魔法転生・ネギ?ま   作:雑草弁士

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第021話:パワーアップと腕試し……え、ダメ?

[ネギ]

 

「へえ、千雨たちのクラスは学園祭でメイドカフェやるのか。」

「そうなってる。……ま、下手するとあいつらとは最後になるかもだしな。そのつもりで、今回は気持ちのタガ外して準備に打ち込んでる。学園祭終わったら、学校への出席最低限にして火星での仕事しなきゃならんし。」

「んー、それは中学卒業後からでもいいよ?と言うか高校は火星に作った学校行くって建前で、火星国家関連の仕事してもらわないといけないけどさ。」

「その分ネギさん、余計に働くつもりやんかー。それはあかんて。皆に任せられるとこは任せてほしいんやわ。」

「そうですね。ネギさんのスケジュール管理をする人とか、いるといいんですが。」

 

 うん、木乃香と刹那に痛いところ突かれたね。自分で自分のスケジュールは管理しているけれど、正直秘書は欲しいところだ。

 

「まあ、何にせよ君らのクラスの出し物は、学園祭期間中に1回は見に行くよ。」

「それは有難いな。ネギさんはお金持ちだから、ウチのクラスに大量に金落としてくれ。」

「ははは、了解だ。」

 

 千雨と木乃香なんだが、長期間、ほんとに長期間、幻想空間(ファンタズマゴリア)使って時間を加速しての修行や勉強を行ったため、魔法使いとしては充分に一人前に、学業の方も高卒から大学生ぐらいの能力は持っている。あ、幻想空間(ファンタズマゴリア)だけじゃなくてダイオラマ魔法球もちょこっと使ったっけ。ま、そっちは肉体年齢が周囲とズレない様に、使用はかなり制限したけどね。

 ちなみに刹那、真名、楓、古菲、小太郎君や佐倉さんたちも幻想空間(ファンタズマゴリア)で勉強とか修行とかしたから、年齢に似合わない学力を持ってるし、肉体的身体的な基礎能力はともかく、戦法とか戦術とか、あとは使える技の数とかは格段に向上してる。刹那、楓、古菲、小太郎君あたりは以前のおバカさんっぷりが嘘の様だ。あ、いや。刹那は成績そこまで悪くもなかったか。良くもなかったが。

 修行と言えば、タカミチやガンドルフィーニ先生や瀬流彦先生に他の皆さんなども時々ではあるが、僕のところで修行している。彼らの場合は幻想空間(ファンタズマゴリア)使う他、遠慮なしにダイオラマ魔法球使ってるから、ちょっとばかり老けたかも。1歳ぐらい。葛葉さんはダイオラマ魔法球は避けたけどね。

 あ、小太郎君に古菲?何か用かな?

 

「なあー。俺にも咸卦法教えてくれへんか?」

「ワタシにも教えて欲しいアル。」

「タカミチに教わった方がいいと思うけれど。」

「タカミチさんは、なんやクラスの方で忙しい言うてたんや。」

「あのクラスを纏めるの、ワタシが言うのもなんだケド、大変アルよ。」

 

 あー。そう言えば、なんかヤバいのばかり大量に集めたクラスだとか言ってたっけ。『黄昏の姫御子』、アスナ・ウェスペリーナ・テオタナシア・エンテオフュシア……今の名前はアスナなんちゃらとか言うらしいが。ソレが目立たないぐらいの物凄さ、らしいからなあ。

 僕の仲間になっているマクダウェルさん、絡繰さん、刹那、真名、楓、古菲、木乃香、千雨、超さん、葉加瀬さん、四葉さんも皆タカミチのクラスだって言うし。千雨は最初は一般人だったけど、こないだ「あー、とうとう逸般人になっちまったな……。」って愚痴ってたなあ。

 

「わかった。教えるよ。」

「やったアル!」

「サンキューや!」

 

 そうなんだよ。僕も頑張って、咸卦法と『闇の魔法(マギア・エレベア)』は何とか身に付ける事ができた。あとマクダウェルさんの蔵書から、各種の古式魔法やマクダウェルさんのオリジナル魔法とかを、〈ケイオス・ヘキサ式プログラム魔法〉にコンバートして習得したり。

 と言うわけで、小太郎君と古菲に咸卦法を教える事にした。と言っても、僕も習得してそんなに経験を積んだわけではないので、タカミチから教わった練習法をそのまま伝えると、後は習うより慣れろになる。まあでも、幻想空間(ファンタズマゴリア)で修行して勘を掴めば、あとは現実あるいはダイオラマ魔法球の中でその勘を忘れないうちに身体で覚えればいい。

 と言うわけで、その他の面々も連れて、また幻想空間(ファンタズマゴリア)へと赴く僕だった。

 

 

 

[茶々丸]

 

 わたしもネギさんの幻想空間(ファンタズマゴリア)に来ています。機械でできたわたしが、幻想空間(ファンタズマゴリア)に来れるとは思ってもみませんでした。ネギさんによれば、「絡繰さんは、なんて言うのかな?たしかに身体は機械だけれども、人工知能(AI)が電子生命体ぽい存在になってるみたいだからね。僕の『霊視眼(グラムサイト)』で先日識別(アイデンティファイ)してみたら、そう言う結果が出たよ。」との事です。

 

 

 

 ……わたし、が、生命体。嬉しい……のでしょうか。いえ、嬉しい、です。

 

 

 

 ネギさんと超、葉加瀬は、とりあえずと言う事でわたしの身体に、「抗・反魔法場(アンチ・アンチ・マジック・フィールド)機構」と、「抗・現実補強(アンチ・リアリティ・リインフォースメント)機構」、その他の魔法的仕組みを打ち消す様な技術からの防御システムを組み込んでくれました。そうでないと、たとえば『抗魔領域(アンチマジック・シェル)』などでわたしの存在が打ち消されたり、行動不能状態にされたりする危険があるとの事なので。

 なお後日に、わたしの身体(ボディ)を本格的に徹底改造し、強化してくれるとの事でした。そして強化と同時に、外観がより人間に近い物に変わるとの事です。それを聞き、わたしは「高揚」しました。はい、「嬉しく」思ったのです。「嬉しさ」という「感情」は、自分が生命体だと聞かされたときに、「自覚」する事ができました。ですのでわたしが「嬉しく」思った事は、間違いありません。そうです。わたしは「人に近くありたい」と、「願って」いたのです。

 そんな事を考えていると、先ほどまでネギさんに科学と数学を教わっていたマスターがやって来て休憩に入ります。幻想空間(ファンタズマゴリア)の中では、その主であるネギさんが出現させた食料しか無いため、文句を言いつつ値の高いお酒を飲んでいますが。いえ、幻想空間(ファンタズマゴリア)で値段も何も無いのですがね。

 

「ネギは味それ自体はわかるくせに、味に頓着せんな。この酒もラベルだけは高級だが、味に深みが無い。まずいとは言わんが……。いや、味はわかるのだ、あの男。先日利き酒をさせたら、全部的中させたし、美味さにも感動してはいたからな。だが、それに(こだわ)る気そのものが無いのはな……。」

「貧乏舌だと卑下していらっしゃいました。ただ、便利だそうです。不味いものも、美味しいものも、どれもこれも美味しく食べられる、と。」

「やれやれ。……茶々丸。どうだ?わたしの世話などは、お前の妹たちが入った以上そこまで忙しくあるまい。わたしからあの男への協力の一環として、奴の秘書役を務めてみるのはどうだ?」

「!!」

 

 わたしはその時、モーターの回転数が勝手に上がるのを計測しました。これは「高揚」したときの反応と極めて近いです。わたしは「嬉しく」思っている……「喜んで」いる?そしてわたしの口からは、反射的に言葉が出ていました。

 

「はい、よろしければ。」

「くくく。ではこれを飲み終わったら、その件を申し出にいくとするか。」

「はい。」

 

 

 

[千雨]

 

 わたしの訓練は、最近木乃香よりも厳しい。というか、以前にも言ったかと思うがわたしは「小ネギ」とでも言うべき存在になる様に鍛えられているんだ。魔力では木乃香に大きく水を開けられているんだが、木乃香の魔力は治癒属性に偏っているからな。

 ネギさんの使っている〈ケイオス・ヘキサ式プログラム魔法〉に、わたしは向いている様だ。ネギさんから聞くところによるとこの魔法系統は、本来この世界の魔法ではない、他の並行異世界から流れて来た魔法だとの事だったりする。そして本来この世界に昔からあった魔法に染まっていない、癖の付いていないわたしであるからこそ、「小ネギ」としての教育を受けさせられている、らしい。

 

「……期待が重い。ま、やるけどよ。」

 

 そう、わたしは万が一ネギさんが例の、「魔法世界(ムンドゥス・マギクス)を破壊して魔法世界(ムンドゥス・マギクス)人を受肉させる魔法」を唱えられない場合の予備として、そしてネギさんがその魔法を行使できる場合であっても、それを補助する役割を期待されてるんだ。いやエヴァンジェリンや、呪紋回路を解放した超でもなんとかなりはするらしいんだが。だがそれよりも、わたしを訓練した方が確実だとの事。

 その役割の重要さから、魔法の訓練だけでなく、格闘の訓練もしばらく前から始まってる。万が一、敵対者に狙われるかもしれんから、だそうだが……。ぶっちゃけ(つら)い。

 いや、現実の時間では一昨日からなんだが、幻想空間(ファンタズマゴリア)とダイオラマ魔法球の中の時間では半月ぐらい経ってる。ま、わたしたち生徒組の中での5強、桜咲、龍宮、長瀬、古、小太郎たちには絶対に勝てない程度の技量しか無いんだが。基礎的な身体能力も大きく劣るしな。それでも身体施術(フィジカル・エンチャント)をフルに行使して後先考えない全力出せば、1分未満の短時間なら食い下がれるけどよ。

 あと、わたし視点で激烈な鍛錬の結果、「気」に目覚めた。「気」と魔力は反発するんで、「気」に目覚めた事が発覚した直後、「気」を抑える訓練からやらされたんだよな。いや、わたし視点では激烈な鍛錬だったんだが、長瀬や桜咲からは「こんなヌルい鍛錬で「気」に目覚めるなんて、才能ある!」と驚かれた。……アレがヌルい鍛錬、か。

 そして今わたしは、咸卦法の訓練を受けている。せっかく「気」に目覚めたんだし、古や小太郎も習い始めたそうだから、やれる事は全部やっとこう、と言う話らしい。この先あくまで将来的に、適性によっては『闇の魔法(マギア・エレベア)』もやるとか言ってた。ちょ、失敗したら魔物になっちまうんだろ!?

 

「自分を「無」にするんだ。そして左手に魔力、右手に「気」を集中して合わせるんだ。」

「そう簡単に「無」になんてできねえよ……。」

「うーん、そうだな。千雨、君はHPとか作る時に集中するだろ?「ちうのHP」ってサイトだったか。自分を忘れるぐらい。いや、僕もプログラミングとかの時には、思い切り集中するからね。あんな感じ。」

「なるほど。……ってアンタ!?なんでわたしのHPの事を知っているーーー!?」

「できたじゃないか。」

 

 激昂のあまり、一瞬「無」になっていたらしい。わたしの身体には、弱いが確かに「咸卦の気」が纏われていた。弱いと言っても高畑の咸卦法と比べての話。今までわたしが全力で「気」を練ったのとは、比べ物にならない程に強力だ。古と小太郎の嫉妬の視線が痛い。

 ちなみにネギさんがわたしのサイトの事を知ってたのは、皆がネギさんに気を使って休ませよう休ませようとした事で、それが中途半端に成功したためだ。ポッカリとヒマが出来て、しかもゆっくり休むほど大きく時間が取れたわけでも無かったネギさんは、ヒマ潰しにネットサーフィンしてたんだそうだ。そして偶然見つけたのが、「ちうのHP」。

 ネギさんネットアイドルとかには興味は無かったが、トップページの画像に引っ掛かりを覚えた彼はそのサイトの画像を精査。そして「ネットアイドルちう」の骨格が、わたしの物と完全一致する事を確認したのだ。曰く、双子でもクローンでも、ここまで一致するこた無いそうだ。あー……。顔から火が出そうだ。

 必死にお願いして、秘密にしてもらったんだが……。ネギさん、ちょっとうっかりな所あるからなあ。どっかでポロっと漏らしたりしないだろうな?

 

 

 

[鈴音]

 

 今ワタシは、「まほら武道会」の準備をしているヨ。20数年前まで麻帆良学園祭の目玉だタこの格闘大会。今現在は衰退し、賞金10万円ホドのショボい格闘大会に落ちぶれていたネ。しかし異常気象デ世界樹大発光が1年早まタ事に焦っていたワタシは、コレに目を付けたヨ。

 麻帆良祭にハ、他に幾つかの格闘大会がアたネ。ソレをM&Aし、「まほら武道会」を核にして巨大武闘大会を開催するネ。映像記録を禁じると共に1千万円の賞金デ魔法使いたちを釣ル。そして魔法を使わせ、ネットでその映像を流出させル事で、全世界に対する魔法バレの下地を作るのが目的ダたんだヨ!

 ……まあ、計画を放棄シ、ご先祖様(ネギ・スプリングフィールド)の計画に乗り換えタ今は、コレに意味は無いネ。だけド、既に各格闘大会のM&Aは、根回し進んでたヨ。今更撤回はできないネ。超包子の信頼にも関わるからネ。ケレド、こうなったなら仕方ナイんだヨ。いっその事、表向きの「超包子の宣伝」にフルに活用スルとしようカ!

 

「……だけど、古。悪いケド、出場スルのハ諦めて欲しいヨ。小太郎(コタロー)もネ。」

「ええーーーっ!?何でアルか!?」

「そやそや!俺、どんだけ自分の腕上がったか試すの、楽しみにしてたんやぞ!?」

「古、小太郎(コタロー)……。自分の腕前のホド、理解して欲しいヨ。アンタら出たラ、ドッチかが必ず優勝ネ。小太郎(コタロー)は狗神と獣化と咸卦法禁止で、古は咸卦法禁止したとシテも……。」

「そうだな。一般人の中の達人、程度では君らを相手にしたら、紙人形みたいなもんだ。」

ご先祖様(ネギ・スプリングフィールド)!!」

 

 ご先祖様(ネギ・スプリングフィールド)が割って入たネ。お願いダヨ!この2人、ナントカ説得して欲しいヨ!

 

「小太郎君も、古さんも、弱い物いじめは嫌いだろう?」

「ムムム、そう言われてしまうと、言い返せないアルよ。」

「え?俺そない(つよ)なっとるんか?」

「それにさ。僕らと超さんは身内だろう?こう言う場で、身内が賞金商品かっさらうのは、タブーだよ?」

「「むぐぐぐ……。」」

 

 そう言う事ヨ。

 

「でも超さん。ウルティマホラのチャンピオンである古さんが出なければ、盛り上がりに欠けると言うか、優勝者や大会そのものに箔がつかないのでは?」

「葉加瀬……。むむむ、確かに……。」

「ううむ、そうなると……。そう、だな。大会の優勝賞品に1品付け加えるのは?」

 

 ご先祖様(ネギ・スプリングフィールド)、何カ良い考えでもあるのカ?

 

「古菲が超包子の身内である事は、周知の事実だ。だからあらかじめ、その事を開会式か何かの場で改めて公表し、「古菲は出場しないけれども」と前置きをする。そして優勝者に古菲への挑戦権を与えるんだ。エキジビジョンマッチとして、ね。あんな大きな大会の場で、古菲に「もし」勝てれば、とんでもなく名が上がるよ。優勝の副賞としては、充分じゃないかな。」

「なんや結局、俺は出られないんか。」

「悪いが今回は、我慢してくれ小太郎君。」

 

 なるほど!そのアイディア、貰うネ!感謝ヨ、ご先祖様(ネギ・スプリングフィールド)!!

 それデハ、ワタシは「まほら武道会」の準備に取り掛かるネ!……ご先祖様(ネギ・スプリングフィールド)の計画第一段階、「魔法世界(ムンドゥス・マギクス)破壊」……。その前の、タブン最後の息抜きネ。デハ、はりきって各々の格闘大会主催者と、交渉と行くヨ!!




いや、やっぱり身内が賞金商品さらってったらダメでしょう(笑)。
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