転生しても楽しむ心は忘れずに   作:オカケン

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 サブタイトル今まで1番適当な件ワロタ


変身、雑談、再会

 

 

 

 

 きっとそれは必然だったし運命だったんだと思う。辛かったさ、ああ辛かった。辛かったけどそうするしかなかった。しょうがないじゃないか、もう他に選択肢なんてなかったんだから。

 

 けど、辛い事でもそれでも俺は楽しく生きていきたい。辛い事を抱えていてもふてぶてしく笑い、どんなに苦しくても些細な楽しみを、喜びを全て拾って前に進む。そんな人生を歩み、そんな未来を夢見たい。険しい道なのは分かってる、それでも………止める事はない。今度こそ俺は、最後……人生の最後を飾る時、死ぬ間際……今度こそこう思いたいんだ。

 

 

 全力で生き抜いた、後悔はない、楽しい人生だった。生きていてよかったって。

 

 

 

 

 

 

 

………………………………………………。

 

 

 

 

 

 

 

「皆んな、お疲れ様。いい動きだったよ」

 

 シミュレーション訓練を終えて、舞台となったビルが立ち並ぶ街並みで肩で息をする新人達に駆け寄りながらそう褒めるなのはちゃん。やはり、教導官としての顔は普段俺と2人といる時じゃ絶対に見せない顔を見せてくれるのでなんだか新鮮である。一言二言さらに交わした後なのはちゃんは咳払いをしてから

 

「さてと、さっきの編成式でも皆んなに自己紹介してたけど今後機動六課では皆んなとも直接関わる事になるから、私の方から改めて紹介するね。私の幼馴染でもある、『荒瀬慎司』君だよ」

 

 と、背後を振り返りながらその方向に手を向ける。

 

「…………あれ?」

 

 だが残念。背後には俺どころか人っ子1人いない。

 

「あれ?あれぇ?さっきまで一緒にいたのに?」

 

 オロオロとするなのはちゃんを見て状況が飲み込めず困惑する4人。さて、あんまりなのはちゃん困らせるのも可哀想だしそろそろ行くかな。

 

「はーはっはっはっ!!!俺はここだぁ!!」

 

 と、皆んなに聞こえるように叫ぶ。場所?皆んながいる場所のすぐ隣にあるめちゃくちゃ高いビルの屋上です。今そこにいます、あ、高いな。高所恐怖症じゃないけどここ結構怖い。

 

「し、慎司くん?」

 

 なんでそこにいるんだっていう疑問とどうやってそんなに早く移動したんだという疑問で頭がこんがらがっているようだ。あ、頭を振って立て直した。慎司君だから考えてもしょうがないなんて思ってそう。

 

「そこのお前らぁ!よく見ておけっ!………ライダー………変身っ!とお!!」

 

 と、原点にして頂点である初代仮面ライダーの変身ポーズを取りそのままビルから跳んでダイブ!

 

「なのはちゃんーー!!俺飛べないし着地も無理だから受け止めてーーー!」

「何やってんの本当に!?」

 

 慌てながらセットアップして地面から10メートルくらい上でなのはちゃんにキャッチされる。あ、体柔らかい。大人になったなぁ。

 

「っぶねぇ!なのはちゃん、もう少し遅かったら俺死んでたぞ?しっかりしてくれよ〜」

「だったら危ない事しないでよ!」

「なのはちゃんを信じてたんだよ」

「そうじゃなくて……ああもう!そう言われたら怒れないよ……」

「相変わらずチョロいな」

「蹴るよ!?」

 

 とか言いつつ上空から着地して俺をおろしながらバシバシと軽く手で叩くだけに済ますのもやっぱり優しいなのはちゃんらしい。それにしてもつい子供の頃からのノリで安易に体触っちまったけど流石に控えないとな。俺は気にならないしなのはちゃんも俺とは長いせいか気にしてないみたいだけどモラルを考える年だしな色々と。

 どこの世界でもセクハラやらパワハラやらには敏感ですからね。

 

「え、えっと………」

 

 俺となのはちゃんのやり取りに4人は唖然としながらも短髪の青髪ちゃんが何とかそう声を絞り出す。えっと……そう、君はスバルちゃんかな。写真でも一応確認したのでわかるわかる。

 

「ん?俺が誰か気になるって?」

「いや、お名前はもう伺ってますが」

「気になるんだな?」

「いや、ですから………」

「ならば答えよう!」

「あ、話聞かない人だこの人」

 

 いきなりそんな事を言われたら太郎さん泣きそうだけど昨日から考えてた演出を俺はやめたくないんだ!

 

「ライダー……変身っ!とお!」

 

 と、今度はその場でもう一度先程の変身ポーズを披露してちゃっかり着ていたジャケットの下に隠していた大人用の仮面ライダー1号の高級変身ベルト(約5万円)を見せる。

 

「おおっ!おおおおおっ!!慎兄それ買ってたんですね!」

 

 テンション上げてくれたのはエリオだけである。スバルはさらに苦笑を浮かべてオレンジ色の髪がトレードマークの……ティアナちゃんか、その子はもう意味が分からないと頭を抱えている。

 キャロは最後に会った時と印象が変わらんな。相変わらずおっとりとした天然な雰囲気を感じる。そういえば割とドジっ子だった気がしたなこの子。そんなキャロは俺の体を張った演出を見ても

 

「あ、慎司さんだ」

 

 と呟くだけである。料金取るぞこの野郎。

 

「出たなショッカー!」

「しょ、ショッカー?」

「おのれゴルゴム!ゆ゛る゛ざん゛!!」

「ゴル……ゴム?」

「ええい!誰もネタについて来れんのか軟弱者!教育してやる!!」

「長いしいい加減にしてね本当に!」

 

 と、流石になのはちゃんに怒られて渋々とベルトを外して大切にケースにしまって仕切り直すべく咳払いを一つ。……もう一度ケースを開けてベルトに傷等ないか確認する……うん、ないな。保存用観賞用布教用実演用で計4つあるがそれでも傷は許されない。だって高いもん。ついでにさらに咳払い。

 

「コホン、あー……さっきも編成式で壇上に上がって紹介したが……今日から機動六課特別支援隊長として皆んなをサポートする事になった荒瀬慎司だ。気軽に慎司って呼んでくれ」

 

 と、改めて自己紹介をする。俺の名乗りを受けて困惑していた2人も気を取り直して1人1人自己紹介をしてくれる。

 

「わ、私はスバル・ナカジマ二等陸士です!」

「ティアナ・ランスター二等陸士です!」

「おう、スバルちゃんにティアナちゃんだな。よろしく」

 

 と、敬礼して厳かな態度を取る2人に固くならなくていいという意味で苦笑を浮かべて握手をする。

 

「エリオとキャロちゃんは久しぶりだな、2人とも元気だったかー?」

「はい、慎司さんお久しぶりです」

「勿論元気だったよ慎兄」

 

 わはは、そうかそうかそれはなによりだ。2人ともちょっと身長伸びたかな?

 

「さて、交流を深める為にも色々とおしゃべりしたい所だが……なのはちゃん?訓練はもう終わりでいいんだろ?」

「え?うん…とりあえず初日だし今日はここまでかな」

 

 そっか、時間は……平気だな。

 

「んじゃ、ここにいてもしょうがねぇな。皆んなも訓練後だしシャワーでも浴びたいだろうから宿舎まで歩きながらでも話すか」

 

 と、提案するだけで元気よくはいっ!と返事が返ってくる。いいねぇ、体育会系っぽい感じ。柔道部時代を思い出す。

 

 

 

 

 

 

…………………………。

 

 

 

 

 

「へぇー、エリオもキャロも慎司さんと知り合いなんだ」

「はい、僕の兄みたいな人です」

「私も色々いっぱいお世話になったんです」

「わはは、嬉しい事を言ってくれるじゃないの」

 

 場所は変わり宿舎の談話室。宿舎までの道のりである程度皆んなの人となりご分かるくらいまでは雑談をした後解散。皆んなそれぞれ訓練の汗を流した所俺となのはちゃんが揃って休憩している所、FW4人が親交を深めようと談話室に集まって来たため流れで合流して先程の雑談の続きとあいなったのだ。

 

「スバルちゃんとティアナちゃんも仲が良さそうじゃないか、同期なのか?」

「ええ、腐れ縁みたいな感じですけど」

「えぇー?仲良しって言ってくれたっていいじゃんー」

「ああもうひっつくな!」

 

 これはこれは色々な意味でいいコンビだなぁ。ティアナちゃんはツッコミ型が俺のボケでどんどん才能に磨きをかけてやろう。

 

「あの、気になってたんですけど……聞いてもいいですか?」

「うん?何だい何だい、遠慮せずに聞けよ」

「あの……慎司さんの特別支援隊長っていうの具体的にどういうものなんです?」

 

 と、スバルの疑問にずっこけるような仕草をするティアナちゃん。「あんた失礼でしょ!資料見てなかったの?」と叱られる始末である。

 

「まあまあティアナちゃんいいから……特別支援の事を聞きたいんだな?」

 

 俺の問いにスバルちゃんは何度か頷く。チラッとなのはちゃんを見る、目が合うと私から説明しようか?と視線で言ってくれたので俺は頼むわと目で返した。

 

「特別支援ていうのは機動六課が本来必要な物資……食料だったり部隊を運営するのに必要な備品だったりを管理して必要に応じて発注と支給をしてくれたり、部隊の実戦時の民間避難の誘導などの支援……とにかく機動六課のあらゆるサポートをしてくれるのが慎司君の部署なの」

「ええっと……つまり?」

 

 いや、それで分かれよ。

 

「つまりまぁ機動六課専用の便利屋さんだよ。各部署でも人手が足りなかったり痒い所の手が届くようにしてあげたりするのが俺の役目……そうだな、実戦部隊でいう遊撃隊の支援バージョンって感じかな?」

「なるほど〜」

 

 ようやくわかってくれたか。まぁ、実際の所は支援が主だけど重要なのはそこじゃないんだけどなぁ……普通なら『特別』なんて頭につけないからな。まぁ、そこらへんはまた説明すると長くなるし知らなくても問題ない事だからいいかな。

 

「私からも一ついいですか?」

「うん、ティアナちゃんもかい?どうぞどうぞ、遠慮しないで」

「はい……六課の支援部隊を担当なさったという事は管理局でもそれと似たような部隊の所属だったんです?」

「うーん……いや、そういう訳じゃないな」

「差し支えなければ慎司さんは元々どこの所属だったんです?」

「所属も何も俺は次元航行艦の提督職だよ、ひよっこだけどな」

 

 俺がそう告げるとティアナちゃんは「提督っ!?」と驚いていた。だよなー、親のコネの力もあるから自慢は出来ないけど提督って相当地位が高くないとなれないし本当に優秀な人じゃないととてもとても試験なんか受からないし。勉強マジで死ぬほどやったからなぁ。

 

「て、提督……提督の慎司さんが六課の支援部隊を?」

「おかしな話じゃないさ、俺は支援や物資の搬送を行える人員と手段を持ってる……そんな人材を俺の大切な友人達が求めていた。だからここにいるだけさ」

 

 特別支援隊とは俺のみを指すものではなく勿論俺が持ってるもの、つまりは部下だったり船そのものだったりだ。それらを含めて特別支援隊なのだ。部隊一つに次元航行艦隊一つは過剰戦力じゃないかって?

 そのためにわざわざ『特別』支援部隊って言ってるんでしょうが。支援が主、つまりは現場やら何やらには直接関わらない。まあ、上の連中に嫌味を言われない程度には現場にも手を出すつもりだけどな。

 

「友人達っていうのは……なのはさんやフェイトさん…はやて部隊長の事ですか?」

「ああ、有名だからスバルも知ってるだろうが地球出身組のエース魔導師のなのはちゃんとは幼馴染でフェイトちゃんとはやてちゃんとも長いしその守護騎士……六課の管制サポートのちみっ……リインフォース・ツヴァイ、医療担当のシャマル、副隊長陣のヴィータとシグナムと使い魔のザフィーラは俺の大切な友人達だ」

 

 俺の言葉に今日初めて会ったスバルちゃんとティアナちゃんは少し驚いたような反応を見せる。当のなのはちゃんは俺の言葉を聞いて照れ臭そうに頬をかいてにゃははと笑っていた。可愛い奴め。

 

「だから皆も色々目的やら目標があってこの部隊に来たように俺も目的があってこの部隊に来たんだ、俺にはお前達のように闘うことは出来ない。リンカーコアのない一般人だからな。だけど出来ることは、やれる事は全てやる。その全てで親友達を、そしてこれからきっとかけがえのない仲間になるお前達を支えたい……その為に来たんだよ」

 

 そう包み隠さず話す。遠回しな言い方になってしまったがようは仲良くやっていこうぜって言いたかっただけなんだがなぁ。まぁ、お互いを知る為に色々話すのも必要な事だ。

 

「はは、まぁいきなりこんな事話されても困るか。とにかく、仲良くやっていこうぜ期待の新人共」

 

 きっとこれから、こいつらとは仲良くやっていける。そんな絶対外れないような予感を感じたのだった。

 

 

 

 

 

…………………………………。

 

 

 

 

 

 その後、もう少しだけ雑談をしてからいい時間になったので解散した。なのはちゃんは明日からの訓練メニューや方針をまとめる為。俺は六課の支援物資の確認と取引先の選定と予算の選定をする為2人してデスクワークだ。これらはだいぶ決まっているが多くあって困る訳じゃないからな、調整をしておく。

 それと……六課とは別で次元航行の計画もしなければ。

 

 談話室で皆んなにも話したが六課の支援部隊になっても俺の次元航行艦の仕事が無くなる訳じゃない。六課の仕事に専念できるように任務の実績を増やし数そのものを多く達成したがそれでも全くのゼロになるわけじゃない。加減はされるがそれでも六課を一度離れ遠征に行く事もしばしばあるだろう。流石にもう長期の遠征はないだろうがな、俺が今日までにアホみたいにこなしたから。

 ごめんね部下達、ちゃんと働いた分以上の給料は渡してるから許して。でも慕ってくれて着いてきてくれてるのは嬉しいよありがとう。あ、俺の次元航行隊のグループチャット(プライベート用)にメッセージが。

 

『兄貴ぃぃ!寂しいっすううう!!』

『うるさい』

『仕事しろ』

 

 あいつ他の部下達に袋叩きにされててワロタ。全く……。仕事の話になるので俺は次元航行隊のグループチャット(業務連絡用)を開き直してメッセージを飛ばす。

 

『明日には合流できるのか?』

『勿論っす!リインフォース副艦長があっという間に必要な雑務を終わらせてたんで!』

『そっか、リインフォースありがとうな』

『╰(*´︶`*)╯♡』

 

 あいつ可愛いな。こんな顔文字使うとかギャップがもうね。いや、すでに最初の頃のクールなリインフォースはすでに消え去ってるからギャップも何もなかったわ。

 

「慎司君?どうしたの?」

 

 端末を見て笑っていた俺を気になったのかなのはちゃんが不思議そうにそう聞いてきた。

 

「うん?いやさ……可愛いと思ってさ」

「え?わ、私の事?」 

「うるさいぞチキン南蛮」

「チキン南蛮っ!?」

 

 いやー、急に食いたくなってきたな。食堂の夕飯はなにかなー?

 

 

 

 

 

 

…………………………。

 

 

 

 

 

 六課設立の初日ももう終わる。まだ寝るには早い時間だがな。なので

 

「遊びに来たぞゴラァ!」

「何事っ!?」

「あ、慎司いらっしゃい」

 

 てな訳で、宿舎でなのはちゃんとフェイトちゃん2人の相部屋に颯爽と登場。すでに部屋でゆっくりしてたのか2人とも寝巻き姿である。ちなみに俺も寝巻き姿である。着用してるのは甚平、かっこいいよね甚平。

 

「もう、子供じゃないんだから部屋くらい静かに入ってよ……」

「少年の心をいつまでも持ち続けたいと思っている荒瀬慎司です」

「慎司の行動は少年というよりただの奇行だけどね」

 

 うるさいぞ仮面ライダーのヘビーファンことフェイトちゃん。フェイトちゃんの影響でエリオまで同じようになっちまった。俺としては同じ趣味の仲間が増えて嬉しいがね!

 

「それで、慎司はこんな時間にどうしたの?」

「いや、皆んなも本格的に管理局入りして俺も何だかんだで忙しかったから俺達滅多に遊ぶ時間なんてなかったろ?」

「私達は普通に休みは取れてたけど慎司君は提督になってから休みなんてほとんどなかったもんね」

 

 まぁ実際にはあったんだがやる事が多くてなぁ。休日もフルに使わなきゃいけなかったのよ。

 

「つーわけで、六課が稼働してる間だけだが昔みたいに一緒にいる時間も長くなる訳だし……」

 

 と、手さげ袋に入れて持ってきたトランプやらゲームやらジェンガやらの遊び道具を掲げながら

 

「出来る日は久しぶりにこんな遊びもしようじゃんかよ」

 

 と提案。2人は顔を見合わせてから吹き出すように笑って

 

「慎司君らしいね、うん…いいよ」

「こういう感じも久しぶりだね」

 

 と嬉しそうに部屋に招き入れてくれる。たまに会っても昔みたいにこんなゲームやらで遊ぶ機会は無くなってしまったからな。けど、こういう子供時代から遊ぶものも大人になったって楽しいもんだ。

 

「はやて達も呼んでみようか?」

「もう皆んなには声かけたんだけど残念ながら2人以外は仕事中だったよ。また時間ある時に誘うさ」

 

 FW4人も誘いたかったんだが今頃初訓練後で疲れてそうだし無理に付き合わせるのも悪いからな。

 

「それじゃあ、最初は何する?トランプ?」

「プロレスごっこ」

「何で!?」

 

 なのはちゃんのツッコミも単純ながらキレが上がったよなぁ。フェイトちゃんもたまに鋭いツッコミしてくれるし嬉しい事だ、遠慮なくボケれるし。

 

「とりあえずフェイトちゃんがなのはちゃんにラリアットかます所から始めよう」

「え、嫌だよ」

「オンドゥルルラギッタンデスカー!」

「お願い、人間の言葉を話して」

 

 一応今のも人間から発せられた言葉なんだよなぁ。

 

「オンドゥル語はなのはには無理だよ慎司」

「オンドゥル語って何フェイトちゃん!?」

 

 しまった、フェイトちゃんもたまにボケ枠になるんだったわ。

 

 

 

 

 

 

 何とも締まらない感じで機動六課の初日を終えるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………………………………。

 

 

 

 

 

 

 

「お前がケーキになるんだよぉ!!」

「え、朝から何なん?」

「昨日夜遅くまで頑張ったはやてちゃんに栄養たっぷりミックスジュースの差し入れじゃあ!」

「ケーキやないんやね、まぁでもありがとう」

 

 翌日、遅くならないうちになのはちゃんとフェイトちゃんの部屋を後にして部屋で残りの作業をしてから就寝をした俺は食堂で眠たそうに朝食を食べていたはやてちゃんにフルーツを直搾りしたジュースをプレゼント。いやぁ宿舎に持ってきてよかったジュース用ミキサー。

 

「慎司さんおはようです〜」

「おはようさんちみっこ、ホレお前の分」

 

 と、ちみっこ用のミニサイズこも用意してあるのでそれも渡す。

 

「ありがとです、慎司さん大好きです〜」

 

 ちみっこは朝ちょっと弱いからな。生まれたての時ほどところ構わず好き好き言わなくなったとはいえ寝ぼけてるとすぐこれだ。すかさずちみっこにバレないように端末で動画を回す。

 

「ちみっこ、荒瀬慎司の事は好きですか?」

「ふわぁ……慎司さんですか?勿論好きですよ〜」

「あくびも可愛らしいねちみっこ」

「そんな、慎司さんにそう言われたら照れちゃいますよ〜てへへ」

 

 何この子めっちゃ可愛いんだけど。後で動画見せて悶絶させてやろ。後部下達のグループチャットにも送ってやれ。

 

『今日の朝の副艦長の人格を元に生まれた副艦長の妹の様子です』

 

 あえて羞恥心を煽る為説明口調に。

 

『相変わらずリインちゃん可愛いですね〜』

『あくびも可愛らしい〜』

 

 ちみっこはうちの女性スタッフにも人気なのである。

 

『ε=ε=ε=ε=ε=ε=┌(; ̄◇ ̄)┘』

『(〃ノдノ)』

 

 リインフォースは隅っこまで走って悶絶してるらしい。相変わらずチャット内でも可愛いやつである。

 

「そういえば、リインフォースから連絡あってな……今日の昼過ぎくらいにはこっちに来れる言うてたけど聞いとる?」

 

 俺とちみっこの絡みを微笑みながら観察してたはやてちゃんは思い出したかのようにそう口を開く。

 

「ああ、聞いてる聞いてる。一応俺が出迎えるよ、リインフォースだけでなくもう1人の部下も一緒だからな」

 

 一応特別支援部隊として行動を起こすのは俺の次元艦隊メンバー全員ではあるのだが名前を六課に籍を置いて宿舎でも実際に皆んなと隊員として過ごすのは俺とリインフォースとその部下だけなのだ。

 全員を籍を置いたら規模がさらに大きくなっちまうからな。上層部にケチをつけられるのも嫌なので他の部下達は外部協力者として扱っている。ちょっとしたズルだけど大きな問題にはならない程度だ。こういう細かい事もしておかないと後で困るしな。

 

「ほな、それじゃあ慎司君にその2人に六課の案内も頼めるか?慎司君も来たばっかりで再確認するのもちょうどええやろうし」

「はいよ任された。一応到着したらメールでも送っておくから顔を出せるようなら出してくれよ」

 

 まだ稼働したばかりの機動六課、部隊長のはやてちゃんもてんやわんやの忙しさだろうから来れないだろうけど一応そう告げておく。俺のせいでリインフォースははやてちゃんと過ごす時間は減ってしまっているから何となくそんな事を言ってしまっていた。

 

 そんな俺の中途半端な気遣いを知ってか知らずかはやてちゃんは美味しそうに俺が用意したジュースを飲んでいた。

 

 

 

 

 

…………………………。

 

 

 

 

 

 

 雑務をこなしていると端末に連絡があった。リインフォース達は予定通りの時間に六課の時間に着くそうだ、時間を確認する……もう少しか。ギリギリまで雑務を進めてから俺は上着を羽織って2人を出迎えるべく外へと繰り出す。

 

 出迎え場所まで来る、まだ誰か来た様子はない。端末でこの後の予定を確認しながら待っているとすぐにこちらに向かってくる人影が見えた。しかし、それはリインフォース達ではなく

 

「何だソフィ、お前も出迎えに来たのか」

 

 部下のソフィアだった。相変わらず指示もしてないのにメイド服を着用して六課の一員として俺の艦隊の一員として働いてくれている。ちなみに今日は昨日と違ったメイド服である。

 

「はい、ご主人様。私も艦隊のスタッフではありますから」

 

 六課での普段のソフィの仕事は宿舎等の施設の清掃、管理、他のスタッフサポートなんかが主だけど俺の部下としては秘書に近い役割をしてくれている。それに、次元艦そのものの清掃と管理もしてくれている有能な部下だ。正直俺には勿体無いくらいの部下である。

 

「どうだ?1日しか経ってないけど六課での仕事は?」

「業務には問題ありませんが、次元艦で生活してる時のようにご主人様のお世話をする時間がないのが残念です」

「やめろよマジで、頼んでないのにあそこまでやられたらまた別に給金払わなきゃいけないし」

「私はいつも結構だと言っていますが……」

「俺が気にするのー、とにかくそういうのは控えてくれ」

「善処します」

「絶対しないだろお前」

 

 こいつが部下になってからしばらくして何に影響を受けたのか知らんが頼んだ業務以外にも俺の世話……まるで俺を本当にご主人様に見立ててハウスキーピングならぬルームキーピングやらコーヒー淹れてくれたりやら料理作ってくれたりやらまさにメイドの仕事もするようになったからなぁ。

 念願の自身に奉仕してくれるメイドだけど経緯が経緯だから素直に喜べん。

 

 とまぁ、そんな雑談をしてるとようやく目当ての2つの人影が見えてきた。こちらに向かってくる2人に俺は手を振ると向こうも応じる。

 

「よう、待ってたぜ」

「慎司……久しぶりだ、会いたかった…」

「3日前までずっと一緒にいたけどな、感覚バグってんぞ」

「バグっていたのは私の暴走プロ……」

「その自虐ネタはもういい」

 

 リインフォースめ、たしかにもうかなり時間が経ってるしブラックジョークとしては解禁だがいかんせんこいつ味を占めたのかちょこちょこ使ってくるんだよな。

 

「押忍!兄貴!!お待たせしました!貴方の一番弟子、ただいま参上いたしました!!」

「お前も相変わらず暑苦しいなー、まぁ無事に合流出来てよかったよ。リインフォースと一緒に報告処理頼まれてくれてありがとな、『マックス』」

「いえ!慎司の兄貴の頼みですから!ドンとこいっすよ!」

 

 この元気で暑苦しい少年は『マックス・ボルグハルト』。次元艦隊の俺の部下で六課に名を置き一緒にやっていくもう1人のメンバーだ。髪は短髪のウルフカットに濃い赤色でよく目立つ。歳は17と俺より少しだけ下、こいつは兄貴兄貴と慕ってくれてはいるが公の場でも兄貴と呼ぶもんだから度々注意してる。

 俺の一番弟子をよく名乗るが別に弟子も取ってないし何も教えてないし勝手にそう言ってるだけである。まぁ、別にいいけどね。

 

「マックス様、リインフォース様…道中お疲れ様でした。こちらへ、宿舎へと案内いたします」

「ああ、ソフィありがとう」

「流石ソフィさんっす!気遣いの化け物っすね!!」

「マックス様うるさいです」

「たはー!たまに口が悪くなるソフィさんも素敵っす!」

 

 ちなみにマックスは年下だろうが年上だろうが誰にでもこんな調子である。何だろう、おちゃらけてる訳じゃないんだけど大真面目でああいう言動だからなぁ。面白いからいいや。

 

 淡々と歩くソフィを先頭に元気よく忙しないで周りをキョロキョロと見渡すマックス。そして俺の隣で一緒の歩幅で歩くリインフォース。案内はソフィで十分だろうがはやてちゃんにも頼まれたしせっかく迎えもしたから一緒に着いて行く。

 

「さて…と……」

 

 俺がそう呟くとソフィもマックスもリインフォースも足を止める。なんだかんだそれなりに長く一緒に艦隊メンバーとしてやってきてる仲だ、俺が何かを告げようとしてる事をすぐに察してくれる。

 

「これで六課に艦隊からの派遣って形でなら主要メンバーは揃った。残ってるメンバーも引き続き動いてくれているが今回の六課での俺達の目的を果たせるかどうかはこの4人に掛かってる………ソフィ」

「はいっ」

「マックス」

「うすっ!」

「リインフォース」

「うん」

 

 各々、俺を見つめて顔を引き締める。仲良いのはチームワークとしていい事だが俺は提督としての顔を作り今は厳かに3人に告げる。

 

「未踏次元世界特別探査艦『アークレイン』艦長として告げる……全員適度に楽しみながら気を引き締めてかかれ!」

 

 俺の命令に力強く頷くメンバー。さぁ、ここからが本当の始動……機動六課でも楽しんでやっていこうじゃないか!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






 話が進まないのはご愛嬌で。

 strikers編にて慎司の部下として名前付きのオリキャラを投入しました。作者は個人的に二次創作を読む時あまりに沢山オリキャラが多いと読む手が鈍くなってしまうタイプですが今回strikers編の慎司君を描く上で必要なキャラ達なのでどうぞお見知り置きを。

 慎司君だけでなく今回出たオリキャラ達と原作キャラ達の掛け合いも楽しく、もちろんこれまで通り慎司君と原作キャラとの掛け合いもオリキャラが混ざる事によってさらに楽しく読んでもらえるよう頑張ります!
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