雨取麟児さん
俺の家庭教師をしてもらっている。このあと麟児さんが失踪するのは、俺だけの秘密
どうしようか考えた、時が来たらボーダーに通報しようとか、後は近界への興味を聞いてみたりして、なぜ近界へ渡ろうと考えたのかそれとなく聞き出そうとしてみたりした。
でも結論から言うと何も聞き出せなかったし、それにやっぱり麟児さんは千佳のお兄さんで突き出すことなんてできない。だからもう麟児さんのことを考えるのはやめた。
なるようになればいい今の俺にはもっと救わなければならないものがある。
超大規模侵攻を抑え、一緒に運命を共にしてくれた空閑に自由に生きてほしいというか。俺の都合に付き合わせたくない。千佳の話も俺はもうB級に上がって正隊員になったのだ。俺がやろうと思えば守ればいい。麟児さんの件で千佳は傷ついてしまうかもしれないが、必要経費だ。
一度起きた事例をを考えるとき、どうしても過去の自分と今の自分の違いに虚しくなる。麟児さんの話を二宮さんから聞いたとき、あの時近くにいた俺はどうして気づくことができなかったのか、止めることができなかったのかと悩んだものだ。しかしながら今の自分はどうだ必要経費だと割り切ったり、考えても仕方ないと思考を放棄したり、これを成長と言えば成長なのだろうが、この一抹の寂しさはなんだ…
やめた!やめた!
もう仕方ない昔のようにただ思うことを行動すことはできないんだ仕方ない話はやめよう。そう思いなおして俺はボーダーの定期訓練に向かった。
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俺は隊に所属していないため個人用訓練ルームを使うことができない。予約して訓練ルームを使う時は順番を待たなければならない、そう考えると玉狛支部にいた時自分がどれだけ恵まれていたか理解する。しかも時間無制限で使えた。いまは予約した2時間フルに使って練習しなければならない。
俺は仮想敵に対してトリガーを構える。
訓練ルームを出て共有スペースに水を買いに行くと前から歩てくる村上先輩と目があう
「三雲‼」
やはり話しかけられる。
「村上先輩お久しぶりです。」
「B級に上がったと聞いていたが全然個人ランク戦に顔を出さないから心配していたんだぞ」
「実はアタッカーとしてではなくシューターに転向しようと思ってて、そのためにむやみに個人ランク戦をやるんじゃなくトリオン兵相手にある程度勝負できるような形になるまで自主練していたんです。それと…あのー紹介していただいてもらってもいいですか」
「ああ悪い、こっちは荒船だ、俺は今こいつにアタッカーの理論を教わってるんだ。」
「初めまして、三雲修です。」
深くお辞儀をする。
「初めまして荒船だ、鋼から何となく聞いてるよ。三雲相当やるらしいな」
うっやめてくれ何話してくれてんだ。村上先輩、
「そんなことないですよ。C級での話です。正隊員と比べたら」
「そうだ、今からランク戦やろうぜ、三雲」
うっ、あんまり実力を見せるわけにはいかないのだが…仕方ない
「そうですね、でも十本勝負一回だけにしてくださいよ村上先輩やればやるほどつよくなって…いま俺正直C級から上がったばっかりでポイントかつかつなんですからw。」
俺たちは共有スペースから個人ランク戦ブースに移動した。
やるからには正直負けたくない。正直将来のためここであんまり実力を示すべきではないのはわかっているが、過去のおれは境界防衛機関隊員として弱すぎるといっていいほど弱かった。だからこそいつも俺は追う側だったのだ、手を抜いたバトルなんてほとんどしたことない。だからうまく手を抜けるかわからない。大体手を抜くことさえ相手への侮辱だという意識がある。
俺は、超大規模侵攻以来性格が変わった目的のために平気でうそをつけるようになったし、相手を殺したこともある。だがこういう勝負に対してはやはり誠実でいたい。
こればっかりは俺の気質だから仕方ない。
個人戦ブースに入るとルールを決める。五本に一回十五分の休憩を挟むことにする。少しでも村上先輩に有利に働くようにする。
「勝ちたくないわけじゃないんだ。ただ目立つのはごめんだ」
独り言をいってランク戦を開始する。
転送されるとレイガストを構える。村上先輩は弧月を構える。やっぱり弧月とレイガストの二刀流は荒船さんの教えじゃないのか、パーフェクトオールラウンダー目指すならアタッカートリガーに二つもトリガー枠をつぶされてたらパーフェクトオールラウンダーなんて不可能だ。
「行きます!」
弧月とレイガストがぶつかりあう。後ろに下がりながら少しづつ弧月とレイガストのぶつかり合うタイミングを遅らせる。そして
「スラスターON」
スラスターで斬撃を加速させてトリオン供給機関とらえる。
まずは一本目
…二本三本と取っていき四本目で一本取られるが五本目は取り返す。
十五分休憩、正直うれしかった。あんまり実力を知られたくないと偉そうなことをいっていたが前半だけでも二本は取られると思っていた。しかし俺はこの時の村上先輩に五本勝負で四本とれるほど剣の腕はあるらしい、今の村上先輩が弧月で7000ポイント弱って言ってたから。人気のなく学習することができないという点を差っ引いてもレイガスト一本で6000ポイント級ってところか。意外とやるではないか。だが勝負はこれからだ学習したての村上先輩は同じ相手には無双する。それに勢いもつぶされてリズムも崩されるからなお強く感じる。それでも太刀川さんはその村上先輩相手に常に無双したらしいからあの人のつよさのレベルがわかる。
休憩が終わり、後半戦が開始される。
レイガストでたちあうが太刀筋をよまれすぐに隙をつかれてしまう。
「くあーやっぱり超強いな」
後半戦二本目も取られてしまう。仕方ない
後半三本目
また打ち合う俺は剣速を変えながら村上先輩の調子を崩そうとする。しかしもうその技は見切ったといわんばかりに攻撃をいなす村上先輩は隙をついて横薙ぎを放つ。
かかった!ガキン村上先輩の太刀は止められる
「シールド!?」
本来シールドは中遠距離戦で自分の身を守るために張られる。高速戦闘をするアタッカー同士の戦いには使わない。右手に展開しっぱなしにして盾と剣みたいにして使う以外、接近戦中でシールドを使われることはほとんどないトリオン反応速度が間に合わないからだ。だがしかし俺のは間に合ったそれはなぜか、もともと仕込んであったのだ攻撃が来るのがわかっていれば話は別だ。がら空きの胴を見て、斬りたくなるのは必然、一瞬村上先輩が驚き隙が生まれる。おれはそこの隙をついて攻撃、村上先輩を真っ二つにする。
「トリオン供給機関破損、ベイルアウト」
きっと成熟した相手には効かないだろう。しかし初見では必ず隙ができる。
無双状態の村上先輩から一本取った。
「うまくいったな。」
ラスト十本目取られても引き分けだが負けるつもりはない。
はい負けました。調子乗ってすみません。
五対五の引き分け結果は上々だろう。
訓練ルームを出て村上先輩と荒船さんと落ち合う
「すごいな、寝た後の鋼から一本取るなんて、まだcから上がったばかりとは思えない。」
「いやいやただの奇襲ですよ。十本目では通用しませんでしたし」
「それでもすごいさ」
弱かった俺は人に褒められるのになれていない。荒船先輩は俺を感想戦で殺すらしい。
「やっぱり強いな三雲」
村上先輩も殺しに来た。
謙遜に謙遜をかさねそこを切り抜ける。
荒船先輩に勝負を申し込まれるが、逃げる。
ボーダーからの帰り道、今日の対戦のやっぱり村上先輩は強かったなー。俺のレイガストの使い方の師匠
ちょっと感動してしまった。
「三雲レイガストはな…」
懐かしいな、久々に前の世界の記憶に触れる…
頬を水滴が伝う…
雨が降ってきたらしい
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三雲の実力はレイガストでアタッカーランク8000くらいあると思う(今はもうちょい低い)。前の世界ではなんと三雲はブラックトリガー使いでした。そしてこの世で最も罪深い男