生徒会長・雪ノ下雪乃 奉仕部部長代理・比企谷八幡 作:おたふみ
「海浜総合とクリスマス合同イベント…ですか」
「そうだ。やってみる価値はあると思うが?」
平塚先生が生徒会に持ってきた仕事。
もうそんな季節なのね。
今年は比企谷君と…。
「雪ノ下、どうかしたか?」
「い、いえ…」
いけないわ。最近、色んなことを比企谷君と結びつけてしまうわ。
「どうだ?受けてみるか?」
みんなの顔を見合わせて確認してみると、多少不安そうな顔ではあるが、否定の声はあがらない。
「では、お受けします」
「早速ではあるが海浜に挨拶に行きたいのだが、雪ノ下行けるかね?」
「今からですか?」
今日は姉さんが話があるので、早く帰ってくるように言われている。
「すいません、今日は私用があるので」
「誰か行けるかね?」
「僕は大丈夫です」
「由比ヶ浜は行けるかね?」
「あはは…。今日はちょっと」
「私は行けます」
本牧君が行くなら、藤沢さんは行くわね。
「一色さんはどうかしら?」
「私も行きます」
珍しくやる気ね。
「サッカー部もサボれるし…」
…聞こえなかったことにしましょう。
「では、三人は校門へ。車をまわそう」
平塚先生の号令で席を立つ。
「では由比ヶ浜さん、また…」
「ゆきのん…」
由比ヶ浜さんが不安そうな顔をする。
「どうかしたの?由比ヶ浜さん」
「姫菜がね、大事な話があるって…。今から集まるんだけど、ゆきのんが姫菜が話をしたことと関係あるのかなって…」
海老名さん話すのね。
「大丈夫よ、きっと」
「ゆきのんが、そう言うなら」
そう言って、由比ヶ浜さんは学校を出ていった。
部屋に帰ると、姉さんが待っていた。
「おかえり~」
「ただいま。先に着替えるわ」
「じゃあ、お茶いれとくね」
「お願い」
着替えてリビングに戻ると、紅茶が準備されていた。
「姉さん、話っていうのは?」
「隼人のこと」
よりにもよって、あの男の話とは…。
「雪乃ちゃん、顔が恐いよ」
「ごめんなさい。思い出したくもないから」
あの男のせいで、私は…。私達は…。
「その様子だと、何か思い当たることがあるなのかな?」
「ええ。まだ確証がある訳ではないけど」
「確証は掴めそう?」
「近いうちには」
クリスマスに戸部君が海老名さんに告白するとすれば、止めようとするはず。彼には何も出来ないから、また比企谷君に頼るはず。そうはさせないわ。
「そう。大丈夫そうだね」
「ええ」
「じゃあ、この話はおしまい!比企谷君の話をしようか!」
「なっ!」
急に何を言い出すのかしら。
「それで、比企谷君とはどうなの?」
「今はそれどころじゃないのよ。クリスマスに海浜総合と合同イベントがあるから」
「へ~。比企谷君も参加するの?」
「彼は生徒会ではないから、参加しないわよ」
「引き込んじゃえばいいのに」
「無理に決まってるじゃない」
でも、比企谷君に頼んだら受けてくれるかもしれない。でも…。
「そういう作業してれば、クリスマスデートに誘うチャンスも増えるのになぁ~」
「そ、それは…」
「じゃあ、お姉ちゃんが比企谷君を誘っちゃおうかなぁ」
「それはダメ!ダメよ!」
姉さんは何を言っているのかしら。
「私じゃなくても、ガハマちゃんとかが誘うんじゃないかなぁ」
痛いところを突いてくるわね。
「か、考えてみるわ」
「ちゃんと誘わないとダメだよ」
「わ、わかってるわよ」
「じゃあ、帰るね」
「姉さん」
「何?」
「あの…、色々と…、ありがとう…」
「雪乃ちゃんがデレた!」
「デレてないわよ!早く帰って!」
姉さんの口振り…、葉山君が何かやらかしたのを知ってるみたいね…。