四宮総司は変えたい   作:もう何も辛くない

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 評価が橙色になりました。何か安心しました。馴染み深い色なので。帰ってきたって感じがする。(笑)

 それと、今回は期末試験の話なのですが、この話は三話くらい使って書いていきたいと思います。


藤原千花は誘われる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば来週は期末テストですね。皆さん、勉強はなさってますか?」

 

 生徒会室にて、かぐやはそう口にした。

 そしてそれは、とある二人の頭脳戦開始のゴングでもあった。

 

「ピ、ピュ、ピュ~…」

 

「吹けてないぞ藤原」

 

 そっぽを向いて口笛を吹こうとする藤原はその事には全く気付いていない。この頭脳戦で一番被害を被っているのは彼女だというのに、その事に全く気が付いていない。

 

「試験勉強なぞ必要ない。そんなもん、普段から勉強していれば必要ないもの。試験前に一夜漬けなんてもってのほかだ。君らはくれぐれも一夜漬けなんてするなよ。体調を崩すだけだ」

 

「…」

 

「そうですね。テストは自分の実力を見るものです。無理に背伸びをして良い点を取っても本来の自分は見えません。自然体で受けるのが一番でしょう」

 

「…」

 

 ほら、テスト前恒例行事が始まった。かぐやと白銀の戦前暗闘(ダーティープレイ)が。

 白銀もかぐやも互いに意識し合う様になってからは特に、一夜漬けしまくってる癖にこれだ。白銀なんてあの顔を見る限り十夜漬けくらいしてるのではないか。肌年齢が三十才程年老いてる気がする。

 

「でも、石上君は少し背伸びしないと不味いかもしれませんよ」

 

「大丈夫ですよ。今回は試験勉強バッチリなんで。じゃあ、僕は帰って勉強でもしますので」

 

「…俺、一昨日偶然新作ゲーム買ってる石上見たんだけど」

 

「っっっっ!!?」

 

「石上君?」

 

「そそそそそれじゃあ僕はこれで!」

 

 慌てて帰っていった。あれは完全に勉強する気ゼロ、ゲームする気満々という感じだ。

 別に本当にゲームを買う石上を見た訳ではない。ただカマを掛けてみただけだ。そしたら簡単に引っ掛かってくれた。

 

「…仕方ありませんね」

 

「何がです?」

 

「いえ、こちらの話です」

 

 走り去る石上の後ろ姿を眺めながら、かぐやがポツリと呟いた。その呟きを耳にした藤原がどういう事か、かぐやに問い掛けるもかぐやはそれを誤魔化す。

 

 それ以降、かぐやと白銀の足の引っ張り合いが再開される。やれ勉強量が点数に反映される訳じゃないから勉強しない手もある、やれテスト三日前からは勉強せず座禅している。よくもまあ、そんな口からデマカセがぽんぽこ出てくるものだ。

 というより、この二人はいい加減この足の引っ張り合いは効果がない事に気が付かないものか。

 

「むむ…、なるほど、解りました!私、勉強しません!」

 

「ほら、藤原が流されたよ。どうしてくれんだ二人とも」

 

「「…」」

 

 じとーっとかぐやと白銀を睨む総司。同時にそっぽを向く二人。何が何だか解らず疑問符を浮かべる藤原。

 

「…はぁ~。藤原、明日から放課後図書室に来い」

 

「へ?どうしたんですかいきなり?」

 

「テストの日まで勉強見てやる。お前、一年の頃からだいぶ成績下がってるだろ。…どっかの誰かさん達のせいで」

 

「?」

 

「「…」」

 

 そっぽを向いたまま動かず、黙り込んだままのかぐやと白銀。そして首を傾げる藤原。

 藤原のどこまでも明るく純真な所は美点だと思っていたが、この様子を見て純真すぎるというのも考えものだなと思い直した総司だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日、早速放課後に図書室で合流した二人は並んで席に座り、勉強を始める。

 元々藤原は学習意欲が高く、性格以外は優等生なのだ。ただ、生徒会に入ってからは例の二人の争いに巻き込まれ、被害を受けているだけで。

 

 そのため、勉強は順調に進んでいた。藤原が解らないと言った所を丁寧に教えてやれば、一度で理解してくれる。普段の授業態度が思い浮かべられる。きっと、真面目に受けているのだろう。でなければ、一度説明しただけで理解する事など出来はしない。

 

「いやぁ~、助かります~。今回のテストで成績下がったら、お小遣い減らすってお父様に言われてたんですよ~」

 

「…なのに勉強しない気でいたのか」

 

「あ、あの時は本当にそうした方が良いんじゃないかって思っちゃったんです!」

 

 ぽわぽわと微笑みながら矛盾する台詞を口にする藤原に、総司は苦笑を浮かべる。

 ホントに、何というか──────

 

(うちの愚妹が申し訳ない)

 

 藤原に言ってもきっと解らないだろうから、心の中だけに留めておく。

 妹の不始末をフォローするのも兄の役目なのだ。

 

「ねぇ、彼処にいるの。総司様と藤原さんじゃない?」

 

「うわ、マジじゃん…!二人で勉強してる…」

 

 そうして勉強を続けている内に、何やら周囲からこそこそと話す声が聞こえてくる様になる。

 総司は勿論、藤原もこの学園では有名人である。そんな有名人二人が、それも異性同士が二人きりで、放課後の図書館で、一緒に過ごしていれば注目の的にもなるだろう。

 

「あの二人、仲良くしてる所たまに見るけどもしかして…」

 

「えぇっ、うそっ…!でも、あり得ない話じゃ…」

 

「…何か、注目浴びちゃってますねぇ~」

 

 ヒートアップしていく周囲の声は藤原の耳にも届くようになる。藤原は僅かに頬を染めながら、苦笑いと共に呟く。

 

「すまん。こうなるかもと考慮すべきだった」

 

「そんな!その、私は気にしてませんから」

 

 気にしてないとは言っているが、頬の赤みが藤原が感じている羞恥を物語っている。

 勉強はここまでにすべきだろうか。少なくとも、今日はもうこれ以上ここにはいられないだろう。

 そして、明日からは何処で藤原の勉強を見るべきか。まず図書室は除外、屋上も論外、あんな暑い中勉強など集中できるはずもない。

 

(…明日からは一人でやってもらうか?多分、もう勉強しないなんて事はないだろうし。…だが)

 

 多分、学校の何処に居ても注目を浴びるのは変わらない。今のように勉強どころじゃなくなるのは目に見えている。

 

 しかし、一度()()()()()()()勉強を見ると口にした以上、その言葉を違える事はしたくない。それならば、どうやって──────

 

「総司君?どうかしましたか?」

 

「いや…。これじゃ勉強に集中できないから、丁度良い場所はないかと思って」

 

 思考を巡らせる。学園内はどこでも人目に付くだろう。選択肢から除外する。それならば、学園周辺の施設で都合の良い場所はあるか。

 

「そうですねー。それなら、総司君のお家はどうですか?なんてー…」

 

「──────」

 

 あははー、なんて笑いながらそう言った藤原。その一方で、総司は雷に打たれたような衝撃を感じていた。

 

 生徒の目に付かず、勉強に集中しやすい場所。あぁ、何という事だ。二つの条件を完璧にクリアしているではないか。そうだ、これ以上丁度良い場所なんてないじゃないか。

 

「藤原の家って門限どうなってるんだ?」

 

「え?えっとー、一応七時までには帰ってこいって言われてますけど?」

 

「…学園から家まで大体十五分。家から藤原家までは三十分くらいか?余裕をもって勉強は六時までという事にして、それなら大体二時間くらい時間がとれるか…?」

 

「あ、あの、総司君?本当にどうしたんですか?」

 

「よし」

 

 予定はまとまった。

 総司は戸惑っている藤原の方を向き、その事について伝える。

 

「藤原。明日からは俺の家で勉強だ」

 

「…ふぇ?」

 

「七時が門限って事だから、勉強会は六時までにしておこう。そうすれば家から藤原家の屋敷まで三十分くらいだから七時までには帰れ…おい藤原?聞いてるか?」

 

 総司の中で固まった方針を藤原に説明し、同意を貰えればそれでいこうと考えていたのだが、何故か当の藤原が固まっている。

 その事に気付き、総司は藤原の顔を覗き込みながら、目の前で手を振る。

 

「おーい藤原~?藤原さ~ん?藤原お嬢様~?」

 

 手を振り続け、同時に藤原への呼び掛けも続ける。

 だが、一切の反応はない。

 

 ただ一つ、唇が小さく動いてるのだけは見える。何か呟いているのだろうか?

 聞こえない藤原の声を聞き取ろうと、耳を澄ましたその時だった。

 

「うぇぇぇぇえええええええ!!!?」

 

「」

 

 藤原が叫び声を上げる。至近距離で叫び声を受けた総司が仰け反る。

 

「あっ、あ…。ご、ごめんなさい!大丈夫ですか総司君!?」

 

 耳を塞いで蹲る総司に寄り添って、慌てて謝る藤原。聞き耳立てた総司の自業自得なのだが、藤原には関係なく、苦しそうな総司に心を痛める。

 

 そして、そんな二人の騒ぎによって更に注目を集める。完全に負の連鎖に嵌まってしまった。

 

「と、とにかく今日はここまでにしよう。明日からは…」

 

「はい…。その…、そ、総司君のお家で、ですよね?」

 

 何やら呆けていたようだが、どうやら総司の話はちゃんと聞いていたらしい。それなら何故、あんな風に固まっていたのか。

 

「…藤原。嫌なら嫌って言「嫌じゃありません!大丈夫です!望むところです!」お、おう、そうか」

 

 実は嫌がってるのでは、と疑ったがどうも違ったらしい。なら、呆けていた理由は一体?

 

(…まあいいか)

 

 いくら考えても答えは出てこない。なら、もう考えるだけ無駄だ。総司は思考を放棄して、机の上に並べた問題集やノート、筆記用具を鞄にしまう。

 

「それじゃあまた明日」

 

「あっ、総司君!玄関まで一緒に行きましょう!」

 

 同じく机の上の問題集などを片付けていた藤原に一言挨拶をすると、藤原からそんな誘いを受けた。

 断る理由もないため、総司は藤原が片付け終わるまで待ち、そして一緒に図書室を出ていった。

 

 

 

 

 

 

 その際、並んで歩く二人に周囲の好奇のものとは違う目で視線を送る一人の生徒には気が付かなかった。




もう何も浮かばないんでここまでにします。
何か浮かんだら気ままに~したいって書くと思います。

最後に一言言わせてください。

ミコ可愛い!
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