忙しさのない日常
周りの人々は幸せだ。皆の心の内を見れるわけでもないし、その人たちと会話して幸せですかと尋ねたわけでもない。だけど、自分とすれ違う人達は皆前を向いている。笑っている。微笑んでいる。とてもいい笑顔でいる。そう自分には見えた。
そんなことを思っている自分はどうなのかと聞かれた場合、自分はNOと答える。家庭環境はとても恵まれているし、今まで生きていた中で幸せを感じたことだって幾度もある。けど、考えることが多くなるにつれて、何を、もって幸せというのか、自分が幸せと思う定義って何なのかと考えると答えはNOになる。単純に考えたらいいのかもしれないし感じてないだけで幸せなのかもしれないのに、ひねくれてしまった。
そんなことを考える退屈な帰路だった。
「ただいま」
「おかえり真澄、今日は早いじゃん。いつもは19時回るのに」
「学園祭も終わったし、部活もなしにしてきた。そんなことよりも、姉さんも早くないか?」
「今日はオフ。最近派手な服ばっかり見ているから目がチカチカしている。」
アイマスクをつけてソファーを独り占めしているのは、姉である
「アンタも十分化け物よ。」
「人の考えを読むな!」
「アンタと違て、人の考えなんて読めないっての!顔に出てた分かりやすい。」
「うそだ…」
「ホント。家にいるときは表情に出る癖に、なんで外に出ると無表情にすぐ成れるの?わけわかんない。」
「アイマスクしてるのに表情なんて見えるのか?」
「…失礼なことを考えている雰囲気をすごく感じた。」
「すみませんでした…」
ガチトーンで言われてしまったので、反射的に深々と謝ってしまった。姉さんは分かればよろしいと言わんばかりの顔している。自分はそれを横目に昔からあのトーンに逆らえないことを再度実感した。
「あ、言い忘れていたけど今日、
「わかった。」
言っていた通りテーブルの上には買い物袋が置いてあった。中身は人参、玉ネギ、ジャガイモ、豚肉、糸こんにゃくが入っている。確信犯だ
「姉さん……これって狙ってやってるよな。」
「分かってるじゃない。神兎がつくるより、アンタが作る方が美味しい。」
「姉さん…それ、神兎に言うなよ。怒って一週間飯抜きはもう嫌だからな。」
「わかってるって。」
前回の元凶が軽く返事を返した後、自分は夕食の準備に取り掛かることにした。今晩は肉じゃがだ。
夕食が済み、片付けが終わった後。リビングで何となく付けたテレビを見ながら、溶けるようにのんびりしていると妹の神兎がかえってきた。
「お帰り、神兎。あれ?父さんと母さんは?」
「おとうさんは、『これからは兄弟姉妹で協力して生活しなさい』って言って海外に行っちゃったからそのこと気にし帰ってきづらいらしいよ。おかあさんはとことん付き合うんだって。本当に仲がいいよね、うちの両親は。」
「そうだな。じゃ、自分は寝るわ。受験勉強しすぎるなよ。」
「わかってるよ。おやすみ真澄兄。」
「おう、おやすみ。」
そういって自室に向かった。
寝る前にパソコンを立ち上げ、[RAIN]というコミュニケーションアプリを開き部活動に関するメッセージが着てないのを確認した後、ベットについた。
学園祭も終わって、日常通りになることを思いながら眠りにつくのだった。
更新は遅いです。気長にやっていきます。