ソウルイーターRTA パイルバンカーデスサイズチャート   作:雑魚E

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お待たせして申し訳ありません


◇アラクノフォビア編
Part11:蜘蛛恐怖症


ガバのリカバリーが新たなガバを生む無限回廊なRTAはっじまぁるよー

前回鬼神が復活したところからです。

 

 

いきなりですが、スキル、【超魂感知】について、お話しします。

 

超魂感知能力とはB・Jことぶったたき・ジョーが待つスキルでソウルプロテクトなどを無効化し、会話選択肢が増えるスキルです。

このスキルはシナジースキルと言って複合スキルとは違って条件を満たせばスキルが変化するタイプです

 

複合スキルの【ペルソナ】の場合【鉄仮面】、【禅】、【精神鑑定】、【役者】のスキルがあり、一定値の精神ステータスがあるとこれらのスキルが消費され、新たに【ペルソナ】が追加されます。

 

シナジースキルの【超魂感知】の場合、【魂感知】をLv.5にしており、【精神鑑定】を持っている場合、【魂感知】がLv.5の【超魂感知】に変わります。

また、何らかの原因で【精神鑑定】が無くなったり、Lv.が5を下回ると【魂感知】に戻ります。

 

そう、このゲームはスキルを組み合わせる際、シナジースキルに必要なスキルと複合してしまうスキルをやりくりする必要があるのです。

今この時、【精神鑑定】は【ペルソナ】に変質してしまっているのでたとえホモ君の【魂感知】がLv.5になったとしても【超魂感知】になることは――

 

 

【『条件を満たしたため【魂感知】が【超魂感知】に変化した!』】

 

 

ホッホッホアーーー!

 

 

はい(フラグ回収)

いや違うんです、聞いてください

先ほども申し上げた通り【精神鑑定】は【ペルソナ】に変質しています。ですから【超魂感知】になる条件がそろっていないのです。

ではなぜなってしまったか。

 

 

 

……私の調査不足でした(敗北宣言)

シナジースキルは組み合わせにより変化するスキルであるため【超魂感知】のキースキルは【精神鑑定】が基本ですが、これを素材とする複合スキルの中にも条件を満たすスキルがあるのです。

つまり【ペルソナ】は【精神鑑定】の代わりになるスキルだったんですね。

 他にも代わりになるスキルで取得してしまいやすいスキルは把握していたのですが……甘かったですね。そもそも魂感知Lv.5まで上げるつもりなかったですし。

ページ送りがおっそいです。プレイ中私は

 

え?なんで?吸魂水ガチャで変なの引いた?いやでもシナジーになるスキル引かないはず……

あ、章クリア報酬のスキルで引いたか?

 

と混乱してました。

実際は吸魂水ガチャのどこかで魂感知を引き3から4になり、章クリア時に付くスキルで魂感知が4から5になりペルソナとシナジー発生で超魂感知になったものと考えられます。タイミング的にこれが一番有力です。糞が(悪態土方)

 

【『あなたは類稀なる観察眼と高い魂感知能力により偽りを見通す(すべ)を手に入れた』】

 

【『現在のデスシティには狂気が蔓延っている。鬼神の狂気の残留、魔女の魂、人々の悪感情』】

【『鬼神の狂気の残留をたどると月にたどり着く。あなたは鬼神は月に居ると確信した』】

【『魔女の魂はデスシティーに 4 つ。その中にはあなたの知る魂があった』】

【『キム と メデューサ だ。あなたは見たすべてのソウルプロテクトのカムフラージュパターンを覚えた』】

 

【『大多数の黒い感情に曝されるが、あなたはおくびにも出さずデスシティーの現状を飲み込んだ。』】

 

最後の一文は狂気耐性がある場合追加される文ですね。超魂感知能力を持ちながら耐性スキルを持ってないと発狂するんで気を付けてください。あぶねぇ

 

アラクノフォビア編のプロローグを全力で飛ばします。

ホモ君の章クリア報酬は魂感知で確定ですがガチャで何か手に入ってるかもしれません。確認しましょう

 

【『・【超魂感知】Lv.5・【ペルソナ】Lv.1』】

 

分ってたけど火力スキルが入ってないのが悲しすぎますね。ペグ君はどうでしょ

 

【『・【食いしばり】Lv.2・【心眼】Lv.2・【直感】Lv.3・【魂の共振】Lv.1』】

 

【魂の共振】がありますねぇ!魂の共振は職人と武器が少し離れていても魂の共鳴が行えるスキルです。共鳴と共振って同じ意味じゃないですっけ?知らんけど

ともあれこれでかなり攻撃の幅が広がりました。自分で操作して攻撃できるのはかなり大きいです。ペグ君も戦ってくれるので単純に考えてヘイトが二分の一、攻撃チャンスが倍、単発の攻撃力は下がりますがこれは大きい。

とはいえホモ君もペグ君も一人で戦うようなスキル構成ではないので状況を見て操作を切り替えていきましょう。ペグ君の加入も少し遅かったので攻撃の穴を埋める良いスキルです。

 食いしばりと直感もレベルが上がっているので回避タンクとしても有能です。後は素手スキルがあれば完全に分離ビルド組むんですが……ペグ君のスキルは選択できないので祈祷力が試されます。魂威とか格闘系スキルが期待されるところです。回避タンクなのでカウンター系とかでもいいですね。

 

【『デスサイズに招集がかかった……死神様のもとへ向かおう』】

 

デスサイズであると招集がかかりますが現状維持を言い渡されるのでどうでもいいです。その間に今後の予定について、お話しします。

 

 全く予定にない無用の長物スキルを抱えてしまったのですが逆転の発想、ここでオリチャーを発動。せっかく無駄にコミュスキルを持っているのでクロナイベントを咥えます。

走者一人なんだから元からオリジナルでオンリーワンとは言ってはいけない(ナンバーワンとは言っていない)

クロナイベントは糞根暗性別不詳魔剣士を陽キャの中に放り込みお前も家族だと言葉で腹パンし続け魂に仲間意識を植え付け鬼神封印の人柱に進んでなってもらうのが目的です。最低だな。

このまま行くとスパルトイに入るのでクロナ関係の面倒くさいイベントをスキップ出来ます。あと鬼神戦で凄い楽。

ノーミスで成功すればかけた時間がチャラになるどころかおつりがくるのでヘーキヘーキ。

 

 あとは本来対抗授業まで動く予定はなかったのですがペグ君が有能になってくれたのでブラック☆スターと一緒にミフネにちょっかい掛けに行きたいと思います。

ミフネは全滅か一定ダメージを与えるかでクリアですが、一定ダメージを与えてクリアの場合のみ確定でスキル抽選があります。

ペグ君の加入が少し遅く、安定のためにこれを挟みます。このイベントは発生が早い、クリアまでが速い、スキルがうま味、と三拍子そろっているので序盤のリカバリーに使えます。

 

 

後にジャスティンが鬼神の居場所を知っていると襲撃を掛けてきますがジャスティンを倒すかイベント完遂しない限り絡んで来ます。今回はイベント完遂の方を選びます。

 超魂感知能力がある限り付き纏われるのでさっさとぶん殴って正気に戻してやりましょう。ちょうどコミュスキルもあることですし。無駄に。

また、ジャスティンが正気でいると月のイベントがかなり楽になります。とりあえずデスサイズ招集イベント終わったのでさっさと任務受けて時間を進めましょう。

 この時点からちらほらボス級討伐系任務が増えてきます。なんといっても討伐するだけだから時間がかからない。ぜひ優先して受けましょう。ただし遠距離系であることが分かっている場合は控えましょう。タイムが死にます。

 

教室にクロナが出現したら話しかけて学校案内イベントを起こしましょう。

 

【『魔剣士クロナが教室にいる……魔女から”保護”され近々入学する予定と聞いたが……』】

 

【「あっ、オハヨ 今ね、クロナに死武専を案内してあげてるんだ」】

 

【『 ・挨拶』】

【『 ・心配』】

【『>・喜び』】

 

【『一緒に死武専で学べるなら嬉しいと伝えた』】

 

とりあえずどれでもいいですが適度な距離を保って構ってやれば友好度が上がります。このイベントからクロナが地下に出現するようになるので毎日挨拶して友好度を稼いでおきましょう。どうせ10秒もかかりません。ロスも積もればガバとなるという言葉もありますが後で全部回収できるので問題ありません。

 

【「無理だよォ~……こんなに入り組んで広い場所との接し方が分からないよ~」】

 

【『クロナは学校生活に大きな不安を抱えているようだ……』】

【『無理に大勢の前に出ることはない、気が向いたときに頑張ればよいと伝えた……』】

 

【「あっ、じゃあさ、こういうのはどう? 詩を書くの♪」】

 

クロナの詩は精神値が高ければ読んでもデメリットは無いです。だから友好度稼ぎに読みます。

次々に犠牲者が増えてますが兵器なんですかね……?

 

【『皆の反応を見る限りクロナの詩に不穏な気配を感じる…… どうしようか』】

 

【『>・見る』】

【『 ・見ない』】

 

当たり前だよなぁ?

 

【『これは…… なんて暗さだ…… 前向きな言葉全てを否定して闇がひたすらに広がるかのような気分にさせられる……』】

【『あなたはとても暗い気持ちになったが、何とか耐えることが出来た』】

 

【『クロナに非常に心動かされる凄い詩だと伝えた……』】

 

どんなこと書いてあるんですかね……人々を笑顔にする見る抗うつ剤である野獣先輩と真逆の事でも書いてあるんでしょう。

ともあれ、これからはクロナに媚売って信用を勝ち取りましょう。

 

クロナの友好度稼ぎはコミュ取らないでイベントと毎日の挨拶だけでこなそうとすると結構ギリギリなので選択肢は全部友好度が一番上がる選択肢にしましょう。

ですのでストーリーミッションのくせにまず味なチェコイベントにもついて行ってゴーレム掘ってギリコとアラクネと顔合わせします。いざ鎌倉。

 

 リーフ村に着くゥ~。

SUL兄貴のバイク定員オーバーだと思うんですけどどうしたんですかね?

 

 リーフ村の最古のゴーレムは高火力高耐久低速度の典型的なパワータイプです。

予備動作をしっかり見てギリギリまで攻撃しましょう。また、回転斬り攻撃は削り効果があるのでしっかりと範囲外に退避しましょう。

ガードするとスタミナとガード値が削られて大隙晒すことになるのでロスです。ゴーレムは元々の体幹値が高く回復値も高いので怯みません。

体力が6割切った時、3割切った時にそれぞれ周囲に蜘蛛の糸を撒き、当たると行動不可のデバフが付きます。

解除する方法は無いので実質即死攻撃です。ガー不なので当たらないようにしっかりと避けましょう。予備動作は割と長いですが殴ってる暇は無いのでさっさと退避しましょう。

 

暴ス!!いいよ!来いよ!

 

【〖BOSS:リーフ(ビレッジ) 最古のゴーレム〗】

 

 三人に勝てるわけないだろ!早速ペグ君が獲得したスキルのお披露目……と行きたいですがゴーレムは防御力が高く、ペグ君が素手だとダメージが通らず、ホモ君が分離しても攻撃力が下がるだけなので今回は分離無しです。次回に期待。

弱弱中溜めのコンボが予備動作のリズムに合い、一番ダメージレートが高いです。武器プレイでは二回目の弱が終わる前に上か下、どちらかに注視を振ると中が出ます。その後、注視を継続していれば溜めまで打ってくれるので注視のタイミングだけ注意しましょう。

 

 後いちぃ……か2コンボくらいで体力が6割 切りそうなので集中します。蜘蛛の糸の予備動作は俯いて震え、腕が少し上がった後にゴーレムを中心に放射状に広がります。空中にもちゃんと円柱状に当たり判定があるので注意しましょう。

震え始めたら注視して仕切り直しを連打。回避出来たら床の蜘蛛の巣のエフェクトがちゃんと消え切ったのを確認して突撃です。

 同じことの繰り返しなのでこの後のことを。ゴーレムを倒すと次はギリコ戦になります。ギリコは溜め攻撃に削りが付与されておりガード主体で戦うのは危険です。

溜め攻撃はジャンプしてからの攻撃なのでジャンプを見たらとりあえず後ろに回避するといいです。例外的に後ろ回し蹴りがジャンプしない削り攻撃なので不安な場合は背中が見えたら回避してもいいでしょう。

 

 さて、二回目の蜘蛛の巣も回避できたので後は消化試合です。コンボにこだわる必要はもうありません。ささっと倒してしまいましょう。

倒すとアラクネ復活のムービーが挟まりギリコ戦です。マカが離脱しますが開始30秒ほどでジャスティンが援護に来ます。

ジャスティンが来てから一分で戦闘は強制終了です。

 

暴ス!!

 

【〖BOSS:人形技師(エンチャンター) ギリコ〗】

 

 

まず始まったらジャンプが来ないか確認し

いきなりジャンプかよ?ツッパリらしいな

狙いがクロナなのでまま、ええわ。ギリコは機動力が高く防御力もあまり高くないので分離して戦ってもいいですが何しても1分半で戦闘が終わるので適当に流してリアル体力を温存してた方がいいです。

大ジャンプされると注視が外れるので着地したら注視しなおしましょう。

 

【「死武専生のみなみな様!!相手もたった二人だけですしとっとと終わらせるんで」】

【「しばらく待っててくださいねェ!!」】

 

来ましたか。後は大体ジャスティンがヘイト稼いでくれるので鼻でもかんでおきます。まだ時間があるので飲み物を注ぎます。

まだ時間があるのでしょうがなく操作をします。とはいっても溜め攻撃をガードしないようにすれば問題ないので回避系AIになっているペグ君はあまり心配はありません。

 

1分経つとゴーレムを残してアラクネとギリコが撤退し、ジャスティンが法を守る銀の銃(ロウ・アバイディング・シルバーガン)でゴーレムを何とかしてくれるムービーが挟まり任務完了です。

 

ボス二連戦あるのにゴーレム分しか経験値もらえないまず味なストーリーミッションでした。

 

 

次はうま味ミッションなので期待が高ま

今回はここまで、ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

 

――――――

――

 

 

 

僕はそろそろ死武専に入学になるらしい。

メデューサさまが死武専に狩られ、マカと……友達、になった僕。

 

メデューサさまに悪事を強要されていたとして、保護観察期間に善行を積み、死武専の模範となる生徒に成れれば保護観察が解け、正式に死武専生になるらしい。

 

でも……世界との接し方が分からないよ……

 

さっきのも全部青いコワい顔をしたゾンビの人が言っていただけだ……

 

僕……どうしたらいいかわからないよ……

 

メデューサさま……

 

 

 

ヘヤノスミスでうずくまっているとふいにドアがノックされる。

ここのドアは内側に開くんだ……ヘヤノスミスは開けたドアの死角になるからいきなり対面することはない。

 

「失礼しま~…… あれ? 誰も居ないけど……」

 

「マカ」

 

「うわっ! そんなカオスな場所で何やってんの!?」

 

部屋に入ってきたのはマカだった。友達……の顔を見て安心する。

 

「ヘヤノスミスにいると落ち着くんだ」

 

「そんなエリアに名前つけないでよ ほらッ」

 

言いながらマカは手を差し出してくる。手を取り立ち上がり声を掛けようとするけど、何を言っていいのか分からない。

 

「………… あ……あの」

 

あれから時間も経ってるし久しぶり……で、良いのかな? 何しに来たのかな? あ、その前にあいさつ? えっと、この間はありがとう?

何かおかしいかな? でもあいさつなんてわからないよ……

 

「あの…………えっと……」

 

なにか……何か言わなきゃ…… ……言わなきゃダメかな? 友達……との接し方が分からないよ……

 

「これからよろしくね!」

 

「あ……」

 

マカが拳を差し出してくる。拳タッチなの? でもなんかアレだし…… 拳と握手じゃもっとアレだし……

 

「よ……よろしく……」

 

拳に指先を乗せるだけに留まった。これで……いいのかな?

 

「へいへいっ」

 

マカの後ろから金髪で眼帯をした女の人が現れた。

 

「こちらはマリー先生」

 

「初めまして

 私も明日から始めて先生になってみんなを教えることになったの……

 これからいろいろと勉強しないといけなくて……

 そういう意味ではクロナと同じね

 一緒にガンバりましょ」

 

頑張る、その言葉を聞くと耳のあたりがキュっとする。でも、この人がイイヒトだってのは分かる。返事をしないといけないことも。

 

「……ぅん……」

 

「よろしくね」

 

 

 それから二人に連れられて死武専の中を見て回った。

最初のうちはガンバれてたけど見た部屋が10を超す辺りからやめたくなった。お泊まり室のヘヤノスミスが恋しいよ……帰りたいよ~……

 

最後にマカ達がいつも勉強している教室に案内された。僕たち以外誰も居ない教室でマカの話を聞いていると人が入ってきた。

あの人は……前、教会で会ったことある……?

 

「どうも、マリー先生、マカ、ソウル。 ……今日からだっけ?」

 

「うす」

「あっ、オハヨ 今ね、クロナに死武専を案内してあげてるんだ」

 

「あー……基君も生徒だっけ…… ……補助教員にならない?」

 

「頑張ってください、先生」

 

「うわぁ イイ笑顔」

 

「っと……会ったことはあるけど面と向かって自己紹介は初めてかな…… 僕は北条 基。デスサイズスの一人だ。」

 

やっぱり。メデューサさまも名前を出していた時もあった。

 

「あの……ぅ……クロナ……」

 

「よろしくね、クロナ」

 

基は僕の眼をしっかり見据えて離さない。どうしよう……接し方が分からないよ……

 

「なァ……どうだ?校内を回ってみて……上手くやって行けそうか?」

 

ソウルが学校見学の感想を求めてきた。そんなの全然

 

「無理だよォ~」

 

「そんなことないよね♪」

 

そんなことあるよォ~……この広さでそのすべてに人が収容されるとか居場所がないよ~……

 

「死んじゃうよォ~……」

 

「だ……大丈夫だって みんなついてるんだし」

 

「無理だよォ~ やってられないよォ~ ヘヤノスミスの所に行くよォ~」

 

「蹴り飛ばしてェ~……」

「やめろって……」

 

「無理だよォ~……こんなに入り組んで広い場所との接し方が分からないよ~」

 

「……別にいいんじゃないかな? 最初は別室でも……」

 

「どういうことだよ基」

 

「日本じゃクラスに馴染めなかったりする子は保健室で授業受けたりする。

 クロナも基本部屋で授業受けてたまに部屋から出るぐらいから始めたほうがいいんじゃないかな。

 まずは自分で部屋のドア開けられるようになるところからじゃない? 急に初めても潰れちゃうでしょ」

 

「でもよォ……」

 

「あっ、じゃあさ、こういうのはどう? 詩を書くの♪」

「グっ……詩ってお前ッ……”詩を書くの” くはは」

 

マカチョップがソウルの頭頂部を捉える。

 

「いてェ~」

 

「私もね、何か悩んだりしたときは良く詩を書くんだ♪」

 

「マジかよ……お前ホント暗いやつだな 相談に乗ってあげますよ?」

 

神速のカドマカチョップがソウルを動かなくする

 

「一緒に書き合いっこしようか」

 

「マカが言うなら……」

 

マカと詩を書き合いっこすることになった。

詩って良く分からないけれど自分の気持ちを言葉にして飾っていくものだとマカに聞いたのでそのまま実践してみる。

 

30分ぐらいで出来た。

 

「で……でで……ででで……でき……で……」

 

「できたの?」

 

「うん」

 

「どれどれ……」

 

マカとマリー先生が僕の書いた詩を読む。

 

「なんて暗いの……」

「生まれてきてごめんなさい……」

 

何やら呟いてヘヤノスミスへ行く、マリー先生とマカもヘヤノスミスが好きなのかな、おそろいだ。

 

「オウッオウッオーーウ

 外はいい天気だってのによ室内で何やってんだこのネクラハゲ共

 まぁな、俺様は太陽とイコールで結ばれる男

 俺様が居るところが屋外と言っても過言ではない

 俺様を見れば光がある!だから――」

 

また見たことある人だ。確か地下で……

名前は知らない、後にブラック☆スター、とマカから教えてもらった。

 

「ほれ」

「ん?何それ…………

 

 ……生まれてきてごめんなさい」

 

「すげぇ破壊力だな……

 

 …………」

 

みんなヘヤノスミスへ移動する。落ち着くよね。

 

「…………うん。 何と言うか、しみじみ染みわたるような詩だね…………うん

 でも、何も思いつかない訳じゃなくてよかった。

 これがクロナの持ち味かもしれないけど、もう少し明るいことを考えても

 疲れないようにしていこうか」

 

基はそう言うけど明るい所は疲れるよ……ずっとヘヤノスミスで過ごしたいよ~

 

「でも……」

 

「お、もと……ん?どうした?」

 

この前会った非常に顔色の悪い男の人が教室に入ってきた。

 

「青い人が居るよォ~……接し方が分からないよ~……」

 

「あぁ……大丈夫大丈夫。 良い人だから……先生の一人だよ。どうしても慣れないなら後ろに来な」

 

青い人の視線を切る様に基の後ろに隠れる。この人白目しかないよォ~……

 

「……それで、どうしたんですか? 死人(シド)先生?」

 

「あぁ、梓から連絡があってな。 チェコで軽い事件があったらしい。

 課外授業と言うことでマカに受けてもらって、クロナを見学につけようかと思ってな

 その様子だとお前も付いて行ってもらった方がいいかもな。

 頼れる先は多い方がいいだろう」

 

「分かりました。 マカ! 大丈夫?

 俺はペグ呼んでくるからクロナよろしく」

 

僕達はチェコ、レーフ村に行くことになった。

 

 

 

 

――――――

――

 

 

 

 

 

ソウル君のバイクにサイドカーを付け、僕が乗り込み基は変身して腕の中。

後の三人はバイクに乗っている。明らかに定員オーバーだけど何とかレーフ村に到着した。

 

歓迎されていない雰囲気だけれど一人、案内を買って出てくれた人形技師(エンチャンター)の人が居た。

しかし、基はどうやら何か気になることがあるようだ。睨め付けるようにじっ、と案内人を見ている。

 

「…………」

 

「基?」

 

「何でもないさ…… 案内してくるのは間違いなさそうだ、付いていこう」

 

何か、はあるね。

それからしばらくパイプが伝う森の街道を進む。

 

「オイッ ……どこまで行けばそのゴーレムがあるんだよ?」

 

「もうすぐさ……」

 

「さっきからそればっかだな……」

「いや、もう来るよ。」

 

「基?どういう――」

 

言いながら変身し僕の腕に収まった基に質問を投げる前に地響きが森に広がった。

近い。木をなぎ倒す音も聞こえる。

 

「………… 全く、堪え性の無い女だなァー」

 

森の奥からオーバーオールのような装甲を纏った二足歩行のゴーレムが僕達の目の前に現れた。

これが、事件を起こした暴走ゴーレム……?

 

「どうやら……もう隠し通せないらしい…… いや、隠す必要が無くなった、か」

 

隠す?どういうことだ?

 

「ソウル……武器に……!?

 嘘……どいういうこと?」

 

「ガキでも職人……気が付いちゃったみたいじゃん?

 ここまで漏れていれば当然ですよね

 ンン!?ですよね?ん?私の言葉使いが定まってねぇですね?」

 

「どうなってるの……?ゴーレムは物でしょ?生きてるはずがない……

 なのに……魂の波長を感じる……!」

 

ゴーレムに魂の波長……?だから基が探知できたのか?

 

「ギァハハハ!ようやくこの日が来たんだ……800年だぞ?

 死武専にマークされねぇように800年ヘラヘラヘコヘコして来たんだ

 小一時間愛想笑いかましてたんじゃねぇんだぞ?」

 

800年……?何を言って……

 

「職人なんていらねぇ、自分で作ったゴーレムに使わせる!」

 

「あいつ……魔武器か!?」

「それに……魂の波長があるゴーレム……この村は何なの?」

 

「チェーンソー……ギミックは問題なく動くと見たほうがいいだろうね」

「鍔迫り合いは質量もあって無理そうだね」

 

「殺意

 剥き出し

 八つ裂き」

 

ゴーレムが上段に振りかぶり迫って来る。狙いはマカさんだ

振り下ろされたチェーンソーはマカさんの隣の地面に楽々とめり込む。

 

「直ちに攻撃を中止しなさい

 続ければ……お前の魂……狩るぞ!」

 

「まだエンジンはかかってないぜ?」

 

ゴーレムが勢い良くチェーンソーのエンジンスターターを引き上げる。

チェーンソーの刃が回転を開始し、魂の波長をまき散らす。数メートル離れている僕たちの方にも強烈な圧がかかる。

 

「ぐっ…… 基、魂の共鳴」

 

そうこうしているうちにもゴーレムが破壊を拡大させる。

杭に波長を込め終え、一気に懐に潜り込む。

 

「うっとおしいしんだよ!!」

 

「むっ」

 

チェーンソーが地面に突き刺さりそのまま周囲が薙ぎ払われる。

大柄だから接近してしまえば攻撃は激しくないと思ったがあてが外れた。

 

「何か遠距離で攻撃できれば……

 あ!クロナのスクリーチα(アルファ)!」

 

「あぁ? 俺たちは見学のはずだろ?手は貸さねェよ

 アメ玉3個くれてもなァ……」

 

「じゃぁ四つ!」

 

「バカヤロ~!言葉の綾だろうが!本当にアメ玉欲しいわけじゃねェよバカ!」

 

攻撃来てるけど……カウンターは入れられるけど止まらないだろうからそろそろ回避に入って欲しい。

 

「6個ならどうだ!」

「……」

 

「数の問題じゃねェ!」

 

「うわっ 来た!

 じゃ、じゃあ……

 15個!!」

 

「なァにィイイ!!」

 

チェーンソーの軌道はクロナさんの方に向き、ラグナロクを直撃するルートだ

ラグナロクはともかくクロナさんは大丈夫かな?

 

ゴーレムの一撃がラグナロクを捉える。

クロナさんを中心として地面が放射状に割れる。しかしクロナさんはしっかりと立ち、ラグナロクもチェーンソーの刃を受け止めている。

 

「別に3個でも良かったんだが……ぐぴぴ、交渉するもんだぜ

 ……黒血舐めてんじゃねェーぞ!

 ぴぎェええええ!!!」

 

上から押し付けられるようにして受け止めていたチェーンソーを30cmにも満たない腕の可動範囲で跳ね上げた。

黒血……ここまでの能力があるとは……

 

「ちょっと小振りになったみたいだけど……」

 

「問題ねぇ!殺すぞ!ボケ!」

 

「僕に当たらないでよ……

 スクリーチα(アルファ)!」

 

「よし、今だ!」

「僕たちも行くよ」

 

体勢が崩れたところをマカさんが滑る様に右脇腹を切り裂く、続いた僕が左鎖骨辺りに杭を打ち込む。

……? 何かおかしい。人体じゃなくゴーレムだという差異は分かるがそうじゃなくて

何か、いる。

 

「っ 回避っ!」

 

「え」

 

切り裂かれた脇腹と打ち込まれた杭の隙間から何かが溢れ出す。辛うじてそれを回避したが何が出てきたかはよく見えなかった。

薙ぎ払いの追撃が来る。崩れた体勢を立て直し距離を取ろうとするがマカさんが動いていない。

 

「くっ!」

 

間に割って入りチェーンソーの腹を下から打ち上げる。

わずかにだが軌道が変わりマカさんの頭をかすめるように通り過ぎていく様子がスローモーションで映る。

がらん、と波長の杭が落ち地面に不格好に刺さる。まだマカさんは微動だにしない。動けないのか

 

「クロナさん! マカさんを遠ざけて!」

「うじゅ~」

「マカ!大丈夫か!?」

 

ソウル君とクロナさんが二人でマカさんを街道の脇に移動させる。

 

「……なんだ? ……糸!?」

 

「ゴォオオオ……」

 

……? ゴーレムが大人しくなった?

それと森の中を黒い生き物が這い回っている。……これは――

 

「蜘蛛」

 

「蜘蛛がゴーレムに集まっていく……」

「黒い絨毯みたい……」

 

「何だ? ゴーレムに這い上がっていくぞ」

「ゴーレムの中の波長に引かれているんだ……」

 

「ん……」

 

「クロナ?」

 

「守るよ、マカ」

 

マカさんはクロナに任せても大丈夫そうだ。

ゴーレムに群がった蜘蛛達は一塊になって段々と人の形を模っていく

 

「この波長……」

「基?」

 

「あ、ああ……

 この人、この、波長……」

 

「似てる……」

 

「メ……メデューサ様……」

 

この人が……? あまり、雰囲気は似ていないけれど……

 

「アラクネ、とりあえず現状の説明だが、 ……?

 …………必要ねぇってか」

 

チェーンソーの男の話を手で遮り、こちらを見据えてくる魔女。

 

「マカ……ソウル……

 知ってますのよ、昨日の晩どっちがカレー鍋を焦がしたかで喧嘩したでしょう?」

 

「な……!?」

「なんでそんなことを……」

 

反応を見る限り嘘と言う訳ではなさそうだ。

 

「ペグ……無くしたと思ってる栞は玄関のシューズボックスの上ね

 宅配迎えた時に本を置いた衝撃で抜けたわよ。

 

 基……中々に面白い()になってますわね。このまま見ていても面白そうだけれど……

 どう? (わたくし)の下へ来――」

「黙れ」

 

「――そう

 まぁいいわ……」

 

アラクネも基の()()に気づいているのか。僕の栞も心当たりがある。全くの嘘ではない。

何か……恐らく先ほどの蜘蛛を放ってそれを通して見ていたのだろう。僕たちが狩った魔女も見た目が動物と大差無い魔法生物を放っていた。

 

「そしてクロナ……

 (わたくし)の妹 メデューサの子か……

 愉快ですわ♪ ずいぶん愛されなかったみたいで……

 (わたくし)がめでてさしあげてよ」

 

「クロナ、耳を貸すな」

「大丈夫、僕たちが……」

 

「オーホホホホ

 愉快ですわ」

 

挑発するように波長を当ててくる。ざらついた粘着質で表面を撫でるような……

詰まる所、不快だ。

 

「まぁああぁあぁあ!!」

 

「クロナさん!」

 

「行けクロナブッ殺せ! やっと調子出てきたなぁ!ぴぎぁほ~い!!」

 

クロナさんが魔女に距離を詰め切りかかる

しかし黒血により見た目より重い魔剣の一撃を魔女アラクネはどこからか取り出した扇で片手で受け止める。

全く体幹が揺るがなかったところを見ると何か魔法的な仕掛があるかもしれない。

手首だけで剣を押しのけるように扇を払い、そのままクロナの首を打ち据える。

 

「ショック……800年で私叔母さんになったのね……

 不愉快だわ、そんな子消して頂戴、ギリコ」

 

「ほいほい」

 

言いながらチェーンソーの男が蹴りを放つ体勢のまま、動く動作を全くしないで距離を詰める。

チェーンを足の裏に纏わせ高速回転させて移動しているようだ。

意表を突かれた。だめだ。間に合わない。

男の靴がクロナさんの鳩尾に沈む。そのまま腰を回転させてクロナさんを吹き飛ばした。

 

「うぐ……

 あああああ――

 あ!?」

 

クロナさんは立ち上がり、男に向かうが、蹴られた胸のあたりから黒い液体……クロナさんの血が弾ける。

 

「な……!? 黒血をキックで切り裂いた!?

 そんな馬鹿な……!」

 

違う、只のキックじゃない。軸足だけでなく蹴り足にもチェーンを巻いていたんだ。

 

「鋸脚

 回転速度2速……十分だな」

 

「この程度の傷黒血を固めて止血してやる

 オラッ! 御礼ッ!」

 

「う、うん……ありがと……」

「御座いますゥッ!!」

 

「へぇ……器用な奴らだ……」

 

「クロナさん!マカさんの傍にいて!」

 

「あぁ? 何だテメェは?」

 

「ペグ・ユークバンク・ルーク……デスサイズスの北条 基のパートナーで

 オランダ系の貴族……ルーク家の三男坊ですわ

 しかし……フフ、お兄さんお姉さんに比べると……何と言うか……

 あぁ!……可愛らしい、ですわね?」

 

コイツ……

 

「落ち着いて、ペグ」

 

「デスサイズスか……真っ二つにして魂を喰うしかねぇな」

 

男が両足を地につけて高速で滑って迫って来る。

勢いのついた後ろ回し蹴りを左手で上に回し受けし、鳩尾を狙う。

 

しかし男の体が真横にスライドし躱される。

チェーンでの移動……厄介だな……

 

「あぁ? どうした? 棒なんか振り回しても当たらなきゃ意味ねぇ……ぜっ!」

 

二連の蹴りを躱しまた杭に波長を込める。

バックステップで距離を取りポイントへ誘う。

 

「HA HA HA! 細切れにしてやるよ」

 

足に回転方向の違う二つのチェーンを巻き片足で回転しながらの蹴り。

フィギュアスケートのスピンの様に高速で回り波長が刃となって周囲に飛び散る。

 

杭を伸ばし、波長に触れるように押し付ける。

爆発が起き、刃の弾幕の密度が薄くなる。その隙に目的地へ移動する。

 

「オラどうしたァ!? 逃げてばっかじゃねぇか! 白モヤシが!」

 

男が屈みながら滑ってくる。一瞬で良いから隙が欲しかったんだ。

ゴーレムの攻撃を弾いた時落ちた杭に触れる。

先ほど外した杭との間に波長の壁が出来上がる。男は壁に勢いよく衝突した。

 

「ごォッ……!」

 

リロードしながらジャンプして壁を飛び越える。

打ち下ろす様に男の腹めがけて基を突き出した。

 

「ガァッ!」

 

外された。

チェーンを腹に巻いて鎖帷子の様に防ぎ、回転で衝撃を逃がされた。

すぐさま地面に埋まった杭に命令を送る。波長を周囲に流し込む指令だ。

 

「ぬぐっ……!」

 

また一瞬の隙は作れたが杭に波長を込めている時間は無い。リロードだけして二撃目を叩きこむ。

しかしそれも腹のチェーンの回転数を上げられ抜けられてしまった。

 

「上等だ ガキかと思ったがなかなかやるじゃあねぇか」

 

(ひじり)――十字手刀」

 

「……!? っとぉ!」

 

男の後ろから十文字の斬撃が襲う。それを間一髪躱し、僕と襲撃者との距離を取る。

あの人は……

 

「あんだ!? テメェー……!」

 

「デスサイズスの一人、ジャスティン=ロウですわ」

 

「デスサイズス? おかわりかよ」

 

「ジャスティンさん」

 

ジャスティンさんは後ろのマカさん達を一瞥して微笑むと男に目線を向け直し声を張り上げた

 

「死武専生のみなみな様!!相手もたった二人だけですしとっとと終わらせるんで

 しばらく待っててくださいねェ!!

 

「……ケッ! 気に入らねぇな……!」

 

「ジャスティンさん、加勢します」

 

「あなたは……」

 

「他にかまってる場合かァ!? ボケが!!」

 

男が跳躍しチェーンを脚だけでなく肩を通して全身に巻き回転を始める

そのままジャスティンさんに向かって落下し踵落としを決める。防がれた踵を基点にチェーンを逆回転させ逆の脚で蹴り上げが放たれる。

 

「異端者の話なんか聞く耳持たねぇってか!?」

 

一つ一つが必殺になりうる威力だ。機動力の差が表れやりにくい。攻撃後の隙もチェーンの機動によって少なく攻めあぐねてしまう。

 

首枷の籠手(カルカン・ブラ)

 

ジャスティンさんの腕が首枷となり一瞬の隙を突き男の脚を拘束する。

 

「愛の頭突きです!!」

 

「……っの野郎ォオ!!」

 

脚を拘束され頭突きを食らった男は強引に転がり、背中と手で回転……ブレイクダンスのように回りジャスティンさんを軽々振り回す。

ジャスティンさんは振り払われてしまったが男に隙が出来た。爆発に巻き込む心配もない。男に駆け寄り相手を腕の内側に入るくらい深く踏み込み腰の回転を持って杭を叩き込む。

またしてもチェーンに阻まれ杭は刺さらなかったが爆発と衝撃は伝わった。

 

「この……! 白モヤシども……!

 俺を見ねぇで戦うガキに死神にケツ穴振る何言っても聞かねぇクソ神父が……!」

 

「見ない?」

 

どういうことだ? 基のあの状態のことか? でも基のあれは見られていないはず……

 

「チッチッチッ」

「あん!?」

 

「唇の動きで分かってますよ

 汚い言葉……悪い子だ」

 

「読唇術が使えたのか……!

 今までワザと聞こえないフリかよ

 ムカつくなァ……お前……」

 

「ギリコ」

 

「あぁ!? ンだよ!?」

 

「私……大声で怒鳴る子キライよ」

 

「……なんだい?姐さん……」

 

「ゴーレムのエネルギー(寿命)がそろそろ切れますわ……退却しましょう」

 

「何?」

 

「迎えも待っているわ

 戦いの場ならこれからいくらでもあります」

 

「しょうがねぇな、あとは頼んだぞゴーレム

 白モヤシども……顔は覚えたぞ

 いずれブッコロス!!」

 

ギリコと呼ばれた男が魔女アラクネを抱え森の中へ入っていく。

 

「待ちなさい 逃がしませんよ!」

 

ジャスティンさんが逃げる男に構えるが、ゴーレムが身動きの取れないマカさんを狙って拳を振り上げる。

 

間に入って左鎖骨に刺さったままの杭を叩き爆発を起こすが効果は薄い。左手程度なら捥ぐことが出来ると思ったが意外に中が詰まっているようで表面装甲が剥げるだけだ。

 

注意を僕に向けることが出来たがこの巨体とタフネスは厄介だ。杭を打ち込んでも周りが抉れるだけで停止するには及ばない。

鈍重というほど動きも遅くなく痛みで怯むこともない。分かりやすい急所があれば……頭か?

 

「皆様! 伏せてください!派手に行きます!!」

 

ジャスティンさんが宣言したおかげでゴーレムの注意がそちらに向いた。ジャスティンさんは左の手のひらを突き出し右手で左肘辺りを持ち右手の前腕からギロチンの刃を生やしている。

 

死の街におられる私たちの神よ 御名(みな)が正とされますように――」

 

「オイ……祈り始めたぞ!?」

「そんな……祈りで魂の波長が上がっていく!?」

 

神よ 私をあなたの平和の使いにしてください……

 私は正義の柱…

 信仰の刃――」

 

ジャスティンさんがゴーレムの拳を跳躍して躱す。

そのまま身を翻し刃をゴーレムの首元へ向ける。

 

父と子と精霊の御名(みな)によって――

 法を守る銀の銃(ロウ・アバイディング・シルバーガン)

 

放たれたギロチンの刃によってゴーレムの首が落とされる。

ゴーレムは機能を停止し崩れ落ちた。

 

「さあ皆さんも祈りましょう……」

 

「……」

 

皆と一緒に祈る。どうか何か起きても皆が無事でいられますように。

 

ジャスティンさんと比べれば僕は只の生徒に過ぎない実力だ。速くデスサイズの職人にふさわしい実力を付けなくては。

 

「さて、死武専に戻りましょう。

 皆さんが無事で何よりです」

 

鏡で死神様に報告し、帰投準備に入る。

しかしマカさんがまだ体を動かせないらしい。

 

「あのアラクネって魔女がかけた魔法全然解けないな……」

「弱りましたね」

「うじゅ~」

 

マカさんは今ジャスティンさんが乗ってきた改造バギーカーに連結された棺桶に寝かせている。

 

「だからってこの中はないよね」

 

「でもな……この辺に足になりそうな物無いし……」

「動きを止めるだけの魔法と決まったわけじゃないから念のため……じゃダメかな……」

 

サイドカーに乗せたほうがいいんじゃないかと言ったけど首にも力が入らないらしいので危ないからと却下された。

 

「治す方法はさっさと帰って博士に聞くしかないな」

 

「そうですね、博士なら知っているかもしれません。 なんてったって博士ですし」

 

「うん、博士だし博士だし」

 

「その博士依存の方針はどうなの」

 

「はい♪マカ お花」

 

「うん、うん……ありがとうね」

 

死武専に着いてもマカさんの遠い目が戻る事はなかった。

 




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