転生しても楽しむ心は忘れずに   作:オカケン

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 ウルトラマンティガが出た!ティガが出た!うおおおお!!って感じで最近テンションが上がった作者です。


そんな日もあるし彼はそう言う人間だ

 

 

 

 

 

 

「うるせぇ!静かにしやがれ4人娘っ!!」

「誰も騒いでないし5人だからね!?」

「おおっとこれから道場の方の練習だから先に失礼するぜっ!」

「相変わらず自由だね!?行ってらっしゃい!」

 

 慎司を見送って残されるいつもの5人、場所はアリサの家。聖中での授業も終わり放課後に皆んな時間があったからティータイムと洒落込んでいたのだ。しかし慎司は練習の時間が迫っていたので途中で帰った所。

 5人はまだ時間があるのでこのままティータイムを続行。

 

「それにしても慎司君は相変わらずだね、毎日練習練習で」

「そうだね、部活の後にはいつもの道場で練習する日も頻繁にあるみたいだし」

 

 すずかの言葉にフェイトも感心するように付け加える。もうそれなりに付き合いの長くなった5人ならば荒瀬慎司という人間をそれなりに理解している。柔道に対して彼はとても真摯だ、手を抜く事を一切なく頑張っている。

 しかし本気で取り組んでいる彼を全力で応援したいと思っている反面、今のようにこうやって一緒に過ごす時間が減っているのは寂しく感じている。慎司が調子に乗るから絶対に本人の前では口にしないが。

 

「あれで勉強もそれなり出来るって慎司君は結構優秀やからなんか納得いかへんけど」

「まぁ、気持ちは分かるわよ」

 

 はやてとアリサは知らないが慎司が勉強を出来てるように見えるのは前世の記憶で土台が出来てるからである。今は自習等などしなくてもテストで点数を取れているが高校あたりでボロが出る事だろう。

 

 もっとも、彼の場合は山宮太郎時代から勉強にも真面目に取り組み必要なら自習をしてしっかりとした準備をしてテストに臨む意外としっかりとしたタイプだったから土台が役に立たなくなっても一定の成績はちゃんと保持するだろう。

 

「それでちょっと変だけど根は優しいし、一応皆んなからも人気者だし周りを楽しませる事も出来る………慎司君は天才かな?」

 

 なのはは自分で言っといて何だが首を縦に振りたくない気持ちになる。それは仕方ない、慎司の負の部分……は悪く言い過ぎだが大抵のからかいやら何やらの餌食になってる本人だからだ。

 

「何であんな変態がそれを帳消し……にしてるくらいの優秀さを兼ね備えてるか不思議でしょうがないわ」

 

 アリサの言葉に一同は思う、逆に言えばその優秀さがなくなったら変態しか残らないと。ありがとう神様、彼を変態だけの人間として生まれさせなくてありがとうと本気で感謝した。

 

「何か……慎司君がいなくなった途端慎司君の話ばっかりしてるね私達」

 

 困った顔をしてそう言うすずかにため息をつきながらアリサが口を開いて

 

「いなくても私達の言動に影響を及ぼすんだからホント困ったヤツよ」

 

 アリサの言葉に皆んな笑って頷くのだった。ちなみに、慎司がいないときに彼の話題で盛り上がるのは割と結構あったりする5人である。

 

 

 

 

 

 

………………………………。

 

 

 

 

 

 その後も雑談をしてるとふとはやてが思い付いたかのように一つ話題を提供する。

 

「そういえば、慎司君って誰かと喧嘩とかしたことあるかな?」

 

 ふとした疑問だった。意外にも彼は結構大人だ、まぁ5人は知らないが一応実年齢は前世と合わせたら成人どころかもう中年なのだが。それを知らない5人からすると慎司は何だかんだゆとりある性格をしている。

 彼だって今を生きる一人男の方、生きていれば色々な事に出くわす。それは理不尽な事だったり普通だったら怒りを露わにする様な事だったらと様々だ。

 しかし彼はそう言う場面に出くわしても笑って冷静な対応をする。

 

 前にいきなり因縁をつけられた時なんかもそうだ、普通突然胸倉なんて掴まれたら一発触発の雰囲気なりそうな物たが彼はそれを笑っていなしてあろうことか因縁をつけた相手にも気遣い、双方に恥をかかす事なく事を収めた。

 

「どうだろう……ちょっとした言い合いなんかも慎司からしたら多分じゃれてるつもりなんだろうし」

「私も慎司と喧嘩って言うほどの事には発展した事ないわね」

 

 性格が大人しめなフェイトはともかく、少々気の強いアリサでも長い付き合いとなるが喧嘩というほどのものは一度もない。

 

「なのはちゃんはどう?慎司君が喧嘩してる所見た事ある?」

 

 すずかがこの中で1番慎司と付き合いの長いなのはにそんな風に疑問を投げかける。なのははうーん……と少し考え込みながらも

 

「私も見た事ないかな……皆んなも知ってる通り慎司君ってああ見えて結構大人だし、私と知り合ってる時からもあんな感じだったから」

 

 自分で言葉にしてなのははふと思う。

 

「(そういえば、慎司君と出会った5歳の時も今とほとんど性格が変わってないよね……)」

 

 それは口調だったり雰囲気だったり。昔から彼は今のようにふざけて今のように大人な面を垣間見せてきた。まるで、あの時からすでに精神はある程度の成長を終えていて確立したものであったかのように。

 

「慎司君のご両親から聞いた事があるんだけど、3歳くらいの頃にはほとんど泣く事も無くなって迷惑をかけなくなったって言ってたかな…」

「へぇ……ホンマに慎司君は謎だらけやなぁ」

「慎司が聞いたら『ミステリアスな男の方がカッケーだろ?』とか言いそうだね」

「あはははっ!確かに言いそうね。フェイト、慎司のモノマネ中々上手じゃないっ!」

 

 大笑いするアリサに釣られて皆んなも笑う、慎司が預かり知らぬ所では基本的にこんな会話をしている5人であった。

 

 

 

 

 

 

 

………………………。

 

 

 

 

 

 

 そんな他愛のない話をしたのが数週間前。現在、場所は聖中の慎司達の教室。本来なら今は登校時間で生徒達はホームルームが始まるまで教室で和気藹々としているのだが今日は違った。

 教室内は異様な空気に包まれてクラスメイト達の視線は一点に注がれて困惑しながら現状を見守っていた。

 

「……………………」

「……………………」

 

 視線を浴びているのは席が隣同士の荒瀬慎司と高町なのは。二人は特に口も開かずただ静かに座っているだけである。別段それがおかしいわけではない、仲良しの2人で隣で座っていても互いに黙っている事なんて別に普通だ。

 しかし普段絡むことの多いアリサ達やフェイト達だけでなくクラスメイト達も感じ取っていた。

 

『何か二人ともめっちゃ不機嫌ー!!』

 

 二人に漂う空気が異様だった。絶対に雰囲気が悪いと誰もが思うほどピリピリとしている事が伝わった。

 

「ど、どうしたんや2人とも?何かえらい不機嫌……やなぁ?」

 

 何とか冷え切った場を温めようとはやてが意を消してそんな風に声をかけた。

 

「はっ、誰かさんのせいでこっちは朝から憂鬱だよ」

「……それ私のセリフだけどね」

「(怖いっ!?)」

 

 はやてはそれ以上話を広げなかった。というか普通に怖くて声も出せなかった。あんなに怒りの感情を露わにするなのはは初めて見たしつい先日に大人な性格をしてる慎司は喧嘩もしないっていう話をしたばかりの慎司も大人気なく不機嫌さを前面出している。

 

「あんな2人を見るん初めてや……明日は雪が降るで」

「はやて、明日の天気予報雪だよ?」

「そないなことはええねん」

 

 ちなみに今は冬である。

 

「よし、今度は私が頑張るよ」

 

 ふんすっという感じで胸を張って今度はフェイトが2人に歩み寄る。え?まさか順番に挑戦しなきゃいけない感じ?とアリサとすずかは思った。

 

「慎司、なのは……二人が喧嘩なんて似合わないよ、仲直りしよ?ね?」

「別に喧嘩なんかしてねぇよ」

「うん、喧嘩なんかじゃないよ。慎司君が一方的に悪いんだから」

「は?」

「何かな?」

 

 その状況はもはや喧嘩でしかないとフェイトは思ったが口にはしなかった。というか待ってほしい、想像以上に2人の雰囲気は険悪である。喧嘩と言っても2人の事だからいつものじゃれあいがたまたまちょっと強く作用してるだけだろうと楽観視していたフェイトは内心で焦る。

 ちなみにフェイト以外のクラスメイトは最初から雰囲気で只事じゃないと理解していた。そのあたりフェイトはまだ空気を読む慣れが必要そうだ。

 

「わ、私2人がいがみ合ってる所は見たくないな……話だけでも…」

「くっっっだらない事だから話す必要ねぇよ」

「そうだね……くだらない事だもんね?」

「お?」

「何かな?」

「(怖いっ!)」

 

 デジャブである。

 

普段は穏やかななのはが、不機嫌さを表に出すようなことをしない慎司がここまで互いを煽るようなやり取りをするなんて誰が想像したか。そしてそうなった経緯も二人が言ってくれないと全く分からない。

 

「全く皆んな心配しすぎなんだよ、別に何かあったわけじゃねぇから気にすんなって」

「そうそう、別に何でもないから。気にしないでね?」

「うんうん、何でもない何でもない」

「そうだね、何でもない何でもない」

「…………………」

「…………………」

 

 

 

「「何だよ(かな)?」」

 

 睨み合いながら言う2人を見て皆一様に思う。喧嘩してもやっぱり仲良しかもしれないと。

 

 

 

 

 

 

 

………………………………。

 

 

 

 

 

 結局何も解決はされず先生が教室に訪れて学校での1日がスタートした。流石に授業中は先程のようにちょっとした言い合いはしてないようだが2人から滲み出る負のオーラはクラスメイトだけでなく教師の胃もキリキリとさせる。

 

「そ、それじゃあ荒瀬君?ここの問題答えられるかしら?」

「なのはちゃんが分かるそうです」

「っ!?」

 

 ここでまさかのキラーパスである。

 

「うん?うーん……先生は荒瀬君に答えて欲しいなぁ…って」

「…………………」

「…………………」

「…………………」

「……高町さん、お願いします」

「先生っ!?」

 

 穴が開くほどジッと怖いくらいに慎司に見つめられた教師は折れた。というか瞬きを一切しないで一切こちらの目を離さず見つめてくる慎司に関わり合いたくないと恐怖を感じた。

 

「え、えと………」

 

 虚をつかれたなのははすぐには問題に答えられなかった。ちなみに科目は数学である。

 

「うーん……」

「点Pは動きませーん」

「………」

「円周率のπはおっぱいのぱいって言い出した奴誰なんだろうな、まじでくだらねー」

「…………」

「えいっ、えいっ……怒った?」

「怒ってるよ!?邪魔しないで!」

「わー、なのはちゃん短気ー」

「誰のせいかなぁっ!」

 

 ぐぬぬという感じに悔しがるなのは。やはりリアル精神年齢の高い慎司の方が揶揄ったりするのは一枚上手であった。

 

「こ、こら!2人とも授業中ですよ!」

 

 教師の言葉に慎司の目がギラリと光る。

 

「そういえば先生……」

「な、なんでしょう?」

「この間合コンに行ったそうですね?」

「ど、どうしてそれを!?」

「俺のこの街での情報網を甘く見ないでください」

 

 お前は一体何者なんだ。

 

「上手く行かなかった事も聞いてますよ、ですがそんな先生にプレゼントがあります」

「プレゼント?」

 

 慎司は一枚の紙を手渡す。

 

「こ、これは!?」

「そうです、明日開催のお金持ちが多く集まる婚活パーティーの招待状です」

「ど、どうやってこれを?」

「俺のこの街でのコネを甘く見ないでください」

 

 だからお前は一体誰なんだ。

 

「パーティーは明日、今日のうちに色々準備するものもあるでしょう。これで……狙っちゃいましょ?」

 

 悪魔のような慎司の囁きに教師は生唾を飲む。

 

「………玉の輿を…ね」

「今日は自習にします!」

 

 教師はそう言い残して飛び跳ねるように教室から出て行った。荒瀬慎司恐るべし。

 

「さ、流石俺達の慎司だ!」

「俺達がで、出来ない事を平然とやってのける!」

「そこにシビれる憧れるぅ!」

 

 もはや慎司の取り巻きかも分からないいつものクラスメイト三人組も流石に困惑した様子だ。というか前から思ってたけど君達も一体何者よ?いつも同じ事しか言わないけど。

 

「さーて、邪魔者はいなくなった……やるか?なのはちゃん」

「本当はいけないけど……慎司君をコテンパンにする為だもん……受けて立つよ」

 

 真面目なのはも今の状況を受け入れてそう言う。再び一発触発な雰囲気にクラスも息を呑む。

 

「慎司君?なのはちゃん?……暴力は……」

 

 ただ事じゃないと思ったからかそう心配するすずかの声に被せるように慎司が懐からどうやって出したのかとあるものを机にドンっと置いて言う。

 

「よっしゃ!じゃあこれで決着つけるぞ!!黒髭危機一髪を改良した『なのはちゃん危機一髪』で!!」

「望む所……ってちょっと!?また私で変な改造したね!」

 

 慎司の常套手段である。始まりはトランプのジョーカーになのはの顔を落書きしてその後も様々なゲームでなのはの心を乱す為色々やった。某ポ〇モンの対戦でマタ〇ガスに『なのは』と名付けて憤慨させていたのも割と最近の事だ。

 そして今回のなのはちゃん危機一髪は単純に黒ひげ人形の顔部分の顔になのはが涙目になってる顔の写真を雑に貼り付けているだけである。ちなみにこの時の写真は数年前になのはが間違えて慎司がいたずら用に勝った激辛ソースを間違えて使って勝手に自爆した時の写真である。偶然起きた出来事だが慎司がしめたとるんるんで激写しまくったのは想像に難くない。

 おでこにペンで『魔王』と書いてあるのも慎司的にポイントだ。

 

「ぐぬぬ……いいもん!私が勝ったらもろもろ全部慎司君にごめんなさいしてもらうからね!」

「おお?いいぜ、なら俺が勝ったらなのはちゃんにコイキ〇グのはねるの物真似してもらうからな!」

「いいよ!勝つのは私だもん!」

「よし、言質とったからな。反故にすんなよ?」

「慎司君こそ後で後悔しないでよね!」

 

『勝負だ!!』

 

「あれ?喧嘩してるんだよね2人?ちょっと仲直りしてない?」

「それでもやっぱりまだ言葉に棘があるから仲直りまでは行ってないわね」

「2人の中では本気の喧嘩なんだろうけどそれでも一緒に遊ぶんだからやっぱり根は仲良いよね2人」

 

 フェイト、アリサ、すずかの言葉にクラス一同うんうんと頷く。ふとはやてが教室の窓から外を覗く。さっきまで教室にいた先生が軽い足取りでスキップをしていた。とりあえず見なかったことにした。

 

 さて、内容はただの黒髭危機一髪なのだが。そんなこんなで白熱とするであろう2人の負けられない闘いが始まったのだ。

 

 

 

 

 

…………………………………。

 

 

 

 

 

 

 決着は付いた。敗者は地面に膝をつき不条理を噛み締めている。対する勝者は呆然としていた。勝負を初めてから1分………そう1分も経っていない。じゃんけんで先行を決めて初手は慎司からとなりゲームスタート。

 

「よっしゃ!最初は飛ばしていくぜぇ!!」

 

 と、こんな感じのテンションで慎司は一本目を適当な場所に指す。黒髭ならぬなのはちゃん人形は飛ばない。流石に初手となると飛ばすほうが難しい。

 

「よし、次なのはちゃんな」

「うん、よーし今日こそ慎司君をギャフンと言わせてやるんだから!」

 

 と、なのはも慎司に負けず迷いなくプラスチックの剣を刺す。

 

 

 ポンッ

 

 と小気味のいい音を鳴らしながらなのはちゃん人形が一瞬宙を舞いそのまますぐにコロンと地面に落下し無惨にも転がっていく。後攻1ターン目で高町なのはまさかの敗北。某カードゲームなら見慣れた後攻ワンキルである。今回後攻が負けてるが。序盤の序盤だからなのはも慎司もまさか飛ぶとは思っておらず互いにしばらく呆然とする。

 クラスメイト達もどんな白熱した勝負を見せてくれるのかと期待していた分肩透かしを食らい教室は微妙な空気に包まれる。

 

「………………」

 

 誰も何も言えない状況が続くとなのははようやく現実を理解してゆっくりと膝をついてorzこんな感じに。

 慎司ももっと白熱として盛り上がる勝負を期待していた分まさかの結果に困る。慎司的には勝敗はともかく面白い勝負がしたかったのでこの状況ではふざけても「いえーいw俺の勝ちーw」とは流石に言えなかった。

 

「ふ、ふふふ………」

 

 慎司がどうしたもんかと考えてると不気味になのはが笑い出す。

 

「な、なのは?」

 

 様子が変になり始めた親友に本気で心配になり名を呼ぶフェイトだが当の本人は返事をせずただ不気味に笑う。

 

「………慎司君、『はねる』をすればいいんだよね?」

「うん?あ?ああ……そうだな」

「………………」

「………………」

「悔しいいいいいいい!!」

 

 高町なのは狂乱。最大限に悔しさを表現しながら教室の地面でピチピチとコイキン○のはねるを見事に再現してみせた。いや、何してるの主人公。慎司も適当に言った罰ゲームだったのでこいつマジでやりやがった……と引き気味である。

 

「ふー…ふー…ふー」

 

 満身創痍ながらもやり遂げたなのはの背中は悲壮感に満ちていた。慎司も自分が言い出したけどなんだか気の毒に思えてしまう。しかし、一度罰ゲームをこなしてしまえば怖いものは無くなってしまったのか悲壮感を抱えたままなのははギョロリと慎司の方に目を向けて

 

「このままじゃ……このままじゃ終わらないよ!次はこれで勝負だよ慎司君!」

 

 まさかの再戦要求だった。ちなみに自身のカバンから取り出したのはトランプ。優等生のなのはが学校にトランプを持ち込むのは違和感を感じるが完全に慎司からの悪影響なので気にしない。

 

「ほほーん、なのはちゃんがそんな風に好戦的になるのは珍しいじゃんか」

 

 と、感心する慎司になのはは告げる。

 

「今日だけは絶対負けるわけにはいかないもん!私が勝ったら私の言う事一つ聞いてもらうからね!」

「さっきよりハードル上がってんじゃねぇか」

「ちなみに私が勝つまでやるからね!」

「勝つまでに俺からの罰ゲーム受けすぎて精神崩壊起こさなきゃいいなぁ?」

 

 と慎司からの煽りに少したじたじになりそうになるがそれでもなのはは挫けず勝負を要求する。流石は不屈の少女、諦めを知らない。別の所で発揮して欲しいが。

 

「なのは、なのは、絶対やめた方がいいよ」

「うん、もはやフラグにしか聞こえへんし」

 

 フェイトとはやての忠告など上の空。意地になったなのはの耳には届かない。

 

「んで?トランプの何で勝負するんだ?」

「スピードだよ、私最近上手くなったの」

「ああ、よりによって慎司が得意な身体能力系のゲームを選ぶのね」

 

 呆れるアリサだがなのはには勝算があった。実は気分転換に練習していたりしたのだ。理由?スピードが得意な慎司にいつかは勝ちたいと闘志を燃やしていたからである。よく慎司と遊んで様々なゲームをするなのはだが勝率はハッキリ言って悪い。殆ど慎司に辛酸を舐めさせられている。

 なのはも高町家の末っ子、負けず嫌いなのだ。

 

「よし、配り終わったな……だったら……お前が開式の宣言をしろ、磯野!」

「ガッテンだ慎司!………デュエル開始ぃ!!」

 

 ちなみに3人組の『流石俺達の慎司だ!!』の担当の子である。

 

 

 

 

……………………。

 

 

 

 

「はっはっはっ!スピードでちょっと練習したくらいで俺に勝とうなんざまだまだ甘かったようだなぁなのはちゃん!」

「うぅ………ボロ負け」

 

 結果は結局散々。なのはは涙目、フェイト達は言わんこっちゃないと苦笑を浮かべる。

 

「さぁて……罰ゲームは……」

 

 先程罰ゲームでなのはのメンタルをブレイクしたばかりである。流石にここは慎司も軽めの罰ゲームにする事だろう。

 

「皆んなを笑わせられる一発芸を全力で」

 

 訂正、この男鬼畜である。

 

 クラスメイトはうわぁ……と戦慄する。ちなみに慎司みたいになのはには宴会芸のような持ちネタなんて勿論ない。すごく嫌だが言い出しっぺの自分がここで拒否するわけにはいかず、なのはもはや悔し涙かそれとも悲しみの涙かは分からない涙を浮かべながら自身のトレードマークである左右のツインテールの先端を鼻の下に持っていき。

 

「…………髭ぇ……」

 

 と涙声で言った。哀れ高町なのは、笑わせる所かもはや同情の視線を浴びせられている。当の元凶はというと。

 

「あっはははは!!!最高だぜぇなのはちゃん!!」

 

 煽り散らかしていた。この男、やはり鬼畜である。もはや皆んなの知ってる荒瀬慎司ではなかった。

 

「流石俺達の慎司だ!」

「俺達が出来ない事を平然とやってのける!」

「そこにシビれる憧れるぅ!」

 

 もはやそれ言っておけばいいと思ってるだろ君達。

 

 

 

 

 

 

………………………………。

 

 

 

 

 結局、なのははそれ以降も意地になって様々な勝負を慎司に仕掛けるがどれもコテンパンにされ罰ゲームを受ける羽目に。授業?他の教師が教室に何度か来たが荒瀬慎司という生徒をもう理解している教師達は慎司の様子を見て即座に帰っていった。それでいいのか進学校。

 

「今から1時間語尾にゲソな」

「また負けた〜……ゲソ」

 

 

 

 

「変身ポーズ……そうだな、BLACK RXの」

「で、出来ないよ……」

「嘘つけ、散々俺の見て覚えただろ?」

「お、俺は太陽の子!仮面ライダーBLACK!RX!」

「え、普通に上手い」

「慎司君のせいでね!」

 

 

「わ、私も負けられないっ」

「どこで対抗意識燃やしてるねんフェイトちゃん」

 

 

 

 

 とまぁ、こんな感じで学校が終わる時間まで勝負は続いていた。

 

 

 

 

「くやしぃー!くやしぃいいいい!!」

「いや、負けすぎだろワロタ」

 

 ワイトもそう思います。

 

 ではなく、

 

「いい加減諦めろよ?もう罰ゲームも辛いだろ?ぶっちゃけ考えるのもめんどくさくなってきたレベルだし」

「わ、私は……諦めないもん!」

「別のとこで意地張れよ」

「次は………、じゃんけんで勝負だ」

「もう思いつかなくなってんじゃねぇか、まあいいけどさ」

 

 今日はツキのないなのはには負けないだろうと軽い気持ちでジャンケンポンっとテキトーに出す。

 

「あれ?」

「え?」

 

 慎司がチョキ、なのはがグー。あっさりとようやくなのはは勝利したのだった。

 

「や、やったああああ!!勝ったーーー!慎司君に勝ったー!!」

 

 別に勝ったのは初めてではないのだが今日は負けっぱなしだったせいか宝くじに当たったかのように喜ぶなのはにクラスの皆んなもほっこりとする。いや、本当に途中からはマジで可哀想になってきたからね。

 

 ちょうどよく学校が下校の時間を知らせるチャイムが鳴り響く。

 

「はぁー、やっと解放される。んじゃ帰るか」

「待ってよ慎司君」

 

 そそくさと帰ろうとする慎司の肩をガシッと掴むなのは。

 

「言ったよね?」

「早めのパブロン?」

「私が勝ったら言う事一つ聞いてくれるって」

「いやツッコめ」

 

 慎司の体から冷や汗が大量に噴き出る。罰ゲームの仕返しを恐れてる訳ではない。慎司は最初から分かっていたのだ、なのはが勝負に勝って自身に何をさせたいか。

 

「いやー、流石になのはちゃんの負け越しが過ぎるし……」

「言ったよね?」

「…………」

「…………」

「………………言ったけどさ」

 

 目が怖かったので慎司は潔く肯定した。どんな事を言い出すのかクラスの皆んなは固唾を飲んでなのはを見守る。

 

「……私と一緒に行こっか………歯医者に」

 

 ずこーっと慎司となのは以外の全員がずっこけた。

 

「は、歯医者ってあんた……慎司だって小さな子供じゃないんだからわざわざ命令権使ってまで………」

 

 呆れた様子だったアリサだが慎司に視線を移すと言葉が止まる。

 

「………………」

「めっちゃ嫌そうな顔しとるやん慎司君」

「嫌だヨォ!!」

 

 荒瀬慎司、狂乱。

 

「やーだー!歯医者やーだー!!」

「駄々こねないの!約束なんだから大人しく一緒に行くよ!」

「お、俺1人で行くからいいよ………」

「ダメっ、どうせまた行かないで誤魔化すんでしょ?」

 

 ここでぽんっと手のひらに拳を当ててなにかを思い出した素振りですずかが口を開く。

 

「まさか、朝から2人とも雰囲気悪かったのって………」

「私は慎司君が昨日行くはずだった歯医者さんをサボったからだよ」

「俺は普通に虫歯が痛くて。朝は特に痛いんだよ」

 

 何て事を言い出した。いや、貴様らふざけんなとクラスメイトは思った。

 

「もう!慎司君がちゃんと歯磨きサボってないのは知ってるけど、虫歯はなる時はなっちゃうんだからこれ以上酷くなる前に行くよ!」

「やだぁ!歯医者いやぁ!!痛いもん!」

「左足の怪我の時よりマシでしょ!」

「それとこれとは話が違う!」

「一緒だよ!」

 

 うわあああああっと悲痛な叫びを上げながら慎司はなのはに引き摺られる形で連行されたのであった。嵐が去った後に教室に取り残されたフェイト達とクラスメイト。

 

「結局喧嘩だったのかな?」

「あれは喧嘩は喧嘩でも痴話喧嘩やね」

「夫婦漫才の間違いじゃない?」

「ある意味いつも通りだったかもね」

 

 フェイト、はやて、アリサ、すずかは好き放題にそう言う。いや、本当に人騒がせである。もっとも、やっぱり2人は相も変わらず仲がよろしい事でと思うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………………………………。

 

 

 

 

 余談ではあるが、慎司は後々今日の事を振り返ってげんなりするのだが同時によかったと思う事もある。実年齢34となった彼だが変わらず皆んなと同じ目線で自分は日々を過ごせていると。あの朝の態度は今思えば大人気なかったと思う慎司だが逆に言えばああやって真っ直ぐになのはだけでなく皆んなとも対等だと思って彼は皆んなと接することが出来たと認識したのだ。

 

 彼にも罪悪感とまでは行かなくても負い目はあるのだ。自身が転生者、皆んなとは違ってそう言う実年齢とかの問題が態度に出てないかとか。しかしそれは最初から杞憂である。荒瀬慎司は本当に少年のままで大人でもある。そんな事にようやく気づけてそれが馬鹿らしくて彼は笑っていた。

 

 急に一人で不気味に笑うもんだから今度はなのはに精神科に連行されそうになるのはその数日後であった。

 

 

 

 

 






 執筆が前より遅くなったのはリアルが忙しいからです。ええ、それだけです。決して忙しい中での貴重な自由時間を最近買った『G線上の魔王』というpcゲーに費やしてるからでは決してありません!!
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