生徒会長・雪ノ下雪乃 奉仕部部長代理・比企谷八幡   作:おたふみ

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35話

大晦日から実家に戻り、今日は元旦。着物を着て午前中は家族で過ごす。午後は比企谷君とみんなで初詣に行く。そんな話をしたら父が車で送ってくれると言ったのだが、初詣の道路規制で近くまで行けないので断った。そんな話を聞いていた母から、出かける時に『比企谷君によろしく』と言われた時はゾクッとした。比企谷君が来るのは明後日だ…。楽しい気持ちが一転して暗くなってしまった。

 

待ち合わせの場所に着くと、もう比企谷君が待っていてくれた。まだ30分も前なのに。

 

「ごめんなさい、待たせてしまって。明けましておめでとうございます」

 

「おめでとさん。俺も着いたばかりだ」

 

彼の手を握ると冷たい。

 

「嘘つき」

 

「うぐっ。30分ぐらい待ちました」

 

「そんなに早く来なくてもよかったのに」

 

「そりゃ、まあ、色々と…」

 

「色々って、何?」

 

「ゆ、雪ノ下に早く会いたかったし、雪ノ下を一人にしたらナンパとかされそうで…」

 

もう!この人は…。

 

「私も、早く会いたかったわ」

 

「そ、そうか」

 

相変わらず、攻めに弱い。

 

「ゆ、由比ヶ浜達は、ま、まだかな?」

 

彼の隣に立ち手を握る。

 

「お、おい、アイツ来たら…」

 

「…来るまで…ね、お願い…」

 

「わかったよ」

 

ほぼ時間通りに由比ヶ浜さんと一色さんが来た。

 

「ヒッキー、ゆきのん、あけおめ~!」

 

「おめでとうございます、先輩、雪ノ下先輩」

 

「あけましておめでとう」

 

「おめでとさん。じゃあ、行くか」

 

「ヒッキー」

 

「なんだ?」

 

「私達が来たからって、あわてて手を離さなくてもいいんだよ」

 

「あっ、いや、それは…」

 

「はいはい、ラブラブですね、お二人は」

 

由比ヶ浜さんも一色さんも目ざといわね。

 

お参りを済ませて時間を確認する。まだ帰るには時間が早い。

 

「この後はどうしましょうか?」

 

「あん?そうだな…」

 

比企谷君が時間を見ると。

 

「あー!ヒッキーとゆきのん、時計がお揃いだ!」

 

「本当です!いつの間に…」

 

「あっ、いや、それは、ほら…」

 

いつもながら、シドロモドロになる比企谷君、可愛いわ。

 

「これは話を聞かない訳にはいかないね」

 

「そうですね、結衣先輩」

 

「はぁ、わかったよ。俺ん家でいいか?」

 

「ほえ!ヒッキーがあっさりしてる」

 

「先輩なら、もっとゴネルと思ってました」

 

確かにそうね。

 

「小町もお前らが来ると喜ぶたろうしな」

 

「やっぱりシスコンだ」

 

「シスコン先輩」

 

「シスコン谷君」

 

「くっ!なんとでも言え」

 

「私、一回帰って着替えるね」

 

「そうなのか?」

 

「着物って、胸が苦しくて」

 

「結衣先輩、私もです。雪ノ下先輩…ヒッ!」

 

「一色さん…」

 

「な、なんでもないです」

 

わ、私だって、比企谷君に触ってもらうようになれば…。

 

「と、とりあえず、先にヒッキーの家行ってて」

 

「で、では、後程…」

 

逃げたわね…。

 

「雪ノ下は着替えなくていいのか?」

 

「ひ、比企谷君まで、そういうことを言うの…」

 

「ち、違う、雪ノ下はスレンダーで俺好みであって、決して揶揄した訳ではない。俺は着物が似合う雪ノ下が大好きだぞ…あ」

 

も、もう!

 

「私のこと、好き?」

 

「だ、大好きです…はい」

 

「俺たち、道の真ん中で何やってんだ!」

 

はっ!周りに人が…。恥ずかしい。

 

「ひ、比企谷君、早く行くわよ」

 

「お、おう。だが、雪ノ下も着替えることをオススメするぞ」

 

さっきは『着物が似合う雪ノ下が大好き』って言ってたのに…。

 

「ほら、カマクラが…。猫の毛を気にしてモフれないぞ」

 

「そ、そうね」

 

一旦着替えて、比企谷君の家に集まった。小町さんも友達との初詣を終えて帰って来ていた。ご両親は親戚の家で飲んでるので、帰宅は夜になるとのこと。みんなでマリパー?をしたり、お菓子を食べたりして楽しい時間を過ごした。腕時計のことも根掘り葉掘り聞かれたわ…。

 

帰る前に由比ヶ浜さんが、『来年はヒッキーと二人で初詣行ってね』と言ってくれた。ありがとう、由比ヶ浜さん。

 

帰りは比企谷君が駅まで送ってくれる。

 

「なぁ、雪ノ下」

 

「何かしら? 」

 

「明後日なんだがな…」

 

「ええ」

 

「…認めてもらおうな」

 

「…勿論よ」

 

私はこの先、比企谷君と共に前に進みたい。だから、明後日はなんとしても認めてもらわないと。

 

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