ミクモ オサム(仮)   作:不死ノ山

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長期休暇すみません。


近況レポート

変化弾(バイパー)

変化弾が弾いた射線どうりに飛んでいき仮想トリオン兵のトリオン機関を打ち抜く。

 

「十発七中か」

 

 やはりまだまだきれいに射線は引けない。いや射線を引けないという表現は正確には正しくない。射線を引いたとしても障害物に当たってしまったり、トリオン兵の攻撃をいなそうとして射線引きがおろそかになってしまったりする。その影響でうまくトリオン兵にあてられたのが七中ということだ。それにバイパー展開から射線を引くのに約一秒かかってしまっている。これでは人型相手では使い物にならない。おまけに射線の引き方もお粗末でこんなのは読まれてしまうに違いない。

 

「あと半年でどれだけものになるかだな…」

 

 リアルタイムの射線設定に要する情報が多いんだよ。出水先輩と那須先輩には称賛の言葉口にするほかない。未来では空間認知はレーダー精度の向上と自動補助演算がつき空間認知が非常に楽になった。よって変化弾のリアルタイム使用の難易度はぐっと下がった。他にも奇襲を受けにくくなったり、物陰に隠れて逃げ回るのが難しくなったリしたのだがまあ似たようなことは正直オペレーターに手伝ってもらえば今の技術でもできるが、そんなことを弾を打つたびにやっていたら、オペレーターを独占することになってしまう。結局それは現実的じゃないし、実用レベルにない…アドバイスが欲しいなあ。

 

 俺は考えたとことすぐに振り払う、今出水先輩や那須先輩に接触するのは未来を変えすぎてしまう気がする。ボーダー内にパイプを作りすぎるのはよくない。空閑との接触するまではというか、空閑が入隊するまでは不用意な行動を避けるべきだ。

 

「はあ…趣味が暗躍になりそう」

 

 誰もいないc級隊員用仮想訓練室でつぶやいた。

 

 界境防衛機関に入隊してから五か月、B級に上がってから3カ月がたっていた。レイガストの訓練そして新たに始めた変化弾の訓練をして、界境防衛機関本部からでて帰路に着く。家に帰ると机に向かい数学の課題である。

 

 二次方程式を解く、勉強は前の世界でもできる方だったが。世界を一周した自分には中学生の課題など朝飯前、しかしながら前の世界と違うの勉強に向かう姿勢だ。社会的評価のため真面目に取り組んでいるように見せているが、退屈を通り越して苦痛だ。この前なんて授業中に寝てしまった。前の世界では徹夜してランク戦戦略を練った後でも授業中寝るなんてことしなかった。トリオン工学の研究者であり、最悪の兵器の設計者である俺が二次方程式など…

 

 勉強の悪態はこれくらいにしよう、俺は普通に日常を過ごしつつ隔週の合同訓練と週一回の防衛任務それとは別に週に二度自分の技術を磨くため仮想訓練室を使っていた。

 

 防衛任務では香取隊や漆間隊というか漆間さんによくお世話になっている。実は防衛任務は強制ではない、半年防衛任務に参加しないとB級隊員の資格がはく奪されるのだが防衛任務を休むのは正直そこらのバイトを休むより簡単だ。三日前までに申請すれば理由の説明なく防衛任務に参加しなくていいし、熱が出ればドタキャンも許される。トリオン体なら体調の良し悪しは関係ないのにw、しかし大抵休む奴はあんまりいない防衛任務はお給料がもらえるし大抵隊に所属しているため、隊員に迷惑かけてはいけないと思うからだ。

 

 しかし私は隊に所属していない一匹狼防衛任務なんて休みまくりだぜ!といって防衛任務にはほとんど参加していない。

 

 というわけでもない、寧ろすべての防衛任務に参加している。それはなぜか、実はトリオン量というのは天与のモノだがあとから伸びないわけではないというか伸びる(劇的な伸びはあまり期待できない)それが起きるのがほかの能力と同じ成長期であり、思春期なのだ。ボーダーが青少年から隊員をスカウトするのもそのためである。だからこそなるべくトリオンを使用した訓練には出ないとトリオンの伸びが期待できないのだ。しかも隊に所属していない自分は訓練室を独占できず予約しないといけない。玉狛第一にいた時はどれだけめぐまれていたか自覚せざるを得なかった。

 

 ランク戦は目立ちたくないという理由からほとんど行っていないのでレイガスト4240のままだ。そんな孤高を気取る俺だが一度、鈴鳴第一のスカウトにあったなんでも来馬先輩直々に来ていただいた。もちろん断ったが村上先輩が来馬先輩にもうプッシュしてくれたらしい。

 

 ちょっとだけうれしい誘いだった。高校に入るまでは勉学をおろそかにしてはいけないと親と約束して入ったのでといういかにもの理由で断ったが、そのあとで鈴鳴に入ったどんな隊になっていただろうかとかってに妄想して楽しんだ。後悔はないが少しだけ残念である。

 

 それとだがなんと麟児さんがゲートを使い近界へ渡った。いつも通り家庭教師をしてもらっていたがついに俺に打ち明けることはなかった。多分B級に上がったタイミングで麟児さんに打ち明け防衛任務の様子や少しだけ界境防衛機関への忠誠を口にしたからだろうその後時限メールによってお別れのことばを言われた。千佳がとても傷ついている姿を見て後悔した。止めるべきだったか、理由くらい聞いた方がよかったんじゃないか?と…麟児さんを引き留めたくらいで空閑がこの世界にわたってこれないなんてことがあるだろうかと。考えても結果はわからなかったがやはり空閑やこの世界の人々を優先したかった。もしそうしなければなぜ過去の世界に来てしまったのかわからなくなってしまうから。

 

∴∴∴∴∴

 

変化弾(バイパー)

 

 軌道を読まれないようにある程度散らした変化弾が弾道変化させながら、戦闘用トリオン兵であるモールモッドの最硬硬度の爪軌道を避けて弾丸が飛んでいく。

 

「まあそんなうまく行かないか」

 残念ながら半分の弾丸は予想以上に動いた爪にはじかれる。残ったほとんどの弾丸も目の周りにある装甲に阻まれ届かず中ったのは一発のみ。それでも弱点である目のレーダーを打ち抜けばある程度トリオン兵のトリオンはガンガン漏れ出す。

 

「モールモッド相手にワンセットで落とせなきゃB級中位以上には全く当たらないだろうなー」

 俺はシールドモードのレイガストをブレードモードに変化させ変化弾で体制を崩したモールモッドに一気に近づいて振り下ろす。

 

「まだまだ変化弾(バイパー)は技術を磨かなければだめだな」

 

 弾の軌道は悪い感じじゃなかったんだけどなぁ。曲がるタイミングが遅すぎて障害物に中ってしまった。変化弾は曲がるのが遅ければ標的には当たらないし、曲がるのが早すぎれば変化弾の強みである。相手の意表を突くことができないし、意表をつけないし、弾道が読まれて相手を翻弄できないのであれば威力も高く、弾速も速い通常弾(アステロイド)のほうが全然いい。射手ってのはやっぱり難しい。

 

 今の俺はトリオン量は前の世界に比べて大分多い、今の俺ならきっと烏丸さんは俺を銃手にやらせただろうか…だが今から銃手に変更するのは、正直いい選択とは言えない、きっと俺はトリオンが少ないのに慣れきっている。基本思考が絡め手戦闘中心の俺は単純な撃ち合いはある程度理解しているが十分ではない。

 

 それに癖というのは厄介で一度身についてしまうと身からはがれるのに時間がかかる。もしポジションを変更するのなら悪癖がつかないように師匠を作った方がいい。まあ結局ただ保守的なだけなのだが…

 

「フリーのB級にしては結構やるな。」

 

今日の防衛任務の監督を担当している諏訪隊が一人で警戒に当たってていた俺に遅れて現地に到着する。

 

「すみません援護を待たずに戦闘を始めてしまった。警戒に当たっていたらすぐ目の前に(ゲート)が発生してしまって、牽制ができずに戦闘に入ってしまいました。モールモッド2体討伐完了しました。」

俺は諏訪隊に対し討伐報告をしつつ。名乗り忘れていた名前と年齢を答える。

 

「レイガスト使いか珍しいなあ、変化弾(バイパー)も使ってたし万能手(オールラウンダー)か。」

目が優しすぎこと堤先輩が初見のトリガー構成の中学生に話しかけてくれる。

 

「いえ。まだレイガストも変化弾(バイパー)も6000のラインに行ってなくて、レイガストの攻撃手(アタッカー)です」

 

 正直ちょっと答えていてむず痒い本来ランク戦で一つの攻撃用トリガーで6000ポイントに達していない隊員が二個目の攻撃用トリガーを使うことはないことではないが珍しい。大体一つ目の攻撃用トリガーで6000に達していないのに二つ目の攻撃用トリガーを使うなんて正直ミーハーなのだ。しかも上級者用の変化弾(バイパー)だなんて、つまり俺は今諏訪隊の皆さんにB級上がりたてではしゃいでいろんなトリガーを使おうとしている。ちょっと身の程知らずの残念な奴だと宣言しているようなものなのだ。

 

「へーレイガスト使いか珍しいなぁ、お前ランク戦で見たことあるか日佐人」

 

「いえあんまり、三雲君はレイガストは何ポイントなの?」

はい、きました。

 

「あのーあんまりランク戦はやってなくて、4250なんです。防衛任務メインでやるつもりあんまり対人戦はやっても意味ないかなと思って」

せめてもの抵抗をしてみる。気にしすぎかもしれないが諏訪隊の皆さん表情がほんの少しだけ曇った気がした。うわー完全にミーハーの痛い奴だと思われた。

 

 それから付近警戒に引き続きあたりながら諏訪隊の皆さんとは少し話し込んだ。まあそのほとんどがたわいもない話だが最後にはいつも合同任務で隊の皆さんとやるといわれるのだがランク戦を薦められた。だって目立ちたくないんだもんなんていえないから今度行ってみます。と答える。正直行く気もないのに社交辞令で答えていると頑なにいかないととがった奴だと思われるかなあ。それもそれで目立ってしまうし、嫌だ。今度行ってみようかななどと考えながら防衛任務を終えると諏訪さんたちが飯に行くけどお前も来るかと誘われる。舞い上がっていきますとこたえてしまう。

 

 全く空閑のために目立たないようになどと言っておきながら、隊員と交流を持ちたいというジレンマに陥る。村上先輩のときのように時には後者が勝ってしまい。こういうことが起きる。全く俺はやっぱり暗躍にはむいていないな。

 

 諏訪さんのおごりで焼き肉をたべ。今日のことを振りかえる。

「今日は楽しかったなー」

焼き肉と煙草でくさくなった。制服にファブリーズをかけながらつぶやく。思えば昔はこんな感じだったよなー。アフトの大規模侵攻のあと玉狛第二に所属した俺と遊馬と千佳は遠征目指して。我武者羅に頑張っていた。いや我武者羅だったのは俺だけか二人に比べて俺は他におとりすぎだったもんな。

 

 あの頃はいろんな人にお世話になった玉狛支部の皆さんそれに本部部隊の方々にも迷惑もいっぱいかけた。自分の不甲斐なさに嘆く毎日だったけどでも本当に楽しかったまた昔みたいにできるかな……答えは決まっている無理だ昔の俺と今の俺は違うでも。二人は違う。千佳と空閑にはこの世界でも昔のように過ごしてもらいたい。やっぱりパイプをつなぎすぎるのは危険すぎるか。二人のためにももう一度決意を新たにする。

 

 




次から本編突入しましゅ
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