ソウルイーターRTA パイルバンカーデスサイズチャート 作:雑魚E
出来ませんでした……
完全にスタミナ切れたのでガバガバ投稿間隔になります。
正体表したね
伝説って?なRTAはっじまぁるよー
前回ガバのリカバリーをしようとしてガバってリカバリーしたところからです。
今回の主なイベントはアラクノフォビアに対する対抗授業です。ここで共鳴連鎖のチュートリアルが入ります。
前回班分けまで終わっているので今回はどういったシステムか説明が入ります。
の、前に一つ注意事項があります。
それはこのタイミングからクソイベの判定が毎ターン発生することです。
ついに来てしまったヒーロとエクスカリバーのイベントです。
しかも対抗授業開始からBREW争奪戦前までと言うクソ長判定期間。
十中八九判定に引っ掛かります。
何がクソかと言うと発生すると普通に時間の無駄と言うこと、さらに可能性が低いとはいえマイナススキルが付く可能性があります。
プラス効果、もしくは一長一短あるスキルはすべて獲得可能スキルから外れているという徹底ぶり。
さらにはRTAにはあまり関係ない事ですがこれは確定の負けイベントです。
攻撃が当たった後にダメージを無効化して残像を出してテレポート回避するのでまずダメージ判定を出せない、
攻撃技ヒーロ・ザ・アトミックも発生時無敵の1秒間全画面判定の多段ヒット技、
しかも一発の威力が高い、ガー不、連発する(死体蹴り)、声優の迫真煽りの演技と徹底的にプレイヤーの神経を逆なでします。
そんな負けイベントを押し付けてくることからロールプレイ最大の弊害と言われるヒーロ。
通常プレイで回避したい場合は盗聴器イベントが終わったら行動前に逐一セーブしてヒーロが来たらリセットして直前の行動を変えましょう。
上述の方法で回避は出来ますがRTAでは長い期間でのリセマラなんてやってられないので祈祷力が試されます。
なおwikiの情報から試算するとセーブ無しでイベント期間中完全に回避できる確率は0.012%とのこと。
おっ、確率99.988%とは良心的なガチャだな。
ランダムイベントの確率を上げてイベントフルコンプを簡単にするゲームの鑑。
走者の敵がこの野郎……クソが(悪態糞土方)
こんなことなら完全不可避の方が妥協出来て心情的に楽なのに……
まぁそれはさておき対抗授業について、お話しします。
アラクノフォビアに対する対抗授業は全5回のイベントで
毎回ステータスのチェックが行われ、規定値に達していれば達成となり共鳴連鎖チュートリアルが発生します。
ステータスの条件を達成済みであるとその後のイベントとして補正値の高い訓練を行うことが出来ます。
達成していない場合、足りないステータスの分が5回に分けて上昇するので実質救済イベントです。
なお授業のコマがそのまま対抗授業に入れ替わるのでイベント中であってもステータスの調整は可能です。
少し詳しく話しますと5回の配分は毎回計算し直されますので魂が20、精神が10足りなかった場合、初回は魂が20÷5で4、精神が10÷5で2上がります。
その後、特訓で魂が10上がったとすると次のイベントでは魂が6÷4で1、精神が8÷4で2上がります。
最終日目前でマイナスイベントなどが起き、下がった場合でも最終日に帳尻合わせが起きるので積むことはありません。
BREW争奪戦時までに下がっちゃった場合は……共鳴連鎖無しで頑張ってください……
共鳴連鎖は戦闘中条件を満たしているとボタン表示が現れ、押すとQTEが始まり、時間内に正しいボタンを押してゲージを溜め切ると一定時間共鳴連鎖モードに入ります。
共鳴連鎖モードになると味方のAIが切り替わり非常に精度の良い連携をしてくれるようになります。
それだけでなく、一部スキルの条件が緩くなったり、強化されたり、クリティカル率や命中率などの参照値が共鳴連鎖しているキャラで一番高いキャラの値が参照されるようになります。
また、合体必殺技を繰り出すことが可能です。
QTEでは制限時間と入力受付時間があり、入力受付時間内にボタンを押せないか、受付時間が過ぎると制限時間にペナルティが付き、0になると失敗となり共鳴連鎖のリチャージが始まります。
これは各ステータスを上げることで難易度の緩和が出来ます。
魂を上げると失敗時、共鳴連鎖モード終了後の再使用までの時間が減ります。
精神を上げると成功時のゲージ上昇率が増えます。
器用を上げると入力受付時間が増えます。
気力を上げると制限時間が増えます。
なお、共鳴連鎖モード自体の時間や強化率はステータスでは変動しないので強化したいのならば【鼓舞】や【指揮】などのスキルを習得しましょう。
共鳴連鎖が強力とはいえ現時点ではオックス、キリク、キム達としか使えず、他キャラを追加するには友好度を上げてイベントをこなす必要があるので今RTAでは(出番はあまり)ないです。
さて、能書きはここまでにして、対抗授業にいざ鎌倉。
…………
一回目の子安カリバー判定を潜り抜けました。
なお当然の権利のように登場すると予測してチャートを書いているのでこれ以降いちいち判定回避にリアクションはしません。
一時停止も面倒でしょうから例によって連打で飛ばした会話を右枠に表示しておきます。
右枠のネタ探しが面倒なわけでは無いですよ? 本当ですよ?
【『今日の授業は実技だ。
以前分けられたグループで集まり、シュタイン博士の説明を聞く……』】
【「揃いましたね
これからチームで魂の波長を合わせる練習を始めます」】
【「これを何故行うかですが……
最近増えてきている反社会的勢力のアラクノフォビアに対する対抗の為です」】
【「そしてどうして出来て欲しいかですが……
武器と職人、これらは魂の共鳴によってより強くなる。
さらに共鳴した状態で共鳴している別の武器職人と共鳴する……
”共鳴連鎖”……そう呼ばれる技術」】
【「額面通りに共鳴するわけではありません。
他者と魂で繋がり、感じ、伝える技術……
直接的な破壊力の向上ではなく、渾然一体となり連携を強化する」】
【「さて……他の生徒の魂が邪魔になってもいけないので距離を取ってあります
私は他の生徒たちに説明してくるのでさっそく始めちゃって下さい」】
はい、操作可能になったらチュートリアルテキストを5回送って共鳴連鎖を始めます。
間違って6回押すと攻撃に化けてロスとなるのでしっかり5回数えて送りましょう。
QTEは組み合わせ無しの単体なのでしっかりと見て素早く正確に押しましょう。
よし(中野君)
よし ヨシ(相撲部)
ア!(スタッカート)
よし、zy(MUR)
よしよしよ~し(野獣)
無事発動しました。
一回失敗しましたが四捨五入すれば0回なので実質ノーミスです。
しかし一回ミスったのにも拘らずこの早さ。ゲージがもりもり溜まっていくのでこれは精神値が相当高いですね。
ペルソナのおかげで精神値に結構な成長バフがかかっているようです。
これは是非とも精神で威力が上がる火力スキルが欲しい所さんですが、筆頭スキルの【専心】は一つの攻撃行動を使い続けることで攻撃力が上がるスキルです。
一回目は補正無し、二回目に精神値の10%が攻撃力に加算され、最終的に10回で80%まで基礎攻撃力が加算されます。
これにクリティカルが発生するととんでもない火力が期待できますが、”一つの攻撃行動”と言う範囲がキツく、パイルバンカーでは
さらに言うとパイルバンカーは爆発と薙ぎ払い以外範囲攻撃が無いので雑魚敵に群がられると面倒です。
射出突きを強化したくともそれをするには射出突きのみを当て続ける必要があり、射出突きは隙が非常に長い。私はTASさんではありませんので普通に攻撃した方がダメージが出ます。
ですので【専心】をパイルバンカーに付けるのはあまりベターな選択とは言えないでしょう。
ちなみに最大限活用したい場合はハンマーか大剣がおすすめです。
ダッシュ攻撃が威力が高く、どちらも衝撃波が出てある程度の範囲攻撃なので前後にステップしながら餅つきしてるだけでとんでもないダメージが出せます。
【専心】やそれを十分に高められる精神ステータスを稼ぐのに時間がかかるのでチャート組むのが面倒ですがうまくチャートを組めたら戦闘の難易度をぐっ、と下げることが出来そうですね。
誰かチャート組んで走って見て下さい(他力本願)
ほかにも精神値を参照して攻撃力が上がるスキルはありますがどれも副次的な物であり、成長点の無駄なのでイベントで付いたらいいな、ぐらいの気持ちで行きます。
そもそも【ペルソナ】が精神を参照する狂気耐性スキルですから腐ってません。モーマンタイ。
さて、対抗授業は成功したので次からはステータス上げが出来るので全部のステータスが直接少しづつ上がる組手を選択し続けましょう。
ここで明らかに力や体力等が低い場合は素振りや走り込みを選択して修正しておきます。
組手はチームの中でランダムに組んで余った方と戦います。
多少時間はかかりますが上がるステータス値合計は断トツです。
遅延行動を取るキムが仲間になるようお祈――
【「そこのお前」】
【「1から12の中で好きな数字は何だね」】
あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!!)
【『>・1』】
【『 ・2』】
【『 ・3』】
【『 ・4』】
【『 ・5』】
【『 ・6』】
【『 ・7』】
【『 ・8』】
【『 ・9』】
【『 ・10』】
【『 ・11』】
【『 ・12』】
選択肢がうるせぇ!
チッ……(ニチャ)やっぱり来ましたか。
エクスカリバーとヒーロに絡まれました。
この選択肢は12を選ぶとクソ長いテキストが見られるだけで特に意味はありません。
連打で1を選択で構いません。
【『>・1』】
【「バカめ! 君に選択権などない」】
【「私の伝説は12世紀から始まったのだ」】
うるせぇ!(TKNUC)
【「無礼者に教育してあげよう」】
【「伝説を垣間見たまえ」】
可及的速やかに殺してくれ(敗北主義者)
【「さぁ、伝説を刻んであげよう」】
【「この、ヒーロ・ザ・ブレイブがね」】
オッスお願いしま~す(快諾)
【「伝説を刻んであげよう」】
【「伝説を刻ん【「伝説を刻んで【「伝説を【「伝説を【「伝説を刻んであ【「伝説を刻んであげよう」】
うるせぇ!
アピール連打してないで攻撃して来い!!
なおこちらから攻撃しても回避されてまた煽られるだけなので(回避後は確定アピール)攻撃してはいけません。
このにらめっこが3分続くこともあります。
地獄か……
【「ヒーロ・ザ・アトミック!!」】
おっ、25秒ですか。割と早い方です。絶対にアピール一回はしてくるので最速は多分5秒くらいでしょう。うざいので検証はしてないです。
【「ヒーロ・ザ・アトミック!!」】
【「ヒーロ・ザ・アトミック!!」】
止めろめろめろヒーロめろ!!
ホモ君のライフはもう0よ!
【「これが伝説さ」】
だ↑ま→れ↓!
ハァー……(クソデカため息)
余計な精神力使いましたね。
スキルを見て余計な物が付いてないことを確認したのでようやく一息付けました。
今度こそ授業で組手を選んでお祈りします。
おっ、初回のパートナーはキムジャクリーン姉貴ペアになりました。幸先いいですね。
キリクとオックスが敵チームとなりますが、キリクについては左右で属性が違うのでポット・オブ・サンダーのスタンに引っ掛からないように、オックスは雷王震の予備動作にしっかり反応して回避しましょう。ペグ君が直感持ってるのでこちらはあまり問題ないでしょう。
いざ鎌倉
ゲージ溜めて共鳴連鎖発動してぶん殴って突き刺して、終わりっ!
(ステ値上昇合計値が)うん、おいしい!
これを繰り返します。エクスカリバーはもう出ないので安心!
同じ生徒とはいえデスサイズなのにみっともなくガチでやって恥ずかしくな
今回はここまで、ご視聴ありがとうございました。
――――――
――
「伝説の聖剣……エクスカリバー……」
「聖剣のパートナーに……”英雄”に成れれば……もう僕を誰も馬鹿に出来ない」
「やるぞ!!」
◆
今日もブラック☆スターの技の実験体から始まりパシリや雑用押し付けに走り回り一日が終わる。
そんな灰色の毎日も今日までだ!
僕は図書室で借りた”聖剣伝説”を頼りにエクスカリバーが眠るとされる悠久の洞窟へたどり着いた。
そして決意を胸に洞窟に入る。
薄く水の張った道を進んで行くと、円く少し開けた空間に出た。
洞窟の最深部で在ろう空間の中心には神々しい剣が突き刺さっている。
これが……
「聖剣エクスカリバー……」
「――悩める若人が伝説の色香に誘われてまた現れたようだ……」
空間を支配するようなプレッシャーの中良く通る声が洞窟に響いた。
「私の武勇伝を聞かせてあげよう」
◆
「うああぁあぁああぁ!!」
「フフフ……残念な人たちだ……
今まで僕を馬鹿にしてきたツケだよ」
僕はエクスカリバーと契約を果たした。
たった1000の項目を守るだけで”勝利”と、”栄光”が手に入る。
たった今から灰色の毎日は過去となり、これからは約束された伝説が待っている――。
「ヒーロ・ザ・アトミック!!」
まず初めに愚かにも伝説に突っかかってきたブラック☆スター、デスザキッド、キリクルング。校内きっての武闘派3人を軽くのしてやって死武専をしめた。
さらに――
「キャアアアァアア!!」
「ただののぞきじゃない
伝説的のぞきだ」
存在感を示すために僕を下に見ていた女子が集まっていた更衣室に侵入した。
この僕の未来には栄光への架け橋が架かっている。
僕は選ばれたんだ!
素晴らしい毎日だ――
「ん! あそこにいるのは僕をいつもパシリにしている女子ではないか
エクスカリ――」
「……」
我が相棒伝説の聖剣エクスカリバーの様子がおかしい……
パシリにしている女子の方を向いてはいるが視線が少しズレているような……
「エクスカリバー?」
「――気に入らんな……」
「え?」
「力の……いや、外部のか?
何処のどいつかは知らんが――少し灸を据えてやるとしよう」
「エクスカリバー……?」
「ヒーロ、あの黒目黒髪の小僧は誰だ」
エクスカリバーがステッキを向けた先には先の女子と会話している男子生徒の姿があった。
僕はその生徒の事を良く知っている。
「あぁ、今はまだ生徒に籍を置いているけれどデスサイズスの一人、北条 基だよ。
面倒見がいいヤツでね。僕もよく勉強や特訓を見てもらったよ」
しかし気に入らないとは……? 数日の付き合いだけれどエクスカリバーが基のような人間が嫌いと言う訳でもないだろう。
それに素で悪感情を表に出しているエクスカリバーは初めて見る。
「行くぞヒーロ、項目通り三歩後ろに付くことを忘れるな」
「あっ、待ってよエクスカリバー」
そう言うとエクスカリバーはまっすぐと基の元へ向かった。
「そこのお前
1から12の中で好きな数字は何だね」
「え?」
「バカめ! 君に選択権などない
私の伝説は12世紀から始まったのだ」
「えっと……」
「無礼者に教育してあげよう……
伝説を垣間見たまえ」
そう言うとエクスカリバーは武器化し僕の手に収まった。
「エクスカリバー? 彼は礼儀正しく、仲間思いのそこらの小石とは違う人物だよ?」
「小僧そのものが問題ないのは私も分かっている。誰だと思っている
少し取り決めに障るかもしれんが……放っておくよりはいいだろう」
基には問題がない? じゃあ……
「周りが問題なのかい?」
「そうだ。しかし、詳しく知る必要はない
伝説的な私が吹き飛ばしてやれば目が覚める可能性がある、とだけ知れ」
「そうかい……」
なるほど、朱に交われば赤くなる
あの頭の軽そうな女子にいいように使われているかもしれない
冷遇時代から良くしてくれた友人の危機を救う僕
まさに勝利と栄光の伝説の英雄ヒーロの伝説の一ページ!
「基……僕が助け出してあげよう……」
「えっと……ヒーロが本気で気遣ってくれてるのは分かるけど……
何の話? 勘違いしていないかな?
本当に決闘しないといけないのかな?
一応デスサイズだから立ち合いはいらないけど……」
「ふっ……構えてよ……
今までの僕じゃないことを君に見せたいんだ」
「んー……
言ってきかなそうだしそれならま」
「行くよ!」
僕は瞬時に距離を詰め横薙ぎにエクスカリバーを振るう
基はそれを体勢を低くすることで躱し、後ろに転がり距離を取る
僕の一閃の速度は光にも食らいつく。見てから回避は不可能だ。
と、言うことは突進の体勢から正確に次の攻撃を読み取って見せたに他ならない
さすがだ
「ちょ!
いまペグ居な……」
「貰ったぁ!」
先ほどの一閃よりも速度を重視した突きを立ち上がりの体勢の基に放つ
剣先は基の肩に吸い込まれる
当たった!
「危っ……ないなぁ!」
「何っ!?」
確かに当たったはず……手加減したとはいえ速度は本気も本気だった
エクスカリバーに手ごたえは感じない、時空間全てを容易く切り裂くからだ
直撃したはずの基の肩をよく見ると出血していないどころか服に綻びすらない。ならば……
「当たっていない……?」
「まぁね……」
素晴らしい、さすがは伝説が築かれる前から僕の親友でデスサイズであった基だ
「まぁヒーロは予備動作とか読みやすいし……
と、言うか酷くなってない? 大仰と言うか……」
伝説的攻撃を二度も防ぐ、伝説級の偉業だ。伝説の周りには伝説が集まりやすいのだろうか
「パートナー……に選んだ人物にちょっと思う所はあるけれど――
が、出来て嬉しいのは分かるけれどちょっと羽目を外しすぎじゃないかな……」
これは僕も本物の伝説的必殺技で答えるしかない……!
「行くよ! これが僕の伝説的必殺技だ!」
「あぁうん、聞いてないのね……」
エクスカリバーと魂を共鳴させ刀身に波長を込める。
これは基の
……もしかしたら僕と基がパートナーになり伝説を築く
しかし! 僕は君の教えを胸に伝説の階段を駆け上る!
「これが、僕の、決別の一撃だぁ!」
「ちょっと……これはまずいかな……!」
「ヒーロ・ザ・アトミック!!」
魂の波長が吹き荒れ、黄金の爆発が僕の背を叩く。
そして背後に響く金属音……
金属音?
「驚いた……」
そこには全身武器化し、アトミックを防いだ基の姿があった
「ぐ……うぐ」
武器化を解くと満身創痍の基が現れる
大ダメージで立つことすら出来ていない
しかし……
「僕の伝説的必殺技に耐えるとは称賛に値するよ」
「ざっけんな!
いきなりいちゃもん付けて不意打ちかましてきたのはそっちじゃんか!!」
「キム……私の後ろに……!」
新たに生まれた小さな伝説に心でうれし涙を浮かべていると基の悪い友人の女子たちが噛みついてきた
大方、寄生先の一つが僕にいいようにされているのが面白くないのだろう
しかし、そんな悪を断じるのも伝説の役目!
「エクスカリバー……ぁ?」
不意にエクスカリバーが武器化を解き、僕の手から離れる。
そして神々しい伝説的後光を纏うと浮かび上がり――
「
基に追撃を放った
「エクスカリバー!?」
「ああっ! 基?!」
「オイふざけんな! やりすぎだろアレ!」
二回、三回と爆発が重なり基を空中に巻き上げる
舞い上がった体はやがて重力に引かれ大地へと転がった
伝説的な僕の友だとしてもさすがに心配になるダメージだ、女子に続く形で僕も基へ駆け寄った。
「基! 大丈夫!?」
「頭揺らすな、変な呼吸してないか?」
「ぐ……ぅ……」
なんと! 伝説的な僕とエクスカリバーの猛攻を受けてなお意識があるとは!
うつ伏せに這いつくばり顔も地面から離せていないが目には強い意志が宿っており基が全く折れていないことを雄弁に物語っている。
「すばらしい……すばらしいよ……」
僕はあまりの感動に涙を流し拍手をしていた
「っ……! テメェ……!」
「待ってキム、まずは基を保健室に……!」
「わかってるよ! タンカ……ねぇのか
ゆっくり仰向けにして、上持つからそっちは脚持て」
女子たちは基を保健室まで運ぶようだ
僕も同行し、基に伝説的なエクスカリバーの話の数々を教えてあげたかったがそろそろ朗読会の時間だ
武勇伝の披露はまたの機会に取っておくとしよう
「あれでも祓えんか……力の……いや、あやつはそこまで粘着質ではない……
規律に伝えるか? いや、放っておいているならそう言うことだろう……」
「エクスカリバー?」
「ふん、どちらにせよ子供をいいように使い自分は裏に潜む様な者に大したことは出来んだろう」
「……」
「行くぞヒーロ
朗読会の時間だ」
「あ、うん 分かったよエクスカリバー」
「そうだ、ほうじ茶が切れていたな
帰りに買ってイッキシ 行くイッキシ ぞイッキシ」
「……」
「心配するなただのくしゃみだ
イッキシ
イッキシイッキシイッキシ
イッキシ」
なんだコイツは
くしゃみを連続でするなんて考えられない
駄目だコイツ元の洞窟に戻しておこう
――――――
――
「お、揃いましたね」
今日はアラクノフォビアに対する対抗授業、その実技の初日だ
僕達のチームは僕をリーダーにメンバーは僕のパートナーの基、キムさんの組、キリク君の組、オックス君の組の4つの組で一班になる。
「じゃ、授業の内容ですが……集まった班の中のパートナー組で共鳴を行ってください。
さらに組の間で共鳴した状態のまま班の間で共鳴を行います
難しい技術ですが……あなたたちなら習得できるでしょう
これはセンスの問題なので最初からどうこう言われると
逆に習得しづらくなってしまう可能性があるので
まず最初は手探りでやってみてください
では、私は他の生徒たちに説明してくるのでさっそく始めちゃって下さい」
そう言い残しシュタイン博士は他の班にも説明するためにこの場を去った。
僕たちはまずどういったアプローチで授業に臨むか意見をすり合わせていた。
「つってもやる事決まってんだからよ、良い感じに
「それはなんとなくで波長合わせられるキリクだけでしょ」
「キムの言う通りですよキリク
波長がズレた時誰に合わせるのか、修正するときのリズムの戻し方など決めておくだけでやりやすくなります。」
「そうだね……基はどう思う?」
「う……ん、キリクは探知が鈍いし肌で感じないとわかりにくいだろうから
まず僕達とキリク達でやってみて、うまくできたらキム達を入れて
僕たち、キリクの順で共鳴の輪を繋ごうか、キリクはコツを掴んだら早いしすぐフォローに回れるようになると思う
その後もうまく行ったらオックスも入れて同じ順番で。
どうかな」
「うん、いいんじゃないかな」
話がまとまり、キムさんとオックス君が邪魔にならない程度に距離を取る。
そしてキリク君と向き合いまずはパートナー同士で共鳴を始める。
「とりま、そっちに合わせるぜ?」
「ううん、僕達はもう似たようなことやってるから……
キリク君は自然体で居て」
「マジか?」
「あぁ、やっぱあれってそうなんだ」
基との非接触共鳴は共鳴連鎖とよく似ている。
厳密にいえば共鳴連鎖は魂の波長のやり取りは副次的な物で主目的は魂での繋がりによる高次元な連携だ。
普通の共鳴が自分の分を足していくバケツリレーなら共鳴連鎖はバケツ同士をホースでつないで疑似的に一つに見立てている。
一方僕たちの共鳴はバケツの水を放り出してバケツで受け止める行為だ。
当然ながらロスが大きい。基の高い魂感知能力と波長操作によって何とか形になっているだけだ。
今回は波長を投げ渡す必要はない。ただ、波長を感じて、共鳴すれば良い。
「と、言う訳だから
準備は良いかな?」
「おう、もうバッチリだぜ」
共鳴で高まった……何と言ったらいいか……魂の感覚を
基の力も借りて手を伸ばして触れる様にキリク君へ伸ばす
キリク君の波長と触れた、と感じたらビリビリと体と思考の同期がズレるような気分に襲われた。
気持ち悪い
その感覚を拒絶しようとする瞬間にとん、と隣にある魂を強く感じた。
何千回、いや何万回と共鳴した基の魂。
基の魂を強く感じることでズレの感じ方がだいぶ改善された。
基が間に入ってくれたおかげで冷静に分析することが出来る。
この感覚は、キリクの見ている世界だ
繋がることで他人の感覚を理解できてしまい、自分の世界とのズレで酔ってしまう。
無理に、自分に当てはめて理解する必要はない。
ただ、信じて受け入れて
相手も信じて自分で居ればいい
「すっ、げ……」
キリク君の声が自分の内側から聞こえた気がした
「まずは成功、かな」
「うん……これで戦えっていうのはまだ難しいかもしれないけど」
「いや~やっぱさすがだな
さらっとやっちゃって
次私だっけ?」
「おう! いつでもいいぜ
タイミングとリズムはなんとなく理解した」
「むしろ僕らは次の方が楽かもね
いっつも組手してるから波長とか慣れてるし」
軽口を叩き合って少し笑いあった後、キムさんは表情を引き締め、目を閉じ波長操作に集中する
僕達も集中しつながりを意識しながら接触の瞬間に備える
来た
凛々しくて、ちょっと棘があって、でも、優しくて、何かに怯えて、あきらめて。
本当に基の言う通りで、少し笑ってしまった
それが、共鳴したようにまた笑いが伝染する
「な……なんですか?
大丈夫なんですかこれは」
「ハハ、
何て言ったらいいか……
でもま、すぐ判るさ」
「……まぁ行きますよ
ペグ、キリク、キムの順でしたね」
「さっさとしな~
マジ言葉じゃ伝わんない凄さだかんな
ひひ~」
一呼吸おいてオックス君の波長と共鳴する
真面目で、冷静で、だけど熱くて、まっすぐで。
波長が安定したので次いでキリク君、キムさんと共鳴連鎖が移る。
9人の魂が繋がりそれぞれの意思が混ざり合う
驚き、興奮、喜び、全能感、信頼、自信、喜び、不安、安心、喜び、闘争心、喜び、喜び――
……って伝わってくる感情の比率が偏っている
特にオックス君の喜色が凄い
「……オックス、キモい」
「はぅあっ!」
キムさんの言葉に刺されオックス君が轟沈し共鳴が綻び連鎖が途切れる。
……いやまぁ、気持ちは分からなくもないけど……
気を取り直して共鳴連鎖を繋ぎ直す
今度は皆一斉にやってみる。
少し不安だったけれど、何とか破綻せずに全員いっぺんに連鎖を繋ぐことが出来た。
「ふむ……軽く動く分には問題はありませんが……
戦闘中など高い負荷が掛かった場合にどうなのか不安ですね」
「あー、まぁ授業はとりあえず出来るようになれって話だからまずは良いんじゃね?」
「でも”対抗授業”、なんでしょ?
戦えなきゃ意味ないよ」
「うーん……2-2に分かれて摸擬戦とかやっておこうか」
「そうだね……じゃあ最初の――」
「驚いたな……」
次の特訓の内容を考えているとシュタイン博士が戻ってきていた。
「一週間の内早くとも2、3日はかかると踏んでいたんだが……
初日……しかもこんな短時間で共鳴連鎖が出来るようになるとは」
「シュタイン博士」
「へへっ」
「博士、この後の授業はどうなるのですか?
とりあえず2-2に分かれて共鳴連鎖中の戦闘行動がどのような物か
確認しようという話になったのですが……」
「そうですね……
最終的にそうした方が良いでしょうが
今すぐにそういった行動をすると共鳴連鎖に良くない癖が付く可能性があります。
今日のところは共鳴連鎖の発動、維持について習熟してください」
「分かりました
付きましては、内容についてアドバイスが欲しいのですが……」
「まずは今まで通り輪になって行ってください
そして起点人を決めます、そして起点人が合図無しで共鳴連鎖を始めてください。
その後30秒連鎖を維持、そして解除をします。
次の起点人は好きなタイミングで連鎖を仕掛けてください。
急な共鳴連鎖に対応、維持できるか、これで鍛えられるはずです。
これぐらいなら変な癖は付かないでしょう」
「ありがとうございます、博士」
「二日目からは2-2に分かれての摸擬戦も許可しましょう
ちゃんとローテーションを組んで固定化しないように
あ、場所の調整もあるんで今日はくれぐれも先ほどの内容でお願いしますね」
そっか、戦闘にもなれば周りの生徒に影響が出ちゃうか
始める前に博士が見に来てくれてよかった
「それじゃ、私は他の生徒の説明が残っているので
……期待していますよ」
そう言い残しシュタイン博士は去って行った。
「へへ、期待してるってよ」
「まあね、お金持ちに成る為にはこんなところで躓いていられないし
同然よね」
「さて、じゃあさっきの方法を試してみようか
起点の人はまずキリクから時計回りで」
その後の内容も難なくこなし、通常での共鳴連鎖はマスターしたと言ってもいいほどの練度になった。
明日からは分かれて2組で共鳴連鎖しながらの摸擬戦になる。
とりあえず放課後のキムさん達との特訓は共鳴連鎖しながら激しく動けるかを重点的に確認した。
◆
授業がうまく行って、油断していたと言われればそうかもしれない
でも、これはどうしようもないと思う……
僕は基が倒れたと聞いて保健室に走った。
保健室まで行くとジャクリーンさんがドアの前に立っているのが見えた。
「ジャクリーンさん! 基が倒れたって……!」
「あぁペグ、そうなのよ
いきなりヒーロの奴が突っかかってきて……」
ヒーロ。EATクラスの職人で今だ固定パートナーが見つかっていない人だ。
良く基が気に掛けている生徒の一人で、気が弱そうで良く事を押し付けられている。
もし僕が基と出会わなかったらこうなっていたかもしれないと、僕もヒーロの事は気に掛けていた。
しかし、数日前に聖剣を手にしてから過剰に自分を押し付け、何でも力で解決しようという動きが強くなった。
死武専の校風的に
基は、「急に力が手に入ったから気が大きくなっているだけ、少しすれば落ち着くよ」と言っていたけれど見通しが甘かった。
現にわずか数日で友人を保健室送りにするまでエスカレートしている。
……いや、これは僕の個人的な気持ちか
死武専では生徒同士の
「それで、基は……」
「えぇ、それは大丈夫
打撲と少しの火傷、あとは脳震盪でしばらく寝てればよくなるらしいわ」
「入っても大丈夫?」
「え!?
そ、そうね……えーっとぉ……
んん"っ……んっんんっ」
ジャクリーンさんはなぜか咳払いをし始めた
いや、処置中だったりしたら入らないし駄目だったら待つけど……
「どうしたの?」
「いやちょっと……
そうね、ちょ……っとだけ待っててもらえるかしら」
「うん、分った
治療中なの?」
「……ちょっと、わからないわね、ぅん……」
「……なんで?」
何か隠している
嘘について基相手ほど判るわけでは無いがわざとらし過ぎる
多分キムさん関連だとは思うけど……
そういえば居ない……中にいるものだと思っていたけど、そうなると僕が入れない理由が分からない。
キムさんは特に医療班ってわけでもないし、治療を手伝っているわけでもなさそうだし……
「シュタイン博士は何て?」
「あ、えぇ、さっきも言ったように
安静にしてればじき良くなるって」
話を逸らせてあからさまに安堵している。
それに処置自体は終わっているようだし処置中だから入れないことはない様だ。
ますます言葉を濁す意味が分からない。
「それで、キムさんは」
「あ、あー! そうねー!
そ、そろそろ出てくると思うんだけどー!」
いきなり声を大きくして中に聞こえるように話す。
やはり中にキムさんが居るようだ
……キムさんは中で何をやってるんだ?
「あの」
「外でごちゃごちゃウルセーんだよ」
「キ、キム」
あ、出てきた
「普通に見舞ってただけだっつぅーの
ノックして入ってくりゃ良いだろーが
……そりゃ私らしくないかもしれないけどさ
……基には感謝ぐらいはしてるさ」
ああ、それで
キムさんは身近な友達には何も言われていないが
口さがない人たちには拝金主義者とか金だけで動いて人を護る心が無いとか色々悪口を言われている。
ジャクリーンさんはそんなキムさんのパートナーだからデスサイズの基が負けて少しパニックになって対応が少しおかしかったのだろう。
そういうとこあるし
「……うん、それで基は?」
「なんともねーよ
20m位の高さから落ちた時はマジビビったけどな
多分もうすぐ目ぇさますんじゃねーの」
……それは聴いてない
「じゃ、私ら帰るわ」
「あ、うん!
運んでくれて、ありがとうね」
「……じゃーな」
「どういたしまして、それじゃあ」
キムさんたちを見送り、保健室の中へ入る。
ベッドに横たわっている基は少なくとも外傷は見られなかった。
「ん……」
ベッドの横の椅子に腰掛けると、すぐに基は目を覚ました。
「あ……ペグ……
ごめんね、負けちゃったよ」
「そんなことは良いよ
体は大丈夫?」
「ああ、もう何とも無いさ」
そう言いながら基は体を起こす
動作を見る限り無理している様子は見られない
「ジャクリーンたちは?」
「もう帰ったよ」
「今……
うわ、1時間ぐらい経ってるのか」
「明日、多分授業で摸擬戦することになると思うけど、大丈夫そう?」
「もちろん
まだちょっと怠いけど明日には治ってるさ」
「無理はしないでよ?
それじゃ、僕も戻るから」
問題無いようだし、一応念押しして僕も退室した。
◆
翌日、基は問題なく全快し僕の右手に収まっている。
「さて、組分けはどうしましょうか」
「あ、それならまず私をペグ達と組ませてくれ
共鳴連鎖しながら戦うのがどんなもんかの流れを掴みたい
いつも付き合ってもらってるから波長合わせんのが楽だからな」
「おし、んじゃオックスは俺とだな」
「では! その次はぜひ僕と!!」
「わかったわかった、どうせ順番だからそんな変わんねぇだろ」
「それじゃ、とりあえず向かい合って連鎖したらスタートで」
位置について、共鳴連鎖を繋げる。
お互い様子を見て、数秒空白が生まれる。
基の杭をリロードした音が合図となり弾かれたように二人が接近してくる。
狙いは僕
キムさんの援護が十分間に合う距離、掛け声はいらない、ただ、波長に思いを乗せて届けるだけで了承の意思が帰ってくる。
「ヴォル……ッ ランタン!」
丁度僕らの間に壁を作る様に炎を放射してもらう
「くっ!」
「チィ!」
キリク君は空中に逃げ、オックス君はバックステップしながら槍を回し炎をかき消す
キリク君は炎よりも高く飛び上がっているため視線は切れていない。
だけどここは、あえて炎を突っ切ってオックス君に向かう。
「っ!」
炎の壁の向こう、計算通り察知してくれてジャストタイミングで振られた雷槍の柄を
「な!?」
瞬間遅れて基が右手を武器に変身させながら炎から飛び出し、槍の射程の内側、オックス君の懐へ潜り込む。
オックス君は踏み込んで右肩側から袈裟気味に振った関係上、体勢を立て直して基に向き直るには左手を離すしかない。
槍の柄も僕が握っているため咄嗟の防御には使えない。
雷王震などの電撃技は溜めが無ければ威力は出ない。
「~~っ!」
オックス君は左手を離しての防御を選択した。
「ぐぅっ!」
波長の乗った射出突きを受け爆風で真横に飛んでいく。
「くそォオラッ!!」
落ちてきながら放ってきたキリク君の炎の手刀を避けカウンター気味にボディへ拳を入れる。
「んぐっ……
ラァ!」
「うっ……!」
やはり僕の素の攻撃じゃ威力不足だ。
ポット・オブ・サンダーの張り手を喰らう。
そこへキムさんの援護が飛んできてまた距離が開く。
「オックス! 大丈――おぉ?!」
キリク君がつい声に出しながら安否を確認すると
そこには左腕を少し掲げる格好――ガードの体勢で腕を胴体に杭で固定されているオックス君が居た。
「だっ……大丈夫なのかソレ!?」
「う……動かせませんねこれは……!」
オックス君が身じろぎするが腕を動かせば胴体が動き、胴体が動けば腕も動く。
片腕でも槍は使えなくも無いがほとんど動きを封じた形になった。
「オッケー
なかなかいーカンジじゃん?」
「ぐあー……
負けたか……
てかこの杭どう対処すりゃいいんだよ!」
「杭の通り道を2点以上作らない、避ける、もしくはより強い波長で砕く……とかかな」
基がそう言いながらオックス君に刺さった杭を波長に還元する。
「砕けんのなんてブラ☆スタぐらいだろ
俺は純粋に波長込めんのそんな得意じゃねーし」
「キッド君も行けるんじゃないかな」
「ああそっか、あの弾魂の波長だっけ」
「と、ゆーか『左だけは気持ちが悪い! 右もやってくれ!』……とか言いそー」
「さすがに戦闘中はそんなこと言わない……と、思う……」
「言い切れないのがまた……」
「で? オックス、もう大丈夫そーか?」
「えぇ! 君の思いで完全復活……いえ、前より元気になりましたよ」
「あー、はいはいさっさとやるぞー」
この後すぐ、キムさんオックス君組との摸擬戦が行われた。
戦闘の内容は、まずキムさんが上空に逃げ、浮き上がるまでの時間をオックス君が稼ぐ作戦で来た。
オックス君は待ちの姿勢、槍を頭上で回し、雷王震の溜めをしている。
対する僕たちは無理に攻めず、一旦キムさんを飛ばせ、出方を伺った。
空中からヒットアンドアウェイするにもキムさんには武器に跨って飛んでいる関係上、中遠距離攻撃手段が無いのでどうしても体当たり等すれ違いざまの近接攻撃になる。
そうなれば二人で固まっている僕達に分がある。それは向こうも承知だろう。
しかしリーチの有利はかなり向こうにある。
この射程の不均衡をどう扱うかで勝敗が決まるだろう。
睨み合いを崩したのはオックス君
溜めは止めずに距離を詰める。雷王震を起点に攻撃を組み立てるようだ。
キリク君に狙いを伝えて動いてもらう。
オックス君の雷王震の範囲はほぼ半円状。特段モーションはいらない。
挟み込むように左右に散って圧をかける。
完全に挟み切る前にキムさんがキリク君へ急降下攻撃を繰り出した。
攻撃の瞬間前方に炎を吹き出し、急停止からのその反動での前宙返りによる後ろからの攻撃。
非常に対処しづらい攻撃だったがキリク君も前転することによって衝撃を緩和し、致命打になることは無かった。
そこにオックス君の追撃が入るが、僕が動くとすぐに追撃に行くを止め、距離を離した。
徹底的にアウトレンジからのヒットアンドアウェイに徹するつもりのようだ。
さすがにこれを続けるのはうまくない。
今度は僕達から接近する。
キリク君にはオックス君をキムさんの間に挟むように突撃してもらう。
僕もわざとらしくなり過ぎないように距離を取りながら突撃する。
オックス君が雷王震の構えを取る。
攻撃範囲内に入る瞬間、キムさんが狙い通り僕に急降下を開始する。
電撃が体を駆け巡る。
耐えられる程度の威力ではあるが、さすがに身が竦む。
その硬直を狙ってキムさんが攻撃を加えてくる。
それを僕は竦んだまま……両手でガードした。さっきと同じ手だ。
キムさんの顔が驚きに染まる。
僕は基をキリク君の方へ投げていた。
キリク君も両手をクロスしてガードしている。そこへ基が電撃が走り終わった瞬間変身を解き、キリク君の腕を踏み台にしてキムさんの横合いへ飛びかかる。
足から杭を射出して脚力だけで飛ぶよりスピードも乗っている。
回避が間に合わずキムさんは脇腹に杭を受けて墜落した。
「あばばばば……」
「大丈夫? はい、っと」
「うぐ……めっちゃ痺れる……」
「逃げられると厄介だから今回は波長が流れ込むようにしたからね」
「クソー……基居る方が全勝すんじゃねーのかこれ……?」
「流石はデスサイズ……立場は同じ生徒ですが格の違いが感じられますね……」
「オイオイ……一回で諦めるような男じゃないぜ?俺は」
「うーん……でもどうすっか……
ちょっと作戦ターイム!」
「うん、分った
5分ぐらいしたら始めよっか」
各々息を整え、少し離れて作戦を立てる。
そして5分経ち、摸擬戦が開始された。
「行くぜッ!」
始まった瞬間キリク君が大地を蹴り距離を詰めてくる。
キムさんはキリク君のほぼ真後ろに付きランタンの鎖を長く伸ばしている。
これでキムさんは隙が大きいが大火力な爆炎を高頻度で放てる。
止めるためにはキリク君を突破しなければいけない。なかなかにいやらしい手だ。
対してこちらは逆にオックス君を先行させ、僕が隙を探り一撃を叩きこむ作戦だ。
2対1ではさすがに不利が過ぎる。僕が矢面に立ちキリク君の猛攻を受け止める。
「うおおぉおっラァッ!」
「えいっ」
キリク君の素早いインファイトに時折飛んでくる援護爆撃。
オックス君に射程ギリギリで戦ってもらって、うまく射程の不均衡を押し付けてもこの勢いだ。
こちらのミスや動きの読み違いなど少しの差で天秤が一気に傾きかねない。
隙は無くはない。少し無茶をしてかなりのダメージ覚悟で杭を打ち込みに行くかと考えながら
右手側から飛んできたランタンを流す様に左へ弾く。
その瞬間、キリク君が鎖を掴み、弾かれたランタンを引き戻した。
一瞬の不意、体が反応せず左肩に直撃を喰らう。
電撃が僕の体を走る。
ポット・オブ・サンダーの電撃を鎖を通して流された。
さらにランタンから爆炎が迸る。
硬直している体で爆発を受け脳が揺れ、平衡感覚が薄れて足元がふわつくが何とか受け身を取り、体勢を立て直すが、ワンテンポ動作が遅れている。
そこへキリク君の右のストレートが迫る。
少し離れた距離を助走に使い、オックス君をキムさんを使って足止めして、誰にも邪魔されず渾身の一撃が放たれる。
「
何とか腕を交差させガードを作るがそれごと体に叩きつけられる。
これを受け止めるのは無理だ。
そう判断して自ら後ろへ飛び、受けた衝撃をいなして回転エネルギーへと逃がす。
1、2回転目は遠心力により頭方向へのGがかかり、視界が赤みがかるが、3回転目に基で地面を打ち、ひねりを加えて半身になりながらスライディングするように着地をする。
杭に波長を込めながらオックス君を挟撃している二人へ肉薄する。
三人の応酬の中に飛び込み、オックス君の攻撃は邪魔せずに、盾としての役割を担う。
先ほどまでのキムさん達の戦法の猿真似だがこれが存外有効的だ。
邪魔になり普通存分に戦えない距離。
しかし共鳴連鎖により”無理をすれば出来る曲芸じみた動き”
から
”思いつけば即興でも出来る程度の動き”になっている。
オックス君の攻撃の隙を僕が、僕の射程不足をオックス君がそれぞれ補っている。
キムさんと連携して懐に飛び込んでインファイトに持ち込もうとするキリク君に杭を引っ込め牽制する。
杭をリロードして生まれるリーチ不足はオックス君に補ってもらう。
相手方も体勢を立て直し、間の空間には電撃と炎が飛び散り打撃と斬撃の風が吹き荒れる。
次の一手、僕は強引に踏み込み杭を射出しながら振り上げる。
それはかすりもせず、振り切ったため上体が流れる。アッパーカットをスカして出来た隙に、両手を組んだアームハンマーが叩きこまれる。
電撃と炎が爆ぜ、後ろに居たオックス君も巻き込み吹き飛ばされる。
だけど、それでいい。
さっきのアッパーの時に射出した波長の杭が、重力に負けくるくると回転しながら落下してきている。
吹き飛ばされながら波長を練り、頃合いを見て踏ん張り、落下ポイントで止まる。
基の杭は飛び道具ではない。波長で練られた杭は射出と同時に剥離するが、静止状態で真横に射出してもせいぜいが3~5mほどしか飛ばない。
しかも弾いて飛ばしているだけなので回転しながら飛んでいき、間違っても遠距離攻撃にはならない。
しかし、罠には十分なる。
二人が追い付き、キリク君が拳を振りかぶり、キムさんが後ろからランタンを振り下ろした瞬間、間に波長の杭が落下して突き刺さる。
着地と同時に杭を中心に波長が流れ、二人の足から這い上がり体を硬直させる。
オックス君とは共鳴しているので特段支障はない。
すでに振り下ろされ、慣性で落下してくるランタンをオックス君が危なげなく弾く。
踏み込みながらリロードし、腰を入れて正拳で基を突き出す。
波長の杭はキリク君の腹を突き刺さし貫通し、キムさんも縫い付けて爆発し、吹き飛ばす。
「ぐ……っ ゲホッ」
「いっ……た~」
「ちょっと動かないでね……
はい、もう大丈夫 ほら」
基が駆け寄り、二人を縫い付けている杭を消して、手を貸し立ち上がらせる。
「結構ギリギリでしたね」
「結局全勝は止めらん無かったか……」
「と言うかいっつも思うけど
「別にズルと言う訳じゃ……」
「デスサイズの能力でしょ?
私達デスサイズじゃありませ~~ん」
キムさんが小さい子供のように異を唱えるが、そもそも杭が剥離するのは止められないらしいのでどうしようも無い。
「と、言う訳で基包囲網を結成します」
……ん?
「オックス、キリク、私、対ペグ、を開始しま~す」
「いやいや、さすがにそれは……」
「おもしれぇ
デスサイズと俺たち、どれ
「多勢に無勢……ですが、ぜひ経験してみたいとは思いますね」
「いや、ちょっと……」
「流石に授業中に遊び始めるのは……」
「遊びじゃねぇ! 分断されて一人で戦うことになるかもしれねぇだろ?」
「いやそれは他の授業でやるよ……
今は共鳴連鎖の授業で……」
「私らの共鳴連鎖の練習にはなるから」
「それでしたら先ほどの戦いで思いついた作戦がいくつかあるのですが……」
「おっし、作戦会議終わったら開始だかんな」
「よっしゃああ! やってやるぜー!」
「いや……授業……」
「諦めよう……基……」
その後の戦いではとにかく逃げ回り、壁を張って行動を阻害し、地雷を埋めて各個撃破して何とか勝利した……
そもそもこんな戦いするなら素直に逃げると思う……
虚しい勝利だった……
二回戦目(やめて欲しい)は途中でやってきたシュタイン博士に止められ、説教を受けた。
特にリーダーの僕は統率不足を理由に長く怒られた。
今日はもう疲れたよ……
その日はベッドに入ると気を失う様に寝てしまった。
次の日からはちゃんと指示に従ってくれるようになったから昨日の事は無駄じゃない……
と、思おう……
アラクノフォビアは日に日に勢力を増していっている。
本格的な衝突は、もうすぐそこに迫っていた。
おまだセ
長らくお待たせしてしまって申し訳ナス!
これからまた間隔空くかもしれませんし進捗気になる人は私のマイページにツイッターのリンク張ってあるのでそこからツイッターへどうぞ
書いた時には進捗を文字数で上げています
それ以外はほぼツイートしてないのでフォローする必要はないです
ハーメルン内で急かすと対運される可能性があるので進捗どうですかと言葉をかけたい人もツイッターへどうぞ