無事、タンニーンの心をへし折って生還した俺はあの場で黒ウサギの超素敵なお説教を長々と聞かされ、飛鳥には叩かれるわ、耀には蹴られるわ、十六夜には地味に精神攻撃してくるわ、もう嫌になったよ。唯一普通に心配してくれたのはレティシアだけ。うう・・・ありがとう、レティシア・・・。そんなこんながあり数日後、俺は・・・。
「お嬢さま。朝です。お目覚め下さい」
ノーネームの執事をしております。え、何故かって?迷惑かけた罰らしいです。しばらく私は執事セバスチャンとなりました。というかレティシアのときもそうだけどあいつらこういうの好きだな・・・。
「おはよう、セバスチャン。朝食の準備は出来ているのかしら?」
「お嬢さま方のため腕によりをかけて作らせていただきました。それでは私は耀様を起こして参りますのでこれで」
軽く頭を下げ次に耀を起こしに行く俺。うん、真面目。ここは一つ黒ウサギにイタズラでもしに行くか。
「おはようございます。お嬢様。このような天気の良い日はお嬢さまの素敵な耳を引っこ抜きたくなりますね」
「朝一番に何恐ろしい事おっしゃってるんですか!?このお馬鹿様!」
言うまでもなくハリセンで叩かれる。というか黒ウサギの寝間着・・・・微エロだな。それともただたんに黒ウサギから出てくるエロ要素が溢れて出て来ているのか?」
「口に出していますよ!こんのお馬鹿様ぁ――――――――ッ!!」
おっと、失敬。そんな感じで俺は耀を起こしに行き皆が集まっている大広間へと移動する。
「おっ、うまそうだな、おい」
「そうね・・・・もしかしてか・・セバスチャンは料理が出来るの?」
「おいしそう」
作った料理を見てそう言ってくれる問題児達。まあ、そう言ってくれると嬉しい限りだ。それから飛鳥お前言い直さなくてもいいじゃねえか・・・・。
「趣味範囲で出来るぐらいでございます。味は保証できませんがね」
苦笑しながら言い十六夜たちも笑みを浮かべながら料理を取り口に運ぶ。
「タバスコ丸ごと入れた超激辛料理で良ければどうぞ」
「「「ぶハッ!?」」」
口から何かを噴き出す問題児達。おいおい、仕事増やさないでくれよ。ほら、水だ。俺は問題児達に水を渡すと三人共水を一気に飲みほして俺を睨むが俺は営業用スマイルを崩さずこう言ってやった。
「ですから、申し上げたでしょう?味の保証はできませんと」
「朝からなんてものを食べさせるのよ!」
「今日一日頑張っていただこうとこのセバスチャン。腕によりをかけたお茶目です。元気は・・・出たようですね」
「「「ああ(ええ)!おかげさまで(ね)!」」」
「ところで皆さん、朝から何を怒っていらしゃるのですか?悪夢でも見られましたか?」
「「「お前(貴方)のせいだろうが(でしょうが)!」」」
そんな一日の朝食を終え、俺はリリとレティシアで買いだしに出かける。頭にコブをつけながらな。
「悪いな、リリにレティシア。手伝ってもらって・・・・」
「いいえ!こちらこそ荷物を持っていただいてすみません」
「私も特には気にしていない。ところでセバスチャンは他の主たちのようにギフトゲームはしなくてよいのか?」
お前までセバスチャンかよ。俺は別に〇執事のように万能じゃねえし、悪魔でもねえ。
「んー、俺は別にそこまで興味はねえし、収穫祭は俺が行くより十六夜たちが行った方が適任だろう。第一、ギフトゲームに参加できるのが少ないしな」
十六夜たちは今収穫祭に行くため前夜祭までに誰が一番戦果を上げた奴の勝ちみたいなゲームをしている。もちろん俺もだが、そこまで興味はねえし、あいつらがいないときにのんびりでもするか。
「セバスチャンは謙遜しずきている。いきすぎる謙遜は嫌味にしかならないぞ。今の内にでもいいからギフトゲームに行って来たらどうだ?」
「って言われてもな。参加できるのがあるかな・・・・ん?」
俺が視界に入ったのは何やらカジノのような店だった。
「レティシア。あれはカジノか?」
「ん、ああ。だが、あれは止めたほうがいい。あそこはイカサマで人から金を搾り取るとジン聞いている。あそこから出てきた挑戦者は下着一枚で外に放り出されると・・・」
「ふ~ん、じゃあそこで人稼ぎしてくるわ。これ頼む」
俺は荷物をレティシアに渡して店に入る事三十分が経過していた。
「稼いで来たぞーーーーどうした?目が点になっているぞ?」
目を点にしながら俺を見るレティシアとリリ。するとレティシアが手を震わせながら俺いや、俺の後ろを指す。
「やりすぎだっ!」
「そうか?」
「そうです!」
二人に言われ俺は後ろにある金塊や札束の山を見る。うん、軽乗用車ぐらいはあるな。あのイカサマ野郎どもこんなにも騙し取っていたとは潰して正解だな。
「いったいどうやって・・・・」
「ノーネームの執事たる者これ位出来なくてどうします?」
これぐらいしか出来ないが。ただ単に相手が嘘をついているかいないかさえわかればあとは余裕だ。それを見て判断できる。と、そうだった。そういや。
「悪い。俺、今日白夜叉に呼ばれていたんだ。じゃあ、これ頼むな」
俺は買い物袋と金塊などをレティシアたちに預け白夜叉のいる支店へ行くと
「お帰り下さい」
店員に一蹴された。うわ、手厳しい。
「今日は白夜叉様に呼ばれて来たんだ。確認とってもいいですよ」
そう言うと素直に中に入れてくれたうん、ありがとう。ちょっと目つきが怖いのは愛嬌として受け取っておくよ。
「白夜叉、いったい何の用?」
「おお、やっと来たか。実はあんしの体の具合が気になっての。で、何か異変はあったかの?」
「いや、今のところなんもない」
ペストとのゲームから俺の体はすでに人ではなく龍になっていた。人の姿をした龍になり身体能力も大幅に上がった。意識だけは残り今のところ問題はない。というか、タンニーンの心はへし折ったから今のあいつは植物龍状態だな。
「それを聞いて安心した。一時はおんしを殺して黒ウサギたちを守ろうと最悪な手段を取ろうとしたからのう。あのときはすまなかった」
「いやいや、白夜叉の判断は間違ってねえよ。だから謝る必要はない」
いろいろ気にしてくれてたんだな。そこには感謝だな。
「そうか、で、本題なのじゃがおんし黒ウサギとはどこまでいった?」
「あー、それがな。今だに返事を返してくれねえんだ」
毎日毎日弄っているにもかかわらず今だに返事を返してくれねえ。いったい俺の何が悪いんだ。胸や尻を触ろうとしたのが悪いのか?自称素敵耳を引っこ抜こうとしたのか悪いのか?風呂に堂々侵入したのか悪いのか?謎だ・・・・恋愛とは理解できない謎だな。
「ふむ。それなら私が知恵を授けてやろう。実はもうすぐ黒ウサギがここにくる。そのとき・・・ごにょごにょ」
「ふむふむ。なるほど。よし!さっそくやってみるぜ!」
そうして黒ウサギが来るまで数十分が経過するとついに黒ウサギがやってきた。
「あれ?篝さんがどうしてここにいらっしゃるのでございますか?白夜叉様はどこへ」
「黒ウサギ」
キョロキョロと周りを見て白夜叉を探していたが俺はそんな黒ウサギの手を握る。
「好きだ、黒ウサギ。世界で・・・いや、この箱庭の世界でお前を一番愛している」
「ふえ!?」
顔をボッと真っ赤にし髪も緋色に染まる。俺はそんな黒ウサギの髪を撫でる。
「この綺麗な髪も体も心も黒ウサギの全てが欲しくてたまらない。今このときだってお前を押し倒したい気持ちでいっぱいだ。こんな気持ちは初めてだ、黒ウサギ。ここにもう一度言う。俺の女になってはくれないだろうか?」
黒ウサギの目を見ながら告白する俺に黒ウサギは俺から目線を逸らす。それを見た俺は黒ウサギから手を離す。
「・・・・ごめんな、黒ウサギ。急にこんなこと言って迷惑だったな。それに俺はもう人じゃない。暴れ回った狂暴な龍だ。そんな奴からの告白事態おこがましいにもほどがあったな」
「そんなことはございません!誰であろうと好きな人に告白するのにおこがましいことではございません!」
「ありがとう。黒ウサギ。俺はそんな優しいお前が好きになれてよかった。愛している」
「あ・・・」
俺は黒ウサギの頬に触れながらそっと唇を近づける。
「カット!カットじゃ!そこまでしろとは言っとらん!」
「し、白夜叉様!?」
ぴょんと後ろに跳ぶ黒ウサギ。チッ、もう少しで黒ウサギの唇を手に入れてたのに。
「篝!告白までは黙って見とったが黒ウサギと接吻とは何事じゃ!?」
「いいじゃねえか。いい雰囲気だったんだから。というか白夜叉は俺の告白を応援してんのか?していないのかどっちなんだよ?」
白夜叉の口説き方をアレンジしていい感じになっていたのによ。
「・・・・白夜叉様、篝さん。どいうことか説明シテクレマスヨネ?」
ハリセンを片手に怖ーいオーラを出しながら笑顔で詰め寄ってくる黒ウサギに俺は正直に話した。
「白夜叉が黒ウサギが告白シーンでどういう辱めな表情をするのか見たいと言われ協力しました。申し訳ございません」
「おんし!私を売り負ったな!?」
さて、何のことやら?僕は嘘はついていませんよ。ただ正直に話しただけです、はい。だから僕は悪くない。
「この駄神様―――――――――ッ!!」
黒ウサギの金剛杵による轟雷が白夜叉をふっ飛ばした。俺は急須から湯呑にお茶を注ぎズズと音を立てながら飲み一言。
「平和だな~」
「何が平和ですか!?この大馬鹿様!黒ウサギの純情を返してください!」
俺にも轟雷が来て俺と白夜叉は二人揃って真っ黒になった。つーか、龍になっていなかったら今ので死んでいたな。龍になってよかった。