「ハッハハハハーーーーー!!黒ウサギよ!私のペットになる決心はついたかぁ!?」
俺達、ノーネームの前に現れた魔王シロヤーシャに俺達はその圧倒的な力の差に絶望していた。
「お断りします!私は決して屈しません!この身が滅びる最後まで戦い続けます!」
そんな絶望的状況でも黒ウサギは諦めていなかった。だが、そんな黒ウサギを見てシロヤーシャは邪悪な高笑いをする。
「その気骨見事!だが、貴様一人戦ったところで私に勝つことは不可能!抵抗したければするがいい!暴れ回る貴様を可愛がるのも一興というもの!」
「いや!一人じゃない!」
「な、何者じゃ!?」
「篝さん!」
俺は黒ウサギと共に魔王シロヤーシャと立ち向かうように武器をかまえる。
「黒ウサギ。相手の力は強大。だけど俺たちが力を合わせれば勝てない相手じゃない」
俺と黒ウサギは共に手を握り合い力強く頷く。
「行くぞ!黒ウサギ!」
「YES!黒ウサギと篝さんが揃えばどんな相手でも必ず勝てます!」
そうして魔王シロヤーシャを倒した俺と黒ウサギは結婚して毎日イチャイチャしながら平和な毎日を過ごしました。
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「・・・・・・・・・・夢か」
ああ、わかっていたさ。夢だって。でもさ、夢ぐらいみてもいいじゃないか。まだ何の進展もしていないんだから。夢ぐらいいいじゃないか。
アンダーウッドで起きたレティシアとのゲームが無事終わり俺たちは収穫祭をつーか、俺以外は楽しんでいた。
「今日で三日目。黒ウサギが戻ってくる頃か」
黒ウサギは白夜叉に拉致られ、どこかに連れて行かされている間俺は寝るか、リリ達と戯れるか、レティシアと紅茶を飲みながら駄弁るか。まさに堕落を極めていた。
「だが、それも今日で終わる。今日こそは」
黒ウサギとデートして・・・・・・あの胸を揉んでみせる!
決意を固めた俺はすぐに部屋から飛び出して収穫祭の受付場まで行くと
「黒ウサギが・・・・・俺の黒ウサギがナンパされている・・・・ッ!!」
隻眼に眼帯をした胡散臭い笑みをしている男が俺の、俺の黒ウサギにナンパしている!
おのれ・・・・俺ですらデートしたことない黒ウサギを貴様如きにナンパさせてたまるか・・・・ッ!
俺はアキレウスの靴を装着し、俊足の速さで勢いをつけ、
「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええっっ!!」
ナンパ野郎に飛び蹴りを仕掛けることにした。
「おおっと!」
しかし、ナンパ野郎はあっさりと躱しやがった。
チッ、こいつ出来る。
「か、篝さん!?」
「なんやねん、自分。突然死ねとか。僕、何か自分に恨むようなことしたかいな?」
「ああ、たった今な。ナンパ野郎。俺の黒ウサギに手を出してただで済むと思うなよ」
「って、いったい誰がいつ貴方のものになったのでございますかあああああああああああああああッッ!!」
ズドパァァァァアアアアンッ!!!と黒ウサギのハリセンが俺の頭に直撃した。そして、このナンパ野郎は蛟劉だということが分かった。そして、蛟劉と黒ウサギと共に地下書庫に向かう為の地下水路へと行き渡し船に同席した。
「こんなところに書庫なんかあるのか?」
「く、黒ウサギもそう思います」
「いやあ僕も初めはそう思ったんやけどね。とりあえず扉開けてみ」
蛟劉に促され黒ウサギが扉を開けると中から乾いた空気が溢れた。
「な、なるほど。水樹の根が大気中の水分を吸収して、ドライルームを作り出しているのですね」
「そういうこと。僕は渡し船で待ってるから、お友達呼んどいで」
「行くの面倒だから黒ウサギに任せた」
黒ウサギは十六夜を探す為書庫の奥までと歩いて行った。
「もうええんちゃう?」
突然、蛟劉がそんなこと言ってきた。
「何が?」
「月の兎には上手く隠しとるみたいやけどいつまで懐に武器を隠して僕を警戒するつもりや?」
「よくわかったな」
蛟劉の言うとおり俺は懐にハーメルンの魔笛刀を常に常備している。
まさか、気づいていたとは。強いな。
「別に警戒せんでも白夜王の同士に手なんか出せんで」
「悪いな、相手が誰だろうが警戒するのは癖でな」
「まぁええわ」
頭を掻きながらどうでもよさそうにする蛟劉。その時中からスパーンッ!と爽快な音が聞こえた。
十六夜の奴。また黒ウサギを弄っているな。
「おーい、どうしたん?今凄い爆音が響いたけど」
『な、なんでもないのですよ!』
「気にするな。いつものことだ」
ツッコミは黒ウサギの仕事だから。
そんなこんなで黒ウサギが一人で書庫から出て来た。黒ウサギが言うにはもう少し調べたいことがあるということで十六夜は残るようだ。
十六夜、良く残った。俺と黒ウサギの邪魔をそのまましないでくれ。そしたら後でジュースでも奢ってやる。
それから蛟劉は再び渡し船を漕ぎ始める。
「あ、そういえば黒ウサギ。お前、どこまで白夜叉に拉致られていたんだ?」
「あー・・・・・それは話し出すと長いのですが。実は北側の、平天の旗本まで、」
――――――ガコン!と渡し船が大きく揺れた。
「わ、きゃ・・・・・・・!?」
そして、黒ウサギが俺の上に覆いかぶさる形で倒れ込んだ。
「っとと、すまんな!大丈夫か二人とも!」
蛟劉が何かを言っているが俺の耳にはよく聞こえなかった。
何故なら俺は今黒ウサギの体を全力で味わっているからだ!
神経を一本でも多く黒ウサギの体を堪能しなければならん!ああ、柔らかい・・・、それなのにこの肌の弾力性。まさに極上の極み。ああ、ダメだ・・・もう我慢できそうにない・・・でも耐えろ。この楽しみは黒ウサギが俺の彼女になるまで・・・・。
「あ、や、す、すいませんっ!」
髪を緋色に変え、顔を真っ赤に紅潮しながら離れる黒ウサギの表情に俺の理性は壊れた。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお黒ウサギいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」
俺は理性をふっ飛ばさせ黒ウサギに抱きつこうとしたが。
「NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!」
見事俺の側頭部にハリセンが直撃し俺はバランスを崩して水路へと落ちてしまった。
おかげで頭が冷えたが・・・・・・・。
「大丈夫かいな?自分」
「大丈夫。いつものことだ」
手を差し伸べてくれる蛟劉の手を握りながら俺は苦笑交じりでそう答えた。
俺達は流れるがままに流れ途中で蛟劉と別れ俺と黒ウサギはアンダーウッドの収穫祭・七番厨房に足を運んだ。
「と、いうわけで黒ウサギ、俺とデートしよう!」
「何がというわけで、でございますか!?」
ツッコミを入れる黒ウサギ。だが、俺の本来の目的はそれなのだ。諦めて堪るか!
「黒ウサギよ。俺はお前のとデートするためにお前がいない三日間、堕落を極めていたんだ。だからデートしてくれ!この通りだ!」
「ちょっ!篝さん!」
俺は広場の真ん中で土下座して黒ウサギに頼み込んだ。
「わ、わかりました!わかりましたから頭を上げてください!」
慌てふためきながら了承する黒ウサギ。
ふふ、作戦通り。優しいお前ならこんな人目が付く場所でこんな風に頼めば了承してくれると信じていたぜ。
「よし、それじゃあさっそく露店巡りだ!」
俺は黒ウサギの手を取って露店のあるほうへ黒ウサギを引っ張る。
「私なんかより篝さんならもっと素敵な女性と・・・」
「ん?何か言ったか黒ウサギ」
「いいえ、なんでもございません」
ぶつぶつ言っている黒ウサギに俺は気になって訊くが嘘を張りつめた笑顔でそう言ってきた。
俺に嘘は効かないって何回言ったらわかるのかな?まあ、あえて聞かないでおこう。ん?
そんなことを考えていると歌声が聞こえ声が聞こえる方へ行くとリリが歌いながらシチューを作っていた。
「おいしそうだな」
「ひゃあ!!」
俺は背後から声をかけるとリリは驚きの声を上げ、慌てて振り返る。
「も、もう!盗み聞きしちゃ駄目なんですよっ!」
「悪いな、リリがあまりにも楽しそうに歌っていたから思わず盗み聞きしてしまった」
「そうですねー」
微笑ましくリリと戯れて俺は食材をいくつかグリーに持っていくことにした。
ギフトゲームの時には酷いことをしたから謝罪ついでに持っていくか。
ギフトゲームの時十六夜の代わりに全てのダメージをグリーは負ったと十六夜から聞いた。まさか律儀に守ってくれるとは思ってもみなかったがな。
肉を袋に入れて俺は再び黒ウサギと露店巡りを始めた。
射的したり、林檎パイを食べたり、黒ウサギを弄ったり、ツッコまれたり、色々あったけど割と楽しい一日を過ごせることが出来た。
本当にこの箱庭に来てよかった。
俺は心の底からそう思えるようになってきていた自分に驚きながらもそれも悪くないと思いながら今を楽しんでいた。
「どうしました?篝さん。疲れましたか?」
「いや、大丈夫だよ。黒ウサギ」
心配そうに顔を覗き込む黒ウサギに俺は笑いながらそう答えた。
黒ウサギ達が俺達をこの箱庭に呼んでくれた。そのきっかけがあったから俺はこうしていられるんだ。
――――"家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨てて箱庭に来い"
全てを捨てて・・・・・偶然だけど全てを捨ててでもこの箱庭に来られた意味はあるな。
十六夜、飛鳥、耀、ジン、白夜叉、リリ、レティシア、ペスト、その他、そして黒ウサギ。俺はこんなにも恵まれている環境に今ならハッキリ言えるな。楽しいと。
これで黒ウサギが俺の彼女になってくれるなら文句無しなのだが。そこは実力で頑張ろう。
「大好きだぜ、黒ウサギ」
「な、な、な、何を言っちゃてるんですか!?このお馬鹿様ッ!!」
思わず口に出てしまった言葉に黒ウサギが髪を緋色にして顔を真っ赤にしながらツッコンできた。
「本当に事だ。俺は本当に黒ウサギの事が好きだぜ」
嘘つきな俺だけどこのことだけは自分自身に嘘はつきたくない。俺の本心だと心から信じたいから。
「・・・・・・・・・・」
だけど、黒ウサギは髪をいつもの色に戻りながら顔を俯かせていた。
「・・・・・どうして篝さんはそこまで黒ウサギの事を?篝さんならもっと素敵な女性とお付き合いできるはずです。レティシア様のような方とか。それなのにどうして篝さんはそこまでして黒ウサギの事を好きでいてくださるのでございますか?」
そう問いかけてきた黒ウサギに俺は頭を掻きながら答える。
「・・・・黒ウサギも知っているけど俺は狂っている。他人の心を平気で壊すほどに、な。俺が狂っているところを見たら誰だって逃げる、怯える、恐怖する。当然と言ったら当然だけどな。誰だってこんな狂っている奴に近づこうなんて思わねえ。そう思ってた」
だけどな、ここに来てそれが変わった。黒ウサギのおかげで。
「ペルセウスとのゲームの後、黒ウサギは俺が狂っているところを見たにも関わらず驚きはするものの全然怯えていなかった。真っ直ぐな目で、真っ直ぐな言葉で俺に言ってくれた。頼ってくれって。あんなことを言われたのは黒ウサギが初めてなんだ」
あの時はまだわからなかった。でも、今なら誠意を持って言える。
「その真っ直ぐな目と言葉を切っ掛けに俺は少しずつお前に惹かれていた。だから」
死人としてではなく、狂っている俺でもなく、一人の男、霧谷篝としてもう一度言わせてくれ。
「俺は黒ウサギが好きだ。例え凄い美女美少女に告白されたとしても俺は断る。俺にとってこの箱庭で一番好きな人は―――――――黒ウサギ。お前だけだ」
「篝さん・・・・黒ウサギは・・・・黒ウサギは・・・・・」
何かを言おうとする黒ウサギだがその前に黒ウサギの口を手で塞いだ。
「今はまだいい。黒ウサギが優しいのはよく知ってる。黒ウサギの気持ちの整理が落ち着いた頃でもいい。結果がどうであれ俺はコミュニティを辞めたりしないからじっくり時間をかけて気持ちの整理が着いた頃に俺に返事をしてくれ」
「・・・・・はい」
「わかったら遊ぶぞ!まだまだ行っていない所はたくさんあるんだからな!」
「YES!行きましょう!」
それから俺と黒ウサギは思うがままに遊び続けるなかふと思い出した。
デートには成功したが黒ウサギの胸を揉むの忘れてた!
軽くショックを受ける俺だった。