SSC ー学校生活支援部活動記録ー   作:吉兎

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さて、今回も早めの投稿です。

主人公の友人枠である的井くんですが、ある役割を押し付けます。重要な、とても重要な役割がです。それはパワー系でも、スポーツ系でもありません。

そんな続きをどうぞ。


あの花の花言葉は。

今週の登校も終わっての土曜日、この日も依頼は入っていて、休みのない日々が続いているのである。

 

今日は料理研究部の依頼で、集合場所は【SOL(ソル)】というパン屋らしい。知らない自分は、何故か場所を知っているという翼と近くの駅前で集合し向かうことにした。

 

「で、なんで翼がパン屋の事知ってるんだ?何度か行ったことがあるとかか?」

「何度も言ったことがあるも何も、家の近くだ。後、この依頼俺も行く必要があるのか?あまり乗り気がしない。」

「部員になったんだ、後、あっちの部長さんからもご指名だから、仕方ないと割り切って欲しい。」

 

翼が来てから、うちの部への依頼が多くなった。特に女性からの恋愛相談が特に多くなった。男の俺から見てもコイツは格好良い。話によれば料理以外はなんでも出来るようだ。スポーツマンなのにそう言う家庭的な所も好印象なのだろう。故に、的井翼はモテるのだ。だがしかし、何故料理のできないコイツにご指名の依頼が来るのか知る由もないが、とりあえず、連れていかない訳には行かないのだ。なんでかって?

そりゃ勿論、依頼だから。

 

そんな足取りの重い翼の後ろを着いていき、たどり着いたパン屋【SOL】は住宅街にに使わぬ煉瓦で建てられたいかにもパン屋って感じの建物だ。

 

「此処か、ん?CLOSEか。閉まってるみたいだけど、入っていいのかな?」

「……やっぱり俺は帰る。」

 

そう言って、パン屋の隣の家に向かっていった。ここまで来たんだ。絶対に返さん。

自分は、翼の腕を掴みその歩みを止めさせた。

 

「此処まで来て怖気づいたのか?他人の家に避難したいくらいダメみたいなのは分かるが、これも依頼なんだ、我慢してくれ…」

「や、やめろ!HA☆NA☆SE!!後、他人の家じゃねぇ!正真正銘俺の……」

 

翼が何か言いかけた時、【SOL】の扉を誰か開けたようだ。出てきた方は女性で身長は160程度、黒髪で長さは肩まであり、後ろ髪は束ねられてる。お店の人なのかエプロンと三角巾をつけた。

 

「すみません。今日は臨時休業なんですよ…って、たっくん?なんでお店の前で騒いでるの?あ、隣の人はお友達?」

「ち、違う!いや、こいつが友達なのは合ってるんだけど、別に騒いでるわけじゃない。」

「あ、そうなんだ。初めまして、柚木唯乃(ゆずきゆの)です。そこに居るたっくんの幼馴染です。」

「は、初めまして柚木さん。自分は不動真澄です。」

「え?不動くん?あの、学援部で今日お手伝いに来てもらう、あの不動くんですか!」

「そ、そうですけど。」

 

自分のことが、学援部の人とわかったみたいで、目をキラキラさせながら、自分の顔を覗き込んできた。う、あ、圧が凄い。そして後ろの翼からなんか痛い目で見られている。何故なんだ。

2人からの視線を受けていると、中から料研部の部長が顔を出してきた。

 

「真澄くん。なんや来とったんか、ほれほれ、はよ入って手伝って〜な。」

「あ、はい。お邪魔します。柚木さん。」

「うん、どうぞー。たっくんはどうする?一緒にうちに来る?」

 

翼に来て欲しそうにその目を向けている柚木さん。翼も幼馴染のそんな顔を見たのか、さっきの帰る雰囲気も失せたみたいだ。

 

「わかった、久々にお邪魔する。けど、ゆっくりするんじゃなくて、俺も学援部に入ったんだ、ちゃんと手伝う。」

「そうなんだ!じゃあよろしく頼むねっ、たっくん。」

 

心無しか嬉しそうな柚木さん。そんな嬉しそうな顔を見て、優しく笑いかける翼。なんやかんや言って幼馴染なんだろうな。

そんな景色を自分と部長さんと見てたら、部長さんがニヤニヤしながら自分に話してきた。

 

「なぁ、うちが的井君を呼んだ理由がわかたやろ〜。」

 

ふふっと笑う部長さん。いやわからねぇっすよ。

 

「人手不足って事じゃ無いんですか?てっきりそれだけだと思ってたんですけど。」

「はぁ、不動くんも大概やわ〜。まぁ、君はそれがえぇかもしれへんけど。まぁ、今日はよろしゅうな。」

 

複雑な気持ちを抱えながら、自分はお店に入るのだった。

 

 

今回の依頼内容は、明日行われる近くの保育園で行われるバザーに出すクッキー作りの手伝い。ではなくて、完成したクッキーを袋詰めする作業だった。保育園でのバザーに出るのは料理研究部の伝統のようで、売上金もも半額、保育園に寄付しているらしい。毎年、料研の手作りクッキーは大好評の大人気みたいで、今日も大量のクッキーが作られるみたいだ。袋詰めするだけでも深夜に突入しそうな量だ。そりゃ、自分らに依頼をしてくるわけだ。

 

 

自分達は、会話もなく黙々と作業を続けていた。まぁ、終わりが見えない。手を動かすしかないぐらい、大量に作らないと行けないみたいだ。けど、自分の中で引っかかった部分を翼に聞くことにした。

 

「なぁ、柚木さんに遮られたが、正真正銘の後なんて言おうとしたんだ?」

 

集中してたのか、俺が話しかけるとはっと顔を上げ自分の方に向いた。

 

「あぁ、このパン屋の隣、お前が他人の家と言っていたのが俺の家だ。ユノの幼馴染っていう話もそう、昔はよく一緒にいたんだけど、中学上がってから俺の部活も忙しくなったりして、それから会う時に挨拶を交わすぐらいになったからな。」

「で、なんで来たくなかったんだよ。」

「そりゃ、久々すぎて緊張したんだよ!成長したんだから、あの頃みたいには行かないだろ!だからだよ。後、あだ名で言われると思って正直恥ずかしくなった…」

 

そんな弱々しい語尾を残しながらこの会話は終わった。静寂に包まれたこの空間とは違い、調理場からはワイワイと料研部員たちの声が聞こえて来るだけだった。ピーッと音がなった後、誰が運ぶか口論になったあと、柔らかい笑い声が聞こえた。どうやら誰か決まったようだ。

 

 

「おまたせ。次のクッキーできたよよよっわぁ!」

 

柚木さんが運んできたのだが、足が絡まってしまい躓いてしまった。焼きたてのクッキーが乗った鉄板ごと持ってきていた為、その鉄板とクッキーが宙を舞う。危ない。俺が動くよりも早く隣の翼が動いていた。

 

「っ!唯乃!!」

 

柚木さんの上に鉄板が落ちてくる前に、翼は躓いた彼女を支えて、落ちてきた熱々のものを手で払い除けた。その払い除けた鉄板は自分の方へ向かってきて……向かってきて!!

自分は咄嗟に躱した。危ねぇ

 

「大丈夫か、ユノ。怪我ないか。」

「うん、大丈夫だから」

 

2人はお互いの顔みて目と目を見つめて…

10秒。男女が10秒見つめ合うと恋に落ちると言うが、お互いが顔を赤らめ咄嗟に離れた。

 

「ごめん、大丈夫なら良いんだ。」

 

そんな事をタスクは言いながら払い除けた手をサッと後ろに隠した。それに柚木さんも気づいたのかその手を取って、心配そうな顔をした。

 

「心配すんな。火傷はしてない、ただ熱かっただけだ。」

「けど、バスケする為には大事な手じゃん!すぐに冷やして、水道はこっち。」

 

柚木さんに手を引かれ翼は調理場に連れてかれた。調理場に入る前に翼は、ほぅっと溜息を吐いた。あの溜息は何度も聞いたことがある。あきれた時でも、イライラした時でもない。あれは依頼者達がしてきた。青春の溜息だろう。

 

翼が調理場に入ると同時に、部長さんが入れ替わりでこっちに来た。

 

「クッキー。派手に巻き散らかしましたなぁ、片付け、手伝いましょか?」

「はい、お願いします。」

 

床に落ちた。甘く、良い香りのする物を片付け始めた。多分甘いのは匂いたけではく、雰囲気もそれとなく甘い物を感じた。部長もその雰囲気に気づいたのか、部長は自分に話しかけてきた。

 

「このパン屋さんの名前、太陽って意味ともう1つ、唯乃ちゃんの苗字に関連する意味があるんやけど、不動くん、わかるかえ?」

「いや、直ぐにはわからないですね。」

「ヒント、さっきの2人にお似合いな、特に、さっきの的井くんにはピッタリやねぇ。」

 

ふふふっと笑った後、再び掃除に取り掛かったのだ。

 

柚木→柚→柚子、青春を感じるような溜息、【SOL】、2人の咄嗟の慌てた反応。なるほどわかった。2人とも無自覚だけど恋をしている。そして、柚の花言葉。

 

【Sigh of Love】 恋のため息

 

確かにあの二人にはとってもお似合いだ。

 




的井くんには青春ラブコメの主人公を押し付けました。
え?主人公くん?この子には色々大変な事が起こるけどまぁーまだ遠くですね。簡単にはね。
この回により、恋愛系のタグを追加しました。今後とも宜しくお願いします。

そしてUA学100超えました。本当にありがとうございます。

誤字脱字文章の文字抜けがあれば気軽に指摘してください。
感想も、気軽にして貰えるとありがたいです。
後、知り合いにも広めて貰えるととても嬉しいです。

いつもの欲張りセットですが、また次話会いましょう。

バイバイ
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