魔法転生・ネギ?ま   作:雑草弁士

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第020話:101体(どころじゃない)田中さん大行進

[高音]

 

 ああ、なんて事!なんて言う事なの!

 ガンドルフィーニ先生が、あの闇の福音(エヴァンジェリン)に篭絡されてしまい、あげくに超鈴音ら要注意生徒の問題生徒とも交流する様になってしまった。それだけならば、所詮ガンドルフィーニ先生が、それだけの人だったと言う事よ。

 正義の志を捨て、悪を許容するなど、正義の魔法使いの、風上にも置けません。いえ、あの人はもう正義の魔法使いではないんです!あの人たちは、何かを(たくら)んでいる模様です。だからこそ、悪の(くわだ)てを探り、それを打ち破らねばならないのよ。それなのに!

 

「愛衣……。」

 

 一度や二度、ああいえ、一度だったわね。一度見つかって、情けをかけられて解放された程度であんなに落ち込んでしまうなんて。とぼとぼと、今にも消え入りそうな様子で立ち去るあの子に、わたしは声を掛ける事ができなかったわ。なんて事……。今こそわたしたち、正義の使徒が、力を合わせて悪を打ち砕かなきゃならないのに……。

 ……!!……あれは!!

 

「超鈴音……。葉加瀬聡美も……。」

 

 わたしは物陰に隠れる。2人はわたしに気付かずに、楽し気に笑いつつ話をしていたわ。

 

「しかシ、この忙しイ時に、五月には申し訳ないネ。」

「しかたありませんよ超さん。わたしたちはこれから、作業があるんですから。」

「古と茶々丸と五月ダケで、ナントカ電車屋台は回るカ……。」

 

 作業がある!?つまりこれから、何処かで何かしらの(たくら)みのための、準備作業を行うのね!?……いえ、もしかしたらこの子たちが所属してる、大学のロボット工学研究会での作業かもしれないけれど。いえ!この2人を尾行していけば、それははっきりするわ!

 

 

 

 そしてその2人は、下水道に入って行った。大学の建物ではない。麻帆良の地下にある下水道施設……。これは……間違いない!何かしら悪事を行うための、「秘密基地」だわ!そして2人は下水道の奥へ進んで行く。わたしは2人に気付かれない様に、追って行った。

 そうしたら、こんな所に出てしまった……。ここはいったい……。

 

「ここ、何処なの……?」

 

 あの2人から(はぐ)れてしまい、広大な地下空間を彷徨(さまよ)い歩くうちに、古代遺跡の様な場所へと迷い込んでしまった。わたしは初歩呪文の『火よ灯れ(アールデスカット)』で灯りを作り、なんとか地下空間から脱出するべく移動を開始する。

 

「……扉が。」

 

 そこにあったのは、巨大な扉。影の使い魔で押し開けようかと思ったけれど、魔力は可能な限り温存しなければ。幸いに大きさの割に扉は軽く、容易に開けることが叶った。その向こうは……。向こうにあった物は……!!

 

「まぶしっ……。灯り?……な、何?この大量の筋肉男のマネキンは!い、いえそれより!ここは超の……。」

「ワタシの秘密基地ネ。」

「!?」

 

 わたしは泡を食って後ろを振り向く。そこに居たのは、超鈴音!

 

「ヤレヤレだヨ。ナンカ尾行してるから、産業スパイのアルバイトでもやってるのカと思て、トラップのエリアにおびき寄せようとシタんだけどネ。そしたラその前に、アサリと(はぐ)れてくれたヨ。挙句にずんどこ彷徨った挙句、ココにまで潜り込むとはネ。」

「く、超鈴音!現場を押さえた以上、言い逃れはできません!貴女はこの秘密基地で、どんな悪事を企んでいるのか!」

「……。」

「なんです、そのジト目は!ここは……。」

「言タはずネ。ここはワタシの秘密基地。だけどきちんと書類上も、ワタシのモノになてるヨ。秘密基地トは言タけど、土地とかの登録調べれバ、実のところ秘密でもナンデモないネ。

 逆に問うヨ。アナタ、ワタシの施設に何故に不法侵入したカ。場合にヨテは警察に引き渡すヨ。」

「な!盗人猛々しい!」

 

 超は肩を竦めた。く……この!わたしは影の使い魔を呼び出した。更に影の戦闘服を身に纏う。それを超は、軽蔑した様な冷めた目で……!くっ!何なの!?その目は!!

 

「言テおくが、少なくともこの件に関してハ、違法行為ハ全くしてないんだヨ?ソレなのにワタシに、曖昧な根拠とも言えない根拠で、攻撃スルのカ?それは私刑(リンチ)と言テ、最悪の部類に入る犯罪ヨ。いや、ワタシは犯罪犯してナイから、私刑(リンチ)ですら無い、只の暴力ネ。」

 

 く……。わたしは、超の言葉に攻撃を躊躇(ためら)う。けど、超が何かしら事を起こしたらすぐに攻撃できる様に、影の使い魔と影の戦闘服は、消さない。こんな事なら、最初から影の戦闘服を纏っていればよかった。影の戦闘服は、衣類の上からでは効果が薄くなる。今着用した際に、鍛錬した早着替えの技術を使って、上着は脱ぎ捨てたけれど……。

 

「シカし、コチラに対する攻撃意図を持つモノに武装サレていると、チョト不安だヨ。悪いガ、武装解除させてもらうネ。」

「!?『武装解除(エクサルマティオー)』ぐらい……。」

 

 抵抗(レジスト)してみせる……。そう叫ぶ、つもり、だった。

 

 

 

[鈴音]

 

 ……何で下着姿になるネ?

 

「きゃあああぁぁぁ!?」

 

 いや、ワタシはご先祖様(ネギ・スプリングフィールド)から学んだ幾つかの最新科学技術のウチの、魔法科学(ソーサル・サイエンス)系技術を使タだけナンダけどネ。電気仕掛けで、「反魔法場(アンチ・マジック・フィールド)」を発生させ、この秘密基地内ノあらゆる魔法ヲ強制解除したンだヨ。

 ちなみにこの(フィールド)ガ発生してル間は、よほどの達人デない限りは魔法使えないネ。達人でモ、魔法の威力弱くなるんだヨ。まあ大仕掛けが必要だから、何処でも使えるワケじゃないけどネ。

 なお似たような技術に、「現実補強(リアリティ・リインフォースメント)」トカあるヨ。現実そのものを補強するコトで、幻想ガ成り立たなくするネ。コレだと魔法ダケじゃなく「気」トカ、咸卦法まで打ち消されるけど、より一層の大仕掛けや大電力必要ネ。ここにはまだ配備シテないヨ。

 現実逃避ハこれぐらいにするネ。とりあえず、ワタシは着てた白衣をグッドマンに投げテやるヨ。彼女は慌ててソレを着るネ。……タブン、下着以外の着衣は魔法的な技術でドコカやったんだろうネ。ヤレヤレだヨ。

 

「とりあえず、暴漢の無力化には成功したネ。」

「だ、誰が暴漢ですか!」

「アンタだヨ。高音・D・グッドマン。もうスイッチ切るマデは、この秘密基地内デハ魔法の類は使えないヨ。ワタシの、じゃないのガ残念だケド、科学の力でネ。」

「く……。」

 

 ちなみにグッドマンに言ったコト、彼女が産業スパイだト疑テるって事は、嘘ヨ。表向きそう言うコトにしてたダケだヨ。まあトラップエリアにおびき寄せて捕まえようとしたコトはホントだけどネ。ドチラにせよコチラの作業終ワタら解放する予定だたヨ。

 何にせよ、『田中さん』たちの移送作業、はやく終わらせてしまわないとネ。今晩で終わらせて、明日以降ハ電車屋台の調理業務に入ラネバならないヨ。ワタシはトランシーバーで葉加瀬に話しかけるネ。トランシーバー使うのハ、携帯電話は地下深くで通じないからだヨ。

 

「葉加瀬、緊急用無線給電デ、全『田中さん』と全『BUCHIANA』を起動ネ。」

「こ、これは!」

「五月蠅いから黙テテ欲しいネ。不法侵入者。」

「なんですって!?」

 

 ここに格納されてル全ての『田中さん』『BUCHIANA』が、秘密基地を出て行くヨ。葉加瀬の指示でネ。この格納庫ダケじゃないガ。

 

「これは……。ロボット!?正体を現したわね、超鈴音!このロボットで、何をするつもりです!?」

「宇宙開発だヨ。」

「く、その宇宙開発の野望、絶対にわたし、が、え、え?宇宙、開発?」

「厳密には火星開発ネ。本来の予定でハこのまま使うハズだたけど、ちょと問題起きてネ。宇宙に打ち上げテから、ジュノーの宇宙基地デ改修するんだヨ。終わたら、宇宙基地生産分の他種のロボットと一緒に、火星に送り込んで火星開発ネ。」

 

 ホントは違う目的に使う予定ダたけどネ。でも火星で使えテよかたヨ。今までの準備、2年間の努力、全くの無駄では無かたヨ。

 

 

 

 ヤガテ全部の『田中さん』『BUCHIANA』が秘密基地から出ていったネ。まあ、制御用科学装置を埋め込んだ無名の鬼神ハ、科学装置取り外しテ再度厳重封印に戻したけどネ。なお少数生産の茶々丸妹ハ、エヴァンジェリン宅の別荘内管理用トシテ使われるヨ。

 地上にハ、ご先祖様(ネギ・スプリングフィールド)の宇宙船のナカでも大型の戦車揚陸艦(LST)が待テるんだヨ。ちなみに戦車積むワケじゃないのに何故か形式はLSTネ。要は単なる輸送艦なんだヨ。

 

「さ、テ……。高音・D・グッドマン・セ・ン・パ・イ?」

「く……。」

 

 グッドマンは、必死に武術ポイ構えを取るヨ。あくまでポイだけであって、全然なっちゃいないけどネ。って言うか、素人ヨ。魔法働かないこの空間では、古と何時も何時も手合わせシテ腕を磨いてる、ワタシの敵じゃないんだヨ。ワタシは肩を竦めるネ。一体、何度目だろうカ。

 

「地下を出るヨ。ついて来るといいネ。それとも……地下深くで置いてケボりがお望みカ?ワタシはソレでも構わないヨ。」

「くうっ……。」

 

 そしてワタシたちは、途中で葉加瀬と落ち合って地上に向かったヨ。ケッコウ長い時間歩いテ、ワタシたち3人は地上に出たネ。

 

「グッドマン先輩、白衣は後でロボット工学研か生物工学研か量子力学研か東洋医学研か中武研かお料理研に返して欲しいヨ。部員に渡してクレレば、ワタシに会わなくても届くネ。貴女ハ、ワタシに会いたくないだロ?ああ、超包子でもいいケド、その時はワタシに会う覚悟してクレなんだヨ。」

「……今回は、1つ借りです。ですが、だからと言ってわたしが手加減するとは思わないでください!」

「思テないヨ。けど、学園祭終わたラ、ワタシの活動は先ほど言タ通りに宇宙開発が中心になるヨ。ガッコも休みガチになるかもネ。卒業デキる程にハ来るけれド。たぶん葉加瀬もネ。ダカラ、ワタシが悪事企んでてモ、麻帆良とは関わり無い場所になるだろネ。」

「え。」

「ダカラ、貴女が「今のまま」ならバ、間違いなくサヨナラ、だろうネ。デハ、とりあえず今のところは「再見(ツァイチェン)」ヨ。」

 

 そしてワタシと葉加瀬は、グッドマンを置いて寮へ歩き出したネ。

 

「超さん、わたし寮で寝るの久しぶりですよ。」

「今日はマダ、夢中学習装置(ドリームラーニングシステム)の再使用はできない日だたネ?」

「です。ちなみに夢中学習装置(ドリームラーニングシステム)はロボット工学研に置きっぱなしです。ああ、他人に触れられない様に、きちんと管理は。」

「当然だヨ。」

 

 サテ、どうするネ、高音・D・グッドマン。アナタが「今のまま」ナラば、ワタシたち「悪の走狗(笑)」だけじゃ無クて、大事な妹分ノ佐倉愛衣ともオワカレになるカモしれないヨ。それもカナリの確度デの話だヨ。ワタシは敵には容赦シナイけど、佐倉サンは既に小太郎(コタロー)がゲットしたからネ。イヤ、小太郎(コタロー)がゲットされたのカ?

 まあいい。要は、佐倉愛衣ハもうコッチの身内だヨ。彼女からスレば、貴女を「切り捨てる」ことはマダ出来ないだろうケド。巣立ちガ早くなったト考えれバ、まあ……。何にせよ、貴女は崖っプチだヨ。ドウするネ、高音・D・グッドマン。

 そしてワタシと葉加瀬ハ、夜道を歩き続けたんだヨ。




今回はちょっと短めです。でもその短めの間に、高音さん崖っぷちです。
ちなみにとりあえず一応剥いてはみましたが……。まあ下着止まりで。
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