朝の生徒会の活動、それは校門での制服のチェックである。といってもそこまで厳しいものでもないので、チェックする側としては有難い。
はずなんだけどなぁ…
「ピサール!胸元が肌蹴すぎよ、上まで閉めなさい」
「え~、暑いのに~」
「ラスト、アルテミス!あなたたちもよ!」
「これが私達の正装よ」
「そうですよ、今日こそあの人を射止めるのです」
「カドケウスとケーリュケイオン!」
「なっ、なに?」
「わっ、私達はちゃんとしてるでしょう?」
「隠しているもの、すべて出しなさい?」
「「……はい」」
毎朝違反者が多い、というか服装が過激過ぎなのだ。胸元が開きすぎたりスカートが短すぎたり、
「おはよう、ラグナログ。本日もお勤めご苦労」
「おはようございます会長、手伝って貰えるととても助かるのですが」
「それは無理だな、校門が人で溢れかねん」
この沢山の生徒を引き連れているマントをはためかせている人とかである。
このマント付きの制服を見事に着こなし、沢山の生徒から歓声を浴びているのが会長のダーインスレイヴである。改造された制服なのだが、実は校則でこの人だけ認められている。…マジである。
「ならさっさと通ってください、ジャマです」
「ふっ、今日もつれないな、我が生徒会副会長は」
なんだろう、この人に会うたびに疲れている自分がいる。カリスマと人望に溢れている会長だが、何故か私に構いすぎな気がしてならない。
「ところでラグナログ」
「何ですか?校門が生徒で埋まって大変なのですが」
「私の物になる決心はついたかい?」
「寝言は生徒会室で聞きますから」
「今、返事を貰いたいな」
これである。そしてここで周りの生徒がキャーキャー言い始める、ここまでいつもの流れでありこれから言う私の返事もその、いつもの流れだ。
「私は誰のものでもありませんよ、ダイン先輩」
「ふっ、それでこそ君らしい」
そのまま優雅に学園に入って行く、正直あんなことを言っていても絵になるのは凄いと思う、尊敬はしないが。
「おはようラグナ!レヴァは来てるかしら!」
「おはようリサ、今日もギリギリだと思うわよ」
「じゃあ、待たせてもらうわ!」
「早く教室に入りなさい」
この子は同級生のリサナウト、いつも妹のレヴァに勝負を挑んでは負けているおっちょこちょいの残念な子だ。
「そうよリサ、ここではラグナの仕事の邪魔になってしまうわ。つまり、レヴァの教室で待つのがが最適解よ!」
「それも迷惑だからやめなさい」
そしてもう一人のポンコツがソロモンである。この子の最適解は大体使えないのは周知の事実である。
「そんなっ!じゃあどこで勝負を挑めばいいのよ!」
「朝の勝負を止めればいいと思うわ」
「もう一つあるわ、それは校舎う」
「ダメよ!せっかくレヴァに勝った夢を見たのよ!」
「ちょっ、私の最適解はこ」
「そうやっていつも負けているでしょ?諦めなさい」
「聞いてっ、私の最て」
「校舎裏はないわね」
「そうね」
「………ぐすん」
あらら、泣かせてしまった。ソロモンは愚図ると長引くのでリサと二人で謝りながら撫でる。大体はこれで落ち着くはずだ。
何故かリサはレヴァへの勝負に拘る。この子は予知夢を見ることが出来、それが起きる確率はレヴァの勝負以外はほぼ100%なのだ。なので本人のプライドが許さないのか毎日勝負を挑んでいる。ちなみに私にもアマネにも負けており、スロウスには負けた上トラウマを植え付けられている。
「そもそもあの子達、朝は一緒よ?」
「ひうっ!…そうだったわ」
「だから放課後にしなさい、それなら大丈夫なはず」
「わかったわ!いくわよソロモン!」
「ええ、わか「おはようみんな!」…ぐすっ」
ああっ、せっかく立ち直ったのに…。
このソロモンの台詞に被ってきた子はガ・シャルク、妹に貞操を狙われている悲しき姉である。
「おはよう、早くしないと追い付かれるわよ」
「そうだったわ!じゃ、また教室で!」
そう言って全力で走っていった、理由が理由なだけに廊下を走るなとは言えない、注意よりも同情が先に来てしまう。というより問題児が来たので頑張って逃げ切ってほしい。
「姉様姉様姉様姉様姉様姉様姉様姉様姉様姉様姉様姉様姉様姉様姉様姉様姉様姉様姉様姉様姉様姉様姉様姉様」
ずっと姉様と呟きながら陸上選手も真っ青なスピードで走っていった。ガ・シャルクの安全を祈るばかりである。
ちょっ、なに!?
邪魔っ……!
ガシャーーーン!!
リサナウトがふきとばされたー!
誰か、保健室に!
「はあ……」
なんとも不運な子である。そう思いながら増えた仕事をするために歩き出す。
今日も平和な学園の1日が始まる。
スロウス「リサナウトに何したって?別に、壁ドンして
抱き寄せて顎クイしただけだよ?」