あれから色々あった。
結局とるものもとりあえず、小型の騎空挺にみんなで乗り込んで別の島に向かい、ラカムとグランサイファーが仲間になった。
一人で村に残ろうとした事も、今回一人で出て行こうとしたことも併せて問い詰めたら、僕たちを危険に晒したくないと渋々と白状した。多分、理由はそれだけじゃないんだろうけど、そこは敢えて追及しないでおく。
だったらルリアを助けてしまった時に僕を呼ぶなと言う話だけど、そんな事になれば、僕はもっと怒ったと思う。
ジータの気持ちもわかる。けれど、僕たちは、そんなに頼りないだろうか。そう思うと同時に僕がジータに守られた事実が重くのしかかる。
それでもジータが一人で危険な目に遭うのは許しがたい事だ。ビィもきっと同じ気持ちだろう。
家族会議は僕とビィがこれでもかと釘を刺してジータが泣いて謝って、最後には僕たちがジータを慰めて幕をおろした。結局僕らはジータには甘い。
それからイオやオイゲンさん、ロゼッタが仲間に加わって、その後も色んな人達が騎空団に入ってくれた。
騎空団結成にあたって、まず揉めたのが、僕とジータ、どっちが団長になるがという事だ。
ジータは嫌がったが、何かあれば真っ先に飛び出しかねないジータを団長に据えれば、少しは責任感も出てきて慎重に行動するようになるんじゃないかと思っての事だったが、あっさり皆に裏切られた。
まさか、ビィにまで裏切られるとは思ってもみなかった。代わりに副団長の座を押し付けた訳だが。
僕はグランサイファーの自分の部屋から窓の外を見る。
空は果てしなく蒼く、どこまでも続いているように見える。
そして甲板に見えるのはジータの後ろ姿だ。
なんていうか、村でも男女問わず、大人、子供も関係なく結構みんなに好かれてたのは知ってる。特に男共に人気があったのも知ってるし、それで色々苦労したわけだけれど。
改めて目の当たりにして思う。
ジータの人誑しぶりは健在だ……。
思わず遠い目になった。
この騎空団内でも男女問わない人誑しぶりを発揮しているわけだが、ジータは狙ったように実力派を連れて来る。
フェードラッヘの騎士団長と副団長を何処をどうやったら連れて来れるんだよ。しかも、別口から同じ国の元騎士団長と元副団長とか、コンプリートじゃないか。リュミエール聖騎士団長ってそれ、お前……。
国の防衛の要だろ? イスタルシアに行こうとしてる騎空団に入っちゃダメだろう。いくら僕が別の依頼で不在だったからって、あっさり許可しちゃダメだろう。事後報告って入れる気満々だろう、それ。なんてやり取りがあったりもした。
……まあ、入れてしまったのは仕方がない。
最初こそ、ジータと剣の稽古をしているのを見かけて、最近僕との稽古が少ないと、内心ちょっと面白くない思いをしていたわけだけど、様子をみるに、少しだけ安心してる部分もある。
戦力としては申し分ないのもそうだけど、彼らは大人な分、ジータの良いストッパーになってくれている。特にジークフリートさんなんかは絶妙なタイミングで止めてくれる。パーシヴァルさんはたまに失敗して巻き込まれる。あの人も何だかんだ言ってジータには甘い。ランスロットさんは状況を見て危なくなったらサポートしてくれるけど、ヴェインさんはほとんどの場合、ジータと一緒に飛び出していくからあまりあてにはしていない。むしろ、何で二人でパーシヴァルさんに怒られてるの?
彼らはどちらかと言うとジータを妹のように見ている節があるから安心できるんだけど、この騎空団には年の近い男連中もいる。村にいた頃は僕に勝ってからジータを誘えって手も使えたけど、ここではそうも行かない。まあ、ジークフリートさんを立てていればまず滅多な事はおきないから、今度それとなくお願いしておこうと思う。
可愛い妹を持つと苦労は尽きない。
勿論、ジータが選んだ相手でちゃんとジータを大事にしてくれる人が現れたら喜ばしい事だと思う。ただし、その時はしっかりと僕が話し合いをするつもりではいるけれど。
そんな事を思っていたら、同じことをジータに言われた。確かに最近騎空団に加入する人女性が多いけれども、連れて来る割合は僕の方が多いけれども、お前だって大概だからな。
言ってやりたい事も言えなくて、ルリアやラカムに不満を零したら「本当、お前ら双子だよな、そっくりだ」って笑われた。
確かに似た部分はあるかもしれないけど、僕はジータほど無鉄砲でも考えなしでもない。
空の旅は大変な事や危険なこともあるけど、これからも仲間が増えていく。イスタルシアに着く頃にはこの騎空団がどうなっているのかはわからないけど、悪い事にはなってないんじゃないかな。
そう思うんだ。