのね。私は一色さんの依頼の時、環境を変えて生徒会で一緒に出来れば、貴方が自分を犠牲にしようとすることも減るだろうし、近くで止められると思ったのよ」

 

「そんな風に思ってくれてたんだな」

 

タイマーの音が鳴り、話が止まった。

 

「ん?何のタイマーだ?」

 

「お風呂よ。入るでしょ?」

 

「は?」

 

比企谷君が口をポカーンと開けている。

 

「お風呂、入らないの?」

 

「いや、帰るけど…」

 

ふっ、甘いわね。

 

「比企谷君、メール確認してみたら」

 

「何をした…」

 

メールを確認して、目をおおっている。

 

「何かメールが来てたかしら?」

 

「小町に根回しとかするなよ。『今夜は帰ってくるな』って…」

 

「あら大変。ウチに泊まる?」

 

「白々しいぞ」

 

「だって、素直に言っても泊まってくれるか不安だったから」

 

「も、モジモジするな、可愛いな俺の彼女!…はぁ、泊まるよ」

 

ふっ、チョロいわね。

 

「夜は長いのだし、ゆっくり話しましょう」

 

「あいよ」

 

 

 

 

 

 

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