「へえ、思ったよりあるんだな。衰退したからそこまで期待してなかったんだが前言撤回が必要だな」
白夜叉がいる支店から離れ俺は逆廻たちと一緒に魔王の傷跡を見て驚愕したがそれだけで終わった。何がどういう風になってあんな風になったのかはわからないが今はそれより明日のガルドとのギフトゲームを優先しなければいけなかった。
「はい、運よくここには魔王の手から逃れることが出来ましたので」
そして、俺は明日に備えてジンにコミュニティに何か武器はあるのか?と訊くと宝物庫に案内してくれてそこには様々な武器がホコリを被っていた。
「ガルドがジンのコミュニティの話をしたとき凄いコミュニティとは聞いていたがそこは本当だったとはな」
「え?疑ってたんですか?」
「まあな、俺は誰だろうと話すときはそいつの全てを偽りと感じて話しているからな。そのおかげでガルドが雑魚ボスだってわかっただろ?」
それでも・・・人質を取られる方もどうかと思うがな。守りたいものは守らなければ意味がない。
俺は宝物庫の中へ足を進ませ目が合った剣を持ってみる。
「ジン。これはなんて剣だ?」
「ああ、それはエクスカリバー
エクスカリバー!?あの伝説の!?
のレプリカです」
「レプリカかよ!?ん、ちょっと待て。レプリカとかそんなもんもあるのか?この箱庭には」
「はい。もちろんオリジナルよりかは劣りますがそれでもかなり重要視されています。魔剣とか何か代償が必要でもレプリカならそれを半分で済ませることもできますから」
なるほど。能力などを下げる代わりに代償をも下げる。より使いやすくするために、だな。そういう事を考えるのはどこの世界も同じか。
俺はエクスカリバーのレプリカを戻し一呼吸する。
「にしてもこんなにあると迷うな」
「篝さんのギフトは
「ああ、黒ウサギ曰くどんな武器でも自在に使いこなせることが出来るらしい」
それとどんな武器でも従えさせることも出来る。だから皇帝か。
「・・・・篝さんのギフトならここにある武器は全部使いこなせると思いますがここには危険なものありますのでとりあえずはレプリカで様子を見るのはどうでしょうか?」
打倒だな。でも、俺に代償なんか意味がねえ・・・・。
俺はポケットからギフトカードを取り出して叫ぶ。
「力を眠らしている数多の武具たちよ!我に声に応えよ!さすればその力を存分に振るってやろう!」
俺の言葉に反応したのか宝物庫にある武器たちが反応し始めその内いくつかが俺のギフトカードの中に入っていった。
"
・・・・・四つか。まあまあだな。少なくとも明日には支障はないな。
「・・・・す、凄い。全てオリジナル。さすがは
「・・・いや、まだまだだ」
黒ウサギの言葉が正しかったら今の言葉にここにある全ての武器を俺は支配し使いこなせることが出来る。だが、それが出来なかったということはまだ俺のこのギフトは完成じゃない、ということになるな。
まあ、どうでもいいか。何とかなるだろうし。
「ジン。とりあえずこの武器たちは貰っといていいか?」
「はい、もちろんかまいません。この後どうしますか?」
「適当にその辺うろついとく。ついでにこの武器たちを試しに使ってみるわ」
「わかりました。あ、明日は大事なギフトゲームなので早く休んで下さいね」
「わーたよ」
・・・・お前は俺の母親か。
内心そんなことを思いながら俺はとりあえず本拠の中を歩き始める。
結構広いんだな。先代のリーダーは凄いと言っていたが宝物庫やここを見る限りやっぱり凄い奴だったんだろうな。まるで弟のように天性の才でも持っていたのか?ふぁああ~。黒ウサギたちが出たら俺もさっさと風呂に入って寝よ。だがその前に・・・・・。
俺は本拠を出て子供たちがいる別館へと歩き出すとすでにそこには逆廻がいた。
「何だ?あんたも来たのか。俺一人で十分だぜ」
「だろうな。俺はお前みたいに人外じゃねえからな」
「ヤハハ。喧嘩なら安く売るぜ?今はバーゲンセール中だ」
「止めとく。つーか、する気ないんだろ。まずはアレをどうにかしねえとな」
俺が木陰を指すと木々が揺れる。
「おーい・・・・そろそろ決めてくれねえと、俺たちが風呂に入れねえだろうが」
「ガルドの手先だろ?バレてんだから出てこいよ」
俺と逆廻が言うが、それでも出てこない。俺は短くため息を吐きカードを取り出す。
「出てこい。レーヴァテイン」
カードから出てきたのは浅黒い鞘に身を包ませた剣。俺は鞘から剣を抜き一振りすると剣から炎が生まれた。
「燃え尽くせ」
剣から生まれた炎をそのまま木陰に放ると木陰は燃えそこから何人かの獣人が出てきた。
「なんだお前ら、人間じゃねえのか?」
そりゃ、あの獣のコミュニティだからな。だが、ガルドに比べると中途半端な奴ばっかだな。
「ど、どうしたのですか!?」
遠くから慌てて走ってくるジン。恐らくレーヴァテインの炎に気づいたのだろう。
「証拠にもなくまた子供を誘拐しに来たんだよ。あの雑魚ボスがしそうなことだ。俺は疲れた。後は逆廻とジンに任せる」
「ああ、任された」
「え?ええ?・・・」
どうやらジンはまだ状況を飲み込めていないようだが、逆廻が何とかするだろう。今後のことについて。問題は・・・・これだな。
俺はレーヴァテインを鞘に納めながら考える。
やっぱり魔剣だな。少し使っただけでも結構体力を奪われるな。これを使うときは気を付けねえと。後のは多分、平気だな。
それから俺は風呂に入ってさっさと寝ることにした。
「篝さま!篝さま!起きて下さい!」
「う・・・・ん・・・・あと
「五分とは言わないで起きて下さい!」
5年5ヶ月55日55時間55分55秒後に起こしてくれ・・・・」
「寝すぎですよー!」
ゆっくりと俺は目を開けると狐の少女・・・・確か名前はリリだったけ?に起こされゆっくりと起動する。
「・・・・・もう朝か・・・・あと100年は来なくてもいいのに」
「もう他の皆さま方は起きて朝食を食べています。篝さまも食べて今日のギフトゲーム頑張ってください!」
「ああ、ありがとな」
俺は起きながらリリの頭を撫でて動き出す。
ふああ~眠い・・・・・。やっぱ朝は弱いな俺は・・・・。
「はよ~」
「おはようございます!篝さん!」
「おう、はよ」
「おはよう、篝くん。寝癖ついているわよ」
「おはよう」
適当に挨拶を交わし俺は朝食をいただいた。美味かったとだけ言っておこう。
「・・・・・。ジャングル?」
「虎の住むコミュニティだしな。おかしくはないだろう」
「いや、おかしいです。"フォレス・ガロ"のコミュニティは本拠は普通の居住区だったはず・・・・それにこの木はまさか」
俺たちはガルドとのギフトゲームをするためガルドの住む居住区に到着したが、不可解なことが起きていた。それは居住区がまるで森にのように豹変していたからだ。しかも、この木はまるで生きているように脈を打っていた。
いったい一晩で何が起きたんだ?何故ガルドは自分の居住区をこんな風にしたんだ?森を使って奇襲をするため?いや、確かにガルドみたいな奴ならしそうだがそれならさっきの店員の話と噛み合わない。
店員は傘下に置いているコミュニティと同士をほっぽり出している。と先程確かに俺はそう耳にした。
俺の予想だったらガルドは複数人で一気に仕掛けてくるようなゲームにすると思っていた。だが、店員の話が本当なら今この居住区にいるのはガルド一人だけ。どう考えてもおかしい。なら、何故ガルドは自分の傘下と同士をほっぽり出す?それだけの自信のあるゲームを思いついた?それとも何か切り札がある?
「ここに"
『ギフトゲーム名"ハンティング"
プレイヤー一覧 久遠飛鳥
春日部耀
ジン=ラッセル
霧谷篝
・クリア条件 ホストの本拠内に潜むガルド=ガスパーの討伐。
・クリア方法 ホスト側は指定した特定の武具でのみ討伐可能。指定武具以外は"
・敗北条件 降参か、プレイヤーが上記の勝利条件を満たせなくなった場合。
・指定武具 ゲームテリトリーにて配置
宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗の下、"ノーネーム"はギフトゲームに参加します。
"フォレス・ガロ"印』
「ガルドの身をクリア条件に・・・・指定武具で打倒!?」
「こ、これはまずいです!」
「・・・・・・・・・・・・・」
ガルド自身がクリア条件?どう考えてもおかしい。奴らしくない。ガルドは最低でも自分の命は最優先にするような外道だ。それが自分の身を捨ててまで勝とうとするのはおかしすぎる。ということは誰か・・・・第三者によってガルドは操られている?それなら誰だ?魔王・・・か?勝てないと泣きついたガルドが魔王に助けを求め魔王はガルドを遊ぶための駒にした。んん~、いったい何があったのやら・・・・・・・。
「篝さん!もう飛鳥さんたち行ってしまっていますよ!」
「おいおい、置いていくなよ。たく」
とりあえず飛鳥たちと勝つことを第一優先だな。
俺が門の中に入ると森が絡めるように動き出し退路を塞がれた。恐らくプレイヤーが門を潜ることでゲームの開始の合図になっていたんだろう。
「指定武具でガルドを討伐・・・・なら俺がやるしかないな」
「あら、手柄を独り占めするつもり?」
「ずるい」
反論するなよ。当然のことなんだから・・・・。
「メンバーで参加してんだから誰がトドメを刺したところでそれは皆の勝利だ」
「なら、別にあなたじゃなくてもいいじゃないのかしら?」
「俺のギフトは武器を自在に扱える。どんなものかは知らないが少なくともこの中で俺が一番適任なんだよ。ちなみに訊くが飛鳥や耀は何か武道でもしていたか?」
「・・・・・して、いないわね」
「護身術ぐらいなら」
「なら、俺しかいねえだろ。ジンはともかく」
「・・・・何で僕はともかくなんですか?」
いや、言わなくてもわかるだろう?どう考えたってジンじゃ無理だ。一瞬でやられる。
「とにかく、武具とガルドどちらを先に探したほうが」
「もう見つけている」
「速いな・・・・まあいいが。ガルドの方か?」
「うん、あそこ」
耀が指した方向は恐らくガルドの本拠だと思われる建物。ここも木々に蝕まれていた。
「ガルドは二階に居た。入っても大丈夫」
それから俺たちは中に入るが中も酷いものだった。
「この奇妙な森の舞台は・・・・本当に彼が作ったものなの?」
「・・・・・分かりません。"
「なるほどな。じゃあ今回のゲームの内容はその代理が考えたってほうが納得いくな」
「でも、罠の一つもなかったわよ?それに例え代理が考えたとしてもいったい何の得があるのかしら?」
そこなんだよな、一番わからねえのが・・・・。ガルドが厄介者になった。不必要になったから処分にちょうどいいから。色々あるがどれも微妙だ。
色々模索するがこれらしい考えが出ず俺たちはガルドが二階に上がる前に一階を捜索するが指定武具らしきものがなかった。
「一階にないということは・・・・」
「ガルドがいるところしかないわね。二階に上がるけど、ジン君。あなたは此処で待っていなさい」
「ど、どうしてですか?僕だってギフトを持っています。足手纏いには」
「そうじゃないわ。上で何が起こるか分からないからよ。だから二手に分かれて、私達はゲームクリアのヒントを探してくる。貴方はこの退路を守って欲しいの」
「なら、飛鳥もここで退路を守ってもらおうか。二階は俺と耀だけで行く」
「ちょっ、何で私まで!?」
「飛鳥のギフトは凄いがハッキリ言って今回のゲームでは飛鳥には不利すぎる。
「嫌よ、絶対行くわよ。あの外道のプライドを粉砕しなきゃ気が収まらいわ。それに別にあなたのいう事を聞く理由もないわ」
たく、頑固者め。だったらどうなっても知らねえぞ。
「わかった。なら行くぞ。だが危険だと判断したらすぐに逃げろよ」
忠告はした。これ以上は俺は何も言わない。この先どうなろうがそれは自分の責任だ。
静かに階段を上がり俺と耀が扉の両脇に立つ。俺たちは意を決して俺たちは扉を開けると
「GEEEEEEEEYAAAAAAAAAaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!」
言葉を失い野生の虎になっていたガルドが咆哮を上げ目にも留まらない突進を仕掛けてきた。そして、その背後には白銀の十字剣が突き刺さっていた。
「あれが指定武具か。だが、アレを取る前に!イージス!」
俺はギフトカードから女神の紋様が施された盾を取り出しガードする。
うぐ・・・っ!なんつー突進力・・・・・。このままじゃ力負けしちまう。
「耀!こいつは俺が抑えとくからお前はあの剣を!」
「わかった!」
「鬼、しかも吸血種!やっぱり彼女が」
「つべこべ言わずに逃げるわよ!」
飛鳥はジンの襟を掴んで階段を飛び降りる。
よし、ナイス判断だ、飛鳥。あとはこいつを耀に近づけないように・・・・。
爪や牙で攻撃してくるガルドの攻撃をイージスで防ぐなか、耀が白銀の十字剣を手に入れた。
十字剣は手に入れた。だが、剣の使えない耀が持っても意味がない。ここは態勢を立て直してもう一度。
俺が十字剣を持ち耀や飛鳥が援護に回れば簡単に倒せる。そう思ったとき耀が十字剣をかまえ空を舞いながらガルドの上から十字剣を突き刺そうとしていたが、ガルドの目には耀の姿がしっかりと捉えていた。
「バカ!やめろ!耀!」
叫んだがすでに遅かった。ガルドは強靭な脚力で耀の攻撃を躱し壁を蹴って耀に爪を振り下ろそうとしていた。
「チッ!」
「え?」
ガルダの爪が耀に振り下ろされそうになった瞬間、気が付けば俺は盾を捨て耀を突き飛ばしていた。
たく、何やってんだよ、俺は・・・・・。
ザシュ!と俺の体はガルドの爪によって斬られ、鮮血がガルドやこの部屋に飛び散った。
さすがに痛えなあ・・・・・・・・。
「いやああああああああああああああああああああああああああああああっっ!!」
「吸血鬼?」
「はい。元々ガルドは、人・虎・悪魔から得た霊格、その三つのギフトによって成るワ―タイガーでした。ですが吸血鬼によって人から鬼種に変えられたのでしょう」
ガルドから逃げたジンと飛鳥は先程のガルドと十字剣のことについて話していた。
「もしかしてこの舞台を用意したものも彼ではなくて、その吸血鬼?」
「ま、まだ吸血鬼かどうか分かりません。東側だと吸血鬼は希少種ですから。しかし黒幕がいる可能性はかなり高いです。ガルドに理性らしいものが残っていない状態でこんな舞台を作るのは不可能です」
「そう・・・・・誰か知らないけど、生意気な事をしてくれたものね」
不機嫌そうにする飛鳥。
「飛鳥!ジン!」
「春日部さん!無事だった・・・・の」
耀の声が聞こえ無事だとわかり声をかけようとしたが途中で声が出なくなった。いや、出せなくなった。
「篝が・・・篝が・・・・・ッ!」
十字剣とイージスを手に持ち耀の背中には血まみれになっている篝の姿を見て飛鳥とジンは絶句した。
「篝が・・・・篝が私を庇って・・・・・」
今にも泣き崩れそうな耀。飛鳥は首を振り正気を取り戻す。
「落ち着きなさい!春日部さん。いったい何があったの!?」
「私のせいだ・・・・・私のせいで篝が・・・・」
激しく取り乱す耀。それを見たジンは悔しそうな顔をすると
「降参しましょう!速く治療しなければ手遅れになってしまいます!ここで負けるのは悔しいですが仲間の命には代えられません!」
ジンの選択は間違っていなかった。ここまで重症なら急いで治療しなければ間に合わない。飛鳥も首を縦に振り同意しようとするが
「・・・・・なに・・・・言ってんだ・・・・」
微かに聞こえた声に飛鳥たちは篝の方に視線を向けるとそこには重症には変わりないが確かに意識がある篝の姿がいた。
「篝君!?」
「篝!」
「篝さん!」
いっぺんに呼ぶな・・・・こっちは重症で喋るのもまともに出来ねえのによ・・・・。
「ジン・・・・てめえ・・・・さっきの言葉は本気で言ってんのか?」
「喋らないでください!余計に傷口に響きます!」
「喋らなきゃ・・・・いけねえから・・・・喋ってんだろうが・・・・・おまえ・・・・名と旗と誇りを取り戻す為に・・・・戦ってんだろうが・・・・それなのに降参とはどういう意味だ?」
「で、でも、仲間の命には代えられません!ここで負けたとしても他に方法を・・・・」
「ふざけんじゃねえ!ゲホガホ!てめえ・・・は・・・・てめえらにはもうあとは残ってねえんだ・・・・ここで負けたら・・・・すべてが終わる・・・・終わったら何も残らねえんだぞ・・・・お前の大切な・・・・もの・・・・全て・・・・なくなるんだぞ・・・・・それがどれだけ辛いことか・・・・お前には・・・・わからねえのか・・・・・」
「もういいから喋らないで!これ以上は本当に危険よ!」
ああ、確かに意識が飛びかけてんな・・・・・やべえ・・・・。
「耀・・・・・」
「何?」
「イージスが・・・・そこにあるか?」
「え?う、うん」
なら、大丈夫だな・・・・。
「なら・・・・イージスを俺に持たせてくれ」
「わ、わかった」
耀は俺の言うとおりにイージスを俺の腕に装着する。するとガルドに負われた傷が治り始める。その光景を見て驚く飛鳥たちだがジンがこの光景を見て何かを思い出した。
「そうでした!イージスには守るだけではなく癒しを与える防具でした!」
「「そういうことは先に言って(ちょうだい)!!」」
「・・・・・ごめんなさい」
怒られシュンとなるジン。
今回も悪運に助けられたな・・・。もし、あの時イージスが手元に来なかったら俺は死んでいたな。
「「篝(君)も!!」」
「イエス・・・マム」
女ってやっぱこえーな。こっち一応重症者だぜ?
そんなこんなでイージスの能力で俺は全回復し元に戻った。
「篝・・・・・ごめんなさい」
「何がだ?」
「あの時、調子に乗ってガルドを倒そうとしたせいで篝が・・・・」
「傷は治った。結果的には無事だったんだ、気にしてねえよ。それに謝るならゲームが終わってからだ」
「・・・・・・わかった」
首を縦に振り気持ちを入れ替える耀。
「それで?どうやってあの外道を倒すのかしら。やっぱりあなたがこれを持つ?」
飛鳥が十字剣を持ってそう尋ねてくるが
「それもいいが試してみたいことがある。手伝ってくれねえか?」
「面白そうわね。手伝ってあげるわ」
「同じく」
良し。なら早速始めるか。
俺はイージスをしまいレーヴァテインとナイトメアを取り出す。
「さて、まずは・・・」
俺はガルドがいる本拠へ戻るとレーヴァテインをかまえる。すると刀身から炎が生まれる。
やっぱり・・・・こいつは俺の生命力を糧に炎を生み出してんだな。だったら長い時間は使えねえな。
「だが、それで十分!燃え上がれ!」
そして俺はガルドがいる本拠に炎を放った。すると炎は瞬く間に広がりあっという間に全館へ広がるとガルドが飛びだしてきた。
「GEEEEEEEYAAAAAAAAAA----!!!」
炎と煙が出て来ている館から出てきたガルドは目の前にいる俺に襲いかかって来たが俺はそれを何と躱しレーヴァテインをしまうと白銀の十字剣を取り出す。
「GEAaaa・・・・」
唸るガルドだがさっきのように飛びかかっては来ず警戒するかのようにこちらを静かに見ていた。
やっぱり、この十字剣は今の奴にとって恐怖でしかないのか。恐らく本能的にこれがやばいと思ってんだろうな。
「来ねえならこっちから行くぞ!」
俺はガルドに向かって行くとガルドも俺に襲いかかってくる。だが
「今よ、拘束なさい!」
木々に隠れていた飛鳥が木々に命令すると木々がガルドの体を拘束する。
「終わりだ!ガルド=ガスパー!」
俺がガルドの額目掛けて十字剣を突き刺そうとしたが
[GEEEEEEEEYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!」
今までないくらいの必死の咆哮。死にたくないという生物的感情が肉体を支配したのか木々たちを振り払った。それでもすでに十字剣は目と鼻の先。いくらなんでも避けきれない。そう思っていたが
ガチン!
「ハハハ・・・・マジかよ」
ガルドは歯で十字剣を受け止めた。そして、俺から十字剣を奪い俺や飛鳥のいないところにブン投げた。俺の手元に十字剣が無くなったのを好機にガルドは俺に噛み殺そうと襲いかかる。だが
「GEYa・・・・」
ガルドの牙は俺の体を通り抜けていった。そして
ズドン!
空から降ってきた耀の手元には本物の十字剣がガルドの頭を貫いた。
「GeYa・・・・」
十字剣の激しい光と、歯切れの悪い悲鳴。そして絶命したガルドを見て
「悪いな、このゲームは俺たちの勝ちだ。ノーネームと嘘つきを敵に回したことを後悔し、罪を償いながら死んどけ」
死んだガルドにそう言うと耀と飛鳥にハイタッチする。
「上手くいったわね。私は拘束しかしていないけど」
「それも重要なんだよ。おかげで上手くいった」
「でも、殆どが篝のおかげだね」
「上手く行くか分からなかったんだ。お前らのおかげで勝てたものだ」
「でも、館を燃やしてからはガルドに幻を見せるなんてね」
そう、ガルドが歯で受け止めた十字剣の正体は俺が持っているナイトメアだった。
「ギフトでガルドは傷つけられねえだけだからな。だからガルドに幻覚を見せ最後に耀が空からズドン!」
そう
現実が合ってこそ嘘は成り立つ。嘘が合ってこそ現実がある。ナイトメアは俺の嘘に合う武器だな。
「さて、それじゃあそろそろ戻りましょう。黒ウサギたちも心配しているでしょうし」
「私も帰ってご飯が食べたい」
飛鳥と耀は黒ウサギたちがいるところに戻ろうと歩き出すが
「悪い、ちょっと気になることがあるから先に戻っといてくれ」
俺はそう言って飛鳥たちとは真逆の方へ歩き出し、ガルドの本拠だったところで立ち止まる。
「俺は視線には敏感なんでな。隠れていようがバレバレなんだよ。出てこい」
俺が独り言のように言うと本拠の瓦礫の影から紅いレザージャケットに拘束具を沸騰させるロングスカート姿の金髪の美女が出てきた。
「吸血鬼・・・・だな。俺はノーネームの霧谷篝。あんたは?」
「悪いが名乗ることは出来ない。私は今『ペルセウスの所有物。そして、前の黒ウサギたちの仲間である"箱庭の騎士"であり元魔王、レティシア=ドラクレア』っ!?」
「あんたのことは黒ウサギやジンから聞いた。これから取り戻す仲間がどんな奴か知っておきたかったからな。あいつらも嬉々として教えてくれたぞ」
「・・・・・・そうか。黒ウサギたちが」
嬉しそうに笑うレティシア。だがそれも一瞬、すぐさまさっきの無表情に近い顔になった。
「それで、私にいったい何か用があるのか?」
「いや、特にはねえよ。あんたが新生ノーネーム・・・・・俺たちの実力を測る為にワザとガルドを当て馬にしたんだろ?で、結果は?」
「・・・・・彼女たちはまだまだ青い果実で判断が困る。黒ウサギのところにいるあの男はまだわからない」
「俺は?魔王と戦うとしての戦力になるのか?」
「・・・・・・魔王と戦うのならまだ力不足と言ってもいいがキミは正直わからない。まるで自分の実力も性格も考え方も全てが嘘をついているように感じた。キミのギフトにある"嘘"とはいったいなんなんだ?」
「答える義理はねえが一言だけ教えてやる。嘘は俺自身のことを示している。それだけだ。じゃあな」
俺は踵を返してその場を去って黒ウサギ達のところに到着すると逆廻がジンと一緒に他のコミュニティの前に立っていた。
「―――――――。そして、ジン=ラッセルの率いるコミュニティが、"打倒魔王"掲げたコミュニティである事も覚えていて欲しい」
それから逆廻は話を続けジンの名を売り込むことに成功した。つーか、饒舌だな、逆廻は。