転生しても楽しむ心は忘れずに   作:オカケン

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サブタイは特に意味はありません………ありませんっ!(スペちゃん風


メイド騒動2 〜エイジ・オブ・メイドロン〜

 

 

 

 

 とある日の平日の朝、麗かな陽射しを浴びながら高町なのははベッドで目を覚ます。何だか今日はいつもより寝起きが良い、心なしか清々しい気分だった。すぐに身支度を済ませて家族で朝食にありつける。

 

 時間に余裕を持って家を出て学校へと向かう。通りすがりの近所のおばさんに挨拶をしてなのははるんるんとした気持ちで登校する。いつもの待ち合わせの場所に荒瀬慎司はいない。昨日の夜にメールで先に行ってて欲しいと連絡があったのだ。すこし残念に思いつつも登校途中でフェイト、アリサ、すずかと合流し楽しくおしゃべりをしながら学校へ向かう。

 

 相変わらず気分よく、体に力がみなぎるように調子がいい。何だか今日はとてもいい日になりそうだとなのはは心の中で笑う。学校が見えてきた、さて今日も一日頑張ろうと楽しくなりそうな今日一日に胸を躍らせながら校門をくぐる。

 おや、何だかグラウンドの方が騒がしい。興味本位で視線を向けると

 

 

 

 

 

「メイドがぁ!1番!尊い存在なんだ!!そうだよなぁ皆!!」

「そうだそうだ!!」

「メイドこそ至高の存在!」

「メイドが世界を救うんだ!!」

 

 荒瀬慎司を筆頭に第二次メイドカルト教団が誕生していた。

 

「いやああああああああああああああ!!?」

 

 高町なのは、急転直下の絶叫!蘇る黒歴史!清々しい気分なぞ何処へ、楽しくなりそうだと思っていた一日は最悪の日へと早変わり。何故だ、何故こうなった!高町なのはの悲痛な叫びは残念ながらカルト教団には届かない!

 

「なのは!?どうしたの!」

 

 親友の豹変に戸惑うフェイト、状況を察して苦い顔をするすずか、またかとため息をつくアリサ。

 

「おかえりなさいませと言われたいよなぁ!」

『言われたい!』

「ご主人様と呼ばれたいよなぁ!」

『呼ばれたい!』

「ならば俺達の崇高なるこの気持ちを世間に訴えるんだ!俺達はメイドの味方!そしてメイドの敵を破壊する者!全ての人間にメイドによる幸福を!」

 

 自分でも何を言ってるのかよく分からなくなってきた荒瀬慎司。そんな彼のそばで1番のサポートを担う明土太郎がメガネを妖しく光らせる。そして慎司に毒されたにわか信者達。しかし彼のカリスマを侮ってはいけない。今宵、メイド宗教は新たなステージへ駆け登るのだ!

 

 

 

 

 

 

 なお、意外にもちゃんと全員授業は受けていたという。

 

 

 

 

 

 

 

 

 昼休み、魂が抜けたようにどよーんとする高町なのはを尻目に屋上で弁当をつつき合いながらアリサ、すずか、フェイトはどうしようかと首を傾げていた。

 

「あれが話に聞いてたメイド騒動だったんだね、想像より凄くてびっくりしちゃった」

「でも今回は前回の比じゃないくらい騒がしかったわよフェイト」

 

 そうなの?と少し困惑するフェイトにアリサはため息をつきながら語る。

 

「今日の朝……初日からもうあんな人数になってるからね。前回は何日もかけてあんな人数に膨れ上がってだけど時間が経てば経つほどどうなるか分かったもんじゃないわよ」

「前回みたいに慎司君に本物のメイドさん宛がって見たけど今回は収まらなかったもんね……」

 

 苦笑するすずか、既に前回の解決策となった方法は試してみたが同じ手は通じないのか慎司が元に戻る事はなかった。やっかいすぎると再びため息をつくアリサとすずか。屋上からグラウンドを覗けばあのカルト教団が布教活動をしているのが見える。というか声も普通に聞こえてくるからフェイト以外はげんなりとしていた。

 

「………私、慎司と話してみるよ」

 

 そんな空気を感じ取ったフェイトは立ち上がりながら決意を固めた表情でそう告げる。

 

「や、やめときなさいフェイト!今のアイツに話は通じないわよ!」

「そうだよ、フェイトちゃん。フェイトちゃんが犠牲になる事はないんだよ!」

 

 何だかこれから戦場に向かうのを止められるかのような形相でフェイトを止める2人。フェイトはちょっと大袈裟だなぁと思いながらも首を振って決意が堅いことを示す。

 

「なのは!あんたもずっと魂抜けた顔してないで止めなさいよ!」

「……大きな光が点いたり消えたりしてる……彗星かな?……いや違うね……彗星はもっとバーって動くもんね…」

「それやるなら宇宙に行ってきなさいよ!」

 

 2人もどんどん慎司に汚染されてる事は言うまでもないだろう。

 

それはともかくとして

 

「2人ともありがとう、でも私なら大丈夫。慎司なら話を聞いてくれればきっとやめてくれるよ」

「いやだから、今の慎司に話は通じな」

「私、話すことがとっても大切な事だって慎司やなのはに教えてもらったんだ。だから大丈夫」

「あなたが話を聞きなさい」

 

 聞く耳持たずはこういう事かもしれない。結局フェイトは決意を固め眼下にあるカルト教団の元に悠々と向かっていった。それを屋上から見守るアリサとすずか。

 

「あはは〜、鶏とペンギンが翔んでる〜」

 

 もう放置プレイのなのは。

 

「あ、フェイトちゃんが慎司君に向かって何か叫んでるよ」

「ここからじゃフェイトの声はよく聞こえないわね……」

 

 何かを伝えようと叫んでるフェイトの声は届かないが、対して教団の声はよく聞こえてくる。

 

『テスタロッサさんだ!あの天使と名高いテスタロッサそんが降臨なさったぞー!!』

『ありがたや!ありがたや!どうかこのメイド服を着てくださーい!』

『フェイそんさんー!』

『フェイたそー!』

『ファーーww』

 

 全員精神崩壊を起こしてるのではないかとアリサは本気で思った。そしてフェイトは教団の異様な空気を浴びて少しタジタジに。それでも負けじと必死に慎司に訴える。

 

『俺を止めても無駄だフェイトちゃん!』

『そうだそうだ!』

『大人しく好きな仮面ライダーでも家で見てろー!』

『何だったら変身ポーズしてもいいんだぞー!』

『好きな事に夢中になれる事はいい事だしな!』

『そうだ!俺達はその好きな事に一途なだけなんだよ大天使フェイそんさん!』

 

 大天使フェイそんとは誰だ。そしてここで考え込む素振りをみせるフェイト。え?嘘でしょ?あれでまさか納得するの?とすずかとアリサは本気で心配をした。そしてトドメと言わんばかりに慎司がフェイトに近づいて何か耳打ちをする。

 

 フェイトは今日1番の輝いた笑顔を慎司に向けてから頑張ってね!とでも言ってそうな雰囲気で別れて屋上に戻っていった。あいも変わらずカルト教団の活動は継続されたままである。屋上までるんるんで戻ってきたフェイトはアリサ達に

 

「慎司達も好きな事に一直線に頑張ってみたいだから……」

 

 と自らそれを受け入れて止める事をやめたと告白する。それにアリサは腕組みをしながら

 

「それで?耳元で慎司に何て言われたのよ?」

「今度やる仮面ライダー龍騎の映画のペアチケットを用意してくれるって!一緒に見に行く事になったんだっ」

「モノで釣られてるじゃないのよ!!」

 

 アリサの全力のツッコミが披露されたであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 結局その日は慎司を止める事は出来ず1日が終わった。それから数日間、撃つ手がなく週末を挟んで月曜日の登校の時間、4人はため息をつきながらも慎司について話し合う。

 

「どうするのよ、日曜日にアイツの家いってもお母様から『布教活動で忙しいって言って出かけちゃったのよ』って言ってたけど……」

「まさか学校外でも活動してたのは予想外だったよね……まさか柔道も休んでたりしてるのかな?」

「あ、それは大丈夫みたいだよすずか。柔道の練習も普段からやってる自主練習はちゃんとやってるみたい」

 

 すずかの疑問にフェイトが否定するがだからどうしたという結論に。結局のところあのカルト教団がある限りこの4人に平和な日常は訪れないだろう。

 

「………もういっその事、魔法で砲撃してから『お話』した方がいいと思うの」

「な、なのは……それはダメだよ?ね?」

 

 すっかり元に戻ったなのはだがこの話題になると基本辛辣である。結局いい解決案も浮かばないまま学校につく。校庭にはどうせあのカルト教団が待ち構えてると思うと4人は更に深い溜息をつくが……。

 

「あれ?」

 

 なのはの間の抜けた声が響く。校庭には登校中の生徒しかおらず例のカルト教団の姿がなかった。まさか、今回の騒動はこれで終結したのか?なんて思うほど彼女らは楽観視していない。伊達に荒瀬慎司と友達をやってない4人だ。何だか嫌な予感がして冷や汗がダラダラと流れるのを感じていた。その予感は的中した。

 

 突如放送が流れる。しかし、これは学校の校内放送ではない。海鳴市内全域に流れる行政防災無線の放送だ。

 

『これより我らメイド教団による決起集会を行う!!場所は聖小のグラウンドだ!!野郎ども、今すぐ集まりやがれえぇええええええ!!!』

 

 ガチャっと雑音を残しながら放送は終わる。4人の冷や汗は加速した。そしてもうこのまま帰ってしまおうかと誰かが言いかけたが何とか踏ん張った。

 

「今の声慎司君じゃないよね?慎司君じゃないって言ってフェイトちゃん!」

「なのは、全然慎司の声だったよ?」

「無茶苦茶だよいつも慎司くん!!」

「今に始まった事じゃないけど今回は本当にヤバいわね……」

「それにちゃんと名前あったんだね、メイド教団……って」

 

 すずかの言葉に全員『カルト』が抜けてるじゃないか?と思ってが口には出さないでおく。そんなやり取りをしているとすぐに色んな方向からこちらに向かってくる人の集団が。あ、まずいと4人は走って校舎に逃げ込む。

 

 すぐにグラウンドは人に溢れた。それは他校の生徒であり、知らないサラリーマンの集団だったり高校生だったり中学生だったりと様々だ。ちなみにみんな海鳴市民である。そして校庭の台座の上にはいつの間にか荒瀬慎司の姿が。なのは達は教室の窓からその姿を固唾を呑んで見ていた。

 

「聞け!同志諸君!俺達メイド教団はついに海鳴市を支配した!だが俺達はまだ止まらない、次は隣の町!その次は更に隣の町と勢力を拡大していく!!いずれは日本を!世界を!異世界すらも俺達メイド教団が支配するんだ!!」

 

 

 うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!

 

 

 

「朝から大騒ぎだね!」

 

 なのはちゃんのツッコミなどもはや届かなかった。ていうかまさか世界征服でも目論んでるのかあのアホはと内心思った。そもそもあのメイド活動はメイド好きな仲間を増やす事じゃなかったのかと。もはや規模が大きくなって目的を見失ってるなぁとなのはは思った。

 

 というか今異世界と言ったか?まさかミッドチルダまで狙っているのか?もしそうならやめてほしい、本当に地球を征服されたらミッドに逃げるつもりだったなのははそう思った。

 

 

 

 

 

 

 

 さてどうしたものかと昼休みに屋上に集まって4人はいつものようにお弁当をつつき合いながら話し合う。

 

「まさか週末で海鳴市内まで巻き込むのは予想外だったわ………」

 

 アリサの言葉に全員がうんうんと頷く。

 

「やっぱり私がえいって砲撃を……」

「なのは、落ち着いて」

 

 親友がダークサイドに落ちそうになるのをフェイトは必死に止める。とりあえず学校外で慎司がどう活動してるのか見に行こうと言うことに。

 

 

 そして訪れた放課後。チャイムと共になのは達が声をかける暇もなく光の速度で教室を出た慎司を4人は必死に追いかける。校門を出ると出迎えたのは慎司を信仰する教団員。もう何も言うまいと4人は突っ込まなかった。よく見たら朝のサラリーマンや学生達の姿も、まさか朝からここで待ってたのだろうか?

 

「暇かよ」

「え、すずか?」

「え?あ!ううん!何でもないよフェイトちゃん」

 

 お嬢様のすずかさえ絶対普段なら言わない口調になるほど困惑した。さて、4人は騒がしい教団についていくとやってる事は学校で行ってる事と変わらず意味不明な事を演説しながら町中を闊歩していた。

 

「メイド!!俺はメイド好きの荒瀬慎司でぇす!!幼稚園の頃の将来の夢は仮面ライダー!!今の将来の夢はメイドを従わせるご主人様です!うおおおお!!宝くじの当たりを探せええええええええ!!!」

「ロト7はどこだああああああああ!!」

「俺はワン○ーススクラッチを探すぞおおおおおお!!」

「僕は競馬場に行って稼いでくるぜええええええ!!」

「お前!抜け駆けは許さないぞ!うまぴょいするのは俺だああああ!!」

 

 

 カオスである。そしてうまぴょいとはなんだとなのは達は思った。

 

「あらら、今日もやっとるなぁ慎司君」

「あれ?はやてちゃん?」

 

 いつの間にかなのは達のそばで遠巻きに慎司を眺めていたはやての声に少し驚く4人。片手の松葉杖で支えながら歩くはやての付き添いにはシャマルとシグナムとリインフォースの姿。各々こんにちはと挨拶を交わしつつ

 

「今日もってことは……」

「うん?そやね、昨日と一昨日の土曜日と日曜日もおんなじ事してたで?」

 

 買い物の道中に見かけたんよ〜と語るはやての言葉を聞いてやっぱりかとなのはは頭を抱える。はやてはこのアホみたいな騒動なんなのかとなのは達に事情聞く。前回のメイド騒動の件とその原因と解決、そして今回はその解決策が通じなかった事も。

 

「はぁ〜、昨日話しかけても全く話にならなくて困っとったんやけどそんな災害みたいなことしとるんやね慎司君」

 

 災害という言葉に深く頷いてしまう全員。彼はもはや人間認定から外されそうになっていた。

 

「そういえば今日はザフィーラとヴィータは?管理局の方なの?」

 

 ふと疑問に思ったフェイトがそう口にするがそこで八神家4人はあー……っと困った顔を浮かべていた。

 

「ザフィーラは管理局の方なんだけど、ヴィータちゃんは………」

「家で塞ぎ込んでる」

 

 言い淀むシャマルの代わりにシグナムがそう答えた。何かあったのかと問うなのはにはやてが語る。実は昨日買い物中に慎司を見かけた時はヴィータも一緒だったのだが慎司の様子を見たヴィータが果敢に止めに行ったという。

 しかし結果は話が通じないばかりか何故か大勢に囲まれて服の上から無理矢理メイド服を着せられるという奇想天外な状況に。しかも無理矢理着せられたヴィータは顔を赤くして恥ずかしそうにするなか

 

『ちょっと幼いんじゃないか?』

『ばか!だからいいんだろうが!』

『ロリコンかお前はっ!』

『違う!フェミニストと言え!!』

 

 と、教団員内でヴィータメイド反対派と擁護派の激しい言い争いが勃発したという。しかも本人の目の前で幼いなどなど言われ実は少し気にしてるヴィータは

 

『クソ慎司!!今度ゲームでけちょんけちょんにしてやるからなぁ!!うわあああああん!!!』

 

 と慎司はもはや勧誘活動でヴィータがいた事すら気づいてないのだが慎司に呪詛を吐いて今家で般若の形相でゲームをしているという。もうやだ、慎司と一緒の国にいる限り平穏はないのかと割と本気で頭を悩ませるなのは。

 

「ああ、よかった。やっと見つけました……」

 

 途方に暮れているなのは達に前に姿を表したのは目が血走ったボロボロ姿の明土太郎、前回のメイド騒動の主犯の1人でもあるメイド好きだった。

 

「土太郎君!?どうしたの?」

 

 人の良いなのはは心配そうに駆け寄るが、土太郎は問題ないですとなのはを手で制す。そしてメガネを怪しく光らせながら指でクイッと上げてから

 

「お願いします助けてください」

 

 音速を超える勢いで土下座をするのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、今回はどういう経緯でこうなったのよ?」

「あ、あはは………嫌だなぁバニングスさん、そんな強く拳を握りながら聞かなくても」

「いいから早く答えなさい」

「はいっ」

 

 哀れ土太郎、アリサに恐怖を抱きつつもぽつぽつと語り出す。

 

「前回は僕が荒瀬君のメイド不足をメイドの波動から感じ取って彼を焚き付けたのが原因でしたが…」

「ちょっ待って?色々ツッコミたいやんけど?」

「はやてちゃん、もうそういうものだと思って受け入れてくれる?多分私達じゃ一生理解できない事だから」

「さ、さよか」

 

 なのはがダークサイドに堕ちそうだったのではやても余計な茶々を入れるのはやめる事にした。

 

「今回は僕と荒瀬君と校長先生とでメイド談義をしているのが始まりでした」

 

 もう色々と気にするのは辞めようとはやてちゃんを含む八神家は思った。そもそも慎司のメイド好きを知ったのは初めてだったしさらにはこんなおかしな事をするのかとも思った。

 いや、彼ならそれくらいしそうとも納得した。そんな心情を梅雨知らず土太郎は事の発端を話す。

 

 

『荒瀬君には幼馴染はいるかね?』

『どしたんですか校長?急に』

『いやね、君たちとは色々なメイドについて語ってきたけど結局近しい関係の女性にメイドをしてもらうのが1番かと思ってね』

『僕は胸が大きい子なら基本嬉しいですけど』

『土太郎君は黙ってなさい』

『幼馴染かぁ……まぁいるにはいますけど。前にその子のメイドの格好見たんですけどビビッとくるものはなかったんですよねぇ』

『ほほう?それはまだ君がその子のありがたみに気づいてないからじゃないのかい?』

『と言うと?』

『思い出してみるんだ、その子にしてもらった数々の親切や想い出を。それを胸一杯に蓄えた時にその子のメイド姿を目に焼き付ければきっと……メイドの境地にたどり着けるのではないのかい?』

『ふむ……まぁ確かにその子には色々感謝してますけど……でもなぁ、メイド服嫌がるだろうからなぁ』

『前回はどうしてその幼馴染君はメイドの格好をしたのかい?理由があるならその時と同じ事をすればいいんじゃないのかい?』

『同じ事………ふむ』

 

 

 

 

 

「その後、いつの間にかメイド集会が始まっていつの間にか僕は参謀として参加していました。まさかここまで大きな規模になるとは思いませんでしたが………」

 

 土太郎から聞かされた事の経緯に全員が絶句した。咄嗟にはやてはシグナムとリインフォースとシャマルを守るように自分の後ろに下がらせた。ついでに自らの絶壁も片腕で隠した。

 

 アリサ、すずか、フェイトは一斉になのはを見つめる。慎司の幼馴染といえば1番付き合いの長いなのは、メイド服を披露した事があるのもなのは。もはや該当者は1人だけであった。

 

「またなの!?どうして世界は私にメイド服を着せようとするの!」

「そんな大きな規模の話じゃないわよ」

 

 アリサにはボケに聞こえたこの発言も本人には至って真面目だ。しかし他に止める方法はない。既にプロのメイドをあてがっても止まらなかったのならやはり事の原因とも思われる会話から察するになのはがいくしかないのだ。

 

「高町さんどうぞ、貴方のサイズに合った慎司君好みのメイド服です」

「私、土太郎君ともちゃんと『お話』した方がいいと思うの。色々と聞きたい事と問い正したい事がいっぱいあるんだけど」

「慎司君を止めてくれたら罰は甘んじて受けますから………」

 

 しぶしぶといった感じでメイド服を受け取るなのは。既に前回の件でこの服装にはトラウマを抱えているが慎司が自分のメイド服姿を見たくてこんな事をしているのかと思うと少し可愛いところがあるなと慎司と長く一緒にいたせいで感覚がずれ始めたなのはは思った。

 

「はぁ……もうしょうがないんだから……」

 

 ため息一つ。なのははいそいそと近くのトイレで着替えるのだった。

 

「ちょっと嬉しそうに見えたのは気のせいだよね?」

「きっと気のせいよ。そうじゃなくてもそう思いましょ」

 

 すずかとアリサのそんな会話は幸いなのは耳には届かなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなこんなで既に放課後から始まった布教活動もそろそろ日が完全に落ち始める頃合い、町の真ん中で止めに来た警察官もメイド好きに変えて止めるものが居なくなってしまった慎司を筆頭にした教団の前にメアド服を着たなのはちゃんが立ちはだかる。

 

 少し離れた所で見守るフェイトやはやて達。

 

「なのは……ちゃん」

 

 慎司の驚愕の感情に釣られてかあれほど騒がしかった教団員も静かになる。慎司は教団員に道を譲られながらゆっくりとなのはちゃんに近づく。

 なのはちゃんも段々注目されてるのが恥ずかしくなったのか顔を赤くしつつも何とか耐える。そして慎司が目の前まで来たところで土太郎に言われたセリフと所作を行った。

 

「お帰りなさいませ、ご、ご主人様ぁ……。ご飯にします?お風呂します?それとも……じゅ・う・どう?」

 

 もう訳が分からないとはやて達は思った。そして何故か興奮した様子でガッツポーズを取る土太郎。おい、胸の大きい子が好きじゃなかったのか。しかし、なのははあいも変わらず恥ずかしげ、教団員はなのはのセリフの後から急に全く音を上げなくなり静寂と化していた。

 しかし慎司は恥ずかしそうにするなのはに優しい笑顔を向けてから肩にポンっと手を置く、

 

「なのはちゃん……」

「し、慎司君っ」

 

 やった、満足したのか。これで平穏が戻るとなのはは表情を明るくする。

 

「お前何言ってんだ?ていうかやっぱりビビッと来ないわ〜」

 

 なのは側の空気がビシリっと凍った。そしてその慎司の言葉を皮切りに

 

『まだまだメイドとして甘いぞ高町ー!』

『背伸びしたい年頃なのかなー?うん?うん?』

『メイド舐めてんじゃねぇぞコラァ!!』

『メイドの爪の垢煎じて飲んでろみょうちくりん!!』

 

「話が違うじゃん!!そしてまたこのパターンなの!?」

 

 うわああああんっと叫びながらフェイトによしよしされにいくなのは。フェイトの方が雰囲気はメイドにあってるかもなと慎司は思った。口には出さなかったが。

 

 

 

 

 

 

……………………。

 

 

 

 結局慎司はなのはのメイド服姿を見ても布教活動は止まらなかった。こうなってくるとそのビビッとくるメイドとやらが見れるまで止まらなそうだった。

 

「仕方ありません、とりあえず数打って彼のメイド欲を発散させるしかありませんね」

 

 土太郎のその言葉にアリサ達殺意を覚えたがクール系天然美女と慎司に命名されたリインフォースが

 

「慎司が喜ぶかもしれないなら……私が着よう」

 

 そう立候補したのだった。しかし土太郎も流石に大人のサイズのメイド服は持ち合わせておらず仕方なく持ってる中で1番大きいメイド服を渡した。………かなりパツパツだった。どこがとは言わないが、何処がとは言わないが。辛うじて隠す必要がある所は隠せているのがまた扇情的だった。しかしリインフォースは全く恥ずかしげもなく慎司達に近づく。

 まさかの登場に全員が一斉に動きを止めた。慎司はリインフォースを一瞥して……もう二、三回一瞥してから教団員に告げた。

 

「よし貴様ら!!今回はもう解散だ!!!二度と集まるんじゃねぇぞ!!」

『『『押忍っ!!』』』

 

 メイド騒動は終結と相成った。

 

 その様子を見ていたなのはは隣で

 

「やはり胸が大きいのが効きましたね」

 

 と満足げに頷いていた土太郎を音もなくしばいてから叫ぶ。

 

「もう絶対っ!ぜえええったいに!!二度とメイド服なんか着ないからーーーーーーーーーー!!!」

 

 

 

 と、その叫びは海鳴全体に響き渡ったと言う。

 

 

 

 

 

 蛇足だが、その後慎司とついでに土太郎とさらについでに校長先生は関係者各所全員に再起不能になるまで袋叩きにされたのは言うまでもないだろう。

 

 

 

 

 

 

「…………やっぱり胸なのかな?」

「何がだ?」

「り、リインフォースさん!?な、何でもないです!」

「ん???」

 

 その後よくなのはに胸を凝視されるようになったと慎司に伝えられてそれで散々揶揄われるのは後日談だったり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 相変わらずこれは難産でした。もうこれ幕間で毎回書くのかなぁ、次はサブタイ、メイドウォーかなぁ。あ、次回から空白期編です。いつも感想評価誤字報告、感謝感謝です。

 ぜひ今後とも感想等よろしくお願いします
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