転生しても楽しむ心は忘れずに   作:オカケン

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 マジ精神と時の部屋よこせ


思い出すのは

 

 

 

 

「もうだめだ、おしまいだぁ……………」

「なのはちゃん、あのアホは何で死んだ顔して横になってるん?」

シティーウォーズがサービス終了しちゃったんだって」

「ああ、だからフェイトちゃんも今朝会った時顔が青白くなってたんやね」

 

 とある日、何だかんだ機動六課との面々とも交流を深めてきた頃。とりあえずショックな事があったので寝込む俺にため息混じりに苦笑するはやてちゃんと同じく苦笑しながらもよしよしと頭を撫でて慰めてくれるなのはちゃん。

 今頃フェイトちゃんとついでにエリオにもキャロが同じように慰めている頃だろう。

 

「そんながっかりしなくてもええやんか慎司君、まぁお金の問題とちゃうんやろうけどそんなにお金かけてたん?」

「月500円」

「超微課金!?」

 

 俺は色々と物入りだから無駄遣いはあまりできんのよ本当に。

 

「俺の人生の癒しの時間がぁ……」

「また大袈裟な……」

「おおげさなもんかよぉ……はやてちゃんだってポケ○ンGO配信終了したら泣くだろぉ?」

「あかん鳥肌立ってきた」

 

 君結構プレイしてるもんねぇ。

 

「ちなみになのはちゃんはこの間モ○ストのガチャ爆死して涙目になってたね」

「え、ちょっとなんで知ってるの!?あと別に泣いてないもん」

「マックスが俺が喜ぶと思って写真付きで教えてくれた」

「マックス君!?」

「そして数日後諦め切れなくてちょっとだけ課金してまたガチャ引いたけどまた爆死して泣いてたのも知ってる」

「なんで知って……それは私自室で1人でしたはずなのに…」

「張り込みしてたソフィが報告してくれた」

「ソフィアさん!?忍者か何かなのかな気づかなかったよ!」

 

 いやー、聞いた時は爆笑したのぅ。今も思い出して堪え切れずに笑ってるがな。

 

「あはははっ!」

「私を指差して笑う前に部下の行動咎めてよ!」

「いや、命令したの俺だし」

「何してるの!?」

「画像は俺の艦隊メンバーの共有チャットにも送っておいた」

「なんて事してくれたの!?」

 

 憤慨しながらいつものポカポカ……じゃない結構力入れてる張り手してきた痛い痛い。

 

 

 

 

 

……………………………。

 

 

 

 

 

 

 前世においても今世においても柔道という一つの競技にひたむきに努力をしたと胸を張って言える。誰よりも勝つ為の努力をしたし誰よりも柔道の事に頭を回して思考錯誤をしてきたとそんな風に思えるくらいの努力をした。

 そんな俺だからこそ努力は努力でも正しいものそうで無いものがあるのを理解しているつもりだ。

 

 例えば努力の適量……柔道の練習だったり研究だったりを時間をたっぷりと掛けて倒れるまでやればいいのかというと分かりきってる事だがそれは間違い。適度な時間を濃密に質の良い練習、研究を行う。その日その日を倒れるまで仮にやっても長持ちはしないし途中からは身にもつかない無駄な努力になるだろう。

 その場では進歩になったとしても後々には何も意味もない行為になる。学生のテスト前日の一夜漬けと変わらない。テストの点数を取る為の努力ではなく知識を広げる努力をしなきゃならないのだ。

 

 今世の俺が小学生の時に事故にあい無理に大会に出るために始めた1ヶ月と少し……あの時の努力とは名ばかりの大会勝つ為だけの対策を死ぬほどやった時がいい例だ。あの行為は大会にどうしても勝たなければならなかったから俺は分かっててそれをしたが結局後々の俺の柔道としての技術やら強さには何も進歩をさせない努力だったから。ただあの時の俺の体であの大会にだけ勝つ為の努力だった。

 負けれない、譲れない何かの為にその時だけの努力や無茶をする事は否定しない。しかし、それを履き違えて間違った努力をするのは見過ごせない。俺のこの話はスポーツだけでなく魔法の訓練でも同じ事だ。

 

「やる気満々じゃないかティアナちゃん」

「し、慎司さん?」

 

 汗だくになって肩で息をしてるティアナちゃんにそう声を掛ける、そう思うからこそ俺はここに赴く足を止める事はできなかった。

 

「やる気あるのはいい事だ、努力もいい事だ。けど、ちょっと色々目に余る部分もあるように見えてな……この間のミスを気にしてるのかは知らないけど焦った努力は意味のある努力とはいえないぜ?」

 

 そう軽口のように言うがティアナちゃんは「いえ、大丈夫です!」と聞く耳持たずな感じだ。うーん……もうちょっと落ち着いてからの方がいいかな?まだアグスタの一件から日も浅いし。止めるべきだけど少しは好きにやらせてやってから色々と説くのも必要なやり方だしな。

 けどそれより……

 

「まぁ、そう言うならあんまりうるさくは言わないけどさ。身体はちゃんと大事にするんだぞティアナちゃん。太郎さんとの約束な!」

「すいません、慎司さんの軽口に付き合う余裕はなくて。心配していただいてありがとうございます」

「あ、はい」

 

 なーんか、ちょっとばかしトゲというには大袈裟だが以前よりも距離を感じるんだよなティアナちゃんと。何もしてないとは思うんだが……うーん。俺に構わず自主練を黙々と続ける彼女にとりあえずちょっかいをかけよう。

 そういう所じゃないかって?俺のアイデンティティだぞ。

 

「うわーん!ティアナちゃんが冷たいよー!」

「冷たいと言えばアイス食いたくね?ティアナちゃんなにがいい?チロルチョコ?」

「って、それはアイスじゃないやないかい!」

「どう?はやてちゃんに似てない?」

 

 

「ふっ!はっ!やぁ!」

 

 全無視である。流石に聞こえてない事はないはず。

 

「よーし、なら慎司さん応援しちゃうぞ!」

 

 

「パワー!やー!パワー!やー!」

 

 

 

「パワあああああああああああああああああああ!!!!」

 

「いや普通にうるさいからどっか行ってくれませんかね!?」

 

 普通に怒られたぴえん。

 

 

 

 

 

 

 

………………………………。

 

 

 

 

 

「てな事があったとさ」

「私に言われましても」

「お前も冷たいなソフィ」

「いいえ愛してます」

「温度差酷っ」

 

 てな訳で仕方無く仕事に戻って書類作業しながらソフィに話を振るが特にいい案が思いつくわけもなし。それにしても相変わらず君のコーヒーは美味いね、もうカフェ開きなマジで。ちなみに

 

「ぬおおおおお!書類!今日こそ!君を!終わらせる!」

 

 暑苦しいこのアホも俺と一緒に書類作業中である。誰だこのアホに書類任せたの、俺だった。

 

「マックス、もちっと静かにやれんのか」

「おっす!静かにしまああああああす!」

「ソフィ」

「かしこまりました」

 

 一声ソフィを呼ぶと彼女は俺がどうして欲しいか分かったらしく……ってうわ、どうやってんだあれ?って言う形をした関節技をマックスにキメる。

 

「ぬおおおおおおおおお!!?ソフィさん!ギブ!ギブっすううう!!」

 

 痛めつけてもうるさいので結局解放させる。

 

「はぁ全く………」

 

 ため息混じりに呟く。ティアナちゃんの件もあるしこっちはこっちで忙しさで愚痴りたくなる。うまくいかない事ばかりなのが人生だがそう割り切れないのが人間の性か。例のハーヴェイを名乗る男のことも考えねばならないし頭が痛い。まぁ、下を見てもしょうがない一つ一つ取り組んでいこう。

 そう言うわけでまずはティアナ事だな。

 

「マックス、お前アグスタの一件からFW達の様子はどうなんだ?」

 

 マックスはアークレイン隊の中で1番FW達と距離が近いし仲がいい。実戦任務とアークレインの任務以外は基本的に六課でFW陣と行動を共にしている。以外にも結構仲良くやっている所はちらほら見かける。

 

「FW陣ですか?そうっスねぇ……アグスタの一件からずっとティアナさんの自主練にみんな付き合ってる感じっすね」

「みんな……お前は付き合ってないのか?」

「いや、師匠俺は……」

「ああそうだったな、すまんすまん」

 

 マックスのじゃ自主練付き合えないよな。何のためになのはちゃんにマックスだけの訓練メニュー組んでるんだって話になっちまう。皆んなとは実力が違うんだからそりゃな。

 

「なんで、自分なりにっスけどあんまり根を詰めすぎないように見張ったりケアしたりしてるっす。具体的にはパシリとか」

「悲しくないかそれ」

「ティアナさんにも逆に『もうやめてくれ』って言われたっす」

 

 こいつが何をしでかしたか想像に難くない。どうせ事あるごとに『お茶持ってきたっす!』とか『マッサージします!』とか『子守唄歌います!』とか言い出したんだろうな。分かるぞ、経験者だからなクソが。

 

「毎回自主練も見張ってたんスけどそれはヴァイスさんがやってくれてるのでお任せしてますッス」

「ヴァイスが?」

 

 そっか、ならヴァイスにも話を聞いておいた方が良さそうだな。

 

「なるほど、ありがとよマックス。とりあえずお前はお前でティアナちゃんや他のみんなを助けてやってあげてくれよ」

「うっす!師匠に言われなくてもやるっすよ!」

「はいはい、てか師匠じゃねえって言ってんだろこのボケ」

 

 意外とちゃんと色々物事を考えてるマックスなのである。それにしてもそうならそうで普段の態度どうにかならんか?面白いからいいやそのままで。

 

 

 

 

 

 

 

………………………………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「師匠!今日の俺は気合い入ってるっすよおおおおお!!」

「うるせぇ!考え事してる時は大声出すなって言ってんだろがぁ!!」

「師匠ぉ!?関節技は痛いっすうううううう!?」

 

 翌日、アークレインの艦内にて提督席で物思いに耽っている時にアホが騒がしかったので制裁する。今日は皆んなが寝静まっている内にアークレイン隊に合流しこっちでの今後の動きについての会議をする予定だ。本当はティアナちゃんについてヴァイスとあとなのはちゃんとも話をしたかったんだがまぁ仕方ない。会議が終わってからだ。

 いつもの遠征ではないので方針をある程度決めて会議を終わらせればすぐに六課に戻る予定だ。艦員達には朝早くから負担を掛けるが六課でもやる事は山積みなのであまりゆっくりはしてられない。

 

「たくっ……ソフィ、そろそろ始めるから全員を会議室に集めてくれ」

「かしこまりました」

 

 そう告げてから俺は一足先に会議室に向かう、そこの定位置の席に座り皆んなを待つ。数分もしない内にゾロゾロとアークレインのスタッフ達も会議室に訪れてきていた。

 

「あ、艦長お久で〜す」

「よう、相変わらず態度が軽いな。少しは上司を敬え」

「またまた〜、艦長はこんな感じの方が好きなくせに〜」

「お前オペレーターとして優秀じゃなかったら女でも折檻してやる所だぞ」

 

 冗談混じりにそう言うと少し俺の歳下の少女は「それは勘弁です〜」と言いながらヒラヒラと手を振って自分の席に座る。

 

「あ、提督!お疲れ様です!」

「よう、朝早くから元気だなお前」

「提督は時間外労働はちゃんと手当て出してくれるんで!俺金欲しいんで!こういうの大歓迎なんです」

「正直な奴だな、そこは安心していいからささっと座れ」

 

 今度は別なオペレーターの男とそんなやり取りをする。いや、こんなフランクな職場にしたのは俺だけど君達ちゃんと公の場というか他の人の目がある所ではちゃんとしてよ?

 

「慎司さーん、彼ピッピとのデートの時のおみやげです。どぞ」

「おうサンキュー」

 

「提督さん提督さん、眠いです帰っていいですか?」

「有給が減っても構わないんだったら帰っていいぞ」

 

 以降もそんな感じで隊員達にフランクに絡まれる。いやぁ、一つの艦隊を束ねる提督としては失格だなこりゃ。まぁ、俺は気にしないからいいけどな。にしてもいつの間にか本当にアークレインは曲者揃いになったなぁ。勧誘とかは殆ど自分でやってたけどなんでだろ。

 

「慎司、全員揃ったぞ」

 

 なんて事を考えてるといつの間にか副艦長のリインフォースも到着して皆んな既に俺の号令を待って席についてる所だった。管制スタッフ、整備スタッフ、調査隊員、実戦スタッフ、その他ソフィとマックスも含めて諸々全員だ。なんかこんな大人数のリーダーを務めるとか俺も出世したもんだよなぁ。親のコネもあるけど。

 

「よし、アークレイン隊全員揃ったな。今日は今後の俺達の動きを決める重要な会議となる。各々しっかりと参加するように」

 

 

 

 

 

………………………………。

 

 

 

 

 

「よし方針はこんな感じだ、変更があればまた通達する。次回の遠征も俺は不在だからな、リインフォースを中心に選ばれたメンバーはしっかり頼むぞ」

 

 ある程度決めるべきところは決めた所で心の中でひと息つく。曲者揃いの部下達だが皆優秀だ、真面目にやるところはしっかりやってくれるので有意義な会議となったろう。

 

「それと、これは軽い注意だが最近業務連絡用のグループチャットで私事会話が散見されてる。プライベート用のグループチャットがあるんだからちゃんと分けて活用するように」

「えー?艦長だってよくそっちに関係ない事発信してるじゃないすかー」

 

 と、1人のスタッフがわざとらしく口を尖らせたの皮切り他の隊員からも声が上がる。

 

「馬鹿野郎!副艦長のリインフォースの萌え萌えシーンを発信してほしいって言ったのはお前らだろうが」

「慎司……?」

 

 え?私?って顔をしてるリインフォースを無視して続ける。

 

「それをプライベート用のグループチャットに送ればいいじゃないですか」

「分かってないなぁ諸君」

 

 と、俺はわざとらしく指を立ててチッチッチと口ずさむ。

 

「業務連絡用で拡散させるからリインフォースが更に羞恥な顔をしてくれんだろ?」

「慎司」

「「「それじゃあ、仕方ないっすね」」」

「お前達」

 

 ちなみにリインフォースはアークレイン内では頼れる副艦長とも共にかわいいマスコット扱いされてるのは内緒である。バレバレだろうと一応内緒なのである。そう仕立て上げたのは俺なのも内緒だ。

 

「さあさあ、冗談はこれくらいにして会議も終えようか。各自持ち場に着くように」

「慎司、ちょっと先程の件で話が」

「今日もプリティだなリインフォース。次回の遠征の調整と準備もあるから後は艦隊に残って皆を頼むぞ?」

「プリティ………ああ、任せておいてくれ」

 

 と、リインフォースはポワポワした雰囲気で上機嫌にスキップしながら持ち場に向かっていった。チョロ、ていうかあいついつか詐欺に会わないだろうな?めちゃくちゃ心配になるぞ……まぁああ言うところがマスコットとして扱われる所以か。

 

「さてと……マックス、ソフィ、俺達も六課に」

「あ、艦長すいませんー」

 

 と、伸びをしてそう言い掛けたと所で先程の態度の軽いオペレーターの少女に声かけられる。

 

「どうした?本局からの呼び出しの通知が来てます。いつものやつです」

「あー………」

 

 めんどくせぇ、行きたくねぇなぁ……。

 

「いつもならソフィがついてくるところだが……ふむ」

「あ、なら師匠!俺がついていくっすよ!」

「お前は1番適任じゃねぇよ大人しく六課に戻って業務に勤しめ」

 

 そう吐き捨てるとマックスはおよよ〜と大袈裟に膝をついてがっくしとしていた。それはソフィがいつもの無表情ながら背中をさすって慰めている。

 

「1人は付き人として部下を付けないとまた煩いからなぁ……よし、ついでだ。お前も一緒に来い」

 

 と、報告してくれたオペレーターに頼むことに。

 

「え、私ですか?嫌ですよ」

「気持ちは分かるが頼むよ。ていうかたまには上司の顔を立ててくれ頼むから」

「う〜ん、お昼ご飯で手を打ちましょう」

「上司にたかるんじゃねぇアホ。まぁ、ウナギくらいなら奢ってやっから」

「いや、豚骨ラーメンでいいです」

「あ、そう?」

「メンカタメアブラオオメアジコイメがいいです」

「気が合うな、トッピングもつけてやろう」

「マジすかやったぜ」

 

 でもお前以前よりお腹が弛んで……言わぬが花?口は災いの元?はーい、黙りまーすはーい……。

 

 

 

 

 

 

 

 

………………………………。

 

 

 

 

 本局に呼び出されるのはまぁ割とある事だ。言っちゃあなんだが俺は割とお上の連中には目をつけられているのだ。悪い意味で。

 コネで異例の速さで提督にのし上がりしかも魔力を持たない落ちこぼれ、本局内で俺を知らない者からの評判はまぁひどい。誹謗中傷なんて当たり前、まぁ俺自身の事だし確かに荒技を使って卑怯な真似してのし上がってきた事は事実なので仕方ないと割り切れるのだが俺を知る者達、俺を想ってくれる人達にもきっとその現状は耳に届いている事だろう。

 

 俺に言わないだけできっと皆んなも俺の現状を聞いて自分の心も痛めている。罪な男だ俺は。だから、あんまりゆっくりはしてられないんだ。こんな風に……

 

「報告書は読んだ、また実績をあげるとはやるじゃあないか荒瀬慎司君。今度は一体どんな手を使ったんだい?」

 

 俺をわざわざ呼びつけ嫌味を言う為に話をする目の前の男に時間を取られてる場合じゃないのだ。

 この恰幅のいい中年の男は様々な艦隊を管理しているお偉いさんだ。数ある管理員の中で運悪く俺の艦隊を担当し俺はこいつに業務の活動報告、問題があれば指導やら何やらが入る。初対面から嫌味な奴ではあったが言動の節々から俺が気に入らないのを隠そうともしないしなんなら粗を探してこけ下ろそうとしている。

 

 そんなストレスを部下に与えたくなく1人は部下をつけて報告に来るようにと毎度の指示を一度だけ無視し一人で呼び出しに赴いた事もあったがそれに漬け込んで艦隊に直接部下を詰りに来たこともあった為仕方無く毎度誰か1人は伴ってきている。いつもなら大体慣れているソフィに同行させるのだがソフィは六課での活動があるのでこの普段ならへらっとした雰囲気のオペレーターを連れて来た次第だ。

 しかし確かに苛つくのは分かるけどいつもと違って能面みたいな顔するのやめて怖いから。

 

「君は……名前はまぁどうでもいい。部下である君からはどうかな?やはり実力と分不相応な役職を任されている上司を支えるのは大変ではないかね?」

「はぁ、まぁ仕事は大変ですが……他の艦隊よりも実績は上げられてるのでやり甲斐はありますよ?」

 

 と、話を振ってきた男にオペレーターは物怖じせず淡々と答える。

 

「ちっ、流石爪弾きにされた連中が集まった魔境の艦隊の『アークレイン』だ。部下の躾もなってないらしい」

「もうその辺でいいでしょう?自分がどれだけ情けない事してるか分かってるんじゃないですか?」

「何を生意気な事をっ」

「まあまあまあ」

 

 ヒートアップし始める前に俺が間に立って諌める。この子を連れてきてしまった手前言いたい事は言わせてやりたいが限度もある。わざわざ敵を作って自分の行動の邪魔はされたくないからな。

 

「おほん、とにかくこれまで通りこっちはちゃんと仕事はこなしてますし実績は上げてます。変な言い掛かりをつけられても何も言う事はないですよ。これ以上は仕事に差し支えるのでこれでお暇させてもらいますね?」

 

 と、有無を言わせぬよう圧迫感を出して言い放つ。男は気に入らなそうな顔をしていたが旗色が悪い事はちゃんと理解してるようでようやく俺たちを解放してくれた。

 それにしても毎回毎回自分が言い負かされて終わるのに飽きもせずよくこんなくだらない事してくれるもんだぜ全く。

 

 

 

 

 

 

………………。

 

 

 

 

 

 部屋を退室して六課に戻る為本局内を歩く。オペレーターの顔は少々不機嫌そうだ。

 

「悪かったな、嫌な思いさせた」

「いえ、私こそ……我慢できずにすいません」

 

 珍しく塩らしい態度をとるの乱雑に頭に手を置いて撫で回す。

 

「ちょ、やめてくださいよ」

「らしくない態度とるからだよ……お前が謝る必要はねぇ、俺達のために怒ってくれてありがとな」

 

 そう伝える。しばらく今度は優しく慰めるように頭を撫でてやる。こんな嫌がらせの呼び出しに応じるのも俺達の活動の為でもある。アークレインだって結局は管理局の一艦隊の一つでしかなくある程度自由に動く為にはそれなりの実績と各方面で良好な人脈を作り世渡り上手に事を運ばせる必要がある。

 あの嫌味なアークレインの管理担当の上司も俺達が実績を上げなければ適当な理由をつけてすぐにでも解体命令を出しかねない。

 それを避ける為にも癪だがある程度……嫌味を言われる事くらいは甘んじて受けねばならない。

 それはアークレインのオペレーターを務めるこの子も他の隊員達も分かってくれているが、だからといって甘えてるばかりにはいられない。それに報いる為に行動を止めるわけにはいかないのだ。

 

「よし約束通り飯奢ってやるよ、ラーメンでいいのか?」

「ですです、いやー2杯くらい食べちゃおうかなー」

「お前体壊すなよ?」

「二杯くらい余裕ですよ〜」

 

 マジかよお前。

 

 

 

 

 

…………………………。

 

 

 

 

 

 

 本当にオペレーターのあの子はラーメン二杯をペロリと食べた事に戦慄しつつも俺は六課へと戻る。ていうかあいつトッピングも並々だったよな?10代半ば近くの少女の胃袋にどうやって収まったのか謎すぎる。

 それはともかく、早速六課に着いた所でいち早く駆けつけた所ヘリの整備をしてるヴァイスの元だった。

 

「ああ、ティアナの事っすか……」

 

 ここに来た理由を説明するとヴァイスは苦笑して頭を掻く。本人曰く、ほっとけないが説得して止めるようなタマでもないから仕方なく遠巻きに見守ってくれているようだ。

 

「ヴァイスから見てどうだ?」

「どうっていうのは?」

「ティアナちゃんと達の様子だよ、なんかティアナに協力しようってスバルちゃんなんかも一緒に動いてるみたいでさ」

「あー……ていってもやってる事は自主練に付き合ってるのと戦術議論っぽい事をしてるくらいですかね」

 

 ………戦術議論ねぇ。大方、教官のなのはちゃんには隠しておきたそうな事だろうな、びっくりさせてやろうとか見返してやろうとか。そういう風に思う事は悪くないんだがまさなのはちゃんの指導を無視した上じゃない事を願おう。………なんて甘く見積もってたら痛い目見そうだな、お互いに。

 

 

 

 

 

………………。

 

 

 

 

 

 

 

「という訳でやって来たよ。教導官本人から説明を要求するぜへいカモン」

「唐突にやって来て第一声にそんな事を言われても困るんだけど……何かな?」

 

 夕方、なのはちゃんを探しにあちこち六課内を歩き回りようやく談話室でゆっくりコーヒーを飲んでる姿を見つけた。そこにはなのはちゃんの姿だけでなくフェイトちゃんとシグナム、ヴィータちゃんに六課オペレーターのシャーリーの姿もついでにコーヒーのおかわりの準備をしてるソフィもだ。

 

「求む!説明!」

「えっと……何のこと?」

「だから!説明を!!」

「だから何の事をだってば!?」

「下唇が腫れちゃった時の対処法だよぉ!!」

「私が知る訳ないでしょ!?」

「あと仕事のストレスで胃がキリキリしてるから良い胃薬紹介して!」

「え?大丈夫なの?ごめん、私ストレス感じてないからそういうの詳しくなくて分からないや」

「ストレス与える方だもんな!」

「訂正するよ慎司君からストレス感じてるかも!!」

「何だとゴラァ!!」

「何でそっちがキレてるの!?」

 

 途中で止まらなくなって収拾がつけられなかったので俺がヴィータちゃん「長いっ!」と怒られながら尻を思いっきり蹴られてようやくこの言い合いは終わるのであった。

 

 

 

 

……………………。

 

 

 

 

 

「ティアナについて教えてほしい?」

「そうそう最初からそう言ってるじゃん」

「言ってなかったよね!?」

 

 めんごめんご。ちなみに聞いてみればちょうど俺が談話室に突撃してくる前に同じくヴィータちゃんからも同じような事を聞かれてこれから話すつもりだったらしい。ヴィータちゃんもアグスタの一件からティアナの焦りの感情がただならぬ事だと感じて気になっていたらしい。

 

 俺がなのはちゃんを訪ねに来たのもティアナが今焦っている理由……というよりそもそものその行動の根幹について知らなければ諭す事も出来ないと思ったから。過去に何かあったのだろうと予想はつくしデータで調べればすぐに分かる事だけどそれは何か抵抗があって知ってそうななのはちゃんの元を訪れたという訳だ。

 ちょうど良かったので大人しくヴィータちゃん達と共になのはちゃんからティアナちゃんについての話を聞く。そしてそれは俺が思ったいるよりも俺の心に重くのしかかるものだった。

 

 

 

 

 

 

 

……………………………。

 

 

 

 

 

「死別……か」

 

 話を終えてから1人夜風にあたりながらそう呟く。なのはちゃんの話によればティアナちゃんには唯一の肉親である兄の存在があったがそれも既に故人。名をティーダ・ランスター、執務官を目指していた1人の立派な管理局魔導士だったが任務により殉職。その後心無いティーダの上司にティーダの名誉を落とすような心無い発言をされ当時幼かったティアナちゃんは深く傷ついた。

 

「…………」

 

 あの強気な性格は肉親がいない故の寂しさの表れか、そんな事を邪推してしまう。彼女が今この間のミスがキッカケで周りからの劣等感が強まり焦り、無茶な事をしだしたのも何となく理解できた。しかし、それよりもだ。

 

「悲しみだけを残して逝った奴からはティアナちゃんに何も言えねぇよな」

 

 俺はティーダと同じ、誰かの心に傷を残して死んだ者。置いていかれたのではなく置いていった人間だ。転生者として生きてもう少しで20年、未だに人の生き死にには過敏に心がざわつく。

 そんな奴からの言葉に意味なんかあるのだろうか?いや、だとしても良くないとわかっている事をそのままにしておく訳にはいかない。

 

「はぁ………」

 

 ため息を一つ、そして………

 

 

 

「みんな……元気かなぁ……」

 

 向こうの両親と無二の親友達の顔が浮かぶ。そんな俺の呟きは夜風と共に流れていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仮面ライダーが登場するゲームアプリ。何故終了したし






 ゆる〜いペースですが執筆頑張りますわよ。パクパクですわ
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