「君達がルリアを守ってくれたのか?」
ルリアの無事を確認し、私達を振り返って
「守るっつーか、なぁ?オイラは
グランと目を見合わせた後、状況が理解できてない一人と一匹が説明を求めるように私に視線を向ける。
そんな中、カタリナさんの前でピョン、と飛び出したルリアが私を示し、興奮したように声をあげる。
「あのね、あのね!あの人、私を助けてくれて……すっごくカッコ良かったんだよ!」
「そうか……とにかく、無事で良かった」
「んと、それでよぅ……アンタらは一体なんなんだ?」
ビィの問いかけにカタリナさんが答える。
「失礼した。私は、カタリナ・アリゼと言う。この子はルリア。助けてくれて感謝する、私からも礼を言わせてくれ」
改めて頭を下げられてかなり戸惑い、どうしていいかわからずグランとビィに助けを求めてみたら、二人とも困った顔で笑ってる。目が頑張れって言ってる。
なんでそんな顔するの?
そもそも、この島では困ったときはお互い様だし、可愛い女の子が悪そうな男たちに追いかけられてたら助けたくなっちゃうじゃない?
それに、私はこの流れを知ってるから本命のグランが来るまでの時間稼ぎに必死だっただけなので、打算と条件反射の結果なだけで、改めてお礼を言われるととても後ろめたい気持ちになる。
私の様子を知ってか知らずか、カタリナさんは言葉を続ける。
「君も……、いや、、君たちも……良かったら名前を教えてくれないか」
そうして自己紹介を済ませたタイミングで聞こえた甲高い、特徴的な声。
振り返れば声の通りに神経質そうな男が兵を従えて姿を現した。
物語の始まりはいよいよクライマックスにさしかかる。
▼▼▼▼
ジータが無事でいた事に心底ほっとした。ジータが助けた女の子も無事で、タイミング良くその女の子の保護者らしき女騎士さんとも遭遇した。
けれどここでお互いはい、さよなら、というわけにも行かないだろう。良心は痛むが、できれば僕はそうしたい。けれどジータの性格上、このまま見捨てるような真似は絶対にできない。
変な話かもしれないが、僕が逆の立場でもきっと、彼女達を見捨てる事はできなかったと思う。僕とジータの違いはジータは僕に助けを求めたけれど、僕だったらこんな状況で絶対にジータを呼ばない。
ジータを守るのは僕の役目だから。これが兄と妹の差なのかもしれない。ジータに何かあったらと思うだけで恐怖がこみ上げる。
ジータをこのまま帰し、代わりに僕が彼女らを手助けするのが一番の方法だけれど、問題はジータがそれに応じてくれるかどうかだ。下手をすれば一緒に戦うとか言い出しかねない。
僕との剣の稽古では負け越していた彼女が兵たちを撃退できた事で変な自信をつけてないことを祈りたい。
「カタリナ中尉ィ!」
そしてこのタイミングである。
出てきたのは大尉。
どれだけ偉い相手かはしらないが、複数の兵を引き連れてきている。
最悪だ。
ルリアを庇うように立つカタリナさん、そしてジータを庇うように立つ僕とビィ。といっても、ルリアとちがって
そうこうしているうちにカタリナさんとポンメルンとの話がどんどん物騒な方向に流れていく。やっと収まった嫌な予感が再び頭を擡げる。
そして村をまるごと焼き払うと宣言したポンメルンの命令が決定打となった。