[小太郎]
俺と愛衣、楓姉ちゃん、
それと、愛衣の姉貴分の高音・D・グッドマンやったか?アイツも残念ながら本選出場や。俺らの誰とも当たらなかったからなあ……。当たってたら、油断突いてさくっとリングアウトにでもしとったんやが。だって、まだ周囲に大勢選手残っとんのに、勝ち誇って高笑いやぞ?俺も油断し易い事では注意されとったが……。そっちでは、俺以上やな。
でもって、厳正な抽選の結果、フェイトとは準決勝で当たるんやな。俺が油断せず勝ち進めば。ちなみに楓姉ちゃんは一回戦勝ち進めば、フェイトとは二回戦で当たる。
でもってもう1個の問題、グッドマンの姉ちゃんなんやけど……。1回戦で愛衣と当たるんや。……。ま、大丈夫やろ!きっと!おそらく!たぶん!なんとか!どうにかして!……いや、心配すな言われたけど、心配やん。うん。
まあ、そんなわけで心配やったから、ネギさんのダイオラマ魔法球借りて、一晩みっちり愛衣と格闘戦の鍛錬した。お互いのクラスメートとかと年齢差が出るかもしれへん言うたかて、仕方ないやん。1時間が3日になるんやから、10時間で30日、一ヶ月ならそこまで歳食わへんやろ。
ほんまはネギさんの
ちなみにダイオラマ魔法球の中に、茶々丸妹弐号がお目付け役兼お世話係として付いて来よった。別に料理洗濯くらいできるで?ちょい雑な男料理やけど。愛衣も信頼されとらへんとか思ったんやろな。最初ちょい不機嫌やった。一ヶ月の最初で、慣れたけどな。時々、「二人きりならなぁ……。」って愚痴っとったけど、仕方ないやん。
何にせよ、コレで準備は万端や。今日の本選、さっそうと優勝……はアカンのやったな。せめてフェイトは俺がナントカしたるで!
[鈴音]
さて、もうスグ本選の開始だヨ。それにしても……ヤバいネ。ワタシは視線ヲ、昨晩挨拶しに来た
もう少しコチラへの報告早けれバ……トーナメント表いじってフェイト・アーウェルンクス周辺に、身内固めるコトできたんだヨ!なんでナニモ知らない事務メンバーがトーナメント表貼りだしてカラ、話もて来るネ!
はー、はー、はー。いかんネ。落ち着くヨ、
……『
麻帆良の魔法使いたち……そのウチどれダケが、何割ガ、『
ワタシは
「……。」
『はい、こちら学園長室。ワシじゃ。』
「学園長先生、ワシだとわからないですだヨ。近衛学園長で間違いないネ?ワタシ、超鈴音だヨ。敬語上手く無いのハ、留学生と言うコトで勘弁して欲しいネ。」
『お主、国語も満点だったのではないかの。まあ良い。お主が突然、何の用じゃね?』
「ワタシがネギ殿の軍門に降り、学園へのチョッカイ出すのヤめたのハ、理解してるネ?ワタシがネギ殿に降た理由ハ、ネギ殿から聞いて欲しいけどネ。
で、一介の学生からちょと離れた、事情通の元問題生徒とシテ、報告がアルんだヨ。……「アーウェルンクス」が出たネ。」
『なんじゃと!?』
食い付いたネ。つまり、ヤパリ学園長レベルは『
「……早急に、「神楽坂明日菜」サンの周囲に少数の腕利きの護衛ヲ派遣する事を進言するネ。「アーウェルンクス」ハ、わざと目立ツ様にワタシ主催の「まほら武道会」に出場したヨ。
明らかにコレは、目的2つヨ。その1、『威力偵察』。コチラが派手な行動オコス事できない麻帆良祭に乗じて、騒ぎにならない程度ニ騒いデ、やって来る麻帆良の戦力を確認するネ。ケド、ワタシ思うにコレはオマケにすぎないヨ。
その2、コッチが本命ネ。……目立つ様に動いて、『陽動作戦』ヨ。そして『
『……お主、味方と思うて良いんじゃ、な?』
「少なくとも、敵の敵ネ。」
『……信じよう。今、手すきなのはシスター・シャークティじゃの。彼女と直属の魔法生徒を送ろう。』
「……美空で大丈夫カ?」
とりあえズ、学園長との電話終わたヨ。サテ、こちらも開会と行かねばならんヨ。……タノムから、あまりハチャメチャにならないで欲しいネ。ルール説明で呪文詠唱禁止とカ言わなかたケド、ダカラと言って呪文詠唱して大きな魔法使う馬鹿は出ないで欲しいヨ。一応撮影機器を作動不能にハしたけどネ。
今回は!あくまで!超包子の!宣伝のための!
[千雨]
びびった。あ、いや。敵にびびった訳じゃない。ネギさんにびびった。
昨晩はあの白髪のガキをネギさんが尾行したんだけどな。奴は普通にホテルダイエックス麻帆良に入って行った。ネギさんは『
でもって、最初の組はわたしとネギさん。桜咲と木乃香はとりあえず交代に備えて休んでいろって事で、わたしだけ現場に呼び出された。と言うか、
なのにネギさんは、なんもなしでわたしを召喚して見せた。いや、抵抗すれば抵抗できる術だったが、あらかじめ抵抗しないように言い含められていたんだけどよ。どんだけだよ、ネギさん。
で、ここで話が終わったと思うだろうが、そうは問屋が卸さない。わたしは動揺を抑えるために、ちょっと諧謔を飛ばすつもりで、「そういや今日の夕刻、麻帆良祭㊙コスプレコンテストあったんですよね。いや、色々あって行けなかったですけど。」とか言ったんだ。そしたらネギさんが、何時からあったんだとか聞いて来た。いや気にしないでいいですとか言ってるうちに、事件は起きたんだ。
目の焦点が合ってないわたしと、腐った魚の様な目のネギさんの、うつろな目のコンビがその場に現れたんだよ。いや、わたしたちの他にもう1組。
で、新しく来た方のネギさんから、元居た方のネギさんがコスプレコンテストの時間と場所を聞いて……。そして元居たネギさんは、わたしの右手を左手でしっかと握る。その足元には、街灯の光で影が伸びてて、そこからネギさんの巨大
キュキュキュキュキュンキュンキュキュンキュキュキュン!
その
「え……。ええええええええ!?」
「場所はここで合ってるね?」
「は、はあ……。」
ネギさんが、わたしを連れて時間移動やったんだ、と理解したのは一瞬後だった。ただ、以前ガンドルフィーニ先生に時間移動を披露したときは、10分前に移動するのが限界だとか言っていたはず。そんな疑問が顔に出ていたのだろう。ネギさんは、鍛錬により数時間なら
ただ、タイムパラドックスが怖いから普段はやらない、とも言っていた。何故やったんだよ、と聞いたら……。
「第1に、もう1組の僕らが姿を現したからね。それまでは、何かしら埋め合わせで事を済まそうかと思っていた。もう1組の僕らが出現しているのに、僕らが
……そして、さ。千雨、君へのある意味の贖罪、かな。千雨は本来、魔法とは関わりの無い生活をしたかったんだろう?僕ら……。僕とタカミチは君を護るのに失敗している。君を魔法の世界に引き摺り込んでしまった。その上、僕の計画で重要な役割を無理に負わせている。
木乃香も君に立場は近いが、彼女は刹那の件もあり、積極的に魔法に関わる事を自分で決めた。だが君は、自分の体質と言う理不尽な理由で、しかも望んでもいない魔法に関わる事を「外圧で」決められた。だからさ、せめて趣味ぐらいは、本当にどうしようもない事情以外、犠牲にして欲しくなかったんだよね。それに折角の学園祭だし。」
「え、あ、き、今日のは「本当にどうしようもない事情」だと思うけどよ。」
「まあね。だけど、その上でもう1組の僕らが出現したし。だから、どうせならノッて置こうってね。」
その後か?ノリノリのネギさんは、わたしと一緒にコスプレしてコンテストに出たよ。ネギさんが往年の某特撮ヒーロー、わたしが往年の某特撮ヒロイン。ってか、貸衣装でなんであんなのあったんだろうな。優勝までは行かなかったが、2位が取れた。と言うか、気付いたら2位になってた。ぎゃふん。
でもって、その後は「以前の」自分たちが行かなかった場所を縫う様に、「以前の」自分たちから逃げ回る様に移動した。うん、飛行船乗ったりして、正直なんか……。ナニだった。なんか、何かに負けた気がする。そして「元の時間」が来る。ネギさんの顔は既に引き締まってた。
ちょっと、かっこ良くて……。慌てた。何を勘違いしてるんだ、って。でも、少しだけ見とれた。
そして……わたしは思う。マテ。んじゃ何か?あのもう1組のわたしの目が焦点合ってなかったのって、ネギさんに見とれて、ポ~っとなってた目だったのか!?まて、まて、少し待てーーー!?
「千雨。そろそろ……。」
「うわあああぁぁぁっ!?」
わたしは思わずネギさんの顔に一撃。ネギさんは、黙って顔面で受けてくれた。我に返ったわたしは、慌てて『
ネギさんは笑って許してくれた。はじめて時間移動したんだし、情緒不安定になるのも分かる、と。いや、違う、違うんだ。ああ、そう言う事か。もう1組のわたしの目が焦点合ってなかったのは、ネギさんに申し訳なくて、目が泳いでたんだ。
そして、わたしは「元の」時間に「元の」わたしたちに会った。
いや、その後は気合い入れ直して、刹那と木乃香と交代するまで、しっかり見張りしたぞ?ホントだからな?まあでも、あのフェイトの野郎はまったく動かなかったけどよ。翌朝に超からの電話連絡で相談して、ヤツの動きはおそらく『陽動作戦』だって見解で同意した。ネギさんが。
なので「まほら武道会」の本選が始まったら、小太郎と長瀬、それにナギさんに任せて、ネギさん含むわたしらは「フェイト以外の敵」に備える事にしたんだ……。
三人三様、というか色気が無いのは超鈴音のみ。がんばれ超さん、君にもきっと未来はある。いや、未来に帰れって言ってるわけじゃないよ。