魔法転生・ネギ?ま   作:雑草弁士

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※今回、「魔法先生ネギま!」原作の派手なネタばらしがあります。


第014話:ネタばらし

[瀬流彦]

 

 僕は今、信じられない状態にある。と言うか、信じられないところに居る。

 

「うぉーーー!!凄え、凄えな、瀬流彦のおっさ、兄ちゃん!」

「ほんとに凄いよね……。いやマジで。」

 

 小太郎君は、ときどきおっさんと言い掛けるが、一応兄ちゃんと呼んでくれる様になった。それは喜ばしい。

 

「いや、長生きはするもんだよね。約束で、娘に話せないのが残念だけど。」

「いや弐集院先生。長生きと言う年齢では無いでしょう。」

 

 弐集院先生と葛葉先生は平常心を保っている?いや、葛葉先生は、眼鏡の奥で目が泳いでる。

 

「何と言う事だ、言われた通り考えればすぐ解る事だったじゃないか。エヴァンジェリンが自ら好んで吸血鬼になったのなら、大人になってから、せめて16~17ぐらいになってから吸血鬼化するはず。あたりまえじゃないか。エヴァンジェリンが悪に堕ちたのは、吸血鬼である事で様々な迫害を受けたからだそうじゃないか。今までなら、吸血鬼である事が悪い、と切り捨てていたが……。吸血鬼化が、自らの行いではなく他から強制された物だったなんて。それでは話はまったく変わって来る。エヴァンジェリンは滅ぼされるべき悪ではなく、逆にわたしたち正義の手から零れ落ちた、救われるべき被害者じゃないか。救われなかった、救う事ができなかった被害者じゃないか。いや、「わたしたち正義」?そんな不甲斐ない者が、今までエヴァンジェリンの事情を知らずに、いや知ろうともせずにただ凶悪犯として切り捨てていた愚か者が、正義を名乗るなど、正義を自認するなど、おこがましくは無いのか?わたしに正義の資格はあるのか?妻や娘の前に、胸を張って立つ事ができるのか?娘……。もしわたしの娘が誰かの魔法実験で吸血鬼化されたら、わたしはどうする?実験を行った者を殺す?私怨で?正義のために、吸血鬼化された娘を殺す?いやその場合、被害者なんだぞ。何よりわたしの可愛い娘じゃないか。ああ、だが……。」

 

 ……ガンドルフィーニ先生は、ちょっと再起不能の様だ。いや、本気で再起不能になられても困るんだけどさ。何にせよ、現在の状況を理解していないっぽい。理解はしてるのかな?それどこじゃないだけで。

 

「……コチラの道筋は駄目ネ。ならばこのルートでハ……。これだと先程の手法で潰したハズの、この変数が邪魔をするカ……。」

「超さん……。この心理歴史学(サイコヒストリー)と言う科学の概念は凄いです。凄いですけれど、惨いと言わざるを得ません。ことに、今の今まで自らの計画に全てを賭けて邁進してきた超さんには……。」

「葉加瀬、わたしには何がどうなっているのか理解できん。教えてくれないか。」

 聡美さん、わたしにもお願いします。

「わかりました。でも、気を落とさないでくださいね……。」

 

 超君たちは超君たちで大変そうだなあ。彼女の事でも、ガンドルフィーニ先生は衝撃を受けていたっけ。彼女たちは、魔法世界(ムンドゥス・マギクス)の崩壊を阻止する事で、未来に起こる悲劇を回避するために活動していたんだそうだからね。特に超君は、そのために、そのためだけに全てを捨てて未来からタイムマシンでやって来たって事だし。

 当初ガンドルフィーニ先生は(かたく)なに信じなかったけれどね。「時間移動?難しいけれど可能ですよ?僕にもごく短時間の時間移動なら……ああ、試してみましょうか。」と言ったネギ君の時間移動実演で、唖然としてたね。数分先の未来から戻って来たネギ君と、現在のネギ君の2人になったんだ。流石に時間移動の実例を見せられては、頭が固いガンドルフィーニ先生も信じざるを得ない。

 

「彼女らの動機は、まさしく正義だ。だが手法は麻帆良と折に触れて衝突している。小さいが、その行いは悪と言えるかも知れない。彼女が問題生徒、要注意生徒であったことは間違いが無い事なんだ。大義のためなら、小悪を見逃しても良いのか?しかし見逃さない事で、大義を果たせなくなったら?彼女にも事情があった。たとえその事情を明かされても、とうてい信じることができない様な荒唐無稽だが、深刻な事情が。言われても、わたしは信じる事ができなかっただろう。正義とは、悪とはなんだ?全てを犠牲にして、1人過去の世界に戻り、血反吐を吐いて戦う少女に、手を差し伸べるのが本当の正義では?だが……。」

 

 ああ、ガンドルフィーニ先生がどんどん一人で追い詰められていく。けど、無自覚に追い詰めている側の超君たちも、追い詰められているんだよね。未来を「おおまかに」……あくまでおおまかに確率論の観点から予測する、心理歴史学(サイコヒストリー)。それをもってネギ君たちと言うか、ネギ君が超君の魔法世界救済プランを否定しちゃったんだ。

 そのネギ君?なんか自分のプランの発表を準備してるよ。高畑先生といっしょに。高畑先生は、海外での仕事が早期に終わったからついさっき空港に到着したんだ。それをネギ君が迎えに行ってきて、今「ここ」に居るんだよね。

 

「……駄目ネッ!!なんて、なんて事カ……。考えられる限り、魔法世界(ムンドゥス・マギクス)を保持した上での世界の安定を守ろうトしたけド!だけド!」

「超さん……。」

「超……。」

 超さん……。

「……ワカテ、いるヨ。ツマリはわたしの計画では、魔法世界(ムンドゥス・マギクス)を残す事は出来るカモしれないヨ。だけどソレだと所詮ハ短期的な延命でシカないし、最終的な破滅ハ救う事ができないネ。悔しいネ。心理歴史学(サイコヒストリー)の技術ガ、ワタシの時代にまで残テいなカタのは、大きな損失だたヨ……。」

 

 ネギ君からゲストIDでのアカウントを作ってもらって、宇宙基地?にある大型量子コンピューターに繋がってると言う端末で、必死に計算してた超君だが、ついに肩を落として敗北を認めた。つまりは魔法世界(ムンドゥス・マギクス)の崩壊は避けられない、という事か……。

 だが超君は不屈の意志力で、立ち上がる。そしてネギ君に向かい問いかけた。

 

ご先祖様(ネギ・スプリングフィールド)!いや、歴史がワタシの知る物ト大きく変わってキテいる以上、アナタがワタシに繋がっているか分からないガ……。ソレでもアナタの遺伝子ガ、ワタシに混じっていることは間違いないネ!ご先祖様と呼ばせてもらうヨ!

 ご先祖様(ネギ・スプリングフィールド)、ワタシの方法では目的に届かないコトは、重々理解したネ。ではアナタの計画は、どうネ?ワタシが思うに、魔法世界(ムンドゥス・マギクス)の崩壊が前提……。メガロメセンブリアに居る「現実の」人間6,700万人のみデモ、ナントカ救う方法ではないのカ?」

「違うよ。魔法世界(ムンドゥス・マギクス)崩壊が前提ではあるけど。」

「え゛……。む……。では聞かせてモラオウ!ご先祖様(ネギ・スプリングフィールド)、アナタの計画をネ!」

「そのつもりです。けれど、映像とか資料とか準備するから、少しだけ待っててくれますか?地球でも眺めながら。」

 

 そう、今僕らのいる部屋の窓からは、蒼く大きな美しい地球が見えている。何と言うか、新しい感覚(ニュータイプ)にでも目覚めてしまいそうだ。そうなんだ。僕らは今、宇宙にいる。ネギ君の宇宙船に乗って、衛星軌道に上がっているんだよ。木乃香嬢なんかは、窓に貼り付いてうわー、うわー、と感動の声を上げている。長谷川君は、ちょっと魂が抜け気味?エヴァンジェリンは艦長席を占領して、ご満悦だ。って言うか、艦長はネギ君じゃないのかな本来。そう言や、『登校地獄(インフェルヌス・スコラスティクス)』の呪いは?ここ、明らかに麻帆良の外だけど。

 石化解除されて、弐集院先生と葛葉先生と一緒に手当てを受けてたら、そこに宇宙船が空から降下して来たんだよね。で、ネギ君曰く。こうなったら枯れ木も山の賑わい、袖振り合うも多生の縁だと、僕らまで巻き込んでしまう事にしたんだそうだ。……英国人だそうだけど、日本語の諺とか詳しいね?

 

 

 

[ネギ]

 

 タカミチと絡繰さんを助手に、僕は僕の計画について、皆に話し始めた。

 

「まず、基礎知識のおさらいから。この世界には、現実世界(ムンドゥス・ウェトゥス)と時空の位相を異にして、表裏一体になっている魔法世界(ムンドゥス・マギクス)と言う異世界が存在します。そこは魔法使いたちの世界であり、幾つかの国があります。魔法世界(ムンドゥス・マギクス)へ行くには、この現実世界(ムンドゥス・ウェトゥス)のあちらこちらにある(ゲート)を通って、転移で往来する事になります。

 ちなみに、基本的に魔法世界(ムンドゥス・マギクス)の物体は、現実世界(ムンドゥス・ウェトゥス)に持ち出す事はできません。向こうの法律で決まっているらしいんですが、それ以上に「ある事情」があって、そう言う事になっているのです。ちなみに向こう側では現実世界(ムンドゥス・ウェトゥス)旧世界(ムンドゥス・ウェトゥス)と呼ばれていて、100年前ぐらいまでは民衆の間ではおとぎ話扱いされていたらしいですね。

 ここまでは良いですか?」

「あー、理解した、理解したんだが……。コレ、まださわりなんだろ?はぁ……。」

「千雨ちゃん。もうこうなったら、今までの常識は捨てた方がええよ。ウチは魔法を学ぶことに決めたときから、きっちり覚悟決めたえ。」

「……いや、わかってはいるんだ。ネギさん、続けてくれ。」

 

 千雨の目に、力が戻って来たね。じゃ、続けようか。

 

「で、一部の人には衝撃的な事かも知れないけれど……。魔法世界(ムンドゥス・マギクス)って言うのは、人造の異界です。昔の人間が創った、作り物の世界です。」

「……え?」

「そ、そうなん?」

「そうなんだよ。……その世界を創ったのは造物主(ライフメーカー)と呼ばれ、別名「始まりの魔法使い」とも言われる、ヨルダ・バォトと言う人物らしいです。その霊体には、会った事ありますけどね。迷惑な馬鹿幽霊でしたよ。力は物凄いんでしょうけれどね。まったく迷惑な奴です。だいたい、何?人造の異界なんて不安定な場所に人間住まわせるって、何さ。どんな物でもいつかは滅びるっていってもさ。崩れそうな崖っぷちに家建てるようなもんじゃないか。」

「あー、落ち着いてくれネギさん。つまりそいつの残した不具合で、今魔法世界(ムンドゥス・マギクス)が滅びかけてるって認識で、いいのか?」

 

 ああ、ありがとう千雨。落ち着いた。僕は説明を再開する。

 

「うん、その通り。魔法世界(ムンドゥス・マギクス)は実は、現実の火星を依り代にして存在している。そしてその運営に必要な魔力は、太陽系誕生以来わずかずつ、太陽から降り注いで火星に蓄積された膨大な魔力を消費する事で賄っているんだ。だけど……。

 火星には現状生命体が存在しない。魔力は生命活動から生み出されるのが基本だからね。魔法世界(ムンドゥス・マギクス)を維持するのと、太陽から降り注ぐ魔力。圧倒的に前者の方が多い。火星は数十億年かけて溜まった魔力を、この数千年で一気に使い果たしてしまったのさ。最悪であと10年経たずに、魔法世界(ムンドゥス・マギクス)の崩壊は始まると思われる。」

「「「「「「……!!」」」」」」

魔法世界(ムンドゥス・マギクス)の住人を現実世界(ムンドゥス・ウェトゥス)に移住させようにも、大半の魔法世界(ムンドゥス・マギクス)人は実は幻想の産物なんだ。その肉体は魔力で構成されていて、それが物質のフリをしているだけなんだよね。魔法世界(ムンドゥス・マギクス)と言う家に備え付けの家具みたいな物だと思ってもらえれば、近いだろう。

 ああ、だけど彼らもちゃんと自分の自我意識はあるし、感情はあるし、心はあるし、魂だって持っている。身体が魔力で出来ているってだけで、立派な人間なんだ。これは心に留め置いて欲しい。

 だけど幻想の存在だから、彼らを現実世界(ムンドゥス・ウェトゥス)に避難させる事はできない。魔法世界(ムンドゥス・マギクス)から出したら、雲散霧消しちゃう。魔法世界(ムンドゥス・マギクス)の人で現実世界(ムンドゥス・ウェトゥス)に来られるのは、昔の魔女狩りの時代だったかな?もっと前だっけ?まあいいか、昔に魔法世界(ムンドゥス・マギクス)に移住した現実世界(ムンドゥス・ウェトゥス)人の子孫である、メガロメセンブリアって国の国民6,700万人だけ。他にも他国に少数は居るみたいだし、メガロメセンブリア人にも幻想な人は居るけど。」

 

 皆、言葉も無いね。先生方の中にも、「ソレはじめて聞いた!」って顔してる人すら居るね。

 

「そしてここで登場するのが、魔法世界(ムンドゥス・マギクス)に巣食うテロ組織、秘密結社『完全なる世界(コズモエンテレケイア)』だ。彼らは魔法世界(ムンドゥス・マギクス)各国の対立を煽り、「大分烈戦争」と呼ばれる大戦を引き起こした。そして彼らはその所業を僕の父、ナギ・スプリングフィールドとその仲間である『紅き翼(アラルブラ)』と言うグループに暴かれ、壊滅する。

 僕の父を始め、『紅き翼(アラルブラ)』は英雄となった。大きな犠牲は払ったけどね。ああ、そこのタカミチも『紅き翼(アラルブラ)』の一員であった、と言うか今もそうなんだけど、その事を知る人は多いね。だけど『完全なる世界(コズモエンテレケイア)』には、裏の目的があった。魔法世界(ムンドゥス・マギクス)の人々を、救う事だ。」

「「「「「「ええっ!?」」」」」」

「本当なんだよ。彼らは魔法儀式をもって魔法世界(ムンドゥス・マギクス)を破壊し、その際に得られる魔法世界(ムンドゥス・マギクス)を構成していた莫大な魔力を用い、魔法世界(ムンドゥス・マギクス)そのものを省エネルギーの世界に書き換え(リライトし)よう、としていたんだ。

 大戦を起こしたのは、その魔法儀式から皆の目を逸らす事が目的。なんだかんだ言っても、魔法世界(ムンドゥス・マギクス)を滅ぼしてしまう計画だからね。それと同時に、魔法儀式に必須な要素である、ある人物を探し出す事も目的の1つであったみたいだけれど。

 その新しい、「完全なる世界」においては、そこに封じられた人々は「幸せな夢」を見つつ、眠り続ける。永遠に。そこでは一切合切の生命活動が行われないから、極めて省エネルギーで極めてクリーン。「完全なる世界」を維持するには太陽から降り注ぐ魔力で、充分に維持運営ができるってわけだ。」

「ば、ばかげている!そんなもの、阿片窟と何が違うんだ!」

 

 叫んだのはガンドルフィーニさんだ。僕はそれに頷く。

 

「ええ、何にも違いません。それは同意します。ですが僕は、一定の評価はしているんですよ。あくまでタイムリミットが間近に迫っての、緊急避難として、ですが。」

「……!!」

「それと、一人も取りこぼさないで救いを与えよう、って言う(こころざし)かな?それだけは、評価に値します。それだけ、ですがね。あの迷惑馬鹿幽霊にしては、頑張って考えた方です。

 ええ、そうなんです。秘密結社『完全なる世界(コズモエンテレケイア)』のリーダーは、さっき言った「始まりの魔法使い」、造物主(ライフメーカー)です。責任でも感じてたんでしょうかね?あんな不完全な世界を創ってしまった事に。」

 

 色々知っていた超さんたち一同、僕から話を聞いていたエヴァさんたちやタカミチ以外の面々は、驚きの余り言葉も無い。

 

「話は少し戻る。ウェスペルタティア王国って国が、魔法世界(ムンドゥス・マギクス)にかつて存在した。その最後の女王であるアリカ王女は、秘密結社『完全なる世界(コズモエンテレケイア)』の魔法世界(ムンドゥス・マギクス)破壊計画を阻止するために、『完全なる世界(コズモエンテレケイア)』の傀儡であった自分の父王をクーデターで追い落とし、女王の座に就いた。そして、紆余曲折の末に自分の国そのものを犠牲にして、全魔法世界(ムンドゥス・マギクス)のために『完全なる世界(コズモエンテレケイア)』の計画を叩き潰したんだ。

 けれどその行いに対する報いは、悲惨な物だった。メガロメセンブリアの元老院どもが、大戦終結直後の政情不安を鎮めるためのスケープゴートとして、アリカ王女に秘密結社『完全なる世界(コズモエンテレケイア)』の黒幕であった、と言う汚名を(なす)り付けたんだ。」

「そ、そんな!メガロメセンブリアが!」

「本当なんですよ、ガンドルフィーニさん。メガロメセンブリアの元老院の中には、前王と懇意にしていた者も多かったんです。それの怨みもあった様で……。

 アリカ王女は、大戦の戦犯扱いされて「災厄の魔女」の汚名を着せられて、終戦から2年後、処刑された。……表向きは。」

「「「「「「!?」」」」」」

「実は僕の父、ナギ・スプリングフィールドと『紅き翼(アラルブラ)』が、処刑直前と言うか直後と言うか……。処刑として魔獣の穴に突き落とされたアリカ王女を救出したんだよ。そして父はアリカ王女にプロポーズした……。そう、アリカ王女は、僕の母だ。」

「めでたしめでたし……ってワケか?……あ、いやゴメンしてや。色々問題もあるんやな。まだ。」

 

 小太郎君は、僕の強い視線に慌てて謝る。その通りだ。

 

「そうだよ小太郎君。問題だらけだ。第一、母は未だ汚名を着せられ、魔法世界(ムンドゥス・マギクス)では悪の権化扱いだ。父と母が救った人々でなければ、僕が自ら滅ぼしてやりたいよ。……ふぅ、置いとこう。

 そして今から6年前になるのかな?ダイオラマ魔法球の外の時間では。僕は当時3歳だった。ああ、年齢が合わないのは、僕が1日が6日になるダイオラマ魔法球って言う物の中で、長年修行と研究をしていたからだよ。僕が3歳の頃には、父も母も傍にはおらず、僕は従姉のお姉さんと、故郷の村の人達に育てられていた。

 そしてそこに、突然悪魔の群れが襲いかかって来た。村の人々を石化し、僕を殺そうと襲いかかって来たんだ。調べて分かったんだけれど、何らかの方法で僕……アリカ王女の血を引く存在が生まれて生きている事を知ったメガロメセンブリア元老院の一部……ほんとに一部だといいんだがね。そいつらが刺客を送り込んだんだよ。さっき倒した悪魔は、そのとき現れた中でも随一の実力の1体だった。だから僕は、あいつだけは自分の手で倒したくてね……。

 でもまあ、その時の僕は弱かったし、殺されかけた。そして、その絶望?恐怖?まあなんでもいいか。それで前世の記憶と能力が甦ったんだ。そうでなきゃ、そのまま殺されてたかもね。そして悪魔どもを蹴散らした。」

「前世の記憶!?」

 

 超さんが驚いて立ち上がる。僕は超さんに頷いてやった。なるほど、超さんの想定では、弱いままの僕だったのかもね。超さんが、へたへたと椅子に座り込んだ。

 

「そこに、僕を助けに来た父が現れた。当時の僕は前世の人格が表に出てたからね。父は僕自身には会えなくて、がっくり来てたよ。そこで父が苦しみ出した。調べてみたら、父は先代の造物主(ライフメーカー)を倒したみたいでさ。造物主(ライフメーカー)の霊に憑依されてた。

 いや、造物主(ライフメーカー)ってのはその本体が不滅の霊体でね。自分を倒した相手に憑依する事を繰り返して、気の遠くなる年月を生きて、と言うか存在してきたんだ。父が行方不明になった上で、死んだと言われていたのは、実は造物主(ライフメーカー)に憑依されてたからなんだよね。

 ああ、父は自分が憑依される事まで計算の上で、先代造物主(ライフメーカー)を倒したらしい。行方不明になってから6年前までの間ずっと、自分を封印してたって事だから。そのまんま、自分ごと封印し続けるつもりだったのかな、父さんは……。」

「ナギから聞いたが、その造物主(ライフメーカー)(はら)ったらしいな、お前は。」

「ええ、凄く面倒くさかったですけどね。造物主(ライフメーカー)は、完全に消滅しましたよ。

 でも事情があって、僕と父はその場で別れて、今に至るまで再度会ってはいないんだ。……母も行方不明だけども、父と居なかったと言う事は。もしかしたらもう、死んでいるのかもしれないね……。」

 

 さて、いよいよかな。僕の魔法世界(ムンドゥス・マギクス)人の救出計画……。なんとしても、ここにいる人たちを説得して、仲間になって貰わないと。それぐらい出来なけりゃ、到底この計画は成し遂げられないだろう。まあそれでも、やるだけはやるんだけどさ。

 計画は既に走り出してる。もう止まる事はできないし、止めるつもりも辞めるつもりもない。そしてオマケと言うか、僕にとってはもしかしたらこっちの方が重いのかもしれないけれど、復讐を……。メガロメセンブリアの元老院、最低でもその中の村を襲わせた連中と、可能であれば母さんに汚名を着せた連中、そいつらへの復讐を果たす。

 それが3歳の僕と、前世の僕から受け継いだ、今の僕の骨子なんだ。




今回、「魔法先生ネギま!」原作の酷いネタばらしがありました。というか、ほぼそれで枚数を使ってしまいました。ごめんなさい。
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