俺は新しく手に入れたギフト、遺龍の翼を使い空を飛び急いで耀たちのところへと向かおうとしたが
あれは・・・・レティシア!?あの陶器物みたいな巨兵に苦戦してんのか・・・・。なら、先にあっちだ!
俺は方向転換してレティシアのところへ飛んで行くと近くになるにつれ陶器物の巨兵の上に女の子が立っていた。レティシアは陶器物の穴から出す風に苦戦していているが急に大人の女性のような背丈になり、ランスで女の子の胸に刺した。だが、刺された女の子の方は平気そうにし、手から黒い何かを出し始めた。
なんだあれ?だが、何か嫌な予感がする。
「レティシア!」
「・・・・・あ、主殿」
「あら、新手?」
俺はレティシアを抱え女の子から距離を取りレティシアの顔を覗き込むが特にこれといったものは感じられなかった。
「・・・・気を付けろ・・・奴の風は危険だ」
その言葉に俺は疑いも感じなかった。見てもわかる程の不気味な何かだった。そう感じ取れるほどまで・・・・・・。俺はギフトカードからガーンデヴァを取り出す。
「今度は貴方が相手?まあいいわ。シュトロム」
「BRUUUUUUUUUUUUUUM!!」
顔面に空いた巨大な空洞から突風が襲いかかって来たが翼が俺の思った通りの動きを再現するかのように動き出す。縦や横移動も自由自在に動いてくれる。
何だ・・・・凄く扱いやすい・・・・。だが、これはチャンス。
俺はガーンデヴァを強く引き巨兵に射ると巨兵の顔を貫き穴を空ける。その一瞬、突風が止み俺は巨兵の上空まで飛びデュランダルを取り出しそのまま振り下ろして巨兵を破壊する。
「驚いた。シュトロムを壊すなんて。貴方、人間・・・じゃないわね」
「人間だよ。人間の皮を被った化け物は一人だけだ。つーか、これ見て言ったろ。これはギフトだ」
確かに綺麗に体にくっついているがあくまでギフトだギフト。
「で、お前が魔王か?
「あ、ソレ間違い。私のギフトネームの正式名所は"
「ん、そうだけど。ついさっきギフトゲームで手に入れたんだ」
「・・・・何も知らないの?」
「は?どいうこと?」
何を言っておられるですか?この魔王さまは・・・・?
「それ、防具とか生易しいものじゃないわ。半生体ギフト遺龍の翼。それを付けたら最後二度と体から離れることはないわ。ご愁傷様。貴方はもう人間であって人間じゃないわ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・マジで?
「嘘!?だってこれ、勝手にくっ付いたんだぞ!ていうか、くっ付いただけで人間をやめるわけねだろう!?」
「言ったでしょ?それは半生体ギフトだって。それを付けたら背中から龍の生命力が流れ込み最終的に龍と一体化になる。龍は生命力が強いから例え死んだとしてギフトにされたとしても生命力は残っているわ。それが最強種ならなおさら」
「白夜叉の野郎!なんつーもんをギフトゲームの景品にしてんだよ!?つーか、俺、龍になるの!?もう人間じゃねえの!?マジかよ!・・・・・・・・・・・まぁ、いいか」
龍になったところで別に俺じゃなくなるわけねえし、うん、割り切って考えれば問題ないな。ていうか、まずは白夜叉とちょっとお話をしねえとな。ん?何で、魔王だけじゃなく、レティシアまで目が点になってんだ?
「・・・変わっているわね。貴方。名前は?」
「ノーネーム所属、霧谷篝。一応まだ人間のつもり」
「そう、私はペストよ」
「"
雷鳴が鳴ると同時、黒ウサギの審判権限が発動によりギフトゲームは一時中止となった。
そういや、黒ウサギは箱庭の貴族で審判権限があったな・・・・・。ツッコミが上手い愛玩動物じゃなかったな。
「住み心地はいかかですか?白き夜の元魔王、白夜叉さん」
「・・・・悪いに決まっとるだろう。いや、本当に悪いとは思っておるんじゃ。だから、その怖い笑みはやめてくれ」
黒ウサギの審判権限が発動し十六夜とジンが交渉テーブルに向かっているとき俺は黒い風に包まれた白夜叉のところまで行き笑顔で話しかけていた。
「いやいや、別に白夜叉さんが俺に進めてくれたギフトゲームに怒っている訳じゃないよ?ただなあ、少しはこれのことに関して教えてくれてもよかったんじゃないかな?と、思っているだけだよ」
パタパタと龍の翼を羽ばたかせながら笑顔で問いかける俺に白夜叉も申し訳なさそうにしていた。
「仕方がなかったんじゃ。なんせ、それは防具として創ったまではよかったんじゃがその龍の生命力が強すぎて付けた者の体を乗っ取ってその者を龍に変えてしまうんじゃ」
「うんうん、そちらの事情はわかりましたよ。なら、白夜叉さんは俺を龍にでもしたかったのですか?」
「そのつもりはない・・・・とは言いけれんのう。下手をすればおんしの言うとおりおんしも龍になっていたかもしれん。じゃが、防具として創った以上おんしのギフトなら安全だと判断したんじゃ」
「じゃがな、ただでおんしに譲るのは色々面倒になるのでギフトゲームを開催し、おんしに出場させ、それを手に入れてもらおうとあのギフトゲームを開催したのじゃ。すまぬ」
「はぁ~。まあいいよ。詫びをするならこれに関して教えてくれ。どんな能力を持っているのか。とか」
「一つは飛行能力。おんしがここまで飛んできたように空を自分の意思で飛ぶことができる。二つ、翼は自分の体内に収めることが出来る」
白夜叉に言われ試しに自分の体に入れと命令しみたら本当に体の中に入っていった。
「それともう一つ、龍化じゃ。じゃがこれはあまり勧めん」
「龍化?」
「その名の通り自分の体を龍にする。じゃがこの能力を使いこなせた者はおらん。というより、おんしが初めてそれをまともに使えているんじゃ」
「ちょっと待て。龍になったら体を乗っ取られるんじゃなかったか?」
「使いこなせれば問題ない。逆に支配しその力を利用することが出来る。腕、脚、胴、瞳。体のどこでも龍になれるのが龍化。全身を龍にすることももしかしたら可能かもしれんがその分危険もある。気を付けろ」
危ない力には変わりねえってことだな。出来る限り控えておこう。
「わかった。それじゃあ俺は黒ウサギたちのところに戻る」
踵を返し翼を広げ黒ウサギたちのところに向かおうとすると白夜叉が申し訳なさそうに
「すまぬな。どうか、私に代わって黒ウサギたちを頼む」
「はぁ。そういうのは無敵超人の十六夜に言えよ。俺なんかじゃなくてさ。まあ、任されてやるよ」
それだけ言い俺はその場を離れて適当な場所へ降りる。
「霧谷篝!ここにいたか!」
慌ててこちらに向かって走ってくる女騎士ベルナール。
「どうした?魔王とのゲームで何かこちらに不利にでも働いたか?」
「いや、ゲーム開始は今から一週間後、そしてゲームに一日という期限が付いた。それを超えたら私達は皆、魔王の傘下になる」
ベルナールの説明に俺は思考を働かせる。
普通はこちら側がある程度不利になると思っていたがそこまでじゃ・・・・あるな。ゲームの謎を解かない限りこちらに勝利はない。そして、魔王と戦える戦力も必要だ。この一週間が勝負の決め所だな。
「いや、それどころじゃない!大変なんだ!ペストの黒死病に発症している者が出てきた!手を貸してくれ!」
そう言われ無理矢理連れて行かれる俺・・・・・。到着したところは何人か寝転ばせているところだった。
「霧谷篝!お前のギフトでなんとかならないか!?」
「・・・・・何も知らずにここに連れて来たのか。たく」
俺はギフトカードからイージスを取り出す寝転ばせている奴に近づけるとイージスから淡い光が包み込むと黒点が消える。
「さて、治して欲しい奴はさっさと言ってくれ」
それから俺は次々くる病人を治し始める。すると、空から黒ウサギが跳んできた。
「見つけましたよ!篝さん!耀さんが黒死病に掛かっているのです!急いで来てください!」
黒ウサギが俺の襟を掴み拉致されそうになったが俺の手を掴んできた奴がいた・・・・ベルナールだ。
「月の兎。済まないがこちらにはまだ発症者がいる。そちらのコミュニティはあとにしてはくれないだろうか?」
何か怒気がこもっているように聞こえるのは俺だけか?そして、掴んでいる手が痛い。
「篝さんはこちらのコミュニティのメンバーです!申し訳ないとは思っておりますはこちらを優先させていただきます」
どちらも俺を離さない黒ウサギとベルナール。
ハハハ。これが噂のモテ期か?イージスよ。お前は癒しだけじゃなくモテ期まで運んでくれるのか?
それからどちらも譲らないのでジャンケンで決めました。勝負は黒ウサギがグーでベルナールがチョキ。勝負は黒ウサギの勝利です。そして、俺は黒ウサギに襟を掴まれながら耀のところまで跳んで連れて行かされました。
「さて、これで大丈夫なはずだ」
「・・・うん、ありがとう」
耀の治療を終え俺は速やかに部屋を出ようとすると
「篝さん!大変です!飛鳥さんが!?」
「黒ウサギ。開けるときはもっと静かに開けろ。でないと今の主殿のようになってしまう」
「・・・・・黒ウサギ・・・・お前俺に何か怨みでもあるのか?」
鼻からボタボタと出てくる血を抑えながら黒ウサギを睨む。
痛かったぞ・・・・おい。
「あわわわ!すみません!ごめんなさい!申し訳ございません、篝さん!慌てていたもので!」
謝り倒す黒ウサギ。うん、まあいい、許してやろう。
「で、今度はどうした?」
「飛鳥さんが・・・飛鳥さんが行方不明になってしまったんです!探すのに協力してください!」
「わかった。黒ウサギと耀、レティシアは謎を解いといてくれ。俺は飛鳥を探してみる」
俺は部屋から出て飛鳥を探しに行く。
「たく、面倒がかかる問題児たちだ」