生徒会長・雪ノ下雪乃 奉仕部部長代理・比企谷八幡 作:おたふみ
放課後、生徒会室に向かう途中で比企谷君を見つけた。今度はこちらから声をかけてみよう。
「ひきが…」
「せんぱ~い」
「デカイ声で呼ぶなよ、目立つだろうが」
一色さんに先を越されてしまった。
「先輩は今から部活ですか?」
「そうだよ」
「でも、こっちって遠回りですよね?」
「まあな」
「はっ!もしかして私を口説こうとしてるんですか『お前に会うため』とか言うんですか!さすがに狙い過ぎなので無理ですごめんなさい」
「息継ぎをしろ。そして違う上に何故フラレた?」
「じゃあ、なんですか?」
「…運動不足解消の為だよ」
「なんですか、その間は。じゃあ、そういうことにしといてあげます」
「そうしてくれ」
比企谷君、一色さんと話していて楽しそう…。
「折角なので生徒会の仕事手伝ってくれてもいいですよ。主に私の」
ナイスよ、一色さん!
「嫌だよ。働きたくねぇ」
…比企谷君らしい返事ね。
「責任取ってくださいよ!」
せ、責任!ま、まさか比企谷君と一色さんって…。
「誤解を招く発言をするな」
「事実じゃないですか。私を唆して生徒会役員にして」
「『唆す』とか言うな。これが最善案だっただろ」
「確かに陰口とか誹謗中傷は減った気はしますけど…」
「生徒会の比護下なら、下手なことは出来んからな」
一色さんは悪意で生徒会長に立候補させられた…。生徒会長になってもならなくても、依頼の達成としては不完全。
私が生徒会長になることで半分、一色さんが役員になることで、もう半分を…。そこまで思いつかなかったわ。
私の意思を尊重して生徒会長に押してくれた訳でわないのね…。
「でも、いいんですか?雪ノ下先輩と結衣先輩と離れちゃいましたけど」
「雪ノ下が高みを目指すなら、それを支えてやりたいからな。それに、由比ヶ浜は雪ノ下の数少ない親友だ」
比企谷君…。
「今の俺には、こんなやり方しか出来ないけど、いつか胸をはって支えてやりたいと思ってる」
「先輩、それって雪ノ下先輩のこと…」
「そ、そんなことより、お前は俺なんかと一緒にいるところにを葉山に見られたりしたらマズイだろ。ほら、生徒会室着いたぞ。じゃあな!」
「あっ!ちょっと、先輩!」
結局、盗み聞きしながら後をつけてしまったわ…。
でも、比企谷君がそんな風に思ってくれていたと思うと、心が温かくなるわ。
姉さんが言ってた『面倒くさい性格』って、こういうところなのかしらね。私ももう少し『心の思うままに』してみようかしら…。
私が歩み寄れば比企谷君もきっと…。